釣り立て黒そいで3品
カテゴリー: 料理:釣り魚
船釣りも苦行から解放されて、穏やかな陽射しを浴びながら快適な洋上を楽しめるシーズンになってきました。陸上では花見真っ盛りですが、海の中はまだ冬の真っ最中。海の冬は陸上より2ヶ月くらい遅れるのです。三陸沿岸には親潮が接岸しつつあり、海水温は気仙沼では4℃台、仙台湾でも8℃台です。近場でコンスタントに釣れるようになるのは来月下旬からでしょうね。さて、こんな状況ですが、今日は何が釣れるでしょうか。
洋上の気温は10℃あるのですが、にわかに風が強くなり体感温度は冬のよう。粘って釣り上げたクロソイです。
エビを餌にした一つテンヤで釣り上げました。テンヤも自家製だけに喜び一塩。最近この釣りにハマっています。狙いはマダイなのですが、いまだに姿を見てはいません。^^
このクロソイ、全長40cmありました。さて、どうやって頂きますか。。。
ソイやメバルは身強い白身で、1日冷蔵庫に置いてからの方が、身も適度な硬さになり、旨味成分も増すのですが、翌朝には気仙沼に戻らなくてはならず、釣り立てを料理します。
鱗を落とし、三枚に開いて、各パーツに仕分けします。
頭や鰭の刺が鋭い魚なので注意が必要です。内蔵も肝臓、胃袋、卵巣は料理に使います。
まずは薄造りにして、酒蒸しにした皮、肝、胃袋を添えました。
薄造りといっても河豚のようにする必要はありませんが、釣り立てはかなり身が硬いので3mm位に切っています。
酒蒸しにした皮、肝、胃袋です。
皮と胃袋はポン酢で食べても美味しいですね。
本日は冷蔵庫にあった畑山葵(ホースラディッシュ)で頂きます。
強烈な香りが鼻に来ます。香りは山葵と変わりませんが、甘味は少ないかな。でも刺身にも良く合います。
これが美味いんですよ。肝を身で巻いて山葵を乗せて食べるのです。
さっぱりとした白身ですので、肝の濃厚な旨味を合わせるのです。
頭やカマ、中落ちはアラ炊きにしました。
蕎麦用に調製しておいた本返しで炊きました。庭の山椒も芽吹いていたので天盛りにします。頭やカマの外皮には熱湯を回しかけてから流水で滑りを取り去りますと臭みがなくなります。
これこれ。目の下の筋肉が烏賊のような弾力で美味しいのです。
頭の部分は意外なところに肉が付いていて、探りながら食べ進むので楽しいのです。もちろん骨はしゃぶります。^^
カマの胸鰭の付け根から発掘されたソイのソイです。^^
鯛ですと鯛の鯛と言って珍重するのですが、類縁の遠いソイでも同じ形をしています。
三品目はポワレにしました。即興で箱買いしてあったデコポンと裏庭の行者大蒜でソースを作りました。
行者大蒜の軽めのニンニク臭とデコポンの柔らかな酸味が良く合います。このソースはポワレしたフライパンにデコポン果汁を加え、バターを一欠片落として煮詰めます。仕上がり際に行者大蒜の微塵切りを加えて出来上がり。
魚のポワレは皮目をカリッと仕上げるのがポイント。
軽く塩胡椒をしてから小麦粉を薄く振り、皮目から押し付けるように中火でじっくり炒めていきます。
釣った魚は美味しく食べて弔うのが私の流儀。ですから食べ切れない魚は持ち帰りません。本来のキャッチ&リリースは、美味しくて釣り過ぎにより資源が枯渇するのを防ぐための管理手法です。キープする魚を確保したら、私もキャッチ&リリースしています。殺めた命には敬意を評して、美味しい料理にしてあげましょう。自然の恵みにも感謝しながら。。。