【塩竈市】牡蠣に合う日本酒を楽しむ会
カテゴリー: 外食:その他
牡蠣の美味しいシーズンになってきました。ペロンと食べてしまいたいふっくらとした牡蠣ですが、生牡蠣に合うお酒はなんでしょう。欧米では昔からワインですが、渋みの強いフランスガキ(ヨーロッパヒラガキ)には、よく合いますが、甘味の強い日本のマガキにはやはり日本酒も合うように思えます。先日(3月21日)、牡蠣と日本酒の相性度を確かめるイベントが塩竈のマリンゲートで開催されました。
参加者のうち、牡蠣開けが出来る方には積極的に参加していただきました。
本日、召し上がって頂く牡蠣は松島湾内で幼少期を過ごし、その後、栄養豊かな鳴瀬川の沖合で育った鳴瀬の牡蠣です。軍手も用意したのですが、皆さん素手でやってますね。大丈夫だったのでしょうか。
開会に当たり、この会の企画者である×SAKEプランナーの木村光さんからご挨拶と開催趣旨の説明がありました。
×SAKEとは、日本酒と何かを合わせて足し算ではなく掛け算の効果を期待するものです。その一環として、今回は牡蠣との組み合わせ楽しむものです。ここには牡蠣生産者、蔵元、牡蠣と日本酒の愛好家、牡蠣を扱う流通・飲食店関係者そして牡蠣の研究者が一堂に会しました。
この場をお借りして、現在、取り組んでいる新しいタイプの宮城の牡蠣をご紹介させて頂きました。
どちらも天然のシングルシードを使った一粒ガキなのですが、大きく経歴が異なります。下左側の白い河原の石ころのようなのは先日もご紹介しましたあたまっこ牡蠣です。干出時間を長くした厳しい環境で育て、波でお互いがぶつかり合うため表面が磨かれます。成長は遅くなりますが、身が締まり旨みも濃くなります。
一方、下右側はまだ、名称を付けておりませんが、あたまっことは逆に干出を与えず、穏やかな環境で箱入り娘のように優しく育て、満1年の産卵前までに出荷する未産卵牡蠣です。産卵を経験していないのでライト&メローな味わいで生牡蠣初心者に良いかも知れません。早くネーミングをしないといけませんね。。。
試食試飲の前に担当する研究者からそれぞれの牡蠣についての説明を受けます。
都会では牡蠣は家庭で食べるものから、料理屋やオイスターバーで食べる嗜好品になりつつあります。それを食い止めるために料理教室で牡蠣料理の紹介にも力を入れているのですが、大きな流れにも応えるために、業務用として多様な牡蠣も作っていかなければなりません。
鳴瀬の牡蠣について、生産者である(有)奥松島かき鮮の渡辺さんからご説明を頂きます。
鳴瀬の牡蠣は流域人口の比較的少ない鳴瀬川の影響を受ける豊かな海域で育てられるため、周辺の牡蠣よりふっくらするのが速く、甘みが強いのが特徴です。
続きまして、この会に協賛頂いています浦霞醸造元、(株)佐浦の佐浦社長より直々に試飲致します5種の浦霞についてご説明頂きました。
この日のためにタイプの異なる5種類のお酒をご用意頂きました。この会は木村さんが企画した「牡蠣に合う日本酒を楽しもう!in 松島湾ツーリズム」の一つのイベントです。本年度はこれで5回目で、寒風沢島で酒米を植えるところから始まり、佐浦さんでそれをお酒に醸造する体験もしてきました。次回でいよいよそのお酒が楽しめるそうです。
さて、日本酒とのマッチングを始めます。牡蠣は生と蒸したものを用意しました。お酒が5種類で牡蠣料理が2種類ですから、10通りの組み合わせを評価してシートに書き込みます。
木村さんによりますと、酒と食べ物を相性を調べるには、まず、①酒を口中に含み飲み込んでから、その余韻で食べ物を味わう。次に②先に食べ物を食べて、その余韻に酒を流し込み相性をみる。最後に③両者を同時に口に入れ咀嚼しながら味わう(口中調味)。。。のだそうです。 この要素も組み合わせると30パターンになってしまいますので、酔い潰れてしまいます。今回は③辺りで評価して頂きましょう。
マッチングの結果ですが、以下のようになりました。数字は合うと答えた人数を示します。あくまでも好みの問題ですが。
お酒の銘柄 | 生牡蠣 | 蒸し牡蠣 |
特別純米酒 生一本浦霞 | 10 | 2 |
純米酒 浦霞 | 0 | 1 |
純米辛口 浦霞 | 3 | 6 |
純米吟醸 浦霞禅 | 8 | 7 |
純米吟醸生酒 浦霞春酣 | 1 | 3 |
今回の結果からは、生牡蠣では生一本浦霞や浦霞禅、蒸し牡蠣では純米辛口浦霞や浦霞禅が合うと感じた人が多いことがわかりました。
宮城の特産である牡蠣と宮城の地酒である浦霞を使ったイベントでしたが、皆様、日本酒と牡蠣の相性を体感されたことと思います。それに同じ浦霞でもまた相性も微妙に違うことがわかってきました。今回は私にとっても大変貴重な経験となりました。今後も継続的にこのようなイベントを当地で開催できたらと思っております。もちろん、このあとは本格的な呑みに繰り出したのは言うまでもありません。牡蠣や日本酒に関係する方々の集まりですからすぐに意気投合されて情報交換も兼ねた夜は深々と更けていったのでした。