仙台セリ鍋愛好会 in 太左ェ門
カテゴリー: 外食:居酒屋・割烹
仙台セリ鍋は牛タンに続き、仙台の名物料理として今まさに全国に羽ばたきつつあります。このセリ鍋を家庭料理から料理屋料理にまで高めたのは、名掛丁センター街の居酒屋いな穂さん、そして名取市のセリ栽培農家の三浦隆弘さんの貢献が大きいのですが、それらを支えてきたのは「仙台セリ鍋愛好会」の活動でしょう。この日は愛好会の会長である板橋知春さんにその真髄をご教示して頂きます。
この日、お世話になりましたのは国分町グラパレビル1階地酒地料理の太左ェ門さんです。
愛好会長の計らいで仙台セリのコースにして頂きました。こちらの店名、私のHMと似ていますよね。実は初代店長は私の従兄でした。単なる偶然ですけどね。^^
突出しとして出てきたのはセリの胡麻和え。
セリのほろ苦さを擂った胡麻のクリーミーさがふんわり包んで絶妙な味わいです。最初からセリに惹きこまれました。^^
こちらは揚げた鱈と餅をセリ餡で頂く小鉢。
芽キャベツの使い方も勉強になります。
お造り盛合せはヒラメ、ミンククジラ、甘エビ、活ダコです。
さすがにこれにはセリが使われていませんでした。^^
さて、本日の真打、セリ鍋の登場です。
今日は鴨とのコラボですね。まるで根っこが主役のように見えるのが仙台セリ鍋の特徴です。
愛好会会長の板橋さんが陣頭指揮を執り、正しいセリ鍋の食べ方を伝授して下さいます。
鍋つゆには予め鰹節などでダシが取ってあり、調味もしてあります。そこへおもむろに根っこから投入。
と、思ったら、すぐに引き揚げ。じぇじぇ、これじゃしゃぶしゃぶじゃないですか。。。
心配は無用でした。根っこもすぐに火が通るのでした。いつもクタッとするまで煮てしまっていましたねぇ。シャキッとした根っこも美味いものです。
続いて茎と鴨を投入。
これらも浸けたくらいで引き揚げです。これはセリしゃぶと呼ぶのが正しいように思えてきました。でも、もう仙台セリ鍋で広まっているので戻れませんが。。。
あらら、、こんな料理も出てきました。セリとホタテの貝焼き、セリの肉巻き、セリ根のぬたの三点盛りです。
ホタテの貝焼きは青森の芸術居酒屋小栗さんを思い出します。セリ根のぬたは初めての経験。こんな食べ方もできるのですねぇ。。。
さらに、セリ料理は続きます。
一瞬、エビを連想させますが、セリの入ったしんじょ揚げにセリ根の素揚げを添えています。さすが、板前の仕事ですねぇ。。。
これはコース外ですが、元気なanegoさんが発注した大きなブリカマ焼き。
胸鰭の付け根から鯛の鯛ならぬ鰤の鰤が発掘されました(肩甲骨+烏口骨)。魚種によってこんなに形が異なります。
げっ、まだ出るのすか!! セリの生春巻きです。
さっぱりしてますので、満腹でも喉を通るのです。添えられた根っこが野趣に満ちています。^^
今度こそ最後の〆です。
セリ鍋雑炊の美味いこと。余計な説明は要りませんね。^^
仙台セリ鍋を囲みながら、色々とセリ鍋談義。。。
セリを使った鍋自体はみちのくに広く分布しています。さらに、根っこを利用する食習慣も秋田や山形にもあるそうです。その中で仙台セリ鍋として差別化するためには何か個性が必要です。仙台に隣接する名取市のセリを使い、宮城県産の鴨を使うとか松島湾の牡蠣を使うとか。。。できれば地域団体商標を登録して品質を守らないと怪しげな仙台セリ鍋が次々と出て来るかも知れません。登録を急ごうということでお開きになりました。
その後、特許庁のHPを見てみますと、地域団体商標登録がされているのは農産物や畜産物ああるいはそれらの加工品が多く、料理はほとんどありません。みちのくでは唯一、米沢らーめん(協同組合米沢伍麺会)があるだけです。登録要件として法人格を有する団体を作る必要があり、その料理を提供する店が大多数加盟し、登録後も加入が出来ることを証する必要があります。
喜多方ラーメン(蔵のまち喜多方老麺会)は登録を巡って最高裁まで上告しましたが、棄却されています。つまり、既に有名になり過ぎていて県外にも店舗があり、老麺会傘下以外でも喜多方ラーメンを出す店が多かったことなどが請求棄却理由とされています。
仙台セリ鍋はまだ歴史が浅く、チャンスと言えばチャンスですが、提供店が結束して組合を作れるでしょうか。。。そこが問題です。
地酒地料理 太左エ門 http://www.syokuyuraku.com/omise/tazaemon/
・所在地 :仙台市青葉区国分町2-15-2 グランパレビル1F
・電 話 :022-224-4439
・営業時間 :17:00~24:00
・定休日 :日曜
・駐車場 :なし(周辺に有料あり)