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【南三陸町歌津】食堂たいしゅうのスタミナ復興ラーメン

カテゴリー: 外食:ラーメン

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 この橋は南三陸町歌津の伊里前川に架かるうたちゃんはしといいます。小さな橋ですが、大津波でも流されず残りました。この橋はかつて汐見橋という名前でしたが、ある事件をきっかけに改名しました。まだ、覚えている方も多いと思いますが、2002年9月19日、突如としてワモンアザラシの幼獣がこの川に出現したのです。もうそれは大騒ぎ、同じ年の8月に多摩川に現れたゴマヒゲアザラシのタマちゃんが全国的な話題となっていたいただけに当時のM歌津町長始め、町民挙げての大フィーバーとなったのでした。




 私も仙台から調査に駆け付けました。その時のうたちゃんです。写真はクリックで拡大します。
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 うたちゃんが伊里前川にいたのはたった3日間でしたが、当時の歌津町にとっては正に神降臨。テレビ中継されるわ、全国から見物客がくるわで、歌津町が一躍全国に知れ渡りました。経済効果も大きく、様々なうたちゃんグッズも製造販売されましたね。




 さて、この伊里前で仕事をしている時に困るのが昼食です。
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 瓦礫を撤収した後にできた広大な更地の奥に伊里前福幸商店街があるのですが、食堂はないのです。観光を意識した志津川の南三陸さんさん商店街とは違って地元の方々の生活支援が主な役割のようです。車で少し北に走った所の管の浜に行けば幾つか食堂もあるのですが。。。。




 そんなことを漁師さんに言ってみたら、「高台の中学校の裏に大衆食堂があるよ。」と言われました。
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 言われてみれば、そんな看板も商店街の端っこにありましたね。




 行ってみました。どうも大衆食堂ではなく、たいしゅうという食堂のようです。^^
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 震災前は伊里前の街で営業していたそうで、壊滅したためこちらに移転したとのこと。伊里前に食堂がなくなったので、街の方々が再開を強くお願いしたそうです。




 出来ます物はラーメン類と定食少々。
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 一押しはスタミナ復興ラーメン復興黒あんかけ焼そば




 一人だったので、さすがに両方を食べるわけにも行かず、スタミナ復興ラーメンをチョイス。
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 あら、メニューの写真ではチャーシュー麺のように煮豚がたっぷり乗っていたのに。。。




 と思ったら、葱の下から続々と出て参りました。
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 写真と同じく5枚ありました。煮豚の他にはキムチとナムルがたっぷり麺の上に乗せられておりました。

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 麺は中細の縮れの少ない多加水麺。固めに茹でてあるので噛み応えもあります。
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 かなり油ギッシュですが、キムチの酸味で爽やかに食べることが出来ました。




 セルフですが、コーヒーも頂けます。
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 分かり難い場所にばしょにありますが、冠婚葬祭の仕出しや弁当の配達もやるようで、地元の方々にはなくてはならない存在です。




 伊里前の街は高台の小中学校を除いて何もなくなってしましましたが、地元商店街の方々が仮設店舗で頑張っています。たいしゅうさんは高台に移転しましたが、昼時にはお客が絶えません。なにせ創業昭和24年の老舗ですからね。今後とも伊里前の皆様の期待に応えて美味しい料理を提供して行ってくれることでしょう。 


 

食堂たいしゅう


・所在地   :宮城県本吉郡南三陸町歌津字峰畑54
・電 話    :0226-36-2015
・営業時間  :11:00-20:00
・定休日   :不定休
・駐車場   :あり

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2014/03/31(月) 05:00 | trackback(0) | comment(0)

【塩竈市】魚長亭で牡蠣と日本酒の交流会

カテゴリー: 外食:居酒屋・割烹

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 前記事で『牡蠣に合う日本酒を楽しむ会』の様子をお伝えしましたが、折角、牡蠣日本酒に関わる仲間が集まったのですから、そのまま解散では勿体ないですね。マッチングでもう既に火が点いておりますので、早々に交流会場に移動しました。^^




 交流会場は同じマリンゲート内にある海鮮料理の魚長亭さんです。
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 豪華海鮮丼の張り紙が目立ちどう見ても観光客相手の食事処のように思えて、今まで利用したことはありませんでした。




 海の見える座敷に一同が陣取ります。窓からの景色が素晴らしい。千賀の浦に浮かぶ遊覧船も間近に見えて正にウォーターフロント。
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 この後の黄昏の光景は素敵でした。窓際に陣取り、夕暮れ相手に杯を傾けるのに最適なロケーションですね。^^




 ×SAKEプランナーの木村さんのご発声で乾杯です。
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 もう既に飲んでますが、本日初めての乾杯です。木村さんは今年2月に代官山に牡蠣と日本酒を楽しめるオイスターバー石花(せの)をプロデュースしています。



 
 魚長亭のご主人からもご丁寧にご挨拶を頂きました。
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 いやいや、このお店は観光地にありがちな見栄えだけの海鮮丼屋ではないようです。料理にも期待が湧き上がります。




 魚長亭さんというだけに先付けの器にも魚のこだわりが見えます。
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 魚の皿だけなら珍しくもないのですが、珍味の入ったサザエの器に興味が惹かれました。


 
 お造りのガラス皿も魚でした。
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 中トロはもちろん、活ツブも良かったですね。




 日本酒とのマッチングに使った残りの牡蠣を持ち込ませて頂きました。
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 マッチングでは味見の邪魔になるのでレモンは使えませんでしたが、やはり生牡蠣には柑橘系の香りが合いますね。



 
 旬の白魚がたっぷりの入った鍋は溶き卵を加えて仕上げます。
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 この鍋の残り汁で最後に雑炊を食べたように記憶していますが、ハッキリしません。




 一ノ蔵の鈴木常務も駆け付けてくれました。
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 本日は浦霞オンリーの日だったので木村さんが一生懸命、一ノ蔵を宣伝しています。




 焼き物はマダラの粕漬けでした。
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 なんと酒粕は浦霞の吟醸のを使っているそうです。




 最後はカニ足の天ぷらでした。
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 これも魚の皿ですね。しかも親子になってます。こちらのお店の魚貝類食器のコレクションをいつか見せて頂きたいものです。




 本日は牡蠣浦霞を堪能できた一日でした。牡蠣もこれからは身がパンパンに膨らんで食べ応えが出てきます。4月からは生食用の剥き身生産が終了しますが、殻付き牡蠣は手に入ります。でも生も良いのですが、花見の宴で大粒な牡蠣を焼きながら浦霞をやるのも良さそうですね。


 
 
 魚長亭


・所在地   :宮城県塩竈市港町1-4-1 マリンゲート塩釜 1F
・電 話   :022-367-7317
・営業時間  :11:00~21:00
・定休日   :火曜日(祝日の場合は、営業)
・駐車場   :有料あり


2014/03/27(木) 05:00 | trackback(0) | comment(0)

【塩竈市】牡蠣に合う日本酒を楽しむ会

カテゴリー: 外食:その他

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 牡蠣の美味しいシーズンになってきました。ペロンと食べてしまいたいふっくらとした牡蠣ですが、生牡蠣に合うお酒はなんでしょう。欧米では昔からワインですが、渋みの強いフランスガキ(ヨーロッパヒラガキ)には、よく合いますが、甘味の強い日本のマガキにはやはり日本酒も合うように思えます。先日(3月21日)、牡蠣日本酒の相性度を確かめるイベントが塩竈のマリンゲートで開催されました。




 参加者のうち、牡蠣開けが出来る方には積極的に参加していただきました。
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 本日、召し上がって頂く牡蠣は松島湾内で幼少期を過ごし、その後、栄養豊かな鳴瀬川の沖合で育った鳴瀬の牡蠣です。軍手も用意したのですが、皆さん素手でやってますね。大丈夫だったのでしょうか。




 開会に当たり、この会の企画者である×SAKEプランナーの木村光さんからご挨拶と開催趣旨の説明がありました。
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 ×SAKEとは、日本酒と何かを合わせて足し算ではなく掛け算の効果を期待するものです。その一環として、今回は牡蠣との組み合わせ楽しむものです。ここには牡蠣生産者、蔵元、牡蠣と日本酒の愛好家、牡蠣を扱う流通・飲食店関係者そして牡蠣の研究者が一堂に会しました。




 この場をお借りして、現在、取り組んでいる新しいタイプの宮城の牡蠣をご紹介させて頂きました。
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 どちらも天然のシングルシードを使った一粒ガキなのですが、大きく経歴が異なります。下左側の白い河原の石ころのようなのは先日もご紹介しましたあたまっこ牡蠣です。干出時間を長くした厳しい環境で育て、波でお互いがぶつかり合うため表面が磨かれます。成長は遅くなりますが、身が締まり旨みも濃くなります。

 一方、下右側はまだ、名称を付けておりませんが、あたまっことは逆に干出を与えず、穏やかな環境で箱入り娘のように優しく育て、満1年の産卵前までに出荷する未産卵牡蠣です。産卵を経験していないのでライト&メローな味わいで生牡蠣初心者に良いかも知れません。早くネーミングをしないといけませんね。。。




 試食試飲の前に担当する研究者からそれぞれの牡蠣についての説明を受けます。
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 都会では牡蠣は家庭で食べるものから、料理屋やオイスターバーで食べる嗜好品になりつつあります。それを食い止めるために料理教室で牡蠣料理の紹介にも力を入れているのですが、大きな流れにも応えるために、業務用として多様な牡蠣も作っていかなければなりません。




 鳴瀬の牡蠣について、生産者である(有)奥松島かき鮮渡辺さんからご説明を頂きます。
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 鳴瀬の牡蠣は流域人口の比較的少ない鳴瀬川の影響を受ける豊かな海域で育てられるため、周辺の牡蠣よりふっくらするのが速く、甘みが強いのが特徴です。




 続きまして、この会に協賛頂いています浦霞醸造元、(株)佐浦佐浦社長より直々に試飲致します5種の浦霞についてご説明頂きました。
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 この日のためにタイプの異なる5種類のお酒をご用意頂きました。この会は木村さんが企画した「牡蠣に合う日本酒を楽しもう!in 松島湾ツーリズム」の一つのイベントです。本年度はこれで5回目で、寒風沢島で酒米を植えるところから始まり、佐浦さんでそれをお酒に醸造する体験もしてきました。次回でいよいよそのお酒が楽しめるそうです。




 さて、日本酒とのマッチングを始めます。牡蠣は生と蒸したものを用意しました。お酒が5種類で牡蠣料理が2種類ですから、10通りの組み合わせを評価してシートに書き込みます。
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 木村さんによりますと、酒と食べ物を相性を調べるには、まず、酒を口中に含み飲み込んでから、その余韻で食べ物を味わう。次に先に食べ物を食べて、その余韻に酒を流し込み相性をみる。最後に両者を同時に口に入れ咀嚼しながら味わう(口中調味)。。。のだそうです。 この要素も組み合わせると30パターンになってしまいますので、酔い潰れてしまいます。今回は辺りで評価して頂きましょう。



 マッチングの結果ですが、以下のようになりました。数字は合うと答えた人数を示します。あくまでも好みの問題ですが

お酒の銘柄生牡蠣蒸し牡蠣
特別純米酒 生一本浦霞102
純米酒 浦霞01
純米辛口 浦霞36
純米吟醸 浦霞禅87
純米吟醸生酒 浦霞春酣13

 今回の結果からは、生牡蠣では生一本浦霞や浦霞禅、蒸し牡蠣では純米辛口浦霞や浦霞禅が合うと感じた人が多いことがわかりました。




 宮城の特産である牡蠣宮城の地酒である浦霞を使ったイベントでしたが、皆様、日本酒牡蠣の相性を体感されたことと思います。それに同じ浦霞でもまた相性も微妙に違うことがわかってきました。今回は私にとっても大変貴重な経験となりました。今後も継続的にこのようなイベントを当地で開催できたらと思っております。もちろん、このあとは本格的な呑みに繰り出したのは言うまでもありません。牡蠣日本酒に関係する方々の集まりですからすぐに意気投合されて情報交換も兼ねた夜は深々と更けていったのでした。

2014/03/24(月) 05:00 | trackback(0) | comment(6)

蕎麦打ち練習【実践編】

カテゴリー: 料理:麺類

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 蕎麦打ち練習のその後です。曲がりなりですが蕎麦打ちの道具は揃いました。でも、こね鉢はまだ買っていませんので、ステンレスの洗面器やボールで代用します。打ち台は暖卓の天板、切り板はホームセンターで買ってきた集成材なのですが、どちらも少し小さめです。


 【蕎麦打ち関連の過去の記事】

  ・蕎麦打ちレッスン 
  ・蕎麦つゆ調整     
  ・蕎麦打ち道具     




 蕎麦粉茨城の柿沼製粉所さんから常陸秋そばを通販で購入。石臼の低回転で挽いた風味豊かな蕎麦粉です。
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 打ち粉つなぎ用強力粉も合わせて購入しました。打ち粉は延しや切りの過程で蕎麦生地自体に取り込まれますのでさらりとした蕎麦粉でないといけないのです。常陸秋そばは500gで735円(税込)。これで何人前が打てるのだろう。それには1人前の打ち上がり生麺を何gに設定するかによって変わってきます。




 今後のために、一人前の麺重量ごとに蕎麦粉つなぎの分量早見表をエクセルで作ってみました。
 
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 蕎麦専門店の一人前生麺重量は通常120~150gとされています。でも、この量では麺食いの山形県人でなくてもちょっと物足りなさを感じます。江戸前ではせいろを二枚頼んだりする通も多いですからね。そこで、一人前120、150、180gの三段階として10人分までの各分量を計算をしました。条件はつなぎの配合を二八(強力粉20%)、加水率50%です。


 例えば一人分を150gとしますと、常陸秋そば1袋(500g)では6人分の生蕎麦を打つことが出来ます。ちなみに一人分は123円となりますが、実際には打ち粉つなぎ、送料や蕎麦つゆも必要ですので、一食200円は軽く超えるでしょう。




 まだ、腕が未熟な時点で常陸秋そばを使うのはちょっと勿体ないなと思い、初期の習作用には白石興産の蕎麦粉(500g398円)を使います。
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 おそらく、外国産の蕎麦粉でしょうけど、慣れるまではこれで十分です。1.3mm幅の切りべら23もしくは断面四角が安定して打てるようになったら常陸秋そばを使ってみます。



 
 一編に1袋(6人分)を打っても食べ切れないので250gづつ2回に分けます。つまり1回で150gの生麺3人分を打つことになります。
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 レッスンでは蕎麦粉400gを打ちましたが、一旦、規模縮小です。20%でつなぎを混合して篩います。




 水回しはボールより底面が広い洗面器の方が楽ですね。軽いので濡らしたタオルを敷いて動かないようにしています。
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 練りやへそ出しは底が丸いボールの方が適しています。二つの容器を毎回使うのは面倒ですし、生地が粘ってくると持ち上げた時にボールもくっ付いてきます。早く上達してこね鉢も揃えましょう。




 丸伸し、角出し、本伸しへと進めていきます。
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 間に合わせの道具でもここまでは何とか順調に来ていましたが。。。




 厚みを均等にする細かい作業時に麺棒の端が天板の縁枠に乗り上げ、天板との間に隙間が生じました。
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 仕方がなく、パン生地用の短い麺棒を緊急登板させ、何とかやり過ごしました。やはり、縁枠のない平らな打ち台じゃないと駄目なんですね。キッチンではこのような大きな打ち台を広げるスペースはなく、どうしてもリビングでの作業となりますが、打ち粉が床に落ちるのを防ぐのに天板の縁枠は便利と思ったのですが誤算でした。




 さて、本伸しも終わり、最終段階の切り方に入ります。切ると同時に包丁を僅かに傾けて、次に切る幅だけ小間板を送るのですが、まだ、考えながらやってます。
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 これを体がリズムとして覚えないといけないのですが、目で見ながら幅を調整しています。とにかく回数を重ねるしかありませんね。切り終わった麺線もまだまだ不揃いです。打ち粉も少しケチったようで、刃に付いて乱れた様子がわかります。




 まずは茹で上げを味わってみましょう。蕎麦つゆももちろん手作りです。
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 蕎麦つゆはよく熟れて佳い味です。早くこれに蕎麦が追い付いてもらいたいですね。




 蕎麦打ちの台に暖卓の天板を使ったため、麺棒を斜めにして使う作業では板面と棒の間に隙間が出来てしまうことが判明しました。当面、短い麺棒で誤魔化しますが、腕が上がったら、1800mmのシナ合板を買って、打ち台、切り台ともに一気に作ってしまうつもりです。出費は続きますが、趣味としては安価な方だと思います。最後にこね鉢を買う時は不退転の覚悟が必要でしょうね。えっ、何に向かっての不退転?   さぁ。。。 ^^ 





【追記】

 まだ、蕎麦打ちも未熟なのに、麦切りも打ってみました。蕎麦との合盛りです。
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 麦切りは山形県庄内地方の細めの手打ちうどんのことです。蕎麦切り葛切りに対して、小麦粉で作るから麦切りなのでしょう。うどんの類は中力粉を塩水で練り、一晩寝かせた生地で打ちます。蕎麦のようにその日の内に完結しないので手軽さには欠けますが、でもたまには、このような庄内の味を楽しむのも好いでしょう。

2014/03/20(木) 05:00 | trackback(0) | comment(4)

あたまっこ牡蠣のお披露目会

カテゴリー: 外食:その他

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 先日、塩竈市のホテルグランドパレスにおいて、浦戸諸島で開発されたあたまっこ牡蠣の試食会が開催されました。あたまっこ牡蠣と言っても耳慣れない言葉ですよね。あたまとは松島湾の牡蠣棚から下げられている牡蠣の上の方を示します。つまり、干潮時に水から出ている時間が長く、厳しい環境となります。ですが、このような環境で育った牡蠣は味が濃縮し、身も締まるのです。




 試食会の開会に当たり、JF宮城浦戸支所の千葉運営委員長からあたまっこ牡蠣の開発苦労談や今後の計画の紹介がありました。
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震災後に採苗した種苗を育て、仕上げたあたまっこ牡蠣は1万5千個。イベントや試食会用の以外の1万個をレストランやオイスターバーに出荷するそうで、量販店には出さないとのこと。今後、3年以内に10万個の生産体制に入るそうです。来賓で来られていた塩竈市長も祝辞の中で、大震災の復興の最中において、このような塩竈の特産品を作られたことに労いの言葉を掛けておられました。




 あたまっこ牡蠣の最大の特徴は河原の石ころのようにツルツルに光る貝殻です。
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 これにはわけがあります。ただ単に牡蠣棚の上部に吊すだけではこのような形状にはなりません。




 通常の牡蠣養殖とはことなり、あたまっこ牡蠣は種ガキの内にバラバラにされます。
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 それらをカゴやネットに入れて、やや高めの棚に配置することで干出・水没の刹那に風波により、お互いが擦れあってあのような貝殻になるのです。ただ、それもどこでも出来るわけではなく、冬の北西風がまともに当たる限られた水域でしか出来ないのです。これは偶然から生まれた結果ですが、実に個性的で魅力的な新しい牡蠣の創出に繋がったのです。




 こちらは蒸し牡蠣を作るコーナーです。
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 早く食べたいですね。お腹も鳴って、口中が洪水です。^^




 比較のために通常の養殖牡蠣も添えられます。小粒の方があたまっこ牡蠣です。
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 食べ比べると一舌瞭然です。通常の牡蠣は柔らかく口の中で崩れていくのに対し、あたまっこ牡蠣はコロッとした食感で、甘味と旨味が濃いですね。転がりながら育つと牡蠣も身が締まるのですね。




 浜のお母さん達が作った牡蠣のチャウダーキッシュ佃煮も抜群の美味しさでした。
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 佃煮が秀逸でしたね。煮締まって歯応えもあるのですが、決して塩辛くはないのです。上手に炊けています。




 グランドパレスさんのお料理も様々頂けました。
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 塩竈はマグロの街ですからね。吟味してあります。グランドパレスは中華も美味しく、五目あんかけ焼きそばがご機嫌の美味さでした。




 でも、やはりあたまっこ牡蠣ですね。
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 この時とばかり、何回もお代わりさせて頂きました。いや、実にうまい。



 
 牡蠣の消費形態も時代とともに変わっていきます。現代の若い世代は牡蠣を家庭で料理することは少なくなっているようです。それにつれて、牡蠣レストランオイスターバーなどで食べるようになり、嗜好品化しているようです。いま、東京をはじめとする都会で流行っているのは日本型オイスターバー。ハーフシェルとワインだけではなく、グリルもあれば、ランチにカキフライ定食もありの洋風牡蠣料理専門店のスタイルです。ここでは、海外、国内各地からの個性ある牡蠣が集まっています。品質も良く、個性の塊のようなあたまっこ牡蠣は近々、オイスターバーの花形になることでしょう。

2014/03/17(月) 05:00 | trackback(0) | comment(4)