【美里町】牡蠣をメインに料理教室
カテゴリー: 料理:甲殻・軟体・ほや
15cmサイズの見事な牡蠣です。気仙沼市唐桑町の牡蠣作り名人、畠山政則さんが育てた2年物の牡蠣です。本日はこの牡蠣を使った三陸海の幸勉強会+料理教室の日です。美里町の青生地区での開催は2回目ですが、昨年の夏に実施した時に冬になったら是非、牡蠣でやって下さいと頼まれておりました。
生憎この日は大雪で時折、ブリザードのようになりました。国道は除雪されてあるのですが、農道に入るとどこが道かよくわかりません。
軽自動車が路肩の雪山に突っ込んでいました。会場となる青生地区コミュニティーセンターはまだ先です。
やっと着きました。いつも感心するのですが、事務局の鈴木さんが綺麗な次第を作ってくれるのです。
いつものように水産業の復興状況報告と本日使う水産物の解説をプレゼンテーションさせて頂きます。
引き続いて調理実習です。
本日のお献立は次の通りです。作り方は文末に記載してあります。
汁 物 藻塩を使った塩竈汁
小 鉢 若布のピリ辛炒め
焼き物 牡蠣のクリーム焼き(グラタン)
御 飯 牡蠣ご飯
最初に塩竈汁です。近年、創作された塩竈のイメージの潮汁です。
味付けには塩竈の藻塩を使っています。サンマのつみれも入りますが、鱈、豆腐、長葱など白を基調にした食材を使います。
気仙沼市本吉町蔵内のワカメを使ったピリ辛炒めです。
よく煎って水分を飛ばせば、日持ちのするお総菜となります。辛さはお好みで。
本日の主菜である牡蠣のクリーム焼きです。
殻付き牡蠣は良く洗って鍋に重ね入れて、日本酒を注いで強火で蒸し上げます。その間にベシャメルソースを作り、ハーフシェルにした牡蠣に乗せて、オーブンで表面に焼き色を付けます。
こちらは牡蠣ご飯を作っています。
剥きガキは塩水で良く洗って水を切り、調味液でぷっくらするまで炊いておきます。煮汁を漉して水で薄め、これでご飯を炊きます。炊き上がってから、牡蠣をご飯に混ぜるのがポイントです。
さあ、お楽しみの試食です。
今日は牡蠣も大きいので食べ応えもありますよ。
塩竈汁は塩だけで調味した潮汁ですが、サンマや鱈からもよいダシが出ています。
これでうどんを食べたら、さぞ、美味いことでしょう。^^
本吉のワカメは歯触りがしっかりしています。
蓮根や人参との食感の対比も面白いです。七味唐辛子の香りと辛さがよいアクセントになってます。
牡蠣のクリーム焼きも香ばしさが堪りません。
ベシャメルソースには牡蠣を蒸した時に出たエキスも加えています。
牡蠣ご飯もふっくら炊けています。
濃厚な牡蠣の味がご飯の一粒一粒に染みています。^^
これは番外。蒸し牡蠣から出たエキスを漉して薄め、かき玉汁にしました。
素晴らしいダシが出ています。無駄なく利用して唐桑の牡蠣を堪能しました。
ビックリしたことに郷土料理の研究家である中村みき子さんが参加されていました。
中村さん達が組織する「みやぎの食を伝える会」は河北新報出版センターから「ごっつぉうさん」という宮城の郷土料理を編纂した本を出版しています。実は中村さんとは大震災の2日前に食育ボランティアの方々を対象とした講演会でお会いしています。そうです。昼前に大きな余震があった日です。あれから、実に多くのことがありました。中村さんは美里町にお住まいだったのです。そして、「ごっつぉうさん」と「ごっつぉうさんⅡ」を頂きました。ありがとうございました。勉強させて頂きます。
検査には多額の費用が掛かりますが、それでも漁協が生食用牡蠣の出荷を続けるのは、全てを加熱調理用とした場合、ノロウイルスが含まれた牡蠣でも消費者に提供できることになり、加熱不十分な牡蠣フライや牡蠣鍋を食べた場合には現在以上の被害が出る危険性があるからです。
厚生労働省の統計によりますと、昨年(2013年)の食中毒事件は931件起きており、そのうちノロウイルスによるものが328件で35.2%、うち原因が牡蠣もしくは牡蠣と推定されるものは23件でノロによる食中毒の7%、食中毒事件全体の2.5%に過ぎません。しかも、汚染された食品の喫食による感染以外にも粉塵に混じったノロを吸い込むことでも感染することもあるので、牡蠣だけを目の敵にするのは過剰反応のように思えてなりません。
■ 冬のお献立 作り方(4人分)
◆ 藻塩を使った塩竈汁
材 料
マダラ切り身・・・・2切れ
冷凍サンマ・・・・・2尾
豆腐・・・・・・・・半丁
長葱・・・・・・・・1本半
生姜・・・・・・・・一欠片
溶き卵・・・・・・・半個分
藻塩(大さじ1)、味噌(大さじ1)、片栗粉(大さじ半分)、ダシ昆布、ダシパック、日本酒(大さじ2)、七味唐辛子、乾燥フノリ、柚子皮
(作り方)
【サンマのすり身を作る】
① 長葱半本は微塵切り、生姜は擂りおろしておく。
② サンマは3枚におろし、肋骨を剥き採り、皮を剥ぐ。
③ ②を包丁で粘りが出るまで叩き、①と味噌、溶き卵、片栗粉を加え、よく練り合わせる。
【汁を作る】
① 水1リットルにダシ昆布とダシパックを入れて沸かす。
② 昆布とダシパックを取り出し、藻塩と酒を入れて味を調整する。
③ サンマのすり身を濡らしたスプーンですくって入れる。
④ 一口大に切ったタラと豆腐を入れて、再度、味の調整をする。
⑤ 最後に斜め切りの長葱を放して火を止める。
⑥ 戻したフノリを乗せ、七味唐辛子をかけて頂く。好みで吸い口に柚子皮を盛る。
◆ ワカメのピリ辛炒め
材 料
塩蔵ワカメ・・・・40g
蓮根・・・・・・・6cm
人参・・・・・・・6cm
胡麻油・・・・・・大さじ1
麺つゆ・・・・・・大さじ1
七味唐辛子、煎り白胡麻、醤油少々
(作り方)
① 塩蔵ワカメは水で戻して水気を切り、3cmに切っておく。
② 蓮根と人参は厚さ2mmの銀杏切りにしておく。
③ 熱したフライパンで、最初、蓮根と人参を炒め、しんなりしたらワカメを加えてさらに炒める。
④ 麺つゆを軽く回し掛け、炒りつける。味が薄い時は醤油を足す。
⑤ 一味唐辛子を振りかけ好みの辛さに仕上げる。
⑥ 小鉢に盛って、煎り胡麻を振る。
◆ 牡蠣のクリーム焼き
材 料
殻付き牡蠣・・・・・・・・・8個
薄力粉・・・・・・・・・大さじ3
バター・・・・・・・・・大さじ2
牛乳・・・・・・・・・300ml
白味噌・・・・・・・・・大さじ1
柚子(小)・・・・・・・・・1個
ホウレンソウ・・・・・・・・半束
塩、粉チーズ、日本酒少々
(作り方)
① 殻付きはよく洗って鍋で酒とともに殻に隙間が開くまで蓋をして蒸す。
② 隙間からバターナイフを入れて上の蓋(平らな方)を外しておく。煮汁は漉
しておく。
③ ホウレンソウは茹でて水気を絞って小口に切り、柚子皮は擂り下ろしておく。
④ 鍋にバターを溶かし、粉を炒め、冷ましてから牛乳を加えて弱火で攪拌する。
⑤ 粘りが出たら、②の煮汁を加えてポッタリする位の硬さにまとめる。
⑥ ⑤に味噌と柚子皮で味と香りを付け、③のホウレンソウを加える。
⑦ ②の牡蠣に⑥を乗せて、粉チーズを振り、200℃に予熱したオーブンで焦げ目が付くまで焼き上げる。(殻が落ち着かない時はアルミ箔を丸めて敷く)
◆ 牡蠣ご飯
材 料
米・・・・・・・・・・・2合
剥きカキ・・・・・・・16個
ダシ昆布・・・・・・名刺大1枚
千切り生姜・・・・・・大さじ1
三つ葉・・・・・・・・・半束分
千切り海苔・・・・・・・・1枚分
醤油・味醂・日本酒各大さじ2
(作り方)
① 米をよく研ぎ、ザルに上げておく。
② 牡蠣のむき身は塩水で洗い、水で倍に薄めた調味料で煮ておく。
③ ①の米を水で薄めた②の煮汁とダシ昆布、千切り生姜で炊き上げる。
④ 飯が炊き上がったら、②の牡蠣をさっと混ぜて蒸らす。
⑤ 茶碗に盛り付け、千切り海苔と三つ葉を散らす。