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そばつゆを調製しました

カテゴリー: 料理:麺類

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 以前、独学で蕎麦を打っていたこともあるのですが、ボツボツ切れたり、太さも田舎蕎麦の域を超えることが出来ず、挫折しておりました。意を決して、先日、蕎麦打ち名人の個人レッスンを受けました(関連記事)。技術に磨きをかけるために、これから定期的に蕎麦打ちをしなければなりません。蕎麦もたくさん食べることになりそうです。でも蕎麦を食べるためには、ただ蕎麦を打って茹でるだけではありません。以下のような工程が伴います。

 1 返しを作り、寝かせる。
 2 だしを取る。
 3 返しと合わせた蕎麦つゆを寝かせる。
 4 蕎麦を打つ。
 5 蕎麦を茹でる。
 6 食べる(好みで薬味を用意する)。


 各工程の一つ一つで記事が書けるくらい奥が深いのですが、この記事では、先生に教わった蕎麦つゆ作りをまとめて記載します。なお、秘伝の部分もありますので、分量等はネット上で公開されている配合を参考にして記載しました。

 まず返しを作ります。返しには加熱する本返しと非加熱の生返しがありますが、以下は本返し作りの奮戦記です。




 材料ですが、とりあえずスーパーで手に入るものと家にあったもので作ります。
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 メインの醤油は必ず丸大豆で作られたもので濃口と薄口の2種類を配合します。先生は陸前高田にある八木澤商店生揚げ(非加熱)を使ってきましたが、現在、完全には復旧しておらず、生揚げは生産していないようです。


 味醂は純米本みりんを用意しました。先生は三河本みりんを使ってます。糖類は甜菜糖と果糖を使うそうですが、家にあったきび糖とグラニュー糖にしました。なんかいい加減だなぁ。でも、白ザラメだけでやっている蕎麦屋さんもあったり、かなり好みの強い世界みたいです。




 まず、鍋で本みりんを煮切ります。この作業は日本料理をやっているなぁと実感できますね。
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 人によっては味醂を沸騰させずにじっくり時間をかけてアルコールを飛ばす人もいますが、その差がよくわかりません。煮切った味醂糖類を溶かし込みます。




 糖類の溶け込んだ煮切り味醂醤油を注ぎ込みます。
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 醤油味醂(ml)及び糖類(g)の分量ですが、一般的には10:2:2ですね。この時、梅干を入れる人もいるそうです。




 その後、弱火でアクを取りながら加熱し、沸騰手前で火を止めます。
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 熱湯で滅菌したガラス容器に収容し、冷暗所で1週間以上寝かせます。寝かせることで醤油の角が取れ、甘味としっくり馴染んできます。この本返し、日本料理の万能調味料となり、薄め加減で蕎麦つゆだけではなく、煮物や割り下などに活用できます。




 本返しが馴染んだら、いよいよ、だしとの調合です。
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 だしもこだわればキリがないのですが、入手しやすいものを集めました。先生は本枯れ節を2時間かけて削るのだそうです。私は子供の頃、好きだった吉祥寺の蕎麦屋さんが厚削りの鰹節を使っていたのを見て育ったので、それに、昆布と干し椎茸煮干を加えてみます。

 
 だしも正に千差万別。大きく分けると関東では厚削りで煮出して取る感じ。一方、西日本は薄削りでさっと引く感じですね。まだ、初心者なので昆布椎茸などに手を出すのは早いかも知れませんが、度を過ぎなければ、不味くはならないでしょう。


 
 

 だしを煮出す前日に昆布干し椎茸、頭と内蔵を取った煮干しを浄化水に漬け込みます。
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 本返しとだしの分量比率もかなり幅が有り、1:2~1:4。本返しを700mlほど作りましたので、1:3で調合するためには、だしが仕上がりで2100ml必要です。煮詰めることを考慮して、3000mlの浄化水に漬け込みます。


 

 一晩、経ったら火にかけ、沸騰直前に昆布椎茸を引き上げ、その後、2分ほどで煮干も取り出します。
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 やはり、鰹節の香りが主役なので、脇役のダシは軽めにしておきます。




 弱火にした鍋に鰹節を入れ、鍋の端にだけ火を当てて、ゆっくり鰹節が対流するようにします。
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 蓋を外して40分ほどゆっくり煮出します。もちろんアクは小まめに取ります。




 出来上がっただしは布で漉します。濾しただしは香り味とも濃厚です。
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 なお、だしガラは先ほどの昆布煮干と合わせて二番だしが取れます。煮物や味噌汁に役立てましょう。




 さて、本返しとだしを合わせますが、プロは合わせた後にタンポと呼ばれる土器で湯煎をして馴染ませます。
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 タンポがなくても、70℃前後の温度を維持するようにして20分位トロ火にかけたり、火を止めたりすればよいのです。




 これを滅菌した幾つかの瓶に分けて詰め、冷蔵庫で保存します。
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開封しなければ、数ヶ月は持つそうです。家庭での利用の場合、一度には多く使いませんので、小分けして冷蔵した方が便利ですね。




 だしガラで二番だしを取っています。二番でもよく煮出せば濃いだしが取れます。
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 だしを取り終わった昆布椎茸は適当に切って、先ほど調製したそばつゆで煮染めます。ライトな佃煮ですね。フライパンでやると短時間で作れますよ。




 今回は蕎麦つゆ作りで終わりましたが、蕎麦の世界は果てしないです。そう簡単に習得できる技術ではなさそうです。でも、蕎麦つゆはそれなりに美味しく出来ましたので早くこの蕎麦つゆで打ち立ての蕎麦を食べてみたいですねぇ。蕎麦つゆ作りに比べると、蕎麦打ちは遥かに高度な技術です。これからこの技術に磨きをかけてゆく過程で相当の蕎麦が消費されることでしょう。食べ過ぎて蕎麦を嫌いにならないと良いのですが。。。^^


  

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2014/02/27(木) 05:00 | trackback(0) | comment(4)

【美里町】牡蠣をメインに料理教室

カテゴリー: 料理:甲殻・軟体・ほや

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 15cmサイズの見事な牡蠣です。気仙沼市唐桑町の牡蠣作り名人、畠山政則さんが育てた2年物の牡蠣です。本日はこの牡蠣を使った三陸海の幸勉強会+料理教室の日です。美里町の青生地区での開催は2回目ですが、昨年の夏に実施した時に冬になったら是非、牡蠣でやって下さいと頼まれておりました。

 


 生憎この日は大雪で時折、ブリザードのようになりました。国道は除雪されてあるのですが、農道に入るとどこが道かよくわかりません
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 軽自動車が路肩の雪山に突っ込んでいました。会場となる青生地区コミュニティーセンターはまだ先です。

 


 やっと着きました。いつも感心するのですが、事務局の鈴木さんが綺麗な次第を作ってくれるのです。
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 いつものように水産業の復興状況報告と本日使う水産物の解説をプレゼンテーションさせて頂きます。

 


 引き続いて調理実習です。
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 本日のお献立は次の通りです。作り方は文末に記載してあります。


  汁 物  藻塩を使った塩竈汁
  小 鉢  若布のピリ辛炒め
  焼き物  牡蠣のクリーム焼き(グラタン)
  御 飯  牡蠣ご飯



 最初に
塩竈汁です。近年、創作された塩竈のイメージの潮汁です。
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 味付けには塩竈の藻塩を使っています。サンマのつみれも入りますが、鱈、豆腐、長葱などを基調にした食材を使います。





 気仙沼市本吉町蔵内のワカメを使ったピリ辛炒めです。
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 よく煎って水分を飛ばせば、日持ちのするお総菜となります。辛さはお好みで。




 本日の主菜である牡蠣のクリーム焼きです。
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 殻付き牡蠣は良く洗って鍋に重ね入れて、日本酒を注いで強火で蒸し上げます。その間にベシャメルソースを作り、ハーフシェルにした牡蠣に乗せて、オーブンで表面に焼き色を付けます。




 こちらは牡蠣ご飯を作っています。
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 剥きガキは塩水で良く洗って水を切り、調味液でぷっくらするまで炊いておきます。煮汁を漉して水で薄め、これでご飯を炊きます。炊き上がってから、牡蠣をご飯に混ぜるのがポイントです。 




 さあ、お楽しみの試食です。
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 今日は牡蠣も大きいので食べ応えもありますよ。

 


 塩竈汁は塩だけで調味した潮汁ですが、サンマや鱈からもよいダシが出ています。 aoukaki21.jpg
 これでうどんを食べたら、さぞ、美味いことでしょう。^^

 


 本吉のワカメは歯触りがしっかりしています。
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 蓮根や人参との食感の対比も面白いです。七味唐辛子の香りと辛さがよいアクセントになってます。

 


 牡蠣のクリーム焼き香ばしさが堪りません。
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 ベシャメルソースには牡蠣を蒸した時に出たエキスも加えています。

 


 牡蠣ご飯もふっくら炊けています。
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 濃厚な牡蠣の味がご飯の一粒一粒に染みています。^^





 これは番外。蒸し牡蠣から出たエキスを漉して薄め、かき玉汁にしました。
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 素晴らしいダシが出ています。無駄なく利用して唐桑の牡蠣を堪能しました。

 


 ビックリしたことに郷土料理の研究家である中村みき子さんが参加されていました。
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 中村さん達が組織する「みやぎの食を伝える会」は河北新報出版センターから「ごっつぉうさん」という宮城の郷土料理を編纂した本を出版しています。実は中村さんとは大震災の2日前に食育ボランティアの方々を対象とした講演会でお会いしています。そうです。昼前に大きな余震があった日です。あれから、実に多くのことがありました。中村さんは美里町にお住まいだったのです。そして、「ごっつぉうさん」と「ごっつぉうさんⅡ」を頂きました。ありがとうございました。勉強させて頂きます。 





 宮城の牡蠣養殖はまだまだ復興途上ですが、風評被害による価格の低迷や松島湾では高水温によるへい死など復興を遅らせる出来事が続いています。ノロウイルスの問題も厄介で、県や漁協では毎週、各水域の牡蠣を検査し、陽性反応が出れば生食用出荷を止めています。これらの情報も全て漁協のHPで公開しています。ですが、このことが返って逆効果にもなっているような気がします。

 検査には多額の費用が掛かりますが、それでも漁協が生食用牡蠣の出荷を続けるのは、全てを加熱調理用とした場合、ノロウイルスが含まれた牡蠣でも消費者に提供できることになり、加熱不十分な牡蠣フライや牡蠣鍋を食べた場合には現在以上の被害が出る危険性があるからです。


 厚生労働省の統計によりますと、昨年(2013年)の食中毒事件は931件起きており、そのうちノロウイルスによるものが328件で35.2%、うち原因が牡蠣もしくは牡蠣と推定されるものは23件でノロによる食中毒の7%、食中毒事件全体の2.5%に過ぎません。しかも、汚染された食品の喫食による感染以外にも粉塵に混じったノロを吸い込むことでも感染することもあるので、牡蠣だけを目の敵にするのは過剰反応のように思えてなりません。



 冬のお献立 作り方(4人分)


◆ 藻塩を使った塩竈汁  

 材 料
        マダラ切り身・・・・2切れ
        冷凍サンマ・・・・・2尾
        豆腐・・・・・・・・半丁
        長葱・・・・・・・・1本半
        生姜・・・・・・・・一欠片
        溶き卵・・・・・・・半個分
        藻塩(大さじ1)、味噌(大さじ1)、片栗粉(大さじ半分)、ダシ昆布、ダシパック、日本酒(大さじ2)、七味唐辛子、乾燥フノリ、柚子皮
 (作り方)
     【サンマのすり身を作る】
①  長葱半本は微塵切り、生姜は擂りおろしておく。
②  サンマは3枚におろし、肋骨を剥き採り、皮を剥ぐ。
③ ②を包丁で粘りが出るまで叩き、①と味噌、溶き卵、片栗粉を加え、よく練り合わせる。
【汁を作る】
① 水1リットルにダシ昆布とダシパックを入れて沸かす。
② 昆布とダシパックを取り出し、藻塩と酒を入れて味を調整する。
③ サンマのすり身を濡らしたスプーンですくって入れる。
④ 一口大に切ったタラと豆腐を入れて、再度、味の調整をする。
⑤ 最後に斜め切りの長葱を放して火を止める。
⑥ 戻したフノリを乗せ、七味唐辛子をかけて頂く。好みで吸い口に柚子皮を盛る。


◆ ワカメのピリ辛炒め

 材 料
        塩蔵ワカメ・・・・40g
        蓮根・・・・・・・6cm
        人参・・・・・・・6cm
        胡麻油・・・・・・大さじ1
        麺つゆ・・・・・・大さじ1
        七味唐辛子、煎り白胡麻、醤油少々
 (作り方)
①  塩蔵ワカメは水で戻して水気を切り、3cmに切っておく。
②  蓮根と人参は厚さ2mmの銀杏切りにしておく。
③  熱したフライパンで、最初、蓮根と人参を炒め、しんなりしたらワカメを加えてさらに炒める。
④  麺つゆを軽く回し掛け、炒りつける。味が薄い時は醤油を足す。
⑤  一味唐辛子を振りかけ好みの辛さに仕上げる。
⑥  小鉢に盛って、煎り胡麻を振る。


◆ 牡蠣のクリーム焼き

 材 料
       殻付き牡蠣・・・・・・・・・8個
       薄力粉・・・・・・・・・大さじ3
       バター・・・・・・・・・大さじ2
       牛乳・・・・・・・・・300ml
       白味噌・・・・・・・・・大さじ1
       柚子(小)・・・・・・・・・1個
       ホウレンソウ・・・・・・・・半束
       塩、粉チーズ、日本酒少々      
(作り方)
①  殻付きはよく洗って鍋で酒とともに殻に隙間が開くまで蓋をして蒸す。
②  隙間からバターナイフを入れて上の蓋(平らな方)を外しておく。煮汁は漉 
しておく。
③  ホウレンソウは茹でて水気を絞って小口に切り、柚子皮は擂り下ろしておく。
④  鍋にバターを溶かし、粉を炒め、冷ましてから牛乳を加えて弱火で攪拌する。
⑤  粘りが出たら、②の煮汁を加えてポッタリする位の硬さにまとめる。
⑥  ⑤に味噌と柚子皮で味と香りを付け、③のホウレンソウを加える。
⑦  ②の牡蠣に⑥を乗せて、粉チーズを振り、200℃に予熱したオーブンで焦げ目が付くまで焼き上げる。(殻が落ち着かない時はアルミ箔を丸めて敷く)


◆ 牡蠣ご飯 

 材 料
       米・・・・・・・・・・・2合     
       剥きカキ・・・・・・・16個
        ダシ昆布・・・・・・名刺大1枚
       千切り生姜・・・・・・大さじ1
       三つ葉・・・・・・・・・半束分
       千切り海苔・・・・・・・・1枚分
       醤油・味醂・日本酒各大さじ2 
(作り方)
①  米をよく研ぎ、ザルに上げておく。
②  牡蠣のむき身は塩水で洗い、水で倍に薄めた調味料で煮ておく。
③  ①の米を水で薄めた②の煮汁とダシ昆布、千切り生姜で炊き上げる。
④  飯が炊き上がったら、②の牡蠣をさっと混ぜて蒸らす。
⑤   茶碗に盛り付け、千切り海苔と三つ葉を散らす。

2014/02/24(月) 05:00 | trackback(0) | comment(6)

【塩竈市】大鍋まつりであったかおでん

カテゴリー: 外食:その他

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 塩竈のマリンゲートで大鍋まつりが開催されることをチラシで知りました。山形から芋煮用の大鍋がやってくるらしいのです。毎年、9月に馬見ヶ崎川の河原で繰り広げられる芋煮フェスティバルのあの賑わいが塩竈でも見られるのです。もちろん、芋煮をやるわけではありません。塩竈特産の練り製品を使ったおでんを大鍋で炊くのです。早速、行って参りました。

 


 前日(2月15日)は大雪だったのですが、マリンゲートの正面は歩道が確保されていました。
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 駐車場はどこも満車で止めるのに苦労したのですが、マリンゲートの正面広場は閑散としています。山形の芋煮フェスティバルのように大鍋の周りには人集りが出来ているイメージだったのですが。。。それに大鍋が見当たりません。

 


 まだ、大鍋は見付けられませんが、定期船の待合室でおでんを食べている方々を発見。
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 おでんの丼を持って入ってくる人の方向を辿って行くと。。。

 


 やっと見付けました。定期船の乗り場の近くでテント発見。
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 風が強く寒いためか、人も疎らです。それに大鍋はどこにあるんだ?

 


 大鍋発見! スタッフの方々に囲まれて見えなかったのです。
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 それにしても山形の芋煮フェスティバル大鍋とはなんか迫力が全然違うなぁ。。。不思議に思って調べてみたら、芋煮フェスティバルで使われる大鍋鍋太郎と呼ばれる直径6mの巨大鍋でした。こちらは直径2mなので、鍋小太郎でしょうか。。。^^

 


 それはともかく、200円のおでんを頂きます。
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 卵も大根も入ってボリューム満点。お値打ちのおでんです。




 海を眺めながらおでんを食べたいところですが、冷たい風に耐えられません。
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暖かい待合室に退散。冷えた体に温かいおでんが染み渡ります。

 

 


 会場に甲冑バージョンのむすび丸が来ていました。
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 就職のため帰郷した娘とツーショット。おでんこぼすなよ。^^

 


 マリンゲートには以前ご紹介したイタリアンの
ブレアマリーナさんや寿司の山孝さんなども入っています。
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正面の広場の一角はしおがま・みなと復興市場となっており、被災した商店の仮設店舗が軒を連ねております。水産物のお店だけではなく、かりんとうの美味しい煎餅屋さんもありますよ。




  直径2mでしたが、寒風の中、開催された大鍋まつりは、温かいおでんの有り難さが強調された形となりました。ただ、しおがまおでんとのことなのですが、世間一般のおでんとどこが違うのかさっぱりわかりません。阿部膳さんが塩竈おでんとして商品化していますように、牡蠣のエキスをダシに加えているのでしょうか。


 しおがまおでんに冠する以上、地元の練り製品を使う以外に何かわかりやすい特徴が欲しいですね。サンマのすり身のロールキャベツとかマグロか牡蠣の入った巾着とか、オリジナルな具材で差別化しないと食べた人の心には残らないと思います。是非、ご検討を。

2014/02/20(木) 05:00 | trackback(0) | comment(4)

【山形県鶴岡市】男女8人 大山新酒・酒蔵まつり

カテゴリー: 紹介:加工食品・調味料

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 2月8日(土)の朝、バスで山形県鶴岡市に向かってます。この時点では宮城県内の雪も大したことはなく、順調に笹谷峠を越え、山形盆地に入りました。今、男女8名の筋金入りの飲兵衛が大山新酒・酒蔵まつりに参加すべく山形道を西に向かっています。今までと違うのは、今年はお泊まりなのです。一体どんだけ呑むことになるのだろう。。。^^


 山形の山々はまるで墨絵のような美しさ。
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 人造物がなく原始の世界が広がっています。大袈裟か。。。路面も大した圧雪もなく、時間通りにバスは進んで行きます。 



 バスの中では早くも準備運動という0次会が厳かに始まります。
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 今回はチャーターバスではないでのコソーリと。。。現地では日本酒攻めに会う予定ですので、今うちにワインをチビチビ。大山新酒・酒蔵祭りも今回で19回目なのですね。
 


 酒蔵巡りが始まるまでにまだ多少時間があるので、毎年、粕汁の振る舞いがあるお漬物の本長さんへと向かいます。
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 本長商店さんは創業明治41年、今年で106年目を迎えます。初代の本間長右エ門さんが灘(神戸市東灘区)で粕漬けに出会ったことから、この地で地元の酒粕と野菜や山菜で粕漬け屋として開業しました。
 


 現在は粕漬けだけではなく、漬け物全般を製造販売しています。
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 伝統野菜の漬物も充実しており、温海かぶはもちろん、藤沢かぶ、だだちゃ豆の醤油漬けなんてのもありましたよ。

 


 甘酒や鮭の粕汁もご馳走になりました。本当に太っ腹なお店です。
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 冷えた体が温められます。皆様、はふはふ食べるのに夢中でしたね。^^
 


 この縄暖簾に見える物体は本長さんの軒下に干してあった小真木大根です。
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 これでハリハリ漬けが作られていました。青ばた豆も入って酒の肴に最高。もちろん買い込みました。^^
 


 イベント開催までもう少し時間があります。もう1軒、寄り道です。思わず引き込まれた肉の長南さん。
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 店頭でもつ煮を炊いています。呑兵衛の誘引物質やんか。。。^^
 


 お店の中にも席が用意してあり、もつ煮の他にポテトサラダやコロッケなどを買い集めて酒盛りです。
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 もつ煮の美味さは想定外でした。さすが肉屋さんですね。名のある豚の白モツをおそらく生から炊いていますね。
 


 さて、この祭りには2つのコースがあります。一つは蔵巡り、もう一つは新酒を楽しむ会です。昨年、蔵巡りに参加したので、今回は新酒を楽しむ会に参加しました。
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 男女8人が参加したのですが、楽しむ会をチョイスしたのはな・な・なんと、私とanegoさんだけでした。最も太い鉄筋を使った筋金入りの呑兵衛コンビとなりました。この肉食系女子雑食系男子の結末や如何に。。。(^O^)
 


 テーブルには6人ごとに4合瓶の地酒が4本与えられます。ところが、私たちのテーブルは2名がドタキャンしたらしく4名だけ。^^
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 オードブルも充実してますよ。味噌漬け豆腐や甘海老の塩辛、焼き鰰や鱚の揚げ物、串カツ、漬物類と呑兵衛心をくすぐります。^^
 

 さあ、試合の開始です。テーブルの上の酒ではだけではなく、周囲のブースで山形県内の地酒も振舞われます。
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 この闘いは心して望まないと返り討ちに合いそうです。^^ 
 


 日ごろ飲めないようなお酒も頂きました。
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 大山では好みの栄光富士にも様々なお酒があります。他の蔵元と合わせて全部で24種類を利き酒できます。蔵巡りコースでは出来ない体験ですが、意識が朦朧としてきました。でも、anegoさんは24種類を制覇すると息巻いています。え”~、このあとどうなるの。。。^^
 


 はっと、気が付いたのは今宵の宿である湯野浜温泉の竹屋ホテルさんの宴席。。。
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 ここまでの記憶が途切れ途切れですが、宿で二人で大往生していた以外は特に問題はなかったようです。^^ 皆様、の塩焼きにむしゃぶりついておりますね。メール打っているのもいますが。。。

 


 波乱の初日も無事に終えての翌日。。。宿からの日本海は雪で煙っていますがベタ凪。。。が、その頃、、、
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 宮城では記録的な大雪が降っていたのでした。山形道は閉鎖、交通は大きく乱れます。男女8人山形に孤立か???

 

 バスを11時に予約し、ジタバタしても仕方ないので、庄内観光物産館で時間調整です。
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 こちらはその名のとおり、庄内の地場産がズラッと並べてありました。ここでも皆様、お土産の物色です。

 

 恥ずかしながら、私は朝ごはんが食べられませんでした。orz
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 で、こちらで地元ならではのだだちゃ豆ジェラートにトライしてみました。すると、どうでしょう。。。みるみる、食欲が湧いてきました。^^
 
 

 そんでもって、店内の休息スペースでの酒盛りに参加します。
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 ひゃくさんの買ってきた甘海老の唐揚げが地ビールに合う合う。。。^^


 


 心配した帰路ですが、関山峠ルートになったものの、国道は除雪が行き届き、大幅な遅れもなく仙台に到着できました。ただ、仙台の街では救急車が頻繁に走るような凄まじい状況で在来線も止まっていました。山形より物凄い降雪に雪国から帰ってきたはずなのに雪国に来た感じでした。で、電車が動くまで駅ナカで呑み。。。^^



 やっと自宅に戻れました。これらは山形で仕込んできた漬け物の数々。。。
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 山形って工夫の県ですよね。宮城ももっと学ばねば。


 その後、朝飯や晩酌で山形の思い出と共に漬け物を楽しんでいます。
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 長葱の漬け物が秀逸です。これ、自分でも何回も作っているのですが、なかなか満足できる物が出来ません。加熱の仕方に技がありそうです。

 
 


 いやぁ、実に中身の濃い大山新酒・酒蔵まつりでした。健康のためには酒蔵巡りコースの方が無難かも知れませんね。酒造の現場も見ることができますし、各蔵の方々ともお話が出来ます。それぞれはお好みでのチョイスですが、年々、このイベントも人気が出てきて、事前の申し込みが僅か数分で売り切れるとか。地域を上げたおもてなしが出来るのは大山の素晴らしさですね。宮城でこんなイベント出来るだろうか。。。。
 

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2014/02/17(月) 05:00 | trackback(0) | comment(2)

養殖銀ざけのシンポジウムに参加して

カテゴリー: 外食:その他

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 先週、石巻で公開シンポジウム「銀ざけ養殖の今後を考える」が開催されました。生産者のみならず、流通加工関係、行政・研究機関などから200名余が参加しました。宮城県は日本の銀ざけ養殖の発祥地であるばかりでなく、全国一のシェアを誇っていましたが、東日本大震災により生産が一時ストップしました。そのブランクの間に外国産のサーモン類に市場を追われ、価格も暴落しました。この危機的状況を脱出するために「みやぎ銀ざけ振興協議会」がこのシンポを開催し、関係者でディスカッションをするものです。


 

 日本の銀ざけ養殖は昭和51(1976)年、本県の志津川町(現南三陸町)で始まりました。
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 その後、グラフのように急速な発展を遂げ、平成3~4(1991~2)年頃には生産量2万2千トンでピークを迎えますが、白ざけ放流事業の成功や輸入サーモン類の増加で供給量が日本人が年間に消費できる30~40万トンを超過したことから値崩れを起こし、衰退し始めます。


 それでも、残った生産者は懸命な努力で減少を食い止めた結果、1万トン前後で安定し、近年はやや増加傾向にありました。この間、EP餌料の導入や魚病対策など、技術的な躍進もあり、品質は飛躍的に向上しております。


 その最中、2011年の東日本大震災により、出荷目前の銀ざけが生簀諸とも津波に飲まれ、すべてを失います。しかし、生産者を始め関係者の懸命の努力で翌年には早くも震災前の70%の生産を回復しますが、1年間の出荷ブランクのために市場を外国産のサーモン類に奪われ、価格はまたしても暴落しました。


 その後、徐々に単価も回復しておりますが、銀ざけ養殖をただ震災前に戻すのではなく、それ以上に発展させようと研究機関や企業もコンソーシアムを組んで研究に乗り出しています。


 

 世界的なサーモン類の消費は伸びている一方で、養殖銀ざけの消費実態はまだまだ課題が多く残されています。
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 上の円グラフは銀ざけ振興協議会が仙台市民を対象にアンケート調査ですが、宮城県産銀ざけを食べない、知らないという方が約8割です。宣伝も足りないのでしょうけど、店頭ではチリ銀やノルウェーのサーモンの方が多くを占めていますからね。


 宮城県産の生の銀ざけが出回るのは4~7月、刺身商材としても周年、生で空輸されるノルウェーのアトランティックサーモンに押され気味です。ただ、近年、世界的な魚嗜好からノルウェーも日本市場だけではなくEUへの輸出を増やしてきており、日本市場に隙が出来るとの見方もあります。


 

 有名な水産庁のウエカツ(上田勝彦)さんも講演に来てくれました。
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 いま、日本の人口ピラミッドは野生生物では考えられない逆ピラミッド型の消費を支えてきた65歳以上の年齢層は20年以内にほとんどいなくなります。30~40歳代の中堅層もは外食で消費することが多くなってます。つまり、は嗜好品となり、日常的に必要ではなくなってくる事に彼は危機感を抱いています。


 特に子供がまだ小さい、30代前半の家庭でを食べる機会が減ってきますと次の世代もから離れます。現在、女性も70%が働いており、日常的に手間のかかる魚料理を作ることはできません。


 

 彼の辛口のコメントが炸裂します。銀ざけ振興協議会を作った銀ざけ料理のパンフにも言及します。
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 「このような料理、週に1回、いや月に1回作りますか? また、作りたくなりますか?こういう料理はほとんどの人がレストランやカフェで食べるものです。」で、彼の提唱する銀ざけ料理は以下のレシピの「湯煮」でした。

 
 ① 銀ざけの切り身を買ってくる。
 ② 塩をする。(塩銀は省略)
 ③ フライパンに湯を沸かし、日本酒を少々。
 ④ 沸騰させない温度で切り身を茹でる。

 
 これは焼いたり煮付けたりするより、身がふっくらしっとりとするするそうで、ネギの微塵切りとポン酢で和風、胡椒とオリーブ油で洋風、おろし生姜と胡麻油で中国風にも変身できるとのこと。フライパン一つで4切れは処理できるので忙しいお母さんには好都合ですね。


 

 さらに彼の駄目出しは続きます。
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 これも振興協議会が作った銀ざけのポスター。何を誰に訴えているのか不明。共通のロゴマークとしてはよいんでしょうが、対象を絞り込んで伝えたい内容がひと目で飛び込んでこないと効果がないらしい。


 

 さて、ランチタイムには銀ざけ料理の紹介もありました。
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 これらはホテルの厨房が作ったものですから、凝ってます。

 
 

 名称を紹介した資料は配布されなかったのでうろ覚えですが、中華風の揚げ物
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 銀ざけを揚げてから甘辛いたれがかけてある感じです。


 

 味噌を使った地に漬けた焼き物の銀ざけ
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 銀ざけは輸入サーモン類と違って適度な脂なので和食にも良く合います。


 

 こちらはグレープフルーツが使われたマリネですね。
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 銀ざけも薄切りではなく、ほぐした身のようです。


 

  午後からは、生産者や流通業者も交えたパネルディスカッション
銀ざけは刺身商材としても有望なので、西日本のハマチや北海道の定置網の秋鮭でも行っている活け締めをやるべきだ。」との意見に生産者は
100~150トンもの銀ざけを水揚げしなければならない。1尾1尾締めている時間はない。」と反論。ウエカツさんも
せめて1割でもいいから活け締めで特選として出すべきだ。」と食付きます。それに
良い物を作っても仲買いが高く買う保証はない。」で会場はしゅんとなりました。そこに、津田鮮魚店おさかな王子(二代目)が、
いい物は高く買います。そして、価値を認めてもらえるよう高く売ります。
 に会場には拍手が湧き上がりました。実際、ある地区の若い銀ざけ生産者グループは活け締めマシンを導入しようとしていますし、宮城の銀ざけ養殖も徐々に変わっていくでしょう。



 私も銀ざけ若布を使った料理教室をやっていますが、今後の消費拡大を考えるとと、独身もしくは子供の小さい世代を対象に、凝ったものではなく簡単に出来る料理を教えていく必要がありますね。どうも男の料理は手間を惜しまないので時間をあまり気にしないのですが、家庭の主婦にはそんなゆとりはありません。嫌いな言葉ですが、私も少し時短を意識した料理を作らないといけないのでしょう。私も変わらねば。。。
 

2014/02/13(木) 05:00 | trackback(0) | comment(4)