根っこも食べる仙台セリ鍋
カテゴリー: 外食:居酒屋・割烹
仙台において根っこも食べるせり鍋が商品化されたのはいつ頃からでしょうか。少なくとも2009年のサ会忘年会では佗び助さんでこのせり鍋を突いております(関連記事)。私の両親はそれぞれ何代も前からの仙台人ですが、このスタイルのせり鍋を食べさせてもらったことは一度もありませんでした。ただ、正月の雑煮には必ずせりが入りましたけど。
仙台人にとってせりはソウルフードのような食材なのかも知れません。東京、関西で育った私はせりの根っこを食べる習慣を知らず、上記の忘年会でみんながびっくりしていました。仙台に戻って30年になりますが、根っこを食べるせり鍋が表舞台に出てきたのは比較的歴史が浅いのではないか思っています。おそらく、元々は生産者やその周辺の方々が家庭で食べてきた物なのでしょう。
この根っこ食いは宮城に限ったことではなく、秋田や山形にも存在するとのことです。そうするとこの食習慣はかなり古くからあったのでしょう。海外でもフェンネルやパクチー(コリアンダー)の根っこを利用しているのは見たことがあります。セリ科の植物は根も美味いんでしょうね。だとすると、同じセリ科のミツバは何故根っこを食べないのでしょう。根にボリュームがないからでしょうか。。。
さて、本日は仙台駅前のAKビルにある蔵の庄総本店さんでせり鍋です。著名なクリチ閣下のお誘いです。^^
人気があるのでせり鍋と合わせて要予約ですね。
こちらの突き出しには県内産の野菜が出されます。
産地も説明してくれたのですが失念。。。人参の天ぷらが甘くて秀逸。生野菜は辛子味噌にディップして頂きます。
お造り盛り合わせも適度なけんで無駄が出ないのが好感触。
白身の鮮度も文句なし。
これは山芋のステーキ。生と違ったホクホク感が魅力です。
予め加熱した山芋を強火のオーブンで焼いているようですね。それとも炒めてからバーナーかな。。。
ちょっとピントが甘いですが、揚げ出し豆腐とガツぽんです。
ガツをポン酢で食べるのは良いアイディアですね。沖縄のミミガーを連想させます。
さあ、ここで本日のメインであるせり鍋の登場です。
せりは名取市の三浦隆弘さんが栽培したものです。彼は江戸時代初期から伝承される仙台セリとミョウガタケの生産者で、「なとり農と自然のがっこう」の主宰者。無農薬、無化学肥料で栽培しています。
最初に鶏肉を入れ、続いて根っこが作法らしい。葉っぱは食べる直前です。
鶏肉が煮える前に根っこが入りました。^^ 根っこは歯ブラシで綺麗に掃除されています。
根っこにもせり特有の爽やかな香りと苦味があります。食感はもやしのようですけど。
やはり私にも仙台人の遺伝子が受けつながれているのでしょう。このせりの香りは何か遠い昔を思い出させるような働きがあります。^^
この根っこも食べるせり鍋は一説によれば、名掛丁センター街のいな穂というお店のせりしゃぶが商品化の発端ではないかとされています。それがいくつかの居酒屋さんで定番メニューとなり、ここ10年で急速に知名度が上がったのではないでしょうか。いずれにしろ個性的で話題性のある鍋なので、仙台名物として今後も定着するでしょう。
蔵の庄 総本店
・所在地 :仙台市青葉区中央1-8-38 AKビル4F
・電 話 :022-268-2488
・営業時間 :16:00~24:00
・定休日 :無休
・駐車場 :なし