【村田町】蔵の街の喫茶店で味噌シフォンケーキ
カテゴリー: 外食:その他
先日、蔵が残る富谷新町塾を散策してきましたが、蔵で町起こしをしているといえば、村田町の方が有名ですね。両者の違いは町の成り立ちにもあるのですが、蔵の街に人を呼び込もうととする思いの表れにあるともいます。やりたくても予算面や住民の意向などでできない場合もあるのでしょうけど、村田町の商店街はほぼ真ん中に大きな駐車場があり、そこには綺麗なくらの厠があるのが、有難いです。散策の前にトイレに行っておかないと次にどこでできるか不安になりますからね。
久々に村田の蔵の町並みを散策です。
村田町は江戸時代に紅花を集出荷する基地として栄え、江戸や遠く上方にも荷を送っていたそうです。紅花商いで財をなした村田商人は街道筋に蔵を構え、京や大坂からの帰り便で呉服や陶芸品、掛け軸や人形などとともに京文化もこの地にもたらしました。
有名な乾坤一はこの街の大沼酒造店さんのお酒です。
正徳2年(1712年)の創業と言いますから、約300年も酒作りを続けてきたことになります。乾坤一を知らない方が、いぬい・しんいち と読んだという笑い話があります。^^ 乾坤一(けんこんいち)は乾坤一擲(けんこんいってき)、すなわち、乾坤(天地)をかけて一度さいころを投げる意に由来します。
はっきり見えませんが庵看板には、上もろはくと書いてあります。
もろはくというのは漢字で書くと諸白で、麹米も酒米もともに精白した白い米を使って醸造するという意味です。当時の高級酒のことですが、現在の清酒と同じくらいだったそうです。上もろはくですから、その中でも高品質を誇ったのでしょう。
さて、駐車場の隣にあるこの蔵には珈琲紅茶の看板が見えます。
こちらは山家(やんべ)さんが経営するcafe蔵人です。山家さんとは2月の大山新酒まつり以来のご無沙汰です。
太い柱の蔵の中は重厚な空気が漂います。
カウンターの端には箪笥が組み込まれた急な階段が見えますね。
オーディオ関係は疎いのでよくわからないのですが、かなり名機らしいのです。
こんな真空管を使ったアンプがまだ存在するのですね。
乾坤一の大徳利が飾ってありますが、その隣に不二正宗の文字が見えます。
大沼酒造店さんは初めは不二正宗という銘柄で出していたそうですが、初代宮城県知事がこの地でその酒を飲んだところ大そう気に入り、現在の乾坤一と命名されたそうです。その意味は上記のとおりです。
さて、本日はコーヒーとケーキのセットをお願いしました。
ケーキはこの町のイメージを現代的に表現した味噌シフォンケーキ。こういうハイセンスな商品開発がこの街の魅力にもつながるのですよね。なんでも饅頭作れば良いってもんじゃありません。^^
味噌の仄かな塩味が大人の味を醸し出しています。
甘味が抑えられていますので、これで乾坤一をやってもヨサゲですね。^^
村田町でも蔵を維持していくのが大変のようです。蔵人さんの蔵も3.11東日本大震災で壁が大きく崩れたそうですが、土壁を塗り直せる職人が少なく、現代の工法で修復したそうです。蔵の街に人を呼ぶためには、わかりやすい駐車場とトイレ、それに蔵を利用した休み処と飲み食い処でしょうね。近くに道の駅はありますが、蔵の街でじっくり時間を過ごすにはこれらが必要不可欠と思います。食事の出来る蔵のレストランが欲しいなぁ。。。
cafe蔵人
・所在地 :宮城県柴田郡村田町大字村田字町75
・電 話 :0224-83-2243
・営業時間 :10:00~18:00
・定休日 :不定休
・駐車場 :あり(隣の共用駐車場)