新作 ヨモギはっと こりゃ美味い!
カテゴリー: 料理:山菜・筍・茸
庭のヨモギもワサワサになってきました。正確に言いますと、これはヤマヨモギとかエゾヨモギと呼ばれる北方系のオオヨモギです。宮城県だと本種とヨモギが混成します。両種とも区別されず、餅草として利用されています。
実はこれ、園芸店から買って、植えたものなのです。ヨモギなんて買わなくたって野原や道端などどこにでも生えていますよね。その経緯につきましては。こちらをご覧下さい。ヨモギ類の見分け方も解説しておきました。
ヨモギは日本を代表するハーブなのですが、その利用はお灸のモグサは別として、もっぱら草餅にして餡や黄な粉を塗した和製スイーツが定番です。でも、沖縄ではフーチーバージューシーと言って、豚肉を入れた雑炊や炊き込みご飯で食べています。
あ、そうか!なんで今まで気がつかなったんだろう。草餅をフーチーバージューシーの味付けで食べればいいんだ。よし、思い立ったら、すぐ行動!! 行動しながら考えるが私のモットー、失敗も多いのですが。^^
材料はヨモギの他に豚肉と根菜などあり合わせの野菜、餅粉(白玉粉)とすいとん用の粉も使ってみました。出来上がりイメージはフーチーバージューシー味のヨモギはっとです。
汁物にしますのでダシパックと昆布でダシも取ります。味付けは醤油と麺つゆ、炒め油には胡麻油を使いました。豚肉は沖縄っぽくカレー用の角切りにしました。
最初に胡麻油で細かく切った豚肉を炒め、八分通り火が通ったら、野菜類を炒め合わせます。
その間にダシも取っておきます。
具材が炒まったら、麺つゆと醤油で濃い目に味付けます。
その後、しばらく置いて味を馴染ませ、下に溜まった調味液をダシで薄めて、つゆにします。
次にヨモギはっとを作ります。ヨモギはさっと湯がいて硬い茎を取り除き、包丁で叩きます。
茹でますとひと束あったヨモギが握り拳ほどになります。繊維が硬いので、気長に刻んで下さい。
続いて、擂り鉢で突き潰してから、擂っていきます。
突き潰したら少し水を加えた方が楽に擂れます。2~3mm位の断片になれば大丈夫です。
白玉粉(右)にすいとん粉(左)を等量加えて餅の粘りにツルンとした食感をだそうと考えました。
白玉粉とすいとん粉はよく混ぜておきます。白玉粉は小さな塊になってますが、水分を加えてよく練ればこなれます。
擂り上がったヨモギ汁を徐々に加えながら、よく練っていきます。
手でまとめられるくらいの水加減です。打粉をしながらまとめて、さらに練り込んでいます。
うどんを打つ要領で伸ばしていきます。
この時も打粉は忘れずに。
伸ばした生地をはっと風に切ってます。一反木綿の世界に紛れ込んだようです。^^
厚さなのですが、薄ければツルンとした水餃子のような食感になるのでしょうけど、噛む程にヨモギの香りが広がるように、3mm位にしています。
これを熱湯で茹で上げます。
白っぽかったヨモギはっとに透明感が出て、鮮やかな緑色に変身します。
茹で上がりましたら、先ほどのつゆに入れ、具材を盛ります。
天にはヨモギの葉先を乗せました。七味洋辛子がよく合いますね。
ツルンとした食感ですが、白玉粉も使っていますのでモチモチ感もあります。
狙い通り噛んでいるうちにヨモギの香りが口に広がります。このフーチーバージューシー風の味がヨモギはっとよく合ってくれました。これはいい。春の定番料理として、堂々の殿堂入りです。^^
ヨモギって身近な野草なのに、沖縄以外では草餅くらいにしか利用されてきませんでした。勿体無い話です。沖縄の郷土料理をヒントに新しいヨモギはっとを創製しました。このありそうでなかったヨモギはっと、みちのくの新名物に出来ないかなぁ。ヨモギは若葉のうちに摘んで、茹でて刻んでから冷凍しておけます。料理教室でもやってみるかな。^^