最近、長葱の漬け物の美味しさに目覚めました。過日、加美町の利蔵庵米澤屋さんでお蕎麦の前に出された漬け物盛り合わせに美味しい長葱の漬け物が入っていました。世には市販品もありますが、これを自分でも作ってみようと思い立ちました。あの長葱の食感は多少加熱してありますよね。生でしたら、あの甘味やねっとり感は出ないはずです。そこで、漬け込む前に最適な加熱手法を検討してみました。
電子レンジで加熱できれば簡便なので、15cm位に切った長葱をラップにくるんで600w、20秒、40秒、60秒でチンしてみました。
長葱は乾燥した外皮は必ず剥いて下さい。実際に漬け物を作る時は、もっと量が多くなりますので、加熱時間もさらに長くなるでしょう。今回は食感の確認という意味でやってます。
それぞれの加熱後の状況。左から20秒、40秒、60秒。
さすがに1本だけですので40秒以上の加熱ですと、水分が飛び過ぎて萎び始め、食感も硬くなりました。ラップに包んでいても電子レンジは水分を奪いやすいのかも知れません。20秒だと何とか好い感じですが、これを何本も同時に処理すると、きっとムラも出てくるでしょうね。
茹でるのは均一性が確保できそうですが、温度と時間がまだ未知です。茹ですぎたらシャッキリ感がなくなりますので少し低めの温度で様子を見ます。
そこで、熱湯ではなく、70℃前後に温度を下げて、とりあえず、10分、20分、30分で試してみます。
その結果ですが、どの時間でも水分が奪われることはありませんが、20分以上ですと、ちょっとヘタレて、シャッキリ感は薄れます。
そこで、最適茹で時間は70℃の場合、10~15分という結論に達します。ただ、長葱の太さにもよりますので、横に冷却用の水を用意して、10分過ぎたら、実際に噛んでみてシャッキリ感を確かめましょう。
それでは漬け物作りを始めます。多めのお湯に浸していきます。
一旦、湯温は下がりますので、80℃位に設定しておいた方が良いかも知れません。下漬けをしませんので、1%前後の塩水で茹でても良いでしょう。あとは、70℃を維持するように火力を調節して下さい。
漬け込み液は和洋2種類作ってみようと思います。
和風は麺つゆ、塩、醸造酢、蜂蜜を水で薄め、濃い目の吸い地くらいに調製し、生姜と鷹の爪で味のアクセントにします。洋風はコンソメの素を使い、やはり、塩、醸造酢、蜂蜜で調味して、ローレル、イタリアンパセリ、ニンニク、クローブ、黒胡椒などで香り付けします。
それぞれ一度、煮立てて冷ましてから漬け込みます。
漬け込み液の量はネギが浸かるくらい、、、適当です。^^
このようなフリージングバックを使うと便利です。
とりあえず、一昼夜、冷蔵庫で寝かせて様子を見ましょう。
まず、これは和風。う~ん、いいね! ホッとする味です。シャキシャキ感も佳い具合です。
市販品よりは淡い味付けになりましたが、血圧のためにもこれくらいで我慢しましょう。^^ 仄かに感じる酸味が決め手かも。
一方、こちらは洋風。オリーブオイルを垂らし、黒胡椒を降りました。
漬け物というより、マリネだと思えば、納得いく美味さです。アンティパストの一員として活躍してくれそうです。
自家製ネギの漬け物を加熱手法の検討からはじめましたが、長葱の太さや収穫されてからの時間で加減は必要でしょう。ともあれ、葱には硫化アリル、特にアリインが豊富で、体内でアリシンに変化して強力な殺菌作用を発揮します。そればかりか。硫化アリルは血栓の生成予防、血中コレステロールの増加抑制、インスリンや胃液の分泌促進、発汗促進、免疫機能の向上、癌の予防などにも役立つとされており、一日、1回は食べたい野菜ですね。今年は例年より、少し多めに植え付けました。^^