【塩竈市】蔵元ツーリズムに参加(後編)
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さて、塩竈酒蔵ツーリズムの後半です。浦霞の佐浦さんを後にして、男山の阿部勘酒造店さんに着きました。
こちらの杉玉(酒林)も茶色くなって、新酒の完成を知らせています。
塩竈地区では緑の杉玉が茶色になったら新酒のシーズン到来の合図です。
工場の前でまず見学の概要の説明を受けます。佐浦さんと異なって、酒蔵というより、近代的な工場といった感じです。
醸造の工程もきちんとしたフローチャートで説明して下さるので大変わかりやすかったです。これが最初に頭に入っていますと、今、どの段階を見ているか認識できます。
こちらでも大吟醸用の洗いカゴを使われていました。蒸し器の前で阿部勘さんの酒造りの説明が始まります。
阿部勘さんも享保元年(1716)の創業で佐浦さん同様、かれこれ300年の歴史があります。しかし、水害や火災に遭い、古い蔵は消失しました。さらに、平成8年の道路拡張に伴って、蔵を一気に近代化したそうです。
こちらは麹室。各施設の前にフローチャートに対応した番号が示してあるのが親切です。
麹室の中には入れません。当然ですよね。こちらの雑菌が入ったら大変です。
こちらもクリーンな環境が要求される酒母室。
この季節は役目が終わり、中はがらんとしていました。
続いて、醪蔵。やはりこちらでも三段仕込みが行われています。
規模は佐浦さんと比較しますと、小さいのですが、近代化は進んでいるように見えました。
こちらの圧搾機は薮田式自動もろみ搾り機でした。酒粕は焼酎の醸造に使われます。
大吟醸も造られていますので、おそらく、槽搾り式圧搾機もどこかにあるのでしょう。
ここで、試飲です。大吟醸の阿部勘です。
大変美味しいのですが、もう、ぼちぼち、ちゃんと? 呑ませてほしいなぁ。フラストレーションが堪ります。^^
我々の班は阿部勘さんでセミナーを受けます。
日本酒の特性の分類や体系化は大変勉強になりました。料理との相性も例示されていますが、地酒が豊富な飲み屋ならいざ知らず、家庭で料理に合わせて日本酒をいくつも準備するのは大変ですね。
ここで日本酒の三銘柄と肴の相性度確認です。お酒は阿部勘さんの特別純米、純米吟醸亀の尾、純米吟醸ひよりです。
これはこちらの味覚が試されているようで緊張します。まずは仕込水で口を清めます。
料理はサーモンのマリネ、鮟鱇の友和え、銀鱈の照り焼きです。これは松野鮮魚店さんが調理したものです。
こりゃ、難しいなぁ。マリネだってサーモンだけ食べた時とオニオンを多めに含んだ時では味が全く違うし、鮟鱇も肝味噌の付け具合で合うお酒も違うように感じます。こう考えると最大公約数で捉えるしかないでしょう。
私は食中に惣菜に合わせて頻繁に銘柄を変えるなど、非現実的だと思います。例えば、メインが天麩羅とか鋤焼きという場合に副菜は兎も角、それらに合えば良いと思います。個人的な味覚からすれば、本日の三種の料理を通して食中酒として選ぶとすれば、純米吟醸亀の尾でした。
さて、工場見学も終わって解散ですが、阿部勘さんのすぐそばにこんな石碑を見つけました。
「東日本大震災による津波はこの地点まで到達する」。これこれ、こういうモニュメントや津波浸水ラインを街の至る所に残すことで、後世の人々へ津波に対する認識が継承できるのです。それと逃げる場合の道標にもなりますしね。
今回の塩竈におけます蔵元ツーリズム、大変勉強になりました。長い伝統のある蔵元と同じく伝統がありながらも近代的な装備の酒蔵を同時に見ることが出来たのは嬉しかったです。色々な意味で比較が出来ました。ただ、残念なのは、セミナーの後の酒と肴の相性確認です。我々の班は阿部勘さんが終点なので阿部勘さんのお酒だけでした。二つの蔵元を見学したのですから、同じ酒米の吟醸酒や純米酒で飲み比べをしてみたかったですね。
実は娘が東京の大学で醸造学を勉強しており、実験で日本酒も造っています。もう4年ですが、就職が決まらず焦っております。どこかの蔵元さん、採用予定ありませんか。 m(..)m
浦霞醸造元 株式会社佐浦
・所在地 :宮城県塩竈市本町2-19
・電 話 :022-362-4165
阿部勘酒造店
・所在地 :宮城県塩竈市西町3-9
・電 話 : 022-362-0251
松野鮮魚店
・所在地 :宮城県塩竃市本町10-5
・電 話 :022-362-1668
・営業時間 :7:00~19:00
・定休日 :日曜・祝日
・駐車場 :なし
熊久商店
・所在地 :宮城県塩竈市本町11-5
・電 話 : 022-362-0441
・営業時間 :8:00~19:30
・定休日 : 水曜日
・駐車場 :なし