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沖縄のソウルフード 足てびち

カテゴリー: 料理:肉・卵・乳

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 学生の頃、新宿御苑近くにあった西武門と書いて、にしんじょうという沖縄料理の店に足繁く通いました。沖縄の海と魚への憧れもあり、沖縄に行く際の情報収集のためにも貴重なスポットでした。お客さんの大半は沖縄出身の方々ですので、当時のガイドブックより正確で詳細な情報が得られたのです。お陰様ですっかり沖縄通となり、学生時代は毎年、沖縄に潜りに行ってました。



 もちろん沖縄料理も大好きで、泡盛を煽りながら舌鼓を打っていました。まだ、沖縄に行く前、西武門で食べた足てびちにカルチャーショックを受け、沖縄で最初に食べた料理も足てびちでした。みちのくでは冷たいままの豚足を酢味噌で供することが多いのですが、スプーンで食べられるくらいに柔らかく炊かれた足てびちは夢心地の味わいです。今でも時々、沖縄が恋しくなって衝動的に作ってしまいます。^^




 材料は真空パックの茹で豚足に昆布が基本、味付けは酒と醤油と塩と鰹ダシです。
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 大根と彩りに人参も使ってますが、あまり余計なものをゴタゴタ入れない方が豚足を純粋に味わえます。




 ダシ汁に調味料で薄く味を付け、豚足、昆布、輪切りの大根、厚めの短冊に切った人参を炊いていきます。
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 落とし蓋変わりに切れ目を入れたクッキングペーパーを被せます。最初強火で、沸騰したら弱火で1時間ほど炊きます。時々、鍋を揺すって、豚足が鍋底に貼り付いて焦げるのを防ぎます。




 出来上がった足てびちです。私は練り芥子で食べるのが大好きなんです。おでんの感覚ですね。
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 しまった。泡盛用意しておくのを忘れました。やまやさんまで買いに行くのも億劫なので、常備している麦焼酎で頂きます。




 このようにフルフルと柔らかく炊けてます。
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 コラーゲン
も加水加熱されてゼラチン質となり、とろける食感となりました。




 豚足は関節の集合体でもあり、腱(スジ)も多く、ブルンとした食感も楽しめますね。
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 肉は少ないのですが、皮とスジを楽しむのが足てびちですね。コラーゲンとともに関節によいコンドロイチン硫酸も摂ることができますので、一石三鳥のお惣菜です。




 一緒に炊いた大根も旨味を全身に染ませて実に秀逸な味わい。 tebiti7.jpg
 大根って癖もありますが、旨味を取り入れて1+1以上のものになってくれますね。 



 
 足てびちのもう一つのお楽しみは煮こごりです。
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 次の日の朝、これを暖かいご飯に乗せて食べるのが最高なんです。凝縮された旨味がチュルチュルと解け出し、ご飯に染み込んでいきます。それを一気にワシワシと掻き込むのです。ご飯はここ数カ月、玄米ご飯ですが、煮こごりとの相性は変わりありません。




 沖縄の食べ方が卓越しています。鳴き声以外は全て食べると言われており、豚足は勿論、内臓から面の皮や耳まで市場で見かけます。ミミガーと呼ばれる耳の酢の物もカリカリした食感で大好きです。白モツを入れた中身汁もさっぱりして捨てがたいですね。ただ、伝統的な沖縄料理もキャンプの影響でジャンクフードに押されているようです。それに伴い、長寿県であった沖縄に変化が起きています。



 1980年代には男女ともに47都道府県中第1位だった平均寿命が、沖縄男性は2000年に全国平均をも下回って26位に急落してしまいました。2005年の調査でも、女性は第1位を維持しましたが男性は25位に止まっています。男女でこのような大きな差が出るのは食べ物だけが原因ではないかも知れませんが、沖縄県民の肥満率(BMI25以上)は男女とも全国第1位(2000~2005年)なのです。ただ、沖縄男性の酒量が尋常じゃないので、メタボ+酒が効いているのかも知れません。



 沖縄男性と対等に酒を酌み交わせる私も、今はアトキンスと往復6Kmの徒歩通勤で絞っていますが、油断をすればBMI25突破の可能性もまだ残っています。もほどほどになのですが、それが出来ずに齢を重ねております。そのツケがいつ吹き出すか、内心ちょっと憂いを感じながら今日も呑むのです。^^

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2012/12/10(月) 05:00 | trackback(0) | comment(4)
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