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隠れ茶寮で恩師の三回忌

カテゴリー: 未分類

  今年(2012)、最後の記事となりました。
この1年、ご閲覧、コメント頂いた皆様ありがとうございました
なお、今年4月、父が他界しましたので、新年のご挨拶は
ご遠慮申し上げます。




 さて、今月初めのことですが、恩師の三回忌のために久々に上京しました。お寺での仏事のあとは茶人なら憧れの大橋茶寮さんで会食となりました。
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  私もはるか昔、裏千家をホンの少しかじった事はことはありましたが、今はもう10分も正座が出来ません。正式な茶事懐石だったらどうしようと、内心ブルーになっています。茶事までの食事にも作法がありますが、全く覚えておりません。





 ところで、こちらの大橋茶寮さんは港区虎ノ門の高層ビルに囲まれた谷間でひっそりと隠れるように日本の伝統を守り抜いております。
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 後ろにそびえ立つのは今年8月に完成したアークヒルズ仙石山森タワー。このミスマッチは現代日本の中で埋もれつつも脈々と継承される伝統文化の力強さを象徴しているようです。




 腰掛待合とその近くに真っ赤に熾きた炭たっぷりの火鉢が冷えた客をでお迎えしてくれています。玄関の石畳には打ち水がなされ、おもてなしの心が伝わります。
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 和服の女性が丁寧なご挨拶をされましたが、ご当主の大橋宗乃さんだったのでしょうか。大橋さんはかつてこちらで裏千家の道場をされていた14代淡々斉宗匠のお弟子さんです。敷地内にある茶室守貧庵は2006年に有形文化財に登録されました。まさに大都会に残されたお宝的存在なのです。




 長い廊下を巡って案内されたのは市松模様の襖が印象的な桂離宮を模したお部屋でした。
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 私の心配は外れました。茶事懐石ではなく会席料理での会食でした。緊張がスーっと抜けていきます。あぐらも許され、必要な方には椅子も用意してくれました。




 献立表はなかったので、記憶を辿りながらご紹介します。まず、先付です。つまり会席でいう前菜のことですね。
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 手前から時計回りでお多福豆の甘露煮、鶏松風、公魚串焼き、帆立黄身焼き、鮑道明寺揚げ、茸和物柚釜、煎り銀杏。。。だったと思います。本当に細部にまで神経が行き届いております。



 
 椀物は胡麻豆腐に一寸大根と雲丹が乗せられています。
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 胡麻豆腐が実に滑らかです。すましのなんと上品なこと。 




 向付は平目の昆布締め二杯酢。部屋の照明はかなり落としてありますので、時々ピンボケですがお許しを。
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 平目には菊花と柔らかいとんぶりのようなものが乗せられていましたが、何だかわかりませんでした。水前寺海苔の細々かなぁ。




 鉢肴は鰤の照り焼きでした。織部のが照り焼きの焦げ茶とマッチしてます。 
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 当然ながら、天然の寒鰤でしょうね。脂もほどよく乗って良い具合。




 強肴は身欠鰊と里芋の煮物。
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 青物と天には紅葉麸が。鰊が実に柔らかく戻されていて、口の中でほろけます。




 止め肴柿膾でした。これもピンボケですがご容赦。
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 柿の甘みが酸味を和らげています。みちのくでもよく見られる膾ですが、なんとも垢抜けています。



 
 ここで食事です。お決まりのご飯と止め椀、香の物です。
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 止め椀は普通味噌汁ですね。具には生麩でした。




 正直に言いますとここまでに4合くらい呑んでいます。給仕される和服の女性が呑ませ上手なのです。^^ 周りの殿方もだんだん雄弁になっています。恩師のこと、科学のこと、政治のこと、原発のこと。。。皆様の熱き想いが語られます。




 水菓子は林檎のコンポート。会席料理ではなんと呼ぶのでしょか。蜜煮
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 添えてあるのはヨーグルトなので後口もさっぱり。



 
 最後の濃茶には豌豆が入った餅が付きました。
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 餅は羽二重のように柔らかですが、甘さは控えめです。まったりとした濃茶が会食の最後を締めくくります。





 都会のオアシスのような大橋茶寮、決して敷居は高いわけではなく、温かいもてなしの心に溢れております。本格的な茶寮でこんなにくつろげるなんて、全く想定外でした。これも恩師の奥様が参列者のことを考え、作法にあまりきつく縛られない会席料理にして下さったからです。そういえば、茶碗や袱紗もまだ取ってあったはずです。本当に久々に茶道の真似事でもしてみましょうかね。^^

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2012/12/31(月) 05:00 | trackback(0) | comment(4)

有馬記念で出張料理人

カテゴリー: 未分類

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  すっかり恒例となりました大名マークさんちでの競馬パーティー。私は競馬がちんぷんかんぷんなので、料理を作ってお出しして、それなりに楽しんでおります。今回はコトルひゃくさん大名マーク夫人とのコラボになります。ひゃくさんはプロですので、ずいぶん前から緊張しています。特に今朝はガッチガチです。^^ プロから見れば私の料理なぞ、ままごと程度です。でも、せっかくの機会ですので、キッチンでいろいろ教えて頂きたいと思っている次第です。m(..)m




 だんだんと勝手知ったるになってきましたスポンサー大名マークさんちのお勝手。^^
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 明るくてすごく広くて仕事がしやすいキッチンなのです。昨年の大震災で津波が襲いましたが、見事に復旧させました。さあ、気合を入れて、献立表や調理タイムテーブルも貼り付けて、いざ、調理開始です。




 は各自が好きなものを持ち寄るとなってます。^^
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 これはまだほんの序の口。記事の最後で14人が呑んだ全量をお見せしますね。^^ ラベルには持ち込んだ方のお名前を書いて話題性を喚起します。薀蓄もすぐ聞けますしね。恥ずかしながら即席のクリスマスリースも作ってみました。




 前菜は発酵系の三品です。庭の葉蘭に盛り付けてみました。
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 全て手作りです。左から鰰の飯寿司粕味噌漬け豆腐銀鮭の紅葉漬けです。粕味噌漬け豆腐は文字通り酒粕と白味噌を混ぜた物に脱水した豆腐を1ヶ月から2ヶ月漬け込んだものですが、私は塩麹も加えました。作り方はこちらをご選ん下さい。かなり酒粕が利いてますので、空きっ腹で食べると酔います。^^ 銀鮭の紅葉漬けにも塩麹を擂り潰して加えております。




  続いて、空腹の胃袋をお酒から護るためのお凌ぎです。蛸飯を炊いて、海の幸各種を盛り込んでみました。
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 海の幸のお料理は蛸の桜煮鮑の旨煮帆立貝の味噌漬けです。彩に銀杏と東根の紅葉麸を天に盛ってます。




 今回はプロフェッショナルのひゃくさんに指導を受けながら、お手伝い頂いています。 
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盛り付けもこちらの想定以上に綺麗に決まってます。師匠と呼ばせて頂いてもよろしいでしょうか。^^




 続いて、鳴瀬の牡蠣ユケチュウさんが持ち込んだ会津の純米吟醸泉川で贅沢に蒸し上げます。
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 被災が激しかった東松島市の鳴瀬地区ですが、いつも世話になってます奥松島かき鮮さんも加工場が激しく被災しました。でも、自力で再建し、今年からは牡蠣の販売も始めています。




 蒸し上がった牡蠣をハーフシェルで柚子とともに供します。
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 今年は猛暑が続き、松島湾の水温が30度を超えました。さすがの牡蠣も耐えられず、大部分が死滅しました。その後遺症によるためか、冬になっても生き残りや身入りが例年に比べて芳しくありません。いつもでしたら、真っ白くパンパンに張った身が自慢の鳴瀬牡蠣なのですが。。。でも、みなさま、美味しいと言って喜んでくれましたのでホッとしました。




 三陸産の海の幸でお造り盛り合わせです。大胆に厚めに切っています。
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 生目梶木生目鉢鮪活帆立貝銀鮭、手前の丸いのは〆銀鮭を甘酢に漬けた大根の桂剥きで巻いたものです。これらは全て気仙沼港に水揚げされた魚と志津川湾で養殖された魚貝類です。



 
 焼き物代わりにマッシュドポテトを型抜きしてから焼いて自家製の塩辛を乗せてみました。
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 塩辛は熟成を促すために気仙沼に持ち込んで毎日、掻き回して万遍なく空気に触れさせていました。馬鈴薯塩辛の組み合わせは北海道が生んだ名作ですね。

 



 こちらはヘシコのピッツァです。仙台駅前の居酒屋長州さんの名物ですね。
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 ヘシコをアンチョビー替りに使うのですが、私はバジルではなく大葉の香りを組み合わせました。




 ご存知のとおり、ヘシコは日本海側で作られる魚の糠塩漬けですね。これはなおさんがお土産に買ってこられたものを提供頂いています。
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 トマトソースにもこのヘシコを刻んで風味を付けています。ヘシコの熟れた香りが立ち上るピッツァを作りたかったのです。




 みなさま、酔いながらも料理が出されるごとに撮影に勤しみます。^^arima15-1.jpg
 ありがたいですね。料理は消え物なのですが、記憶の他に画像としても残してくれています。




 これは鳴瀬の牡蠣フライです。揚げ立てを召し上がってもらいます。
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 呑みながら作ってますので撮影し忘れましたが、タルタルではなく、ひゃくさん牡蠣塩(カキの茹で汁を煮詰めた物)と柚子ポン酢おろしで召し上がって頂きます。




 これはサプライズの一品。世界最強であろう白子のフライです。^^
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 これにはポン酢がよく合います。揚げ加減が難しく、呑みながらだったのでクリーミーさが残っていたか不安です。




 ひゃくさんが何かを握り始めました。なんと、オリジナルの雪花菜(おから)のサラダだそうです。
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 自家製柚子胡椒を混ぜ込んだドレッシングで飾っています。さずがプロは違いますね、大変勉強になります。雪花菜(おから)のサラダにはお酢も使っているそうですが、酸味はすごく柔らかでパクパク食べられます。旨みの素は擂った煮干とシラス干しだそうです。 @@ 尊敬の眼差し。^^




 本日のメインの一つ、大名マーク婦人タンドリーチキンを名取のパン工房ゆがふさんの丸パンで頂きます。
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 生野菜をたっぷり挟み込んでかぶりつきます。みなさん、弾ける辛さにヒーヒー言いながら頬張っておりました。酔って鈍くなりつつある舌に良い刺激を与えてくれました。^^




 もう一つのメイン、仙台牛の塩麹煮込みです。仙台牛ですからA5クラスです。実は脛肉なのですが、風味は変わりませんよ。
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 脛肉は筋が入っていますので、延べ3時間ほどかけて煮込んでいます。仕上げに蕪とキノコ類を炊き合わせ、最後に春菊食用菊を散らしました。脛肉との奮戦記は年明けの記事でご紹介致します。^^




 ここで口直しにひゃくさんの漬物盛合せ。
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 どれもひと工夫がされていてただの漬物ではありません。ひゃくさんは野菜とスパイスの組み合わせに人並み外れた感性をお持ちです。この他にもピクルスもあったのですが、撮影を忘れてしまいました。m(..)m




 最後の〆は、ちょっとボリューミーですが、大人気の大名マーク夫人特製のカレーでカレー饂飩(うどん)でございます。
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 キーマカレーなので饂飩との馴染みもピッタリです。生野菜もたっぷり盛り込んでいます。




 最後のデザートはアイスクリームに塩麹ソースをかけて、柚子皮おろしを天盛りしました。 
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下はひゃくさんの盛り付けです。やはり感性が光りますね。塩麹ソースは私のオリジナルですが、擂り潰した塩麹酒粕を加え、生クリームで伸ばしたものです。香り付けにカルダモンベルガモットを加えています。塩味の効いたアイスクリームも乙な味わいですよ。





 呑んだ呑んだ、実によく呑みました。14人で日本酒1升と4合瓶7本。ワインスプマンテが8本。
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 これは酔ってもいつも冷静なユケチュウさんが撮影したものを使わせて頂きました。ユケチュウさんにはまたまた、酔っぱらった私を無事に自宅まで連行して頂きました。毎度すみませんねぇ。^^




 いや~、実に楽しかった。ほとんどキッチンにおりましたが、競馬に熱中されている皆様の歓声が響き渡り、一体感も感じつつ調理できました。勝手ながら師匠と仰いだひゃくさん野菜料理にも深く感銘致しました。これからもご指導よろしくお願いいたします。よろしければ、被災地の復興しつつある水産物のPRにもご協力頂ければ幸甚でございます。m(..)m





 最後に今回のお献立をリストアップしておきますね。


前 菜  発酵系珍味三点葉蘭盛(鰰飯寿司・粕味噌豆腐三種・銀鮭紅葉漬)

 

凌 ぎ  桜煮飯添え 帆立貝味噌漬炙りと旨煮

 

蒸し物  鳴瀬牡蠣吟醸酒蒸し 柚子酢でさっぱりと

 

お造り  三陸産 目梶木、目鉢鮪、活帆立貝、〆銀鮭桂巻他盛合せ


焼き物  炙り馬鈴薯自家製塩辛乗せ

 

焼き物  なおさん土産のへしこのピッツァ

 

揚げ物  鳴瀬のカキフライをひゃくさんの旨塩と柚子ポン酢おろしで
     サプライズで白子のフライ

 

サラダ  ひゃくさんの雪花菜サラダ

 

焼き物  大名マーク夫人のタンドリーチキン ゆがふのパンと生野菜で

 

椀 物  仙台牛脛肉塩麹煮 蕪と菊花 

 

香の物  ひゃくさんの特製漬け物あれこれ

 

〆    大名マーク夫人のカレー饂飩 

 

氷 菓  塩麹ソースでアイスクリーム

2012/12/27(木) 05:00 | trackback(0) | comment(13)

【山形県東根~村山3/3】バラと温泉、土産で夕餉 

カテゴリー: 紹介:加工食品・調味料

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 山形近場のショートツアーは続きます。東根市の北となり、村山市に入りました。小雪がちらついて来ましたが、妻のリクエストで東沢バラ公園を見学します。さすがのバラも花の見頃は終わってますが、まだ所々に元気な花が咲いています。まるで極寒の落ち穂拾いのようです。はやく温泉に浸かりたいよぉ~。




 この東沢バラ公園はバラ祭りの期間以外は入園無料です。エントランス前の花壇にも強固な雪囲いがされています。
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 それにしても、駐車場にも公園内にも誰もいないし、近所の人も散歩していない。そうりゃそうですよ。手袋なしでは歩けないほどの寒さですからね。




 バラの名札も片付けが始まったようで品種は分かりませんが、ご鑑賞下さい。クリックで拡大します。
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 大部分の花は萎れたり枯れたりしていますが、これらのバラは耐寒性があるようです。




 この公園の周囲の山にも散歩道が整備され、大きな池もあって飛来した水鳥も楽しめます。
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 暖かければ、山道も歩いてみたかったのですが、軽装なので寒さに耐えられないでしょう。15分ほどでそそくさと温泉に向かいます。




 バラ公園の近くのこまつの湯で日帰り温泉楽しみます。
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 石亭小松
という旅館に併設された温泉施設です。こんな立派な温泉でも入湯料は350円です。宮城県内の日帰り温泉も見習って貰いたいなぁ。




 入り口の脇に小さな温泉槽があり、卵を持参すれば帰る時までに温泉卵が出来上がります。
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 この情報は事前にキャッチしておりましたので、2個持参しました。自分で備え付けのバスケットに入れて、湯の中に吊り下げます。
 



 先客も多かったので、お風呂の様子は温泉のHPからお借りしました。
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 黄金色
がかったお湯は含硫黄-ナトリウム-塩化物温泉とのことですが、硫黄臭はありません。内湯の右の浴槽に入りましたが、、、、熱い!! 私は43℃までは平気ですが、それを軽く超えていますね。早々に出ると足やお腹が真っ赤です。露天風呂で冷やそうと入り直したら、もっと熱い!! これじゃ温泉を楽しめないじゃありませんか。あとで聞いたら、左の内湯が少し温いらしいのです。どこかに書いておいてほしいなぁ。




 ヒリヒリする足をさすりながら、次の目的地、道の駅むらやまに向かいます。
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 この道の駅は国道13号の下り側にあるのですが、上り側にも駐車場があり、筒状の歩道橋で結ばれています。雪の日でも安心ですね。




 今晩の晩酌用に地元のを物色します。
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 村山市なら高木酒造の十四代、東根市なら六歌仙かな。お買い上げは晩酌の時にご紹介します。




 あっ、これは今、流行のしょうゆの実ではありませんか。庄内のハナブサ醤油の製品で、一袋120ccで189円。
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 置賜のあけがらしや東根のわらわら飯喰はより格段に安いですね。重さではなく容量で示しているところから水分も多いようです。唐辛子等の混ぜ物が少ない分、値段も下がるのでしょう。これらの麹食品は元々、醤油の製造過程で出る絞り粕なのでしょうが、現在はそれら専用に造られているそうです。



 
 村山から葉山越しに見える月山。雪雲に煙ってます。
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 寒いはずだよねぇ。さぁ、道路が混まないうちに帰りましょう。。。と、早めに関山峠を越えたのですが、既に愛子辺りから渋滞でした。やっぱり東根インターから自動車道に乗るべきでした。




 本日の山形土産で晩酌です。お麩料理と温泉で作った温泉卵麹食品の食べ比べもやります。^^
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 渋滞に巻き込まれたので、遅くなってしまいました。でも簡単な料理なので1時間も掛からずに卓上へ。




 乾杯は発泡純米酒六歌仙一刻(ひととき)。低アルコール(7~8度)なので下戸の妻にも飲ませてみます。^^
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 一ノ蔵のすず音より、トロリとしていてコクがありますね。食前酒にはナイスな選択でした。妻は一口で真っ赤です。やっぱりアルコール分解酵素を持っておらんようだ。^^




 庄内のしょうゆの実(左)と東根のわらわら飯喰は(右)の食べ比べです。湯豆腐で試します。
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 甲乙付け難いのですが、しょうゆの実の方は混ぜ物が少ない分、豆腐の味がよく分かります。ただ、大豆や小麦の粒々がハッキリとしていて調味料としては存在感があり過ぎますね。わらわらは唐辛子の辛味に梅シロップの甘味、リンゴ酢の酸味、それにウリや昆布などの歯触りや舌触りも相俟って、豆腐に合わせるよりご飯でしょうね。




 予想どおりわらわら飯喰はは、ご飯の友として抜群の相性でした。あけがらしとも張り合えます。
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 ご飯と言っても発芽玄米30%ご飯なのですが、食欲が掻き立てられそうで本末転倒になるのが怖いです。^^ 置賜のあけがらしや庄内のしょうゆの実もそうですが、キュウリや大根などの野菜スティックにはピッタリだと思います。




 これは文四郎麩前記事)で買い求めた焼麩で煮物を頂いたレシピどおりに作ってみました。
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 本当にグルテンが多いので他の焼麩とは全く異なる食感です。そう簡単に煮崩れることはないでしょう。




 同じくオリジナル商品の生麩のかやくまんじゅうです。吸い物で頂きます。
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 ゆり根や椎茸などのかやくを白生麩で包んでいます。天に貼り付いた銀杏もよいアクセントになってますね。




 東根が山形での発祥地だとされるおみ漬けです。
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 山形と縁のある近江の商人が伝えたとされています。で、おみ漬け。これを納豆に入れて、あったかご飯も捨て難いですね。




 お酒は発泡酒のひとときだけではありません。同じく六歌仙のカップ田舎親父と米沢の米焼酎いつかSOMEDAY
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 日本酒で通したいのですが、このところ、糖質を押さえていますので発泡酒の他は1合だけ。一升瓶で買ってきたら、間違いなく半分は呑んでしまうでしょうからね。^^


 


 本格的な冬を迎える直前の山形近場ショートツアー。東根、村山周辺はまだまだ知らない魅力が隠れていそうです。息子が学生時代、山形市内に住んでいたこともあって、そこを中心に上山天童方面に行くことは多かったのですが、東根村山は私にとってまだまだ未開拓の地。フルーツの季節を外せばそれほど混みませんし、ゆったりと楽しめます。寒さは温泉で克服して、火照ったら肉そばで冷やしましょう。^^


 【山形県東根~村山1/3】そば処東亭の肉そば

  【山形県東根~村山2/3】東根の街並みと美味探索




 こまつの湯(石亭小松)
           http://www.komatsu-higashine.com/komatsunoyu.html


・所在地   : 山形県東根市温泉2-11-1
・電 話   : 0237-42-1551
・営業時間  :6:00~22:00
・定休日   :月曜日
・料 金   :大人350円、子供200円
・設 備   :ボディーソープ、シャンプー、ドライヤーあり
・駐車場   :あり



 東沢バラ公園


・所在地   : 山形県村山市楯岡東沢1-25
・電 話   : 0237-55-2111(村山市商工文化観光課)
・入園時間 :入園自由(バラまつり期間は8:30~18:00)
・定休日   :無休(売店、バラ交流館は4~10月)
・入園料   :無料(ただし、6月上旬~7月上旬のバラまつり、9月中旬~下旬のバラまつり期間は大人400円、小人200円) 
・駐車場   :あり



 道の駅むらやま


・所在地   :山形県村山市大字楯岡7635-1
・電 話   : 0237-55-7100
・営業時間  :7:00~19:30
・定休日   :無休
・駐車場   :普通車129台、大型車28台、身障者用4台

2012/12/24(月) 05:00 | trackback(0) | comment(10)

【山形県東根~村山2/3】東根の街並みと美味探索

カテゴリー: 紹介:加工食品・調味料

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 東根
の街を漫ろ歩きますと至る所で庭木の冬支度が見られます。雪の重みで折れないように毎年、初雪の前には済ませているのです。この苦労は雪の少ない地方の方には分からないでしょう。越後長岡藩の家臣河井継之助が主人公の小説「」でもこの冬支度の虚しさが描写されていました。でも、これは雪国に住む者に与えられた試練であり、修行であり、習慣なのですが、決して虚しいとは思えません。樹木への愛情が深まり、美的センスも醸成されますし、何よりもこの忍耐強さは震災時にもきっと役立つでしょう。




 東根の街にはこのような佇まいが随所に見られます。蔵も残っており、宮城の村田町のような雰囲気でもあります。
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 チラッと見えている看板の東根豆糖。こちらの名産菓子で、煎った落花生や大豆に砂糖蜜を塗して乾かした物です。


 


 これは町外れの東根小学校の校門です。まるで神社かお城のようです。
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 周りの壁にも△や挾間(弓や鉄砲を撃つ窓)が空いていました。実際、ここは旧松前藩の陣屋であったそうで、この辺りの地名も本丸と言います。




 授業参観に寄ったのではありません。こちらの小学校の敷地内にある大ケヤキを見学に参りました。
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 実に見事な巨木です。その大きさに圧倒されました。説明書きによりますと、樹齢は1500年以上で樹高28m、幹囲は16mもあります。根元近くに子供ならくぐり抜けることができそうな洞が空いています。夜になるとなにか出てきそうですね。^^




 さらに街をぶらつきますと、面白いお店を発見。壽屋さんというお店です。ちょっと寄ってみましょう。
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白壁の大きな蔵が遠くからでも目に入ります。円柱型のポストも懐かしいですね。




 漬け物や地酒を販売されていました。漬け物は20種類位あったでしょうか。
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近江商人が伝えたというおみ漬けを買い求めました。そういえば、壁の色紙に食物い物のことであると書いてありました。蓋し名言。




 囲炉裏でお茶を勧められます。おっ、鯉の自在鉤ですね。いいですね、こういうの。
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 囲炉裏端にのシロップ煮(コンポート)が鉢に盛られています。一つ頂きますと口の中でとろけました。何と芳醇な味わいなんでしょう。壽屋さんの銘菓に茜姫がありますが、これは完熟した地元の節田梅を砂糖やりんご酢などで漬け込んだ物でさらに上を行くのでしょうね。



                         ままけ
 こんな商品も発見しました。わらわら飯喰はですって。さっさとご飯を食べておしまいではなく、ごはんですよ~という意味とのこと。一袋150gで315円。
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 麹と青唐辛子、ウリ、昆布などを漬け込んだ物らしい。置賜のあけがらしのようなような甘辛系麹食品でしょうか。一つ買って、夕餉に試してみましょう。




 東根駅の近くではこんな素敵なお店にも出合いました。お麩の専門店のようです。
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 創業が文久年間とのことですから、少なくとも150年は営業を続けてらっしゃいます。




 通りに面した店舗の奥にはお麩の工房やお麩料理を食べさせる麩懐石料理処清居があります。
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 板前さんが京料理で有名な閑清居で修行されたのでしょうか。次ぎに来る時の課題店になりました。




 この周辺はお麩の製造販売店が多く、古くから名産地だったそうです。
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 地名である六田を冠した六田焼麩が発展して様々な麩産業を生み出したようです。この地区は江戸時代から小麦の栽培が盛んで水も良かったので麩の生産には最適だったとのこと。




 お店に入って真っ先に見付けたのは、、、、やっぱり試食です。^^
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 やはり囲炉裏に蓋をして麩料理や麩製品が気前よく並べてあります。お茶と一緒に頂きます。

 



 これは麩まんじゅう。生麩に黒胡麻の餡がたっぷり詰められています。これは1/4に切ったものです。
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 生麩のもっちり、くちゅくちゅ感が黒胡麻餡と合わさると妙味が口に広がります。




 こちらは焼麩を使った料理2品。手前が煮物で奥が揚げ物です。
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 いずれも、水で戻してから切って調理します。揚げ物は調味してから丸めて粉を塗して揚げたそうです。焼麩とは思えないしっかりとした食感です。ご主人曰く、ここの麩でしかこういう食感は出ないのだそうです。つまり他の麩よりグルテンの含有量が多いということでしょう。



 
 試食が終わりましたら、買い物です。麩製品の種類が多くて、迷います。
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 生麩(下)も様々な種類がありました。




 さんざん迷って、選んだのがこれだけ。夫婦揃って倹約家なので。^^
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焼麩と生麩のかやく饅頭、正月用に紅葉麩です。次の記事では帰宅後に作った麩料理も紹介します。




 東根の街はじっくり時間をかけて巡り歩いてみたいですね。古き佳き物が沢山残っています。それに伝統を重んじつつも、現代流にアレンジしながら継承してきた美味、佳味、妙味の数々。まだまだ、お宝が潜んでいそうな東根の街でした。次の記事では北隣の村山市を訪ねます。


 
【山形県東根~村山1/3】そば処東亭の肉そば   

  【山形県東根~村山3/3】バラと温泉、土産で夕餉
  
 3/3はアップした後にリンクを張ります。





壽屋寿香蔵 http://akanehime.com/

・所在地   :山形県東根市大字東根甲544
・電 話   : 0237-42-0173
・営業時間  :9:30~18:30
・定休日   :年中無休
・駐車場   :店の脇にあり



創業文久年間 文四郎 http://bunshiro-fu.com/

・所在地   :山形県東根市六田2-2-20
・電 話   : 0237-42-0117
・営業時間  :8:00~18:30
・定休日   :不定休
・駐車場   :店の裏にあり

2012/12/20(木) 05:00 | trackback(0) | comment(8)

【山形県東根~村山1/3】そば処東亭の肉そば

カテゴリー: 外食:蕎麦

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 初冬の週末、作並街道(国道48号)を西に走っています。作並温泉郷に近付くと右手に通称ゴリラ山と言われる鎌倉山が見えてきます。顔の部分は岩が剥き出した崖で、頭の形や背中の盛り上がりなどが確かにゴリラと似ています。この日は作並に遊びに来たわけではなく、さらに進み、関山峠を越えて山形県を目指しています。




 ここは峠を越えた山形県東根市。いつも思うのですが、同じ奥羽山脈でも太平洋側と日本海側ではその様相ががらりと変わります。
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 太平洋側
は傾斜がなだらかで、麓から峠までかなりの距離があり、深く雄大な森林や渓谷を登り詰める感じですが、山形側に入りますと勾配がきつくなり、切り立った渓谷を盆地に向けて一気に滑り落ちる感じです。そして、降りきって振り向きますと、このような小さな独立峰がポコポコと立っている光景をよく目にします。このような山並みは宮城だと大和町の七ツ森になりますが、決してメジャーな光景ではありません。私はこのようなポンポコ山に何故か強い郷愁を感じます。




 東根市と言えば、サクランボそばが有名ですが、この季節は名残のラ・フランスリンゴが主役となります。
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 国道48号からフルーツライン(県道296号)に入りますと両側に果樹園が広がります。でも、今日の目的はフルーツではありません。そばと温泉と美味い物探しなのです。




 今日のそばは奥羽本線(山形新幹線)さくらんぼ東根駅近くにありますそば処東亭(ひがしてい)さんで頂きます。
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 新しいお店ですが、大変人気があります。開店直後に入りましたが、既に何席かが埋まっており、11時半にはほぼ満席となりました。12時過ぎには待たないと入れないでしょう。




 こちらのお店の人気は肉そばです。もちろん山形名物の冷たい肉そばですが、温かい肉そばも用意されています。
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 よく見ますと、肉そばの他に鳥そばというのもありますね。通常、山形で肉そばと言えば、鶏肉なのですが、これでは他県の方が混乱しそうですね。肉そばを豚肉か牛肉と思ってしまうのではないでしょうか。鳥そばは肉野菜そばか、野菜たっぷり肉そばにでもすれば良かったように思えますが。 




 寒がりの妻は温かい鳥そばをオーダー。確かに野菜がたっぷり盛り込んであります。鶏肉が下に隠れて野菜そばみたい。^^
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 少し試させて頂きましたが、寒い季節はこれもありかな。でも、最後の方ではさすがの田舎そばも延び気味でしたね。野菜は三つ葉と長葱、筍に煮染めた乾燥椎茸でした。つゆは甘味もスッキリして醤油の色も淡く、なかなか上品でした。そばも300g近くあるようで、最後の方は苦戦していましたね。^^




 私は冬でも冷たい肉そば派です。山形名物げそ天付きのげそ天肉そば850円です。
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 天つゆまで付いてきました。このボリュームで850円はお値打ちでしょう。 




 げそ天と言っても大きなカボチャ天がまるで主役のように前に立ち塞がります。
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 衣はサクサクと言うよりカリカリでした。げそ天を食べる度に思うのですが、山形県民はイカの身(胴)の方をどうやって食べているのでしょう。^^




 香の物は無着色の沢庵と山形名物おみ漬けです。
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 おみ漬けは塩で下漬けした青菜(せいさい)や大根、人参、紫蘇の実などを調味液で漬け直したものです。




 大好きな肉そばはもも肉と胸肉が交互に並べてあります。その量に大満足。
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 そばも盛り上がり、溢れんばかり。宮城の大盛りよりも多いでしょうね。これが山形の標準なのです。隣の席の小学生とお爺ちゃんはなんとこれの大盛りをごく当たり前に食べていました。ですから、麺食い山形県民が仙台や東京でそばを食べたら、物足りないどころではないでしょうね。暴れるのではないでしょうか。^^ かつて山形市内に江戸前の細打ち蕎麦の店が出来た時、おやつと言って揶揄したそうです。^^




 鶏肉は老鶏を使ってますので、正直、硬いです。でも、噛み締めるほどに旨味が溢れるのです。
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 これも他県の人にしてみれば、炊き過ぎて硬くなった肉と思われるかも知れません。特に冷たいそばの場合は肉もキリッと締まってますし。




 これこれ、この田舎そば。しっかり噛まないと呑み込めないので、そばの味と香りを満喫できます。
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 やはり、そばは冷やですね。最後まで引き締まった噛み心地を楽しめました。ただ、アトキンス実施以来、少し食が細くなっていますので、最後の方は辛かったけど。^^ 




 山形県の近場散策、東根村山周辺なら自動車道を使わなくても2時間掛かりません。ただ、サクランボの季節ですと行きから渋滞に巻き込まれることがあります。ですので、雪が降る直前のこの季節がお薦めです。3編に分けて東根から村山の魅力をお届けします。冬の冷たい肉そばはボリュームもあるだけに体も冷えます。先に温泉で体を温めて、火照った体をクールダウンさせるのに肉そばをお使い下さい。^^


 【山形県東根~村山2/3】東根の街並みと美味探索
     
 【山形県東根~村山3/3】バラと温泉、土産で夕餉 
 
※ 記事がアップされた後にリンク貼ります。




そば処東亭


・所在地   :山形県東根市さくらんぼ駅前1-7-19
・電 話    :0237-42-8003
・営業時間  :11:00~19:00
・定休日   :火曜日(祝日の場合は営業)
・駐車場   :あり

2012/12/17(月) 00:00 | trackback(0) | comment(8)