前記事のウリ料理に続いて、同じく越後で覚えてきたナス料理の再現です。ナスもキュウリも名残の時期です。我が家の菜園はもうとっくに秋冬野菜に切り替わっておりますので、買ってきたナスを使って2品ご紹介いたします。どちらも夏向きの料理なので、ちょっと時期を逸した感がありますが、来年のために体で習得しておきます。^^
一品目はなす素麺という料理です。十日町の居酒屋弥八さんで教わりました。
ピーラーで皮を剥いていきます。この皮もきんぴらなどにして利用します。
次に半分に切ったナスを縦に薄く切り、さらにマッチ棒くらいの千切りにしています。
切ったナスは黒くならないように水に放っておきます。
軽く水気を切ったナスに片栗粉をまぶします。
袋の中にナスと片栗粉を入れ、膨らました状態で口を閉じてシャカシャカします。余分な粉を除いて、沸騰したお湯で湯がきます。
軽く水洗いした後、よく冷やしてから、素麺つゆを張って頂きます。
薬味として刻み葱とおろし生姜、海苔を天盛りしました。
ナスの表面に水晶のような膜ができて、つるりとした食感になります。
よくこんな食べ方考え出したものです。さすが越後はナス処。
2品目は超簡単、千切りナスのだし醤油かけです。これは十日町の網元なか田さんで教わりました。
料理は単純でもナスをごく細い千切りにするのは大変手間が掛かります。その手間がこの料理の美味しさになります。皮は付いたままで結構です。切ったらすぐに水に放ち、シャキッとさせます。
ナスの他にキュウリとミョウガも同じような極細千切りにします。
これらの色の取り合わせは美しいですね。こういうの千種って言いますが、穏やかな色の取り合わせで秋の雰囲気も感じます。
だし醤油は卓上で銘々がかけましょう。天には花かつおをパラリ。
だし醤油をかけて時間が経つとシャッキリ感がなくなり、萎えてきます。
ナスを和風に、そして小粋に食べるこれらの料理は手間こそかかりますが、味わい深いものがあります。ナスを極細千切りにして生で食べる発想はナスの違った味わいの追求の結果、生まれたものでしょう。山形のだしはナスやキュウリを刻んで生まれた日常的な料理ですが、同じ材料でも越後のこれらの料理は繊細さと格調の高さが感じられ、料理屋で産まれたのではないかと推察されます。