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【大崎市鳴子】鳴子で秋の休日を遊ぶ(2/3)

カテゴリー: 紹介:パン・菓子

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 ここは紅葉には少し早い鳴子峡です。鳴子温泉街の前を流れる江合川(荒雄川)はダムの方が本流で、こけし館や尿前(しとまえ)の関跡がある辺りで合流する支流の大谷川が造り出した峡谷です。木々の間から奇岩が顔を出し、落差も最大100mあるとてもダイナミックな峡谷となってます。

  

 ところで、松尾芭蕉も奥の細道で鳴子を経て山形へ入ってますが、尿前の関では一悶着があって通過するのに時間が掛かったそうです。有名な句で「蚤虱 馬の尿(ばり)する 枕元」という壮絶なのがありますが、遅くなったので尿前の関の馬小屋に泊まったのだと思い込んでいました。そこでオシッコにかけてこの句を詠んだのだと。。。


 ところがどっこい、を通過した後、10Km近く歩いた現在の最上町堺田の封人(庄屋)の家に泊まっています。馬小屋ではありませんが、一つ屋根の下に馬も同居しているので、夜に放尿する音が枕元まで響いて来たのでしょう。



 閑話休題




 鳴子峡の入り口付近の駐車場は有料です。少し手前の無料駐車場に止めて鳴子橋を渡って入口に向かいます。
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 まだ紅葉狩りには少し早いのですが、駐車場は9割方埋まっています。




 ところが、、、峡谷沿いの遊歩道はまだ復旧していないようです。
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 上の図の赤い線が鳴子峡遊歩道なのですが、現在、閉鎖中です。そこで、青い線の大深沢遊歩道を辿ります。



 大谷川の支流である大深沢を上流の方へ歩き、沢を渡ってぐるっと一回り。
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 谷底の沢はまたげるほどの水量ですが、立派な木橋が架かっていました。芭蕉の時代の街道もこの大深沢をこの辺りを渡ったそうで、街道最大の難所だったそうです。




 大深沢沿いの小径で見つけた走りの紅葉
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 ミズナラなどはまだ緑の葉を付けていました。




 再び出発点に戻って鳴子橋を撮影。
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 見頃はあと2週間くらい先でしょうか。


 

 レストハウスで美味しそうなものを物色します。
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 お土産物の販売の他、レストランもありました。



 
 試食品を気前よく出しながら熱心な店員さんが栗もちを薦めています。
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 鳴子と言えば甘塩っぱい餡に浸かった栗だんごが有名ですが、栗もちとは一体。。。




 栗もちとはイチゴ大福のイチゴが栗に替わったような物。
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 ただ、よく観察しますと、漉餡の中に栗が入っているではなく、断面が複雑です。もしかしたら、大福餅の外側から栗を押し込んだのでしょうか。




 やっぱり。裏側から見ると、こんな風になっていました。
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 でも、なぜでしょう。中に栗を封じ込めるのはそんなに難しいことではないように思えます。今までにはない食感を特徴にしたかったのでしょうか。





 鳴子温泉郷でも既存のお土産に甘えないで、新製品の創出に努力されているようです。現代人に迎合して、洋菓子風になっていく郷土の菓子も一つの生き残り戦略ですが、今回の栗もちのようにジャンルを変えない創生には心から敬服します。
  

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2012/10/31(水) 05:00 | trackback(0) | comment(4)

【大崎市鳴子】鳴子で秋の休日を遊ぶ(1/3)

カテゴリー: 外食:その他

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 まだ紅葉にはちょいと早い10月中旬、鳴子温泉に行ってきました。大崎市役所鳴子総合支所の裏にある共同駐車場に降り立つと、すぐに硫化水素臭が鼻腔に広がります。あの茹で卵の匂いですね。この駐車場の山手からも白い煙が立ち上っています。鄙びた町を歩いていても、所々から白煙が立ち昇り、温泉街に来たんだなぁと実感させられます。





 この駐車場の隅に足湯があります。 
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 みなさん、よくそれで満足できますね。わたしゃ温泉は首まで浸からないと欲求不満になりますよ。^^




 3年ぶりの早稲田桟敷湯です。斬新なデザインと色の外観。
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 暖かい季節は中央通路の両脇の木戸が開けられ、休憩所が桟敷席のようになります。




 トイレの前の行燈。 
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 こんなところにも配慮が見られます。早稲田大学が住民のために建設した施設ですが、非常にハイセンスです。入湯料は大人530円で、値上がりしていません。




 誰もいなくなった一瞬を捉えて湯船の撮影に成功。床がヌルヌルで危うく転倒しそうに。^^ 
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 浴室も変わったデザインです。写ってませんが、天井にも不規則な形の明り採りの窓がありました。お湯は湯の花が舞う硫化水素泉、正式にはナトリウム-硫酸塩・塩化物泉(低張性中性高温泉)というそうで、源泉かけ流しです。




 温泉から上がって休憩所でクールダウン。こちらも3年ぶりの銀の匙さんでランチです。
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和菓子屋さんのような民芸調の造りですが、バリバリの洋食屋さんです。




 12時前なのでまだお客さんはおりません。無表情、無口で寝癖がトレードマークのシェフも健在。^^
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さすがにその寝癖を撮らせてくれとは言えませんでしたが、以前にも増して逆立っていました。あり得ない所にあり得ない角度で分け目が出来ていました。^^




 前回はチキンソテークリームコロッケこちらの記事)を頂きましたので、今日はカキフライにしてみました。 
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 野菜もたっぷり、ご飯と味噌汁が付いて800円。味噌汁が付いて、割箸で食べる所が、The 洋食、日本にしかないスタイルです。これでご飯を茶碗によそると、家庭の食事になってしまいます。こちらも3年前から値上げしていません。



 まだ、宮城のカキは復興途上。しかも剥き始めたばかりですので広島かな。
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 小ぶりなカキですが、6個も付いてボリュームは満点。タルタルソースも良い具合です。




 こちらは細君の頼んだハンバーグです。こちらもご飯と味噌汁が付いて800円。
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 デミで煮込んであります。想定外にふっかふか、牛脂を細かく刻んで練り込んでいるようです。混じりけのない牛なのですが、妙に柔らかい。フープロを掛けたような滑らかさを感じます。





 3年ぶりの早稲田桟敷湯銀の匙の洋食。このパターンで過去に3回くらい来ましたでしょうか。滝の湯ゑがほ食堂のきのこ蕎麦というのもありましたね(関連記事)。銀の匙の名物シェフは相変わらず無口で無表情、でも嫌味がないのです。そういう方なのです。バリバリの寝癖で物静かに調理する姿は他では見られません。^^ 店を出てから二人の共通した感想は、銀の匙ではやはりチキンソテークリームコロッケを食べるべき。。。でした。このあと、紅葉のハイシーズンではありませんが、一応、鳴子峡を目指します。

 
 




早稲田桟敷湯


・所在地  :宮城県大崎市鳴子温泉字新屋敷124-1
・電話      :0229-83-4751
・営業時間  :8:30~21:30
・入浴料  :大人530円、子供320円
・定休日    :無休
・駐車場    :そばに共同駐車場あり




銀の匙


・所在地  :宮城県大崎市鳴子温泉新屋敷63-1
・電話       :0229-83-2895
・営業時間  :11:00~15:00/17:30~21:00
・定休日    :第2・4火曜
・駐車場    :大崎市役所鳴子総合支所裏に共同駐車場あり 

2012/10/29(月) 05:00 | trackback(0) | comment(6)

【気仙沼市】壱萬館の気仙沼らぁめん

カテゴリー: 外食:ラーメン

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 このラーメン、どこかで見たような気がしませんか? 上品な極細麺、フレッシュな青菜、海苔こそ乗っていませんが、ちばき屋さんのラーメンを思い起こさせます。よく見ますと大きなワンタンも一つ乗ってますね。よく煮込んだ巻バラ煮豚も期待できそうです。最近、珍しいナルトも脳裏に天才バカボンのテーマソングが流れそうですね。^^  このラーメン、魚の香りが立ち昇りますが、一体どこの作品でしょう。




 このお店は気仙沼の松岩を過ぎて市街地へ降り始める高台にあります壱萬館さんです。
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 この一帯は津波の被災から逃れました。坂を下った市街地では昨年の今頃まで再開できない店も多くありました。壱萬館さんの外観はラーメン店というより海辺のパーラーか、個人経営のファミレスのような感じです。^^




 休日の開店と同時に入ったので一番乗り。でも、カウンターに案内されました。
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その後、お店を出るまで他のお客は2人。時間帯よっては好きな所に座らせても良さそうです。きっと真面目な店員さんなのでしょう。ただ、頼みもしないのに持ってくる灰皿。風貌が風貌なのでそう見られても仕方ないのですが・・・。^^




 こちらは様々なご当地ラーメンを商品化されています。地元のラーメン店が連携してリリースしている気仙沼らぁめん。基本はサンマ出汁です。
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 気仙沼ラーメン
につきましてはこちらの記事をご覧下さい。取り決めではサンマの香味油を使うことになっていますが、こちらではサンマの煮干しを使っています。松竹梅がありますが、まずは基本の梅でお試しです。




 冒頭でちばき屋さんを思い起こすと書きましたが、実際、気仙沼ラーメンのプロデュースにはちばき屋の千葉憲二さんが関わっています。
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 青菜
はカイワレ大根ではなく水菜ですが、このが全体を爽やかに演出しています。デフォでも煮卵とワンタンは乗ってきます。煮豚も大きく、トッピングで表面が埋め尽くされます。




 サンマ出汁と並んでこの大きなワンタンにもサンマのすり身が入っています。
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 ワンタンが標準で乗るのは壱萬館さんの特徴です。サンマの煮干しと書いてありましたが、焼き干しのような香ばしさも感じます。




 ちばき屋さんのような極細麺。縮れも適度についてスープ絡みの配慮が感じられます。
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 低加水麺ならではの麺の張りと粉感が麺の存在感も高めます。





 気仙沼町おこしの一環として創生された気仙沼ラーメンですが、コンセプトは同じでも店により個性は出てきます。それらを食べ比べてみるのも気仙沼巡りの楽しみの一つです。気仙沼魚市場も早々応急復旧し、昨年からサンマの水揚げが始まっています。特産のサンマの風味豊かな気仙沼ラーメン、是非食べに来てけらいん。^^


2012/10/26(金) 05:00 | trackback(0) | comment(8)

越後のナス料理

カテゴリー: 料理:野菜・果物

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 前記事のウリ料理に続いて、同じく越後で覚えてきたナス料理の再現です。ナスもキュウリも名残の時期です。我が家の菜園はもうとっくに秋冬野菜に切り替わっておりますので、買ってきたナスを使って2品ご紹介いたします。どちらも夏向きの料理なので、ちょっと時期を逸した感がありますが、来年のために体で習得しておきます。^^




 一品目はなす素麺という料理です。十日町の居酒屋弥八さんで教わりました。
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 ピーラーで皮を剥いていきます。この皮もきんぴらなどにして利用します。




 次に半分に切ったナスを縦に薄く切り、さらにマッチ棒くらいの千切りにしています。
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 切ったナスは黒くならないように水に放っておきます。




 軽く水気を切ったナスに片栗粉をまぶします。
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 袋の中にナスと片栗粉を入れ、膨らました状態で口を閉じてシャカシャカします。余分な粉を除いて、沸騰したお湯で湯がきます。




 軽く水洗いした後、よく冷やしてから、素麺つゆを張って頂きます。
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 薬味として刻み葱とおろし生姜、海苔を天盛りしました。




 ナスの表面に水晶のような膜ができて、つるりとした食感になります。
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よくこんな食べ方考え出したものです。さすが越後はナス処。




 2品目は超簡単、千切りナスのだし醤油かけです。これは十日町の網元なか田さんで教わりました。
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料理は単純でもナスをごく細い千切りにするのは大変手間が掛かります。その手間がこの料理の美味しさになります。皮は付いたままで結構です。切ったらすぐに水に放ち、シャキッとさせます。




 ナスの他にキュウリとミョウガも同じような極細千切りにします。
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 これらの色の取り合わせは美しいですね。こういうの千種って言いますが、穏やかな色の取り合わせでの雰囲気も感じます。




 だし醤油は卓上で銘々がかけましょう。天には花かつおをパラリ。
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 だし醤油をかけて時間が経つとシャッキリ感がなくなり、萎えてきます。




 ナスを和風に、そして小粋に食べるこれらの料理は手間こそかかりますが、味わい深いものがあります。ナスを極細千切りにして生で食べる発想はナスの違った味わいの追求の結果、生まれたものでしょう。山形のだしはナスやキュウリを刻んで生まれた日常的な料理ですが、同じ材料でも越後のこれらの料理は繊細さと格調の高さが感じられ、料理屋で産まれたのではないかと推察されます。

2012/10/24(水) 05:00 | trackback(0) | comment(4)

越後のウリ料理

カテゴリー: 料理:野菜・果物

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 大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ2012の連載全6編は完了しましたが、越後で食べたウリ料理で美味しかったものを再現しておきます。十日町市の美人林の森森市で買ってきました糸ウリ(左)とコリンキー(右)です。どちらも個性的な野菜です。糸ウリは糸瓜と書くとヘチマのことになってしまいます。ヘチマは元々、繊維が取れるのでイトウリと呼ばれていたそうですが、短縮されてトウリになり、さらに「ト」がイロハの順番で「ヘ」と「チ」の間にあるからヘチマになったというのです。ほんとかいな。。。



 一方、コリンキーは生食用に改良されたカボチャで皮ごと食べられます。キュウリと同じように熟する前の実を利用します。正確に言えばウリではありませんが、両方ともウリ科なので合わせてご紹介します。^^




 まず、糸ウリですが、皮付きのまま輪切りにします。かなりが要りますので十分に注意しながら切り分けます。
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 種や綿はきれいに掃除してドーナッツ状にします。この間にこれらが被るくらいのお湯を沸かしておきます。




 軽く茹でて粗熱が取れたら、あら不思議、実の部分が糸状にほぐれていきます。
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 余り茹で過ぎますとカリカリ感がなくなりますので、途中で点検しながら茹で上げます。




  ほぐした糸ウリを薄めのだし醤油に浸しておきます。 
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浸し物は飲んで美味いと感じる調味液に浸します。麺つゆを使っても良いですが、甘味は抑えた方が美味しいですね。




 糸ウリの浸し物です。カリカリ、シャキシャキした歯触りが面白い。
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 どういう理由でこのような繊維質の実になったのでしょう。ヘチマもそうすが、ウリの仲間には繊維を作り出す遺伝子があるのでしょう。




 続いて、糸ウリの炒めなますです。彩りにパプリカ満願寺唐辛子を糸状に切って加えます。
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胡麻油で炒めて、かけぽんで調味しました。




 こちらはコリンキーです。カボチャというよりフルーツのような断面ですね。
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種や綿を掻き出してから切り分けます。




 まずは醤油漬けから。麺つゆに醤油を足して水で薄め、鷹の爪で辛味を加えました。
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 半日漬ければ食べられます。




 カボチャともキュウリとも違う食感。少しにカブに似たところもあります。
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 カリッとしているのですが、少ししなっともしているのです。ともあれ、爽やかな漬け物が出来上がりました。




 一方、こちらは甘酢漬けです。十日町の農舞台で教えられた食べ方です。
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 スライサーで薄い帯状にしています。純米酢とマスカットのお酢を使いました。甘味はマスカット酢に入っていますので、砂糖は使いませんでした。




 薄くスライスしてますので、ペラペラしていますが、カリカリ感はちゃんと残ってます。uri13.jpg
 油っぽい料理に添えると良さそうなお味です。





 糸ウリは宮城では余り馴染みがないようですが、新潟では各所で食べることができ、広く普及していると感じました。コリンキーは近年、みちのくでも栽培されており、今後、家庭にも広まっていくのではないでしょうか。ただ新しい食材は食べ方をきちんと伝えないと購買意欲が湧かないものです。対面販売できる店で試食とともに薦める努力が必要でしょうね。それとテレビの力が絶大ですね。

2012/10/22(月) 05:00 | trackback(0) | comment(4)