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【新潟県】越後妻有アートトリエンナーレ2012(1/6)

カテゴリー: 外食:居酒屋・割烹

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 いま私は磐越自動車道を西に向かって走っています。前方右手には会津磐梯山が見えてきました。フェンスで見えませんが、左手には猪苗代湖が広がってくるはずです。猪苗代湖の水は日橋川、阿賀川、そして阿賀野川を通じて日本海に注ぎます。私も流れに沿って越後に入ります。目指すは越後妻有(つまり)、つまり中越地域の十日町市津南町からなるエリアです。^^



 越後妻有の里山では、知る人ぞ知る大地の芸術祭が3年に一度開催されています。食い物以外に芸術にも関心があるのか驚かれたことでしょう。実は今年の7・8月には夏休みが取れず、細君をどこへも連れて行っていなかったので、どこへ行きたいと尋ねたところ、「越後妻有アートトリエンナーレに行きたい。」となった次第です。美術講師の細君がいなけりゃ、まず行くことはなかったでしょう。^^




 大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ2012の公式ガイドブックとパスポート。パスポートは前売り施設入場券のようなもの。各種特典もあります。
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 この芸術祭は過疎化が進む中山間地において、アートによる新しい地域づくりを目指し、2000年から活動を始めています。トリエンナーレはイタリア語で3年に一度という意味です。今年で5回目の芸術祭は7月29日から9月17日の51日間開催されており、その終盤ギリギリに飛び込みました。




 その道中、私はどうしても寄りたいところがあります。以前より長岡藩家老河井継之助の墓前参拝をしたかったのです。
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 東京で義母介護帰京中の細君とは現地十日町で合流することになっており、長岡では一人で自由に行動できます。磐越、北陸、関越と自動車道を乗り継ぎ、長岡ICで一旦降ります。


 河井継之助は幕末の長岡(牧野)藩の武家に生まれますが、本来、家老職になれる身分ではありませんでした。子供の頃から一種の変人で、素直に物事を習うことは決してなく、師範を困らせます。江戸へ遊学しても単なる詩文、洋学などの勉学は学ばず、物事の原理世界の動向を探ろうと努めます。

 
 長岡藩に戻った継之助は富藩強兵や財政改革などに乗り出します。非凡過ぎるがために周囲の理解を得らず、辞任や降格を繰り返しますが、その度に重要な地位に着いていきます。世の急激な流れに古い考えの武士では対処できず、どうしても継之助が必要となるのです。薩摩の吉之助(西郷隆盛)もそうでしたね。継之助は郡奉行から町奉行、さらには筆頭家老にまで上り詰めます。


 世は鳥羽・伏見の戦いに勝利した薩長が官軍となり、全国制覇の行軍が越後にも迫ってきます。長岡藩主牧野家は元を質せば東三河の出身で徳川家にも仕えた家柄、瓦解が近いと知りつつも幕府を裏切ることが出来ず、奥羽越列藩同盟に参加して壮絶な北越戦争へと突入します。長岡藩でも勤皇派の家老が何人か逃亡しましたが、継之助は歴史的な汚名より武士の美学を選んだのでしょう。


 河井継之助を知ったのは学生時代に司馬遼太郎の歴史小説「」に巡り合ったからです。彼の信念を貫いた半生に敬服して、学生時代だけでも4・5回は読み返しています。鬼のような人物にも見えますが、江戸では遊郭通いも盛んで仕送りの学費を使い果たしています。食べ物に関するエピソードも残されており、そこにも惹かれたものでした。



 長岡は大きな町ですが、駅から数分も歩くと住宅地に入ります。雪国らしく道路には融雪用の地下水噴射設備がありますが、鉄分が多いため路面が真っ赤です。
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 鉄分の多すぎる地下水は飲料に適しませんが、継之助の家の井戸は良質な水が湧いたとのこと。



 かつての河井継之助生家跡地に記念館があります。
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 複製ですが、当時の最強兵器であったガトリング砲も展示されています。ガトリング砲は日本に3門しかなく、そのうち2門を継之助が買ったとされています。福沢諭吉に勝るとも劣らない開明論者でありながら、越後の小藩に生まれた境遇を彼は嘆いてはおりません。彼の名言に「不遇を憤るような、その程度の未熟さでは、とうてい人物とはいえぬ。」というのがあります。




 記念館から車で5分のところに継之助の墓がある栄凉寺があり、そちらに向かいました。継之助北越戦争のさなか、銃弾を足に受け会津へ敗走の途上、42歳の若さで生涯を終えます。
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 栄凉寺は長岡藩主牧野家の菩提寺でもあります。大きな駐車場も出来ており、親切に近道の看板もあります。




 河井家の墓は墓地の奥の方にありました。継之助の時代の墓石は文字も読み辛いほど傷んでいます。
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 当時の長岡人にとって継之助は郷土を焼け野原にした戦犯であり、墓石を叩いたり、蹴り倒したりしたそうです。勝てば官軍と言われますが、継之助がガトリング砲を駆使して、長岡藩を永世中立国にすることに成功していたら、今の世はどうなっていたでしょう。でも、それはないでしょうね。圧倒的な軍事力の差は継之助もよくわかっていたはずで、個人としてのは確固たるものがありますが、政治家としては未熟だったのかも知れません。ともあれ、焼香をして参拝を済ませました。




 ところで、継之助の好物は桜飯だったと伝えられています。それを食べに駅近くの割烹七福さんに向かいます。
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 想像以上に格式の高いお店のようです。桜飯って、大根の味噌漬けを刻んでご飯を炊いた糧飯(かてめし)の一種なのに、このようなお店で食べるミスマッチに苦笑い。




  電話で予約は入れましたが、たった一人なのにこのような個室を用意してくれました。
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 もしかするとお座敷割烹といいますので、全てが個室なのかも知れません。長岡の政治家や財界人がここで密談をするのでしょうか。^^




 これが桜飯に料理が付いた河井継之助御膳1600円です。いや、料理に桜飯も付いたと言うべきか。。。
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 継之助は「桜飯ほどうまいものはない。」と絶賛していますが、これを見たら怒り出すのではないかと少し怖くなります。継之助は遊郭遊びも好きですが、日頃は質素で江戸の住込みの塾ではご飯に沢庵だけの食事だったとされていますので。




 向付は中トロと高級魚のアラでした。手前の焼き物はサクラマスで厚焼きとクリームチーズ豆腐のような添え物。
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 アラ
は始めて頂きましたが、食感も肉質も白身の刺身としては比類なき美味さでした。




 奥は梨茄子とかぐらなんばんの天ぷらを笹川流れの海水塩で。手前はズイキの甘酢漬けです。
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 どちらも新潟らしい郷土の料理。新潟県はナスの生産、消費とも日本一と言われます。ナスの品種が実に多い。今回の旅でも参考になる茄子料理を発見できました。ズイキを甘酢に漬ける食文化も魅力的。ズイキ専用の調味梅酢も市販されていました。



 そして今回よく食べた糸ウリの浸し物。
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 果肉が繊維状にほぐれる不思議な瓜です。正確に言いますとヘポカボチャの一種なるらしい。シャリシャリした歯触りが涼しさを誘います。


 
  
 さて、これが本命の桜飯。味噌漬け飯のことなのですが、最近はこのように炊いたご飯にあとから微塵切りの味噌漬けを混ぜるらしい。
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 お店の方曰く、炊き込むとご飯にも色が移ってしまうから。。。伝統は改良しながら伝えるものとはいえ、長岡藩主牧野家の先祖が住んでいた東三河では醤油で色付けて炊いたご飯のことを桜飯ということから、ご飯が染まっているのが本筋。これは自分で作って検証する必要がありそうです。




 お店のお薦めでとろろもかけて見ました。
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 とろろご飯に漬物の細々が入っているのはバリエとして面白いと思いますが、桜飯からはまた遠退いたような気がします。




 この御膳には甘味とコーヒーが付きました。コーヒーはランチタイムだけだったかも知れません。
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 河井家
の家紋は丸に剣片喰(けんかたばみ)。甘味は饅頭とのことなので、細君用に頂いてお店を出ました。後にこの饅頭には芋餡が入っていて大変美味しいことが判明しました。^^




 さて、十日町に向かう前に炊き込み式の桜飯を作るため、駅ビルの物産コーナーに向かいます。
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 駅ビルCoCoLoは上越新幹線の主要な駅にあり、お土産や食事処、雑貨やファッションまで幅広いテナントが入っています。駅前の丸い玉は長岡花火の二尺玉の模型でしょう。




 予想通り、味噌屋さんも入っていて味噌漬けも扱っていました。我ながら嗅覚は鋭い。^^
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 各種の味噌漬けがありますが、中央のトレーの左上が大根。これ一本で千円以上しますので、わがまま言って半分にして頂きました。帰ったら、これで継之助が食べていた桜飯を体験します。




 これは後日、自宅で炊いた桜飯。確かにご飯はうっすらと染まりますが、綺麗じゃないですか。これこそが正真正銘の桜飯です。
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 米2合に大根の味噌漬け4cmほどを刻んで炊き込みましたが、味も丁度良い。ただ、混ぜ込み式と違うのは大根の食感。カリカリ感がなくなり、煮染めた干瓢が入っている感じです。味噌漬けの存在感は薄れますが、味はよく全体に馴染んでいますね。継之助もこの味を絶賛したのでしょう。経営的に考えれば、継之助ファンの観光客しか注文しないであろう桜飯を常時炊いておくのは不経済ですね。白飯でササッと作れる桜飯の方が無駄がありません。でも、絶対、炊き込んだ方が美味いなぁ。




 さて、念願の墓参りも完了し、桜飯でお腹も満たしました。これから、いよいよ、越後妻有アートトリエンナーレ2012の本拠地十日町に向かいます。大地の芸術祭はとても2・3日で見切れる規模ではないのですが、出来る限り頑張ってみましょう。ただ、この暑さ。みちのくでは体験できないような厳しい太陽光が降り注いでいます。熱中症だけにはならないよう、水分塩分の補給に注意して参りましょう。!!

2012/09/17(月) 05:00 | trackback(0) | comment(4)

岩手三大麺のお土産

カテゴリー: 紹介:加工食品・調味料

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 これ可愛いでしょう。SLの正面であることはすぐにお分かりになると思います。小さく岩手と書いてあることから銀河鉄道がモチーフであろうことも想像が付きます。これは、の大学のクラスメートが泊りに来た時のお土産です。彼女は東京都町田の育ちなのですが、母方の実家が岩手の一関にあり、そちらを経由して宮城入りでした。



 スリムな美人なのですが、中川翔子のような喋り口調でよくここまで一人で来れたなぁという感じなのです。驚いたことに翌日から娘と東松島で被災家屋の土砂清掃のボランティアに行くというのです。8月下旬のことで男でも熱中症で倒れる暑さです。あまりの無謀さに開いた口が塞がりませんでした。



 そんな心配も無駄となり、二人で東京に戻っていったのでした。若いということは素晴らしいと言う自分はもう若くない。^^






 さて、少し時間が経ちましたが、お土産のSLを頂きましょう。側面と上面はこんなデザインです。岩手の三大麺が入っているようです。
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 岩手の三大麺と言えば、冷麺、わんこそば、じゃじゃ麺ですね。それらが2食分ずつ入っているそうですが、少し軽いな。




 それもそのはず、中には乾麺が入っていました。
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 蕎麦の乾麺は普通ですが、冷麺とじゃじゃ麺の乾麺は珍しい。さっそく週末の昼飯に細君と味わってみることにしました。




 1日目は冷麺ですが、麺が真っ白です。これでは冷麦ですね。
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これが盛岡冷麺のように透明感のあるブリブリ麺になるのでしょうか。ちょっと不安になり始めます。




 それでも有り合わせの具材をトッピングして冷麺らしく拵えました。
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添付の液体スープを氷水で割って器に注ぎ、茹で上げて冷水で〆た麺を盛り付けました。具には同封の辛みダレで作った即席キムチに甘酢漬けのキュウリ、半熟卵にトマト等々。




 あの真っ白い麺がしっかり透明感のある冷麺になってます。
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食感も盛岡冷麺そのものです。これは便利ですね。冷蔵庫に保存しなくても簡単に冷麺が頂けるのですから。




  次の日は乾麺で作ったじゃじゃ麺です。添付の肉味噌には炒めた挽肉を足しました。
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要するするにきしめんの乾麺ですね。これは十分あり得ますね。乾麺ながらも弾力があり、生麺との差もあまり感じられません。




 じゃじゃ麺の流儀に従い、まず混ぜくります。
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 ザク切りのキュウリや長葱、おろし生姜に千切り大葉も麺や肉味噌と渾然一体になった和え麺が出来上がります。韓国のピビンネンミョンとも似た食べ方です。



 
 そしてこれも定法に従い、鶏蛋湯(チータンタン)へと移り進みます。
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 熱々の茹で汁を高い位置から回しかけます。薬味も足して〆の卵スープの出来上がり。この食べ方って、とても環境に優しいと思います。下水処理場がまだ完全復旧していませんし、台所からの負荷は減らしたいですね。もちろん、復旧後にも自分の皿に残ったソースはパンやお湯で綺麗しましょう。



 最近の若い者は。。。というフレーズはよく口から出る寸前で留めていますが、被災地ボランティアに来る全国の若者には全く頭が下がります。特に1年が経過し二度目の夏にはボランティアも大幅に減っていますが、それでも真っ黒になりながら汗を垂らしている若者には将来を安心して任せられそうです。



 この岩手三大麺セットおやま号が買えるサイトを見つけました。日持ちもしますのでご自宅で岩手の麺を楽しむのに便利かも。


  奥州うまいもん屋

 

  盛岡市産業まつり

 

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2012/09/14(金) 05:00 | trackback(0) | comment(2)

名残のバジルでガパオライス

カテゴリー: 外食:丼・オーバーライス

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 このオーバーライスはタイの料理で日本ではガパオライスとかガパオご飯とか呼ばれています。日本人にも馴染みやすい料理ですが、本来、ガパオと呼ばれるホーリーバジルが使われる料理名にガパオが付きます。鶏のバジル炒めパッ・ガパオ・ガイですし、それをオーバーライスにしたガパオライスガイ・パッ・ガパオ・ラートカオ・カイダオ(もしくはパッ・バイ・ガパオ・ガイガップ・カイダオ・ラートカオ)です。訳すと鶏のガパオ炒めぶっかけご飯目玉焼き添えでしょうか。日本ではタイのホーリーバジルが手に入りにくいので、広く栽培されているスイートバジルで代用します。辛さも少し強めにして残暑を克服するため体に喝を入れましょう。





 鶏のバジル炒めを本場のように作るにはバジルだけでなく、その他のハーブ類や調味料も揃えなければなりません。そこで便利なのが、タイから輸入される調味ペーストです。
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 本日はこのペーストでまず、鶏のバジル炒め を作り、オーバーライスのガパオライスに仕上げます。鶏は挽肉ではなく、胸肉一枚を使います。




 まずは胸肉を出刃包丁で粗く叩きます。つくねを作るわけではないので、あまり細かくしなくて結構です。
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 日本は便利でミンチが普通に売られていますが、海外ではお店に頼んでミンサーにかけてもらうか、自分でこのように叩きます。でも、この不規則な粗さが美味さでもあるのです。




 トマトやシシトウ、オクラも適宜に切っておきます。
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 スイートバジルは入れすぎますと結構香りが鼻に来ますので二人分で片手に軽く一杯にします。




まず、ニンニクの香りを出したオリーブオイルで鶏肉を炒めます。
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 胸肉は硬くなりやすいので短時間でサッと炒めます。




まだ鶏肉に完全に火が通っていない頃合いに野菜、ちぎったバジル、ペーストを加えサッと混ぜ合わせます。
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 味見をして塩だけで調整します。せっかくシーユーダムナンプラーの味わいが壊されないよう、醤油やソースなど余計な味は加えないようにしましょう。




これが鶏のバジル炒めパッ・ガパオ・ガイです。
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 ピリッと辛く、バジルの風味も利いて食欲を湧き上げてくれます。これをアテにビールも好いのですが、やはり相性がよいのはご飯でしょうね。




目玉焼きと一緒にご飯に乗せてガパオライスの完成です。
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 本場のは目玉焼きがもっとカリカリに焼かれて、黄身も崩れていたりしますが、日本人の感性にはノーマルな半熟目玉焼きが合ってます。




そして、こう食べるのです。半熟目玉焼きの円やかさがスパイシーなパッ・ガパオ・ガイに優しさを与えてくれます。
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 よくこういうオーバーライス物を食べる時に最初に全体を混ぜてしまう向きと少しずつ混ぜながら味の変化を楽しむ向きがおりますよね。子供の頃、初めて関西に移り住んだ時、食堂でカレーライスを最初にぐちゃぐちゃに混ぜてから食べる大人がいて激しいカルチャーショックを受けたものです。しかも生卵入りですから、その衝撃も尋常ではありませんでした。


 どっちみち、ご飯と馴染ませて食べるのですから合理的と言えば合理的なのかも知れませんが、子供ながらも一度も真似することはありませんでした。今にして思うと関西に多い在日韓国人からビビンバの食べ方を伝授されたのでしょうか。でも、中華丼(飯)ではやってなかったようにも記憶していますし、大阪には最初から混ぜてあるカレーライスを出す有名なお店(自由軒)もありました。


 私は少しずつ混ぜながら食べるのが楽しみなので混ぜる喜びを取られたカレーライスにお金を払うことはないでしょう。話しが戻りますが、ガパオライスだって最初から味が均一になってしまったら、食べ進みながら味の変化を楽しむことが出来ませんし、半熟卵の黄身の美味しさがご飯に紛れて感じられなくなってしまうような気もします。ま、これも好きずきなのでどう食べてもよいのですが・・・。   あ、卵かけご飯は私も混ぜるな。^^

2012/09/12(水) 05:00 | trackback(0) | comment(7)

ゴーヤーで夏向きおつまみ三品

カテゴリー: 料理:野菜・果物

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 今年はゴーヤーを栽培しなかったので、食べたいなぁと思っていたところ、職場のスタッフが自宅で作ったゴーヤーを持って来てくれました。ゴーヤーの表面って、爬虫類を彷彿とさせますよね。イソアワモチという軟体動物にもちょっと似ています。イソアワモチもちょっとグロいけど、沖縄では味噌炒めなんかで食べていますね。話をゴーヤーに戻して、今日はこれで夏向きのおつまみ三品を作ってみます。





 もういきなり下拵えです。本日はゴーヤーチップス(奥)とゴーヤーの竜田揚げ(左)にゴーヤーの塩麹漬け(右)を作ります。
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 チップス
は2mm位の薄い輪切りにして少し干します。竜田揚げは3~4mmの輪切りにして麺つゆ(濃縮)に浸します。香り付けに五香粉を少々。塩麹漬けは4~5mmの半月に切って、塩麹と鷹の爪の輪切りを塗しておきます。




 チップス用の輪切りは炎天下に数時間曝しておきますとかなり水分が飛びます。 
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 キッチンペーパーに綺麗に並べて、電子レンジの500wでまず5分、一旦取り出し、風乾させてから、再度2分くらいチンします。二度目の加熱中は目を離さず、茶色になり始めたらすぐに取り出します。よく乾かしたら塩を振って出来上がり。




 油を使わないゴーヤーチップスです。苦みのあるチップスでとても個性的。 
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 これすごく湿りやすいので、湿度の高い日は食べているうちにしなっとしてきます。保存は乾燥剤入れて密封しましょう。




 続いて、竜田揚げですが、揚げる直前に片栗粉を袋で塗します。 
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 180℃位の油でゆっくり揚げます。表面がカリッとして来たらOKです。




 周りはカリッとして中はほっこり。ゴーヤーの苦みが油っこさを中和してくれます。
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 ほんのりと五香粉の香りが爽やかさも出しています。これお薦めの一品です。散らした葉っぱはセージの空揚げです。これも風味豊かでイケますよ。




 こちらはゴーヤー塩麹漬け。甘味、塩味、苦味、辛味が混在する不思議な漬物になります。
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 塩麹は塩分が強いので漬けっ放しにしないで、頃合いを見て取り出します。塗した塩麹も適当に落として盛り付けます。




 さて、今日も暑かった。一風呂浴びてゴーヤーをあてに冷えたビールを流し込みましょう。 
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 ゴーヤーだけの前菜ですが、調理法が異なるので決して飽きません。ビールの苦みともシンクロして口の中は涼しくなっています。苦味を美味いと感じるのは人間だけなんでしょうね。


 日除け用のゴーヤー栽培もブームで10株位植えておられるお家も見かけますが、ゴーヤーの実はきっと食べ切れないでしょう。ゴーヤーのお惣菜も10種類くらいは覚えておかないとゴーヤーチャンプルーだけでは飽きてしまいますからね。今回の乾・揚・漬以外の調理法では佃煮味噌炒め煮などがお薦めです。料理名のリンク先にレシピがありますのでご参照下さい。
 

2012/09/10(月) 05:00 | trackback(0) | comment(4)

サンマルツァーノで焼き野菜スパ

カテゴリー: 料理:麺類

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 このトマトサンマルツァーノPomodoro San Marzano と申しまして、イタリアでもっぱらトマトソースSalsa Pomodoro に使われる品種です。水分が少なくて硬く、生食には向かないのですが、煮込んでソースにしますと豊富なグルタミン酸により美味しいソースが出来るのです。毎年、3株程栽培していますが、9月に入っても実がたわわになり続けています。それでもさすがに終盤戦ですので、保存用ソース造りも兼ねてトマト系パスタをサクッと作ってみましょう。




 基本のトマトソースの材料はこんなもの。あまりゴテゴテ入れると応用が利かなくなります。
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 味付けもシンプルに塩胡椒だけで、これをベースに様々なソースに展開します。単純な作業ですが、時間が掛かりますので少なくともトマト1Kg以上を使って作りたいですね。




 まず、玉葱、セロリ、人参を微塵切りにして、ニンニクの香りを出したオリーブオイルで炒めていきます。
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 火が強い方が速く炒めることが出来ますが、焦げてしまう危険性もあります。一度焦げると臭みが残り、見栄えも悪くなりますね。中火で底を確認しながら、じっくり炒めましょう。




 20分くらい気長に炒めますと野菜に透明感が出て、うっすらと飴色のソフリットが出来上がります。ここで、刻んだトマトを加えます。商品ではないので湯剥きはしていません。
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 鷹の爪、ベイリーフ、イタリアンパセリなども加えて、さらに炒めますと、トマトから水分が出てきて煮込むような状態になります。水分が半分くらいなるまで焦がさないように煮込みます。




 こんな感じになれば出来上がりです。塩胡椒で軽く調味して冷まします。
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 冷凍バッグに1回分ずつ収容して、冷凍庫で保存しますが、2カ月位で消費しています。その後は市販の水煮缶で作りますが、フレッシュトマトで作ったスッキリとしたソースとは異なりますね。




 今日は出来たてのトマトソースを使って、夏らしいスパを作ります。まず、アンチョビー黒オリーブの微塵切りをオリーブオイルで炒めます。
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キッチンに塩辛の匂い充満します。イタリア人もこの香りが好きなのですから、酒盗やイカの塩辛も食べられるんじゃないかなぁ。今度、来たら試してみよう。^^




 アンチョビーオリーブが馴染んだら、基本のトマトソースを加えます。
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 二人分でお玉1杯くらいでしょうか。結構アンチョビーから塩分が出ますので、味を確認しながらソースを仕上げます。




 茹で上げたスパゲッティーニをササッとソースに絡めます。
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 実は撮影しておりませんでしたが、パスタを茹でる前に夏野菜の薄切りを魚焼きコンロで焼いています。




 ソースで和えたパスタを皿に盛り、焼き野菜黒オリーブイタリアンパセリの細々を散らしました。
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 夏野菜は菜園のナスとズッキーニに買い求めたオクラです。




 ソースにも黒オリーブが入りましたので地味な色合いですが、暑い残暑のブランチには涼しげです。
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 アンチョビーの塩味と発酵臭が日本人の遺伝子にも共鳴します。^^




 トッピングの野菜をで炒めないで焼くところがさっぱり食べるコツでしょうね。野菜までオイリーだと口を休めることが出来ません。特に夏はさっぱり感もご馳走の内ですから。冷凍したトマトソースはパスタばかりではなく、 茹でたポテトの上に乗せてオーブンで焼いたり、ハンバーグを煮込んだり、オムレツに入れたり、様々な形で活躍してくれて重宝ですよ。

2012/09/07(金) 05:00 | trackback(0) | comment(0)