魚食復活料理教室 七ツ森編
カテゴリー: 料理:買い魚
いま宮城の養殖ギンザケが大変なことになってます。大津波の被害で全てを失った中からやっと立ち直り始め、今年、何とか出荷を再開できたのですが、1年間のブランクと風評被害で市場を外国産のサーモンに奪われ価格低迷に陥っています。このままでは経営破綻が目に見えており、歯を食いしばる思いで復旧させた養殖ギンザケも報われません。またまた、仙台の料理教室にお邪魔してギンザケ料理をお披露目しました。
今回は旭ヶ丘にあります料理教室七ツ森さんにお邪魔します。
こちらは七ツ森がある大和町ご出身の浅野先生が昨年オープンさせたクッキングスタジオ兼料理教室です。素敵な一軒家で自宅レストランのような雰囲気です。
本日の教室には、栄養士さんや食ジャーナリストさん、さらには日本酒ソムリエの方や給食を作っていらっしゃる方も参加されており、こちらも緊張気味です。さらに北仙台の食材にこだわる和食屋しんさんも来られるはずだったのですが、仕入れの関係で惜しくもドタキャン。コーヒー通ならだれでも知っている米ヶ袋の珈琲まめ坊さんも参加なされ、教室の始まる前に東ティモールの豆を挽いて美味しいコーヒーを振る舞って下さいました。
被災地の復興状況や養殖生産物は放射性物質が不検出であることなどをご紹介してさっそく調理に取りかかります。
生のギンザケのフィレを見るのも触るのも初めての方も多く、慎重に捌いています。今日の献立は前回とほぼ同じですが、一品増えてますのでそのレシピを文末に記しておきます。その他のレシピはこちらの記事をご覧下さい。
まずは、副産物である皮を使ったパリパリ皮煎餅。
レンジでチンして作りますので油不要でヘルシーです。軽く塩胡椒をすればビールのあてに最高です。
これも復興しつつある三陸ワカメのサバ味噌衣和えです。
サバ味噌煮缶を擂り潰し、新玉葱のスライスと一緒に和えています。
葛打ちギンザケとワカメのすまし汁です。
吸い口には白髪葱を浮かしています。ツルンとした食感が美味しさを増します。
こちらが新しく加わった一品、揚げギンザケのみぞれ酢かけです。レシピは文末に記しています。
揚げたギンザケを酸味の利いた加減酢ベースのおろし酢でさっぱりと頂きます。
メインの冷製ギンザケの棒々鶏ソースは大皿に盛り付けました。
葱と生姜をたっぷり使った食べるソースで頂きます。
サーモンライスも完成していよいよ試食です。
サーモンライスはいわば洋風手こね寿司。酢〆したギンザケをギンザケのスープで炊いたご飯に混ぜ込みます。
それではみなさん頂きましょう。
生ギンザケは冷凍甘塩の輸入物とは違うでしょ。ふんわりとした食感を楽しんで下さい。養殖物には嫌な香りがあるという呪縛からも解かれることでしょう。^^
こちらはワンプレートに持ったサンプルです。
復興ギンザケ&ワカメの海鮮ランチ、すまし汁付きです。商品化するとすれば、お値段はおいくらが適当でしょうか。^^
これは私が持ち込んだ庭のビワ。ちょうど今、食べ頃を迎えました。
摘果作業もしていないのでやや小粒、大きさもまちまちです。みんな違ってみんないい。^^
やおら浅野先生が即興で料理を作り始めます。
今日の料理の余り物を使った水菜とギンザケのおろし汁煮と七ツ森のシイタケの陶板焼きです。この肉厚シイタケ、内側に美味しいエキスが溜まって絶品でした。塩や醤油など好みの味付けで楽しみます。シイタケも憎き原発事故のため露地の原木栽培物が出荷出来なくなりました。ですが、現在、出回っている菌床栽培物は全く影響がありません。産地で差別するのは被災地を苦しめるだけです。積極的に利用して買い支えてあげましょう。
現在の被災地の復興しつつある養殖生産物を使った料理教室や復興状況報告会を各地に出向いて行っています。ご要望があれば、駆け付けますので是非ご連絡下さい。勤め人なので色々と制約はございますが、出来る限りのことはしたいと思います。被災地の復興は一次産業やその関連産業が復元しなければ成り立ちません。正しい知識を身に付けて、食べてあげることで復興を支援していきましょう。
料理教室や報告会のお問い合わせは、トップ記事(東日本大震災)の文末をご覧下さいませ。
揚げ銀鮭のみぞれ酢がけ(4人分)
材 料
銀鮭切り身200g
小麦粉(少々)、揚げ油(1ℓ)、塩(少々)、大根(半本)、
カイワレ大根、砂糖、酢、昆布ダシの素、鷹の爪
作り方
① 銀鮭を2.5cm角に切り、軽く塩をする。
② ビニールバッグに小麦粉と①を入れ、振り混ぜる。
③ 揚げ油でからりと揚げ、油を切っておく。
④ 水気を絞った大根おろしに加減酢(塩・砂糖・酢・ダシ汁)を加えた
みぞれ酢を③にかけ、カイワレ大根を添え、鷹の爪を天盛りする。
※ 予め加減酢に鷹の爪の輪切りを浸けておく。