南三陸町志津川に来ています。左手に見える赤い鉄骨は全国的に有名になりました南三陸町役場の防災対策庁舎跡です。屋上に避難した町職員ら約30人のうち、助かったのは僅か10人という悲劇の現場です。ここは海から約500メートル離れていますが、巨大津波は3階建ての庁舎屋上をさらに2m超える高さに達したそうです。街のガレキは海辺の松原公園などに集められましたが、基礎だけが延々と続く景色を見ると復興への道のりはまだまだ果てしないと思わざるを得ません。
ここは街中を流れる八幡川を海から1.7Kmほど遡った所です。ここでも海水を被った杉が枯れています。
この後ろに県合同庁舎や消防署があったのですが、3階まで津波に襲われています。
消防署の裏手に今年2月、南三陸さんさん商店街がオープンしました。
被災した地元の飲食店や小売店30店舗が軒を並べる仮設商店街です。駐車場の入り口が初めてだとちょっとわかりにくいのが残念です。
商店街は大きく3つのゾーンに分かれており、飲食店はオレンジ色のおひさまゾーンにあります。
南三陸の看板、キラキラ丼も食べることが出来ますよ。キラキラ丼は四季折々変わりますので、内容についてはさんさん商店街のHPでご確認下さい。
こちらは中央のさんさん広場です。
梅雨の合間ながら太陽がさんさんと降り注ぎます。
志津川で大活躍中のヤマウチ鮮魚店さんと明治13年創業の蒲鉾の老舗及善商店さんもこちらに入っております。
ヤマウチさんは商工団地の店舗に次いでの2号店ですね。
志津川の生蕎麦と言いますと、4代続く老舗の京極さんが有名です。懐かしいあの店舗ももうありません。
茶そばのような緑がかった麺と棒揚げの天ぷらが特徴です。ここに復活できたのは嬉しい限りです。
フードコートを取り囲むように飲食店が並びます。キラキラ丼は4軒のお店で食べることが出来ます。
このシーズンはウニですね。春はメカブと春野菜、夏がウニ、秋は秋刀魚や穴子、晩秋から冬はイクラが具材の主役になります。
今日は地元素材にこだわる志のやさんでキラキラウニ丼を頂きます。
実は先日、釣りの師匠である七ヶ浜のセブン翁が仕事で志津川に来られました。電話で美味いものが食べられるお店を教えて欲しいとのことだったので、さんさん商店街のキラキラウニ丼をお伝えしました。それで、あるお店に入られたそうですが、ウニがミョウバン臭かったそうです。まさかと思いましたが、海産物は食べ尽くされてきた御仁だけにショックでした。そこで、地物にこだわる志のやさんで確認してみたのです。
お付き合いで一応お品書きにも目を通しますが、入店前からキラキラウニ丼に決めています。^^
しかし、お値段は2千円(汗)。。。東京スカイツリーから飛び降りたつもりで贅沢な昼食を味わいましょう。
これが志のやさんのキラキラウニ丼です。丼はやや小ぶりで直径が13.5cmでした。^^
ウニの占有面積は全体の80%程でしょうか。ウニに添えてあるのは厚焼き風の蒲鉾でした。
ピンぼけご容赦ですが、ウニは小振りながら一舟分ぐらい使われているのではないでしょうか。
ウニは震災以来初めてです。と言いますか、ウニ丼は震災前でもそうやすやす食べられるものではありませんよね。緊張感が走ります。^^
食べようとしますと、店員さんが塩を進めるのです。おっ、なるほどと思ったのですが、これはアジシオではないですか。。。
せっかくのウニにグルソー(グルタミン酸ナトリウム)かけるのはちょっと。。。せめて、藻塩か自然塩でしょう。でも、店員さんがじっと見ていますので一振り。確かに、醤油の香りに影響されない分、ウニの風味は生きますね。
だけども、私は山葵を溶かし込んだ醤油を少しずつ垂らして掻き込むのが大好きなのです。
ウニの濃厚な甘さが口いっぱいに広がります。この甘味がウニの魅力ですね。ミョウバンを使ったらこうはとろけないでしょう。
おまけですが、副菜は坪漬け風の漬物と切り干し大根の煮物でした。
味噌汁にはすり身団子と豆腐が入っていました。
沿岸部の被災地にも二度目の夏がやってきます。街の姿は変わっても海は四季折々の旬味を提供してくれます。まるで何事もなかったように。そして、私たちは海を恨むことなく、いつものように舌鼓を打っています。
それにつけても恨むべきは原発事故。さすがに三陸沿岸では常磐海域程の影響はありませんが、風評被害は深刻です。検査結果が不検出でも宮城県産は扱わないという量販店もあるそうです。
一体、絆って何だったのでしょう。被災地の復興には地元産業の回復が不可欠です。買い支えてあげてこそ絆なのに、検査結果より産地名で差別する量販店や消費者が風評被害を助長し、被災地復興を阻害しているのです。罪な連中です。
季節料理 志のや
(南三陸さんさん商店街 http://www.sansan-minamisanriku.com/)
・所在地 :宮城県南三陸町志津川字御前下59-1
・電 話 :0226-47-1688
・営業時間 :11:00~14:00/17:00~22:00
・定休日 :不定休
・駐車場 :商店街共用