ダービーパーティーで出張板前
カテゴリー: 未分類
本日(5月27日)はお日柄も良く、絶好のダービー日和です。菊花賞、有馬記念、そしてダービーと大きな競馬の開催日には呑み友達が大名マークさんのお宅に集まって、みんなで呑みながら観戦するのです。私は馬のことはさっぱりわからないので料理係として参加させて頂いてます。
大名マークさんちは津波により被災されましたが、以前と同様の奇麗なキッチンに戻っていてホッとしました。
こちらのキッチンは広くて明るく使い勝手が大変良いのです。正面に献立表を貼り付けて気合いを入れます。本日は和洋折衷で13品お出しする予定です。
最初に手作り珍味の三種盛りです。左の赤いのがイカチャンジャ、中央が気仙沼の郷土料理あざら、右が鮭のいずしです。あざらにつきましては後日記事にします。
どれも日本酒の進む肴ですね。これらは事前に仕込んで持ち込みました。器代わりに庭の葉蘭使っています。
続いて、毎年作っている会津の郷土料理ニシンの山椒漬けです。山椒の爽やかな香りが広がります。
これも作り方は後日、記事で解説いたします。噛み締めますと酸味と甘みに続いて、ニシンの脂がジュワッと広がって、口が日本酒、日本酒と騒ぎ出します。^^
これも渾身の力をこめた一品、からすみです。でも、ボラの卵巣ではなく、ブリの卵巣で作りました。日本酒党垂涎の肴ですね。
晴れた日には太陽に当てて、じっくり乾燥させました。魚卵の熟れた味わいは日本人に生まれて良かったなぁと感じること請け合いです。メイキング オブ からすみは、次の記事でご紹介します。
本日のアシスタントはユケチュウさんが出張中のため、anegoさんに務めて頂けることになりました。なおちゃんが早くもお酒を勧めにやってきました。^^
anegoさんも料理の腕は相当なもの。これは、鬼に金棒どころか、地球防衛軍がついたようなものです。
続きましては、お造り盛り合わせです。気仙沼からやってきた生メカジキのトロと塩釜の生メバチの赤身。それに活ツブとマダコです。
今日は気仙沼の名産品を取り入れています。生のメカジキが手にはいるのは気仙沼ならではです。コリッと締まっていながら、噛むほどに旨い脂を感じます。活ツブは身の取り出しにテクニックが要ります。殻に小さな穴を開けていますが、そこから目打ちを差し込み殻と筋肉の固着部を外します。そうしますと殻を割らずにスポンと身を取り出すことが出来るのです。
こちらは気仙沼の郷土料理、メカ大根です。メカジキのカマを大根と炊き合せました。
本来、冬の料理ですが、どうしても紹介したかったのです。やや硬い夏大根だととろけるような食感にはなりませんね。メカもカマですから、脂も強いのでキリッと濃い味に炊いています。
続いて、これも気仙沼名物のハモニカです。本来、煮ることが多いのですが、ガーリックを利かせて香草焼きにしました。下の写真はハモニカの原型です。
ハモニカはメカジキの坦鰭骨と傾斜筋、すなわちヒラメで言えば縁側ですね。しゃぶりつきながら食べる様子がハモニカを吹くようなので銘々されたそうです。さすがにハモニカは気仙沼でしか買えないでしょうね。ヒラメと違って筋肉の長さが10cm近くありますのでツルツルと食べる感じです。
またまた、気仙沼を代表する味噌味のホルモン焼きです。でも少し改変しています。
本来、気仙沼ホルモンは味噌ベースのもみだれに漬け込んだ数種の内臓を炭火で焼き、千切りキャベツとともに食べるものですが、私は味噌に塩麹を混ぜ、ニンニクを利かせたもみだれで調味しました。さらにキャベツではなく、食べやすいレタスの帯切りとカイワレ大根にしています。それと普通の家庭内で炭火焼きも出来ませんので、フライパンで炒めた後、バーナーで表面をこんがりさせました。
少し炭水化物系も欲しい頃です。スペインはカタルーニャ地方からバレンシア地方の名物料理、フィディウアです。
エビ、イカ、アサリを炒め、スペイン産のフィディウア用パスタを魚貝類のスープで炊き上げます。ニンニクのパンチが効いたアリオリソースも添えたのですが、撮影を失念。
この頃からだんだん酔いも回ってきました。キッチンドランカーになりながら、料理を作ってます。^^ 左の小皿はえぞにゅう(にょうさく) という山菜の煮物です。anegoさんがご実家のある庄内から塩蔵品を取り寄せて作りました。それに庄内の銘酒藤島純米大吟醸をちびりちびり。
料理の合間に呑むのではなく、呑む合間に料理しているような状況に陥ってます。何かヘマやらなきゃ良いのですが。。。おっ、朝日川米寿もあります。誰かのご配慮でしょうか。
ここでさっぱりとしたものを。カブとレタスの塩昆布浅漬けです。
口が爽やかになり、また食欲も湧いてきます。なんと、郡山に出張中だったユケチュウさんと秋田に所用で出かけられていたびーえむあいさんご夫妻も駆け付けてくれました。
肉骨茶(バクテー)風の豚角煮と手羽煮です。厚揚げやゆで卵も炊き合わせました。
肉骨茶はマレーシアやシンガポールの名物料理ですが、これを作る時に漢方薬のようなスパイスを何種類も使います。毎年、東南アジアへ出掛けられるベガサポ顧問からお土産に頂いた肉骨茶スパイスミックスを使いました。香り豊かな角煮や手羽煮となります。
最後の〆は山形県酒田地方の山形県人が呑んだ後に必ず食べるという冷やしむき蕎麦です。これはやはり庄内ご出身のanegoさんに作って頂かないと。
うむむ~、見事な味じゃ、褒美をとらせよ!^^ 慣れ親しんだ方にしか本物の味を出すことは出来ないのですね。つゆはさっぱりとしていますが、鶏のそぼろと煮染めた乾し椎茸が味と食感を豊にしています。蕎麦の実のぷりぷり、くにゅくにゅ感がいいですね。いつものように、これを食べた辺りから記憶が途切れ途切れとなっています。^^
いやぁ~実に楽しかった。残念ながらダービーの方は誰も当たらなかったようですが、気のあったみんなで集まって呑み食いするのって最高ですね。気仙沼の郷土料理も紹介できましたし、感無量です。ナイスアシストのanaegoさんもお疲れ様でした。最後のむき蕎麦は秀逸でした。むき蕎麦をふっくら戻すのってコツがいるんですよね。あ、そうそう、もう一品、彼女の作品がありました。
これです。anaegoさんが作ってお持ちになったワカサギの南蛮漬けです。
お疲れ様でした。また機会ありましたら、一緒に包丁を振るいましょう。^^
参考までに本日のお献立です。
・イカチャンジャ、あざら、鮭いずし 手作り珍味三種葉蘭盛り
・会津の伝統ニシン山椒漬け
・自家製カラスミに大根色紙
・お造り盛り合せ(生メカジキ、生メバチ赤身、活真ツブ、蒸マダコ)
・気仙沼名物メカジキのカマ大根
・メカジキのハモニカ香草焼き 焼き野菜盛り合せ
・馳走塾風気仙沼ホルモン
・フィデウア with アリオリソース
・蕪とレタスの塩昆布浅漬け
・肉骨茶風豚角煮と手羽煮
・庄内人の〆 冷やしむき蕎麦
これらを8人でスタートし、後半で3人が加わったのですが、年齢層を考えるとボリュームがあり過ぎとのご意見もありました。次回は量を抑えて渋い大人の献立を考えましょう。各料理に対する評価を書き込んで頂いたノートを酔っ払って会場に忘れてきてしまいましたが、後日、じっくり読ませて頂きます。みなさま本当にお疲れ様でした。