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東日本大震災から1年・・・最大の遺惨・・・

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 いま、被災地の追悼式典会場ではサイレンとともに黙祷が行われました。この記事を黙祷後の3月11日14時48分にアップされるようにして参列しています。


 

 改めて犠牲になられた皆様のご冥福を祈り、様々な被災を受けられました皆様にお見舞い申し上げます。




 あの東日本大震災から1年が経過しました。昨年の今頃は余震に怯え、ライフラインを断たれた中で、日々、情報収集に奔走していました。職場が壊滅したため被災しなかった関連機関に身を寄せながらの活動でした。集まった仲間は家や車を失った者もいましたが、みんな緊張のためかモチベーションが高く、積極的に仕事を見つけて飛び回っていました。沿岸部はどこも瓦礫の山で、一回りしてきますと長靴は黒い泥で重たくなりました。



 当時、妻が介護のため里帰り中で日中の給水を受けられず、また、開店し始めたスーパーの行列にも並ぶことができなかったのが不便でした。なにせ、電気が来てませんので、仕事が終わる夕暮れ時にはもう販売ができないのです。食べ物は冷蔵庫の在庫で食いつなぎ、詳しい原発事故情報もないままに飲用ではありませんでしたが雨水や池のも利用していました。その頃の状況はこちらに記しておきました。



 今回の大震災による総被害額は16兆円とか25兆円とかと試算されていますが、大きな震源に近かった宮城県が最も大きな割合を占めています。ただ、これには現在も進行している福島県第一原発事故による被害額は加算されていません。昨年末に冷温停止状態になったとされる原子炉ですが、すでに撒き散らされた放射性物質、特に半減期が30年と長いセシウム137は今後、我々にどのような影響を及ぼすのでしょう。


 食べ物関連のブログをやっている以上、この問題を避けて通るわけには行きません。私は放射線医療の知識はありませんが、専門家と言われる方々のサイトを読み込んでいくうちに、どうも立場によって同じ事象でも解釈が異なることが気になり始めました。特に人体への影響についての判断が大きく異なるのは国民としても信じる拠所がなくなり、たいへん不安になります。




 ご承知の方も多いと思われますが、今年(2012年)の4月1日から食品に含まれる放射性物質の規制が暫定値から以下のように改正されます。この図はセシウムについての規制値です(単位:ベクレル/Kg)。 
secium1-1.png
 放射性物質のうちヨウ素131は半減期が8日のため、現在は問題にならないでしょう。ここでは、セシウムについてだけ示しています。厳密に言えば、セシウムも半減期2年の134と30年の137がありますが、長く尾を引くのは当然ながらセシウム137です。環境放射能の測定結果からはセシウム137の割合は大体6割となっています。


 今回の規制値の改正は事故後に暫定規制とした年間の内部被曝線量5ミリシーベルト1ミリシーベルト以下となるように、許容放射線量をそれぞれの食品や飲料水に振り分けたものです。でも、この国の被曝制限値は元々内部と外部を併せて1ミリシーベルトだったはずですが・・・。それはともかく、暫定基準値と今回の改正値には4~20倍の開きがあります。つまり、一挙に1/4~1/20に厳しくするのですが、実効性を伴うのでしょうか。


 セシウムのリスクについては後に触れますが、体に悪い影響を与えるから規制を設けるのであって、消費者としては少なければ少ないほど安心なのですが、この規制により食品が生産できなくなるエリアが広がり、被災地の復興にブレーキがかかることも懸念されます。文部科学省放射線審議会でもこの規制は、必要以上に厳しすぎるとの意見もあったそうです。でも、この新しい規制は一体どのくらい厳しいのでしょう。他国の規制と比較してみます。





 最初に飲料水に関する諸外国の規制値と日本の暫定値及び新規制値を比較してみました。
secium2.jpg 

 EUの1000ベクレル(Bq/L)が異端的に高いのを除けば、日本の新基準はアメリカやドイツほどではないにしろ、WHO(コーデックス委員会)やカナダの基準に匹敵します。EUチェルノブイリ原発の事故以来、放射性物質の規制を実行可能な数値に引き上げたそうです。ただ、日本から輸入するものについては日本暫定基準に合わせており、ダブルスタンダードに陥っています。しかも、チェルノブイリを抱えるウクライナでさえ規制値が2ベクレルですから・・・。いずれにしろ、日本の飲料水に関する改正基準は世界に通用するものでしょう。




 続いて、食品ですが種々の項目を載せていますので煩雑ですが、日本の一般食品および牛乳・乳幼児食品の新基準は世界的に見てもかなり厳しいものであることがわかります。
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文部科学省放射線審議会で必要以上に厳しすぎるとのコメントがあったことも頷けます。WHOやFAOの合同食品規格委員会であるコーデックスですら、1000ベクレル(Bq/Kg)であり、今月までの日本暫定基準(一般食品500、牛乳・乳製品200)よりも高いのです。


 このままでは被災地の農業、畜産業、水産業はどうなってしまうか心配です。東電は賠償すると公言していますが、この新基準が施行されても対応できるのでしょうか。もっとも公的資金と言う被災者からの税金も投入されるのは目に見えており、それに加え早くも電気料金の値上げも予定されています。





 ところで、改正基準年間内部被曝線量1ミリシーベルトに抑えるとしていますが、この値はどれくらい安全なのでしょうか。何人かの専門家に共通する次 のような解説を見つけました。


  広島、長崎やチェルノブイリの被曝データから100ミリシーベルト以上では発癌のリスクと相関があるが、それ未満では自然発生の癌のリスク中に隠れて全く見えなくなる。



 
というものです。これには少し説明が必要です。私たちは平常時でも一生に被曝する自然放射線量が160ミリシーベルトとされています。上記の100ミリシーベルト以上という被曝量は自然放射線量に生涯に亘って追加される分のことです。従って、この度の原発事故により、追加される新たな被曝が問題になります。


 もし、今回の改正基準で食べ物による年間内部被曝線量1ミリシーベルト以内に押さえられたとしても、これに外部被曝線量を加算しなければなりません。宮城県内の時間当たりの
空間線量(空間線量率)は県南で0.3マイクロシーベルト/h(μSv/h)、山沿いで0.2、平野部で0.1位となっています(2011年10月初旬)。これを年間被曝線量に換算しますと、

 山沿い;0.2μSv/h×24時間×365日=1752μSv=1.752mSv
 
 同様に県南2.628、平野部
0.876


  となります。従って、新基準となっても宮城県内で生活すれば、年間総被曝線量は最大で3.628ミリシーベルトと見積もれます。発癌との相関が出始める生涯追加被曝線量100ミリシーベルトは単純に計算すれば、100÷3.628=27.56年、つまり約28年で超えてしまうことになります。


 ただ、よく考えれば、日頃、私たちが食べる食品が全て汚染されているはずもなく、食糧自給率が約40%(カロリーベース)の日本では外国産の食材や食品が多くを占めることになり、年間1ミリシーベルトに達するはずがありません。

 さらに、空間線量も屋内にいる時や乗り物で移動している時間なども考慮すると半数以下になるはずで、しかも、セシウム137は半減期が30年であり、日に日に空間線量は減っていくはずです。複雑なので計算はしませんが、ざっと見積もっても生涯追加被曝線量が100ミリシーベルトを超えるのは新生児でも平均寿命以上になるものと推定されます。




 では、警戒区域も設定されている福島県はどうなっているのでしょう。
secium4.jpg   secium5.gif
 国・自治体による高さ1m・0.5m計測を中心とした放射線量マップを見ますと、原発から北西の飯館村にかけては20~40μSv/hとなっており、これを年間に換算しますと、なんと、176~350ミリシーベルトとなり生涯追加被曝線量100ミリシーベルトを軽く超えています。このような地域は概ね警戒区域となり立ち入り禁止措置が講じられていますが、計画的避難区域にもその範囲は及んでいます。


 計画的避難区域は国として避難を求めていますが、拒否したり一時帰宅しても罰則はありません。なんだか、そんな悠長なことでは済まされないように思われます。過日、再放送されたNHKの『汚された大地で ~チェルノブイリ20年後の真実~』やベラルーシ共和国のバンダジェフスキー博士がチェルノブイリ原発事故における人体への影響を調べた『
人体に入った放射性セシウムの医学的生物学的影響』(茨城大学名誉教授久保田護氏による翻訳の内容要約)などによりますと原発事故後、癌患者や心臓病患者が増加していることが報告されています。
    

 チェルノブイリ原発事故は福島と同じ最悪のレベル7ですが、国の試算では早い段階で福島の放射性物質の放出量はチェルノブイリ1/10と推定されています。ですが、その後も何度かの放出があり、現在までに一体どのようになっているのでしょうか。チェルノブイリでの強制移住区域は土壌のセシウム137148万ベクレル/㎡以上ですが、福島県内の
土壌汚染マップを見る限り、これを超える地点が警戒区域の中はもちろん、外にも存在します。 




 ただちに健康に影響を与えるものではない。。。よく聞いた言葉ですが、裏返せば時間とともに健康被害が出るということです。チェルノブイリと同程度の放射能汚染に曝された子供たちが心配です。このような中で、東北大の川島隆太先生プレゼン資料は大変わかりやすく不安を解消してくれます。文章をお借りますと、


 現在、40歳代後半から50歳代の全世界の人々は、大気圏内核実験による放射能汚染により、放射線感受性が高い乳幼児~小児期の長期間に、セシウムストロンチウムに汚染された空気を吸い、水を飲み、野菜や魚や肉を食べて成長したのに、この世代の発癌確率が高いことを示すデータは存在しない。  
 
 現状(事故後)での環境被曝や食べ物による内部被爆を合わせた影響はタバコアルコール排気ガス等の環境汚染による発癌の影響よりも圧倒的に低く、コーヒー携帯電話の電磁波などによる発癌の影響と同じ。
 



 というものです。さらに、
気象研究所も1950~1960年代には米ソ、イギリスが大気圏内で核実験を行っており、東京では放射性物質を現在の10万倍浴びていたとも報告(図示)をしています。ですが、よく図を見ますと、福島原発事故直後100万~1000万倍に跳ね上がっています。余談ながら、私は1960年頃に東京で幼児期を過ごしておりますが、今のところ癌は見つかっておりません。でも同じく育った妻は一昨年、甲状腺癌の摘出手術を行いました。



 冒頭でも漏らしましたように、ハッキリ言って何を信じてよいのかわからなくなります。こちらをご覧の皆様には記事中でリンクを張った各サイトを是非ご一読なされ、ご自分が信じられる方向を探して頂きたいと思います。人体に関する問題は長期的なモニタリングが必要ですが、現在、福島の陸上だけではなく、海や魚貝類も汚染され、漁業が出来なくなっている現状をまずは真摯に受け止める必要があります。チェルノブイリを先例とすれば、警戒区域はこの後、20年は人が住むことができないでしょう。その周辺では漁業農業畜産業も消失してしまうのです。快適な原子力エネルギー生活のツケはあまりに大きなものでした。今日は改めて、東日本大震災の遺惨の大きさを考えさせられる1周年となりました。


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2012/03/11(日) 14:48 | trackback(0) | comment(4)
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