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【気仙沼市】元祖気仙沼ラーメン健在

カテゴリー: 外食:ラーメン


 GoogleMapの航空写真にリンク貼って載せています。これは震災後の気仙沼湾奥部の状況です。左の入り江が細長い気仙沼湾でして、直線的な岸壁の部分が魚市場です。左上から襷掛けで右下に流れる大川に挟まれたエリアが最も被災が激しかった南気仙沼地区です。多くの水産加工場やホテル、ゑびす振舞さんやホルモン道場さんも壊滅的に被災しました。


 一方、大川を挟んで三角州のように見えるエリアが田中前を中心とした地区で、こちら側は建物がほとんど残っている様子がわかります。もっとも、田中前地区大川を遡る津波が町に溢れ、ことごとく床上浸水しています。航空写真に地名などのラベルを入れれば、説明も楽なのですが、両エリアの色の違いを鮮明にお見せしたかったのです。なお、地名を見たり、縮尺を変えたり、地図に切替えたい時は、画像上方のボタンを操作して下さい。




 これは三角州の頂点(神山川との合流点)の対岸を見ています。
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 大震災から間もなく1年を経過しますが、加工場の復興は遅々として進みません。しかし、大手商社の支援と国の復興交付金も使って、この加工団地内に20haほどの水産加工共同利用施設が設置される計画があります。


 
 
 一番厄介なのは南気仙沼エリア一帯が地盤沈下していることです。
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共同利用施設の建設は、まず、満潮時の海面より低くなった土地の嵩上げから始まります。



 
 一方、田中前エリアは浸水したものの、震災後、数カ月で営業再開に漕ぎ着けた店が多かったです。このめん八珍さんもその一つ。 
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 知る人ぞ知る気仙沼らーめん発祥のお店です。津波は胸の高さくらいまで入って来たそうで、引いた後も小上がりとかのヘドロ臭がなかなか抜けなくて大変だったそうです。なお、市役所そばのワンテンビルにあったお店はまだ復旧していないようです。



 めん八珍のご主人は様々なオリジナルらーめんを創作しています。レモンの乗ったCCラーメンや石焼きの噴火らー麺なんてのもありますよ。
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 噴火らー麺は麺と具が熱せられた石の器に入れて出され、それに別添えのスープをジャーとかけて、沸騰させるのです。石焼きビビンバわっぱ汁一編に頂くようですね。^^




 さて、今日は久しぶりに気仙沼らーめん680円を頂きます。
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 この気仙沼らーめん、気仙沼魚市場に水揚げされるサンマを使ったラーメンなのですが、地域活性化の一環として、めん八珍さんを含む市内7店舗が共同開発した創作らーめんです。気仙沼出身のラーメン界の重鎮(日本ラーメン協会理事長)、ちばき屋千葉憲二さんのアドバイスも受け、サンマ香油を利かせた逸品に仕上がりました。


 ところが、めん八珍の主人はサンマの天日干しで取ったスープにこだわり、香油だけでサンマを主張することに反旗を翻しています。さすがに一徹者です。気仙沼人同士のライバル心かも知れません。これで美味くなければ、単なる意地っ張りになってしまいますが、あっさりしながらも深い旨味のスープは実に魅力的です。



 気仙沼らーめんのもう一つの特徴はこのサンマのつみれです。
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 これをワンタンの形で供するお店もありますが、こちらは手作り団子風。かなり工夫がなされているらしく、サンマの臭みはほとんどありません。



 そして、あっさりスープにベストマッチなのは極細の弱縮れ麺です。
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 このスープにこの麺ありの典型ですね。色の付かない半熟卵や水菜もすっきりしたルックス作りに貢献しています。よく見ますと、海苔こそ乗っていませんが、葱の刻み方やフレッシュな緑を使うあたり、ちばき屋の支那そばと雰囲気が似ていますね。日本料理も修業された千葉さんに共感するところもあるのでしょうか。^^




 復興が早かった田中前地区めん八珍さんの他にもどんどん震災以前のように営業を再開して、以前の活気を取り戻しました。大川を挟んだ南気仙沼地区との差があまりに大きいだけに野放しで喜べない面もありますが、戦災復興をほぼ10年で成し遂げた日本人です。あれから半世紀以上経った現代は技術も格段に進歩しております。より速い復興が望まれますね。

 今年、2月2日、気仙沼らーめんは新横浜のラーメン博物館に進出しました。前出の千葉憲二さんが以前、気仙沼にあった思い出深きかもめ食堂を復活させたのです。やはりサンマ香油で気仙沼を主張しています。関東にお出掛けの節はちょっと足を延ばして応援に行きましょう。 




 めん八珍


・所在地  :宮城県気仙沼市田中前1-3-6
・電 話  :0226-23-2448
・営業時間 :11:00~23:00(日祝~21:00 )
・定休日  :無休
・駐車場  :あり

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2012/02/09(木) 05:00 | trackback(0) | comment(2)
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