このまるで海のように見える大河は、宮崎市内を流れる大淀川です。淀と言いますと、淀殿を連想される方もいらっしゃると思いますが、淀は京都府伏見区の地名であり、秀吉が淀に淀城を築き、そこに茶々を住まわせたことから、淀殿のちに淀君と呼ばれるようになったのでした。
淀はご承知のように「淀む」から来ており、河川の下流域や起伏のない平野部で川水が流れないでまるで止まっているように見える様子を示します。京都の淀から下流の淀川然り、この宮崎の大淀川も然り、水の淀んだ下流域が長く続きます。
大淀川は河口近くでは川幅約1km、河口から4Km上流のこの辺りでも川幅は400m程もあります。宮城県でこのクラスの河川と言いますと、北上川(追波川)か阿武隈川になりますね。この川には大型淡水魚アカメが生息しています。全長が1mを超える日本最大の淡水魚ですが、水質汚染等で減ってきたため、県条例で採捕を禁止して保護しています。川もでかいと棲む魚もでかくなるのですね。そういえば、北海道のイトウも1mを超えましたよね。どっちが日本最大だろう。
こちらも大淀川の河畔ですが、日本に見えますか?
黙って写真を見せられれば、フロリダ辺りと思ってしまいますよね。^^
夕暮れが迫った大淀川ですが、この光景はなぜか郷愁を誘いますね。巨人の星か? ^^
私にとってはポカポカと暖かくコートが邪魔で歩いていても汗ばむのですが、地元の皆さんは厚着をして手袋までしています。寒さというものは相対的なものなのですね。
夜の街にも灯りが点り始めましたが、やはり西国、日暮れが遅いですね。宮宮シリーズ第2弾は東国原前知事も全国にPRしたみやざき地鶏に挑戦します。
こちらのお店は軍鶏隠蔵(ぐんけいかくしぐら)さんと言い、みやざき地鶏の専門店です。みやざき地鶏は地頭鶏(じとっこ)と呼ばれる在来の鶏が原種で、これに白色プリマスロックや九州ロードを交配させて作出されました。現在はみやざき地頭鶏と命名して個性を出したPRをしています。このお店、決して闘鶏用の軍鶏(しゃも)の専門店ではないのですが、店名の由来はわかりせんでした。
まだ時間も早いのでお客はまばら。板の間のテーブルを一人で陣取りました。
東北人には暖か過ぎる冬の宮崎を歩いて汗ばみましたので、生ビールで水分補給です。突き出しが気に入りました。鶏の膝周りの肉と軟骨を骨付きで空揚げにして銀餡がかけてあります。おそらく、もも焼きなどで肉をとった後の残りを有効利用したのでしょう。私はこういう心がけが大好きです。^^
軍鶏さんは自営の養鶏場も持ち、毎日、鮮度のよい地頭鶏が運ばれて来ますので刺身も安心して頂けます。
左から胸肉、砂肝、笹身(ささみ)です。醤油も甘口と辛口の2種類があり、それぞれを試してみます。砂肝はコリッとした歯応えがありますが、胸やささみはつるりと滑らかで口の中で溶けるよな柔らかさです。
続いて本日のメイン 地頭鶏のもも焼きです。これでも小サイズ(1400円)ですが、200gもあります。
オプションの柚子胡椒50円は自家製だそうです。スティックキュウリは標準装備でした。ステーキ用の熱した鉄皿で供されますが、宮崎のもも焼きは鉄板で焼いたわけではありません。
よーくご覧下さい。かなり煤(すす)けてますよね。滴る脂が燃えた黒煙で炙られていますね。
宮崎のもも焼きは骨から外したもも肉を一口大にきり、網カゴに入れて直火で炙ります。外見とは裏腹にふんわりとしていて、肉汁もたっぷり残されています。中心部分にさっと熱が通った状態に仕上げられていますね。柚子胡椒の辛味と香りが脂の多いもも肉とよく調和します。
ここで焼酎のお湯割りに変更。雲海酒造の日向木挽(芋焼酎)です。
小さなお湯のポットが場所も取らず気が利いています。
メニューの片隅に気になるコーナーを発見。みやざき地頭鶏の珍味ですと。。。
レバーの塩辛にも惹かれるのですが、ちょっと塩分が気になるお年頃なので、鶏ゆっけ(醤油味500円)を頼んでみました。
ささみを軽く叩いて、醤油と胡麻油で調味してあります。卵黄はありませんでした。
世間を騒がしている四つ足のユッケとは異なり、非常に優しい味です。唐辛子のパンチがあっても良いように感じました。
さて、格好良く大人呑みで切り上げようとしましたら、サービスで鶏のスープが出されました。
鶏料理屋さんらしい趣向ですね。〆のスープ、、、気に入りました。^^
お店を出ますとすっかり夜の闇に包まれ、国分町のようなネオン街に変わっていました。
何人かで来ていれば、「さぁ、次さ行くべ。」と先陣を切って驀進していくのですが、さすがに一人旅ではその気にもなれません。明日も仕事が快適に出来ますようにホテルに帰って早めに寝ましょう。
宮宮コンビの相方、宮崎県の郷土料理を求めて徘徊しておりますが、宮崎を代表する食材、みやざき地頭鶏(じとっこ)のもも焼きは大変美味しゅうございました。全体的にふんわりとした感じでしたが、私的には皮の端がカリッとするくらいの方が好みです。この地鶏で水炊きや鶏鍋をやったら、さぞ美味しいことでしょう。なお、揚げ物については、後に同じく宮崎名物のチキン南蛮をご紹介する予定です。
そういえば、宮城県には登録された地鶏がありませんね。もしかすると、東北6県の中で地鶏がないのは宮城だけかも知れません。もちろん銘柄鶏の養鶏場はありますが、卵生産の方で有名です。どうして、隣県のように地鶏へのこだわりがなかったのでしょう。ベースとなる在来の原種がなかったからでしょうか・・・。
軍鶏隠蔵(ぐんけいかくしぐら)店
・所在地 :宮崎市中央通8-12
・電 話 :0985-28-4365
・営業時間 :17:00~24:00
・定休日 :不定休
・駐車場 :なし