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【北海道函館市】イザベラ・バードも訪れた街(3/5)

カテゴリー: 外食:丼・オーバーライス

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 昨晩は軽めに呑んだので、快適な朝と食欲を迎えます。ホテルは朝食付きなのですが、折角ですので函館朝市で朝ご飯を探してみたいと思います。函館朝市はJR函館駅のそばにある巨大な店舗の集合体です。広さは全体で約1万坪(3ha)、塩釜仲卸市場の駐車場まで含めた面積と同じですね。


 店舗数は隣接する個人商店まで入れて280店舗(塩釜367店舗)です。幾つかの組合に分かれてゾーンが定まっているのも塩釜と同じ。ただ、販売されているのは水産物だけではなく、青果や米、生花や衣料品まであります。それは函館朝市の成り立ちが終戦直後、農家の方々が換金のために野菜などの立ち売りを始めたことにあり、その後、近郊の露天商も集まって拡大していったためです。詳しくは詳しくは函館朝市オフィシャルサイトをご覧下さい。





 こんなのもありました。スルメイカの釣り堀です。本格的にイカ角を使うのですが、いわゆる引っ掛け釣りのようです。
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 釣り上げたイカは1杯、1000円~1500円で買い上げ、その場で刺身にしてくれます。面白そうですが、朝からイカ1杯も食べたら、それでお終いになってしまいますね。これも一人旅の不便さです。




 函館朝市の駅側には海鮮丼が食べられるどんぶり横丁市場があります。
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 横丁と言っても建物の中ですので、雨が降っていても大丈夫。全部で20店舗の海鮮食堂が並びます。でも、なんで横丁のあとに市場を付けるのでしょう。朝市自体が市場を意味していますし・・・。

 



 どんぶり横丁市場の謳い文句、「平成17年春にスタイリッシュに函館朝市の表玄関として生まれ変わりました。」のとおり、国分町の呑み屋ビルのように煌びやか。^^
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 どの店舗も彩り豊かな海鮮丼のサンプルをショーケースにズラッと並べております。見ていても楽しいのですが、どの店も似たり寄ったりで、どこに入ってよいのか判断に苦しみます。





 その中で少し異なるオーラを発しているお店が目に止まります。一番奥でこじんまりした小さなお店です。
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 あけぼの食堂
という店名は大衆食堂風なのですが、味の匠と銘打って無添加のウニが自慢とのこと。本能に導かれて暖簾をくぐります。





 本当に狭いお店です。カウンター席4つを入れても12席。メニュー的には他のお店と変わりません。
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 ただ、写真では小さくと読めませんが、メニューの左上には無添加のバフンウニを使った丼が載せてあります。





 悩みましたが、無添加エゾバフンウニとイクラが楽しめるウニイクラ丼をご飯少な目でお願いしました。
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 ワカメの味噌汁と香の物が付いて1,800円くらいだったかな。朝からちょっと贅沢ですが、今日の仕事が上手く行きますように気合を入れます。ウニには専用の醤油をかけて頂きます。





 この黄金のようなウニと光り輝くルビーのようなイクラ。いつまでも眺めていられそうです。^^
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 宮城では漁獲されないエゾバフンウニ、しかもミョウバン処理をしていないので、ねっとりとした甘味が広がります。ご主人自身も浜育ちで、ミョウバンを使ったウニは食べられないそうです。イクラも薄味で皮が軟らかい。筋子を自分で解したのでしょう。確かな仕事を感じます。良い店に巡り合いました。





 次の日の朝もまた、あけぼの食堂さんに出向きます。この日はさっぱりとイカ刺定食です。
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 副菜も3品ついて1100円でした。イカは丸々1杯分はありますね。




 
 イカは生きている時はこのように身が淡い べっこう色をしています。
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 コリコリというよりカリカリに近い歯触りです。この食感、震災前の釜石魚市場魚河岸食堂さんで食べて以来です。震災後にあの食堂も訪ねてみましたが、跡形もなかったです。





 イカの足は順繰りこのような煮物で供されます。
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 後方のフキの佃煮もよい味のアクセントでした。


 
 函館では二日ともあけぼの食堂さんで朝食を頂きました。真面目そうで、大人しいご主人でしたが、ぽつりぽつりお話していくうちに、私が気仙沼から来たと伝えると、急に懐かしそうに「私も行ったことがあります。ゑびす振舞で美味しい料理を食べました。あそこは大丈夫だったのですか」・・・私はしばし回答できませんでした。ゑびす振舞さんがあった湾奥エリアは鹿折地区とともに最も被災が激しかったからです。






 正直に現実をお伝えしました。現在のゑびす振舞さんはこのような状況になっていると・・・。
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ゑびす振舞
さんは気仙沼でもレベルの高い料理屋さんでした。本物の味を見極められるあけぼの食堂のご主人も美味しいと言っているのですからなおさらです。そういえば、anegoさんもゑびす振舞さんを利用されていましたね。残念ですが、まだ、再建の見通しも立っていない状況です。




 函館朝市は駅に近い立地から観光客をターゲットとして進化してきた市場です。従って、あらゆる面で観光地モードなのは否めませんが、翻れば観光客でも安心して楽しめる市場と言えるでしょう。その点からすると、塩釜仲卸市場は一般人の誘致も盛んにしていますが、玄人の世界の緊張感も残っており、観光は余力でという感じがありますね。どちらの路線を選択するかは成立や立地条件で決まるのでしょう。




 あけぼの食堂


・所在地  :北海道函館市若松町9-18
・電 話  :0138-27-0502
・営業時間 :6:00~15:00
・定休日  :水曜日
・駐車場  :共同あり

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2011/12/21(水) 05:00 | trackback(0) | comment(8)
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