【塩竈市】まぐろ丼で今年を振り返る
カテゴリー: 外食:丼・オーバーライス
今年もあと僅かとなりました。大震災直後には様々な方々より支援物資や励ましのメッセージを頂戴いたしました。心より御礼申し上げます。ありがとうございました。年が変わったらあの大震災が実は夢でした。。。とは参りません。今後も復旧復興への弛まぬ努力が必要です。
上の写真は暗い雲が覆っていてちょっと憂鬱な塩釜港ですが、鏡のように波静かで船ものんびりと浮いています。でも、よく見ますと対岸には空き地が目立ちます。いま私は塩釜港の最奥部にありますザ・ビッグ塩釜店(旧マックスバリュ塩釜店)の屋上から海を見下ろしています。塩釜港は島々に囲まれた松島湾の中にあり、外海に面した地域より津波の被害は少なかったとされています。しかし、震災直後の海岸通りには、船と車が入り混じって散乱しており、まるで映画の一シーンでも見ているようでした。発災から9カ月半が経過し、現在、どのようになったでしょう。
youtubeにアップされている塩釜に押し寄せた津波の映像をお借りして、現在と比較します。上はタイトル「東北地方太平洋沖地震 津波 塩竈港」の一コマです。
この動画は逃げ遅れたワンボックスカーが流されていくシーンもあり、かなりショッキングでした。現在は道路もすっかり元通りになってますが、遊歩道のあった公園にはまだ爪痕が見られます。ところで、この白いフェンスは震災前と変わっていないと思いますが、背丈ほどあり、基礎に足をかけて手を伸ばして撮影しても下のようにしかなりません。上の映像ではかなりフェンスから飛び出しており、この方はフェンスを乗り越えて撮影したのでしょうか。
こちらは、定期船の発着ターミナルであるマリンゲート塩釜の外階段から内陸部を撮ったもので、タイトル「大地震!塩釜マリンゲート3階より、車が流されてる・・」との比較です。
駐車場の車が次々と道路の奥に流されて行きます。この道路の突き当たりは公園になっているのですが、震災直後、たくさんの車が重なり合っていました。道路も駐車場も綺麗に復元されましたが、この周辺には被災の激しかった倉庫や家屋がまだ見られました。
マリンゲートの1階部分はショッピングゾーンでしたが、津波で浸水し、まだ完全復旧されていません。
テナントの皆様は待合いスペースに仮設店舗を設置して復興市として営業を再開しています。カニやカキ、鯨にホヤの塩辛なんかが美味しそうでした。
2階の飲食店は今月から金・土・日・祝日に限り夜間(~21:00)も営業を再開したそうです。
上はイタリア料理のプレア・マリーナさん、下はすしやの山考さんです。夜も営業開始ということは、呑みに来れるということですね。^^
マリンゲートから本塩釜駅に向かう途中の駐車場には被災したお店の方々が仮設店舗で営業しています。
中小企業基盤整備機構が建設した仮設店舗「しおがま・みなと復興市場」です。全部で20区画、鮮魚店が主体ですね。
塩竈から45号線を少し松島方面に走ったところにある越ノ浦の直売所の方々もこちらで頑張っていました。
越ノ浦では船が45号線も越えて、JR仙石線の軌道にまで打ち上げられていました。当然、4軒あった直売所も大破しました。
さらに歩いて、ホテルグランドパレス塩竈の向かいにありますプチパレビル1階の塩竈まぐろ直売・食堂さんに向かいます。グランドパレスの向かいのプチパレ。^^
近海生まぐろを専門に販売されているヤマコ武田商店さんが3年前(2008年4月)にオープンさせたまぐろ専門店です。やはり、浸水によってしばらくお店も閉じたままでした。
数種類のまぐろ丼がありますが、一番人気は生まぐろの中落ち(剥き身)が乗ったまぐろ丼です。
お値段も680円とリーズナブル。
こちらが生まぐろのまぐろ丼です。この時期ですとひがしもの(メバチマグロ)でしょう。
吸い物もアラではなくマグロの切り身が使われてます。
剥き身もたっぷり乗ってまぐろ好きには堪らない丼です。
剥き身と雖も生まぐろですからね。肉に透明感と艶があります。
実は今日の私は漬けの炙りも乗った二色丼にしてみました。
お値段は100円アップになりますが、味の変化が楽しめます。
お約束の周囲鑑賞です。と言いましても裏と表だけですけど。
剥き身の丼だけを食べ続けますと途中で味の変化が欲しくなる時がありますが、そんな欲求を満たしてくれる二色丼です。
塩竈も沿岸部のお店はかなり被災が激しく、このまぐろ直売・食堂さんのように元の場所で元気に営業再開したお店はあまり多くはありません。本塩釜駅付近のシャッター街もさらにシャッターが増えたように見えます。ただでさえ経営が苦しかった上に地震や津波による店舗の損壊は致命傷になった可能性もあります。
塩竈には離島、船の発着場、寿司、生マグロ、酒蔵、鹽竈神社といった人を集める資源に恵まれています。これらをトータルにコーディネートした街作りが必要なんでしょうね。それも上から目線ではなく、観光者、旅行者の目線でのニーズを把握することが重要です。中途半端な水族館を造るより駅から歩いて行ける場所に仲卸市場を移転させるのも活性化に効果があるかも知れません。青森の古川市場のようにのっけ丼のシステムも旅行者にとっては嬉しいものです。
みなさま、今年もお世話になりました。よいお年をお迎え下さい。我が家は義父と愛犬を亡くしましたし、大震災の年でもあるので正月は慎ましく過ごさせて頂きます。
塩竈まぐろ直売・食堂 http://shiogamaguro.jp/restaurant.html#mu01
・所在地 :塩竈市海岸通4-1 プチパレビル1階
・電 話 :022-366-8968
・営業時間 :11:00~19:00(平日~16:00)
・定休日 :年中無休
・駐車場 :なし