気仙沼の曼珠沙華(彼岸花)、東和の田んぼ、我が家の金木犀。まさに秋たけなわです。紅葉はまだまだ先ですが、行く先々で赤や黄色が目に飛び込んでくるようになりました。住宅地には金木犀の香りが漂い、季節の移ろいが五感で感じられます。
五感のうち、この時期の味覚といえば、ハゼの天ぷらなのですが、今年はハゼ釣りオフ会も中止となりました。まだ、漁業者の船も復旧途上であり、行方不明の方も多くいらっしゃいます。震災から1年は大好きな船釣りを自粛することにしました。
ハゼの他には、やはりこれでしょうね。秋の里の幸、栗です。
近くの八百屋さんの店先に1Kg400円で並んでいました。今日はこれで栗ご飯を炊きたいと思います。栗を剥くのは大変ですが、剥き栗とは美味しさが違いますからね。
まず、栗の尻の部分を少し切り落とします。そこから、鬼皮を剥いでいくのですが、かなり力が要ります。その後、渋皮をケリケリと気長に包丁で剥いていきます。
電子レンジで軽くチンすると鬼皮が柔らかくなって剥きやすくなるそうですが、まだ、やったことはありません。渋皮剥きは根気の要る仕事です。音楽でも聞きながら、焦らずじっくりやりましょう。剥き終わると、がさが半分くらいに減ってしまうのが、ちと悲しい。^^
栗ごはんは何らかのダシで旨味を補って炊き上げます。今回は昆布と椎茸粉を使います。
前記事のように、椎茸粉の核酸系旨味に昆布のアミノ酸系旨味を合わせて相乗効果を狙います。
普段より水を心持多めに調整して、醤油と塩で調味します。米の上に栗と昆布、椎茸粉を入れて炊飯器のスイッチ・オン。
土鍋で炊きたいところですが、具の割合が多いので加減が難しいのです。一発勝負なので無難に炊飯器に頼ります。
美味しそうに炊き上がった今年初めての栗ごはん。
栗が甘くてホクホクです。この時期、少なくとも一度は食べないと秋を迎えた気になりません。
今晩は栗ごはんに秋らしく、サンマやキノコの惣菜を添えています。
日頃、夜にはご飯を食べないのですが、栗ごはんは例外なのです。^^
サンマも安くなってきました。漁場が南下しますとさらに脂の乗りもよくなります。
スダチと大根おろしで頂きます。サンマの塩焼きは腹を裂いたり、二つに切ったりしたら、身がパサつきます。
ナメコやマイタケ、エノキなど手に入りやすいキノコを使って、霙(みぞれ)酢和えを作りました。
山の温泉にでも浸かって、産直店の天然きのこを求めたかったのですが、週末、時間がありませんでした。
こちらは、定番のニラ玉と間引き大根葉の炒め物。
間引き野菜も大切に利用しています。ニンニク効かせて胡麻油で炒めています。
秋の旬味、栗ごはんを作って食べて、日頃の料理欲を解消、また明日からの仕事に立ち向えそうです。内陸部はすっかり秋の気配が濃くなってきていますが、被災した沿岸部では、地盤沈下により満潮時には海水に浸るため、植物も育たたない地域もあります。主要な道路は嵩上げしてすっかり通れるようになりましたが、地盤沈下地域全体を嵩上げするのは時間が掛かります。ある学者によると、巨大地震によって沈下した地域のうち、7割程度は1年以内に復元するらしいのです。三陸沿岸では、発災から7か月が経過しましたが、目立って復元した様子が見られません。残りの数カ月で一気に復元したら、それもちょっと恐ろしいですね。