京とうがらしとジャコの炊いたん
カテゴリー: 料理:野菜・果物
もう夏野菜も名残ですが、この夏を振り返っての話題です。京都の伝統野菜に辛くない唐辛子があります。つまり、獅子唐のような辛くない唐辛子のことです。種類も多く、万願寺とうがらし、伏見とうがらし、山科とうがらし、鷹ヶ峰とうがらし・・・等々があります。その中で万願寺とうがらしを毎年、栽培してきたのですが、今年は苗が手に入らず、京とうがらしという耳慣れない苗を買ってみました。
一体どんな実が生るのだろうと、定植の後に色々調べてみたのですが、京とうがらしという品種は見当たりません。もしかしたら、上記のとうがらしのどれかをわかりやすく京とうがらしとして販売していたのかも知れません。ところが、収穫の時期を迎えると、いつもの万願寺よりは実が小さく、かと言って、伏見のようには細くなく、その中間的な形状です。もちろん、山科や鷹ヶ峰とも形状がかけ離れているので、どこかの種苗メーカーが新しい交配種を京とうがらしとして販売していたのかも知れません。
それはさておき、これらの甘長とうがらしを栽培する楽しみはジャコとの炒め煮を作ることです。
京都ではとうがらしとジャコの炊いたんとして人気のお番菜(惣菜)です。ジャコはカタクチイワシのシラスが使われますが、みちのくであれば、コウナゴですね。
味付けは通常、醤油と味醂ですが、今回は自家製の実山椒の佃煮も加えて、チリメン山椒風な味付けにします。
汁たっぷりの実山椒の佃煮はこのような調味だけではなく、染めおろしに使ったりしますと、ピリッとよい刺激が加わります。作り方はこちらをご覧下さい。
最初に硬い軸を除いたとうがらしをごく少量の油で炒めていきます。
表面の色が濃くなって、薄皮が少し膨らみ始めたらOKです。この段階では柔らかくなるまで炒めないで下さい。
続いて、ジャコ(コウナゴ)を炒め合わせ、カリッとしてきましたら、先ほどの調味料を合わせたものをさっとかけ回します。
もちろん、山椒の実も一緒に炒め煮にしていきます。香ばしい焼けた醤油の香りが漂います。
水分が飛んでとうがらしがしんなりしたら出来上がりです。
こればかりは市販の獅子唐(ししとう)では美味しくできません。やはり京都の満願寺や伏見のような甘長とうがらしでないと独特の食感が得られません。今回は京とうがらしとして市販されていたものですが、ジャコ炒め煮にもバッチリでした。
気仙沼にも持って行って、朝ご飯のおかずにしております。
最近、また五穀米を始めました。朝5時に起きて、ご飯を半合、炊飯器に仕掛けて山道の散歩に出かけます。45分後に戻って、シャワーを浴びてから朝食を頂くパターンがすっかり定着しました。でも、これから冬に向かって日の出が遅くなったら、まだ暗い道を散歩するのだろうか・・・。
京とうがらしも秋野菜の植え付けのためにもう引き抜いてしまいましたが、ジャコの炊いたんは今年3回ほど作りました。そして、また、来年の旬の到来を楽しみに待つのです。何でも一年中食べられる現代は便利ですが、季節感と旬味や自然の恵みの有り難さを感じられない生活は嫌なのです。ですので、私はキュウリを自分で栽培した物以外は食べません(外食は例外)。これから、8ヶ月あまりひたすら待ち侘びて過ごすのです。でもね、この国には四季折々に美味しいものがありますので、決して困ることはないのですよ。^^