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【気仙沼市】りすたあ八十松のワンコインランチと弁当

カテゴリー: 外食:ワンコイン

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 ここは気仙沼でも被災の激しかった波路上地区。岩井崎のすぐそばです。そして、この建物は岩井崎プロムナードセンターといいまして、リアスの自然と気仙沼の産業などを五感を通じて学べる学習施設だったのです。ここの3階には、海が見渡せる展望レストラン夢見崎さんがありました。鈴木さん夫妻と娘さんが地元の食材を使った安くて美味しい料理を食べさせてくれました。





 人気の料理は夢見崎ランチ650円でした。5種類以上の前菜に肉や魚のメインが付いています。
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 この夢見崎ランチにお造りとデザートが付いたはまなす御膳1000円も観光客には喜ばれていました。ですが、冒頭の写真のように被災が酷く、再建の目途は全く立っていません。それどころか、この地区は地盤沈下の影響で満潮時には海水が上がってきます。岩井崎の民宿も含めて、この地区の観光はいつ再生できるのでしょうか。




 レストラン夢見崎の鈴木さんご夫妻のお家は以前、鈴木八十松商店という酒屋さんでした。
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 現在は店の一部でコインランドリーを経営されていたのですが、こちらでレストランを復活されました。



 
 ただ、レストランの名前は以前の夢見崎ではなく、りすたあ八十松になりました。
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 ダイニングの入り口の看板はりすたあなのですが、外の張り紙にはりすたとなってますね。どっちが本当なのでしょうか。^^



 
 ランチを頂きに伺いましたが、以前と変わらぬ品質なのにお値段はなんとワンコイン(500円)になってました。嬉しさに手が震え、ピンボケになってしまいました。^^
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しかもライスとスープはお代わり無料ですよ。自分たちのお店も被災されているのにまるでのような方々です。




 前菜は左から梅のシロップ煮、柿、煮物、メジマグロの刺身、酢豚、ロシアンサラダです。
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 メインは肉か魚からチョイスします。この日の魚料理はワラサのムニエル葱醤油ソースでした。




 さらに、食後にはコーヒーも付くのです。
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 たった500円でここまで頂いて大丈夫でしょうか。。。とこっちが心配になります。




 実はりすたあ八十松さんでは、ランチタイムに弁当も配達してくれます。このボリュームで、これも驚きのワンコイン!!
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 ある日のメインは赤魚の煮付けにカツオの刺身、また、ある日は秋サケの粕漬け焼きと酢豚でした。それにスープにアサリやシジミの潮汁も付いてきます。凄すぎでしょう。一枚2000円の宅配ピッツァが暴利のように思えてしまいます。
 
 

 被災地気仙沼でも自分の店を失いながら、再生に向けて頑張っている方々はたくさんいます。りすたあ八十松の鈴木さんは自分たちの復興よりも被災した住民たちのことを一番に考えて、安くて美味しい食事を提供しているのでしょう。この震災を通じて感じるのは、このような自分のことより、みんなことを考えて行動している方々があまりにも多いことです。周囲には犠牲になった方々も多数おり、生き残ったみんなで頑張っていこうという気持ちになるのでしょう。教育課程でボランティア活動がなくても、被災地では今でもボランティアの方々が汗を流しています。クールジャパン、捨てたものではありません。
 
 




りすたあ八十松



・所在地  :宮城県気仙沼市松崎五駄鱈23
・電 話  :090-9036-8392
・営業時間 :11:30~14:30/17:30~?
・定休日  :無休(不定休?)
・駐車場  :あり4台

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2011/10/30(日) 07:16 | trackback(0) | comment(5)

芋煮焼きとはなんぞや???

カテゴリー: 料理:野菜・果物

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 里芋
イタリアンを3篇連続でアップしましたが、やはり、郷愁を誘う和食も恋しくなりますね。今回はみちのく郷土料理を少しアレンジしてみます。上の材料をご覧になれば、誰でもああ、あれだなと想像が付くはずです。里芋牛肉の取り合わせはの味覚です。それでは、さっそく調理に掛かりましょう。




 まずは皮を剥いた里芋を水からゆっくり茹でていきます。
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 煮立つ前に湯を一度捨てて、新しい水を張り、再度炊いていきます。要するに最初の茹でこぼしはアク取りですね。




 里芋が煮える前に他の材料の下拵えです。コンニャク、長葱は微塵切り、牛肉は細切りにします。。。。え”~!!
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 なんでぇ~。山形の芋煮じゃないのぉ??   ( ̄ー ̄) フフフ




 里芋が半煮え状態のところに牛肉とコンニャクを加え、醤油と味醂で調味します。
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 味付けは山形芋煮と同じですが、一体これは。。。。




 里芋が柔らかく煮えましたら、そのまま鍋で冷まし、里芋を取り出します。
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 ますます、わからん。




 さらに、里芋をよく潰して、つなぎに擂り下した山芋、上新粉、卵を加えてよく混ぜておきます。
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 芋煮からどんどん離れて行きます。なんだか、コナモンのような気配が。。。




 牛肉とコンニャクはさらに煮詰めて、味をしっかり染ませます。
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 なんだか、別々の料理に進んでいくような。。。。




 ここで、アルミホイル(幅30cm)を35cm引き出して、4つ折りにし、空き缶などを使って直径10cmの円筒を作り、ステープラーで固定します。
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 今度は工作ですか・・・・


 
 
 ホットプレートに油を敷き、ホイルで作ったセルクル(円筒の型)に先ほどの里芋の生地を流し込みます。
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 なんとなく、見えてきましたね。そうなんです。山形芋煮風味の焼き物を作っているのです。


 
 里芋の生地を流し込んだら固まらないうちに煮染めた牛肉とコンニャクのそぼろを加えて、長葱の微塵切りを散らします。
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 もう一度、生地を乗せて、好みのキノコの貼り付けます。




 裏表がこんな風にこんがり焼ければOKです。
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 途中で味醂の入った牛肉の煮汁が流れ出ますと焦げ付きやすくなりますので、よく水気を切ってから使いましょう。上面となるキノコを貼り付けた方が少し焦げ付いてしまいました。




 ホイルのセルクルを慎重に外し、刷毛で醤油をさっと塗ります。
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 ソースやマヨネーズでは芋煮の風味が台無しです。関西のコナモンではありませんので、ここは醤油に拘りたいところです。




 仕上げに青柚子の皮の擂り下しをパラリと振りかけて供します。
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 オリジナルの芋煮焼き?の完成です。これ1個で食事になる位、ボリュームもあります。




 中はクリームコロッケのようにトロントロン。牛肉の風味が染みた里芋の生地で口の中は夢心地です。
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 牛肉とコンニャクの食感も良い演出効果があります。これは大正解な料理になりました。余った山形芋煮の有効利用にもなりますね。




 実はこのような料理は以前にも伊達焼きとしてご紹介したことがありました。その記事はこちらでご覧になれますが、伊達焼きには以下のような厳しいが課してあります。



◆◆◆ 伊達焼き八箇条 ◆◆◆

一.伊達焼きとは伊達藩の選りすぐった食材を生地で焼き固めた料理なり。
一.但し、城下の庶民が入手出来うる食材を用いるべし。
一.食材を最低限の生地でつなぎ、上方のコナモンとは一線を画すべし。
一.ただ美味なる物を寄せ集めて焼き固めるものではなく、融和を尊ぶべし。
一.西洋醤油や玉酢は用いず、醤油味のタレで食材の風味を活かすべし。
一.主たる食材の脇役者として、必ず香りの物も一点加えるべし。
一.浦・里・山の食材を用いた三様を作りて持て成すべし。
一.食材の旬を出来る限り考慮に入れ、日本酒に合う料理にすべし。




 従いまして、第一箇条にもありますよう、本来の伊達焼きでは山形芋煮を取り込むことは出来ないのです。つまり、今回の芋煮焼きは範囲を少し広げて、みちのく焼きのテリトリーに配属させておきます。肝心の伊達焼きは冬場の牡蠣を使ったものから新規開発がなされていませんでした。秋は食材が豊富にありますので、季節感を盛り込んだ伊達焼き第二弾を急ぎましょう。

2011/10/27(木) 05:00 | trackback(0) | comment(6)

里芋でイタリアン その3

カテゴリー: 料理:野菜・果物

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 里芋
イタリア料理を作って来ましたが、いよいよ、Second Piatto です。メインですので里芋だけというわけには行きません。そこで、Pollo alla Cacciatora (鶏肉の猟師風煮込み)に里芋を取り合せてみましょう。このイタリアを代表する煮込み料理も州や家庭によって微妙に異なり、かなり変異の大きい料理です。みちのくの芋煮より歴史が長いので、広がる過程で様々に変化していったのでしょう。



 
 変異の大きいカチャトーラですが、骨付き鶏肉とキノコ類を使うタイプが多いようです。
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 骨付き鶏肉は食べやすい手羽元を使いました。今日はこれらに里芋を合わせてみます。合わせるタイミングがポイントになりそうです。他にはオリーブオイル、トマト水煮缶(ホール)、ニンニク、鷹の爪、ローズマリー、セージ、塩胡椒、ワインビネガー、ワインなどを使います。




 手羽元はジップロック入れて塩胡椒を馴染ませます。
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 後で粉を振りますので、このような袋に入れておいて下さい。



 
 里芋は皮を包丁で剥きますとロスも多く、煮崩れやすいのこのように丸めたアルミホイルで擦って取ります。
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 お肌が弱い方は里芋のぬめりでかぶれることがあるそうです。そういえば、腕の内側が少し痒かったですね。




 本日は脇役ですが、里芋とキノコの下拵えが整いました。手羽元には小麦粉を塗しておきます。
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 袋を使って粉を塗しますと万遍なく均一に付きますし、後片付けが楽ですね。




 フライパンでオリーブオイルを温め、ニンニクとローズマリーの香りを移します。続いて手羽元をこんがり焼いています。
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 ニンニクとローズマリーは焦げる前に取り出します。手羽元は片面ずつじっくり焼いて表面を固めます。




 鍋に炒めた手羽元水煮トマトハーブ鷹の爪を入れ、ワインビネガー少々とワインカップ1を加えます。
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 この後、40分ほど煮込みますので、途中で焦げ付かないように水を足しながら加減します。時々底の焦げ付きを確認しましょう。里芋は20分経過した時点で加え、ごく弱火にします。キノコ類は最後の5分間で煮込みます。ハーブ類はばらける前に取り出します。鷹の爪も辛さを見ながら、途中で取り除きます。




 出来上がりました。里芋入りカチャトーラです。里芋が入ったことでぐっと秋らしくなりました。
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 里芋のぬめりが煮汁にも適度に移り濃厚さを増しています。里芋はアルミホイルで皮を剥いていますので、トロリと柔らかいのすが、煮崩れません。出来上がりをすぐに食べるのではなく、一旦冷ましてから温めなおしますと、里芋にもさらに味が染みてもっと美味しくなります。ただ、イモ類は冷凍できませんのでご注意ください。特に水分の多い里芋冷凍しますと変性が激しいです。




 濃厚な旨味のソースはパスタにもよく合います。フィットチーネのセミフレスカを使いました。
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 ピリッと利いた辛みでアラビアータのようです。秋のパスタとして定番メニューに加えましょう。皿に残ったソースもパンで綺麗に拭き取って頂きたいですね。



 3回連続でお届けした里芋でイタリアンですが、実によくフィットしてくれました。東南アジア原産の里芋が地中海沿岸の料理法にジャストミートするのですから楽しくなります。料理の世界は宇宙のように広大で、食材と調理法の組み合わせも無限です。人類はそれらのうち、美味しいと感じたものを定番料理として継承してきたわけですが、まだまだ、手付かずの組み合わせは存在するはずです。それを探索していく旅も楽しいものです。^^
  

2011/10/24(月) 05:00 | trackback(0) | comment(4)

里芋でイタリアン その2

カテゴリー: 料理:野菜・果物

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 セブン爺様から頂いた里芋をイタリア風に料理して楽しんでおります。前記事では、バジル風味のペーストを作りました。今度は季節柄温かいAntipastoにしてみます。ハーブの香りをバッチリ利かせたオーブン焼きです。




 里芋は皮を良く洗い、(くし)切りにしていきます。
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 皮ごと調理しますので、土や毛のような根が残っていないようにタワシでゴシゴシ洗います。赤く変色した部分や傷付いたところは削り取りましょう。




 これは、エルブ・ド・プロヴァンス(herbes de Provence)と呼ばれる乾燥ミックスハーブです。フランス語でプロヴァンスのハーブという意味です。
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 しばらく前にモナコで買ってきた物を小分けして冷凍しておきました。震災時の停電で一時常温に戻りましたが、香りは飛んでいませんでした。モナコを含むプロヴァンス地方はイタリアに接しているだけに料理もかなりイタリアの影響を受けています。



 くし切りにした里芋をジップロックに入れて、塩とエルブ・ド・プロヴァンス、擂り下したニンニクを少々加えます。
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 揉み込むようにしてよく混ぜ合わせ、小一時間、風味を里芋に染み込ませます。




 続いて、オリーブオイルを加えてマスキングし、風味が里芋から逃げ出さないように封じ込めます。
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 この順番を間違えますと、里芋に風味が付き難くなります。




 天板に並べて180℃で20分ほど焼いていきます。串がスッと入ったら出来上がりです。
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 途中で付け合せのエリンギとパプリカを乗せるスペースを空けておきます。




 こんな感じで里芋の香草焼きが出来ました。
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 いつもロッソしか飲みませんが、これには甘口のビアンコでもいいかなぁと思います。




 温かいうちに頂きましょう。カリトロの食感が命です。
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 私は皮ごと食べてしまいますが、純粋にトロっとした食感だけを楽しみたい向きは皮を残して下さい。





 里芋でイタリアンの第2弾は香草焼きでした。つまり、イタリア風の焼き芋です。エルブ・ド・プロヴァンスが手に入らない時はKrazy Salt(クレージーソルト)を使ってみて下さい。オニオンとセロリの香りが加わって少しアメリカっぽくなりますが、不味くはないです。いよいよ、次はメインであるSecondo piatto里芋を登場させます。あれこれ考えているのですが、も深まってきているし、やはりあれでしょうね。^^ 

2011/10/21(金) 05:00 | trackback(0) | comment(4)

里芋でイタリアン その1

カテゴリー: 料理:野菜・果物

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 メバル釣りの師匠である七ヶ浜のセブン爺様からたくさんの里芋を頂いてしまいました。毎年、農家の方から大量に買われているそうです。これらを有り難く、そして美味しく頂きましょう。里芋と言えば、芋煮や煮物が和風の定番ですが、ちょっと視点を変えて、イタリアンで3品を作ってみたいと思います。長くなりますので3編に分けて掲載いたします。まずはAntipasto(前菜)として、里芋のバジル風味ペーストを作ります。




 まず、1%位の食塩水でよく洗った里芋を茹でます。
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 ペーストにしますので、形の悪い芋や亀裂の入った芋でも大丈夫です。



 調味料ですが、塩胡椒にオリーブオイル、今回はバジル風味なので、フレッシュバジルバジルペーストを使います。それにマスタードも少々。
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 バジルペーストは自家製です。作り方はこちらをご覧下さい。マスタードは薬膳料理教室の堀先生から頂いたバジルマスタードを使ってみます。もちろん普通のマスタードでもOKです。



 茹で上がった里芋の皮を剥き、フープロに入れて上記の調味料を加えます。
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 隠し味に擂り下ろしたニンニク少々を加えて、一気に撹拌します。



 こんな感じになりましたら、塩で味を最終調整します。
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 ルシアンサラダのようにそのまま食べるというより、粘りの強さからディップ的な使い方をしますので、味はちょい濃い目ですね。



 バジルとともにこんな風に盛り付けて完成です。
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 これを一舐め、冷えた白ワインをグビッってのも最高です。日本人が大好きな粘りもかなり強いですから、ご飯にも合いそうです。



 今回はイタリアンで通しますので、このようなクロスティーニにも使ってみました。
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 これはなかなか面白い味わいです。畜肉のペーストとはまた違ったすっきりした味で体にも良さそうです。

 



 里芋イタリアンの第1弾はペーストでちょっと意表を突いたつもりなのですが、この後をどうするか考えあぐねております。このようにの食材を異なる国籍の料理に用いることはよく行われていますが、日常ではかなり意識しないと敢えてやろうとはしませんね。でも、このような遊び心が新しい料理の創製につながることが多いのです。例えば、どんがら汁の材料をスペインの方とタイの方に提供してスープを作ってもらったらどうなるでしょう。想像するだけで楽しくなりますね。

2011/10/18(火) 05:00 | trackback(0) | comment(4)