夏野菜で鯖のムニエル ラビゴットWソース
カテゴリー: 料理:買い魚
夏野菜をまさに追われるように食べています。週末、自宅に戻り、畑の野菜をせっせと食べて、さらに気仙沼にも一山持って行くのです。それでも食べ切れないくらい採れた時はご近所さんの助けを借りています。本日も朝取り野菜がザル一杯、さて、どうやって、頂きましょうか。ただのサラダはちょっと食傷気味なので、目先を変えてと。
バジリコもすっかり伸びて穂も出始めています。時期を逃さないように利用しないといけません。
バジリコも終盤戦であれば、大量に摘み取り、ペスト(バジルペースト)にして瓶に詰めるのですが、もうしばらくフレッシュバジルが楽しめそうです。
冷凍庫に以前、買った甘塩ゴマサバの切り身が一つだけ残っていましたので、これを食べてしまいましょう。
例年ならもう何回かサバのジギングに出航している頃なのですが、残念ながら今年は自粛中。今年はサバより逃げ出した養殖ギンザケがずいぶん釣れたそうです。恩恵に被った釣り人も津波によりギンザケを失った養殖業者に少しでも支援の心を示せると良いのですが。
本日は夏野菜たっぷり使ったラビゴットソースにして、ゴマサバのムニエルを食べてみたいと思ってます。
ただのラビゴットソースではなく、バジルソースも加えたWソースで頂きます。ラビゴットはご承知のように野菜の微塵切りがたっぷり入った爽やかなソースです。ラビゴットには、キュウリとトマト、それに玉葱を使います。バジルソースにはニンニク少々が必要です。
最初にバジルソースを作ります。バジルペーストのようにナッツやパルメジャーノは加えません。
擂り鉢で最初に塩少々とニンニクを擂り、刻んだバジリコを加えます。ペースト状になりましたらオリーブオイルを注いでトロリと仕上げます。このバジルソースは肉や魚にと使い道が広いですね。フレッシュなバジリコが手に入るシーズンは、その都度作った方が新鮮な香りが楽しめます。
続いてラビゴットソースですが、ベースはフレンチドレッシングとなります。
白ワインビネガーに塩少々を溶かし、マスタードとEXオリーブオイルを加えて乳化するまで良く攪拌します。
ラビゴットに加える野菜を微塵切りにします。歯応えを楽しめるように少し粗めに切ります。
フレンチなのにイタリアントリコロールになってます。^^ これらの野菜を先ほどのフレンチドレッシングに混ぜ合わせ、馴染むまで冷蔵庫で30分以上寝かせます。あまり置き過ぎますと水分が出てしまいます。
ラビゴットを馴染ませている間にサバを調理します。本日はポワレではなくソースが馴染むムニエルにします。
ポワレもムニエルもフライパンで炒め焼きにするのは同じですが、ムニエルは素材に粉を塗すことが決定的に違います。このことをご存知の方は多いのですが、ソテーとポワレの違いを分かっている方は少ないように思えます。私の中ではソテー>ポワレであり、ソテーの中の一技法がポワレと解釈しています。エスコフィエの頃の古典的な定義ではポワレはソテーのうち、ポワール鍋(現代のフライパン)を使って、バターとミルポワ(香辛野菜)の香りを封じ込めながら蒸し焼きにするものでしたが、現代では平たい素材を片面ずつ動かさずに炒めて両面をカリッと仕上げる調理法とされることが多いようです。
カジキのように板状の切り身の場合は均等に熱が入りやすいのですが、多くの魚のフィレーの場合は身の厚い所に切れ目を入れておくとよいでしょう。日本料理だと隠し包丁だけど、これは隠せないので何と言うのだろう。助け包丁かな。^^
熱々のサバに冷たいラビゴットソースをたっぷり乗せて、さらにバジルソースを散らします。
なぜ、ラビゴットにバジルを混ぜてしまわず、別々に盛るのかと言いますと、均一な味のソースになってしまい、食べ始めから終わりまで味の変化がなくなるからです。単一ソースの場合はともかく、バジルソースはかなり香りも強いので好みで混ぜ合わせながら食べ進むのが楽しいのです。
皮目がカリッと身がフワッと仕上がったサバと野菜たっぷりの冷たいラビゴットを一緒に口に運びます。
バジルソースはこの場合、山葵や芥子のような薬味のような感じで使います。それにしても、ソースの盛り方がいつも文句言っているヌーベルキュイジーヌ的で真似したんじゃないのと突っ込まれそうですが、、、、その通りです。^^ 添え物の野菜にも付けて食べたいので、散乱させました。上にぽつぽつと乗せても良いのですが、上記のように付けながら食べ進む喜びもあるのです。
食べ切れない夏野菜をあの手この手で工夫して頂いています。漬物も良いのですが、震災以来、血圧が高めに経過していますので、ちょっと控えています。キュウリやトマトも少し加熱調理で保存性があるものを作れば、良いのかも知れません。どうやら、今年は昨年のように猛暑日の連続や真夏日が半月以上も続くことはなさそうですが、その分、気温の差が大きく、体調をそれに合わせるのが難しくなります。涼しい日が続いた後の猛暑は辛いですものね。今回のようにムニエルもラビゴットソースでさっぱりさせますと暑さの中でも食べやすくなります。肉や魚も食べてスタミナを維持しましょう。