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下漬けの重要性再確認

カテゴリー: 料理:野菜・果物

  みなさま、お悔やみありがとうございました。心の整理もつきましたので、また、記事の掲載を始めます。

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 今(7月下旬)、キュウリの収穫が最盛期を迎えています。週末、自宅に戻ると夜であっても懐中電灯を点けて収穫します。ウィークデイには収穫できないので、大きくなりすぎて皮が固くなってしまう実も多く出るからです。食べ頃のキュウリは一晩待たせず、もぎ取ります。今年は家族も減って、私一人なので、も減らして植えたのですが、それでも食べきれず、これまた、ご近所の応援をもらってます。^^





 キュウリには大きく分けて2系統あります。最も出回っている艶やかなときわ系(左)とシワシワで棘がきつい四葉系(右)です。
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 ときわ系
は消費者の嗜好に合わせて、粉の吹かないブルームレスに品種改良されています。別に白い粉は農薬でも何でもないのに、先入観が品種を改良させました。シワシワトゲトゲの四葉系キュウリは古いタイプのキュウリですが、パリンと割れる歯応えが美味しいキュウリで漬け物加工によく使われています。私はこの四葉系キュウリが大好きです。




 さて、キュウリの料理も多々ありますが、私は芥子漬けが大好物。そもそも、練り芥子が好きで赤身の魚には山葵より芥子の方が合うと思っているくらいです。芥子漬けに限らず、調味漬けをする場合にはよく下漬けという処理をします。塩で一度漬けてから、調味液で本漬けをします。下漬けをした方が本漬けが上手くいくとされていますが、何故でしょう。




 塩で下漬けをすると言うことは、浸透圧でキュウリ水分を抜くことになります。つまり脱水ですね。これにより本漬けの際に調味液が薄まらず味が染み込みやすくなるのでしょうか。とすれば、別の方法で脱水しても良いはずです。またまた実験癖がムクムクと湧き上がってきました。キュウリの脱水比較実験をやって塩漬け以外でも美味しく出来るか試してみましょう。





 まず、キュウリは通常の芥子漬けのよおうに丸太切りにしておきます。
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 今回はすべてシワシワトゲトゲの四葉系キュウリを使います。

 




 それらを同重量になるように3つに分画します。
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 それぞれは下記のように異なる脱水方法で前処理します。


 A 施塩(塩分2%)による脱水=通常の下漬け

 B クッキングペーパーと重しによる脱水=いわゆる紙干し

 
C 冷凍解凍で起きる細胞破壊による脱水

 
 は紙の吸水性と重しによる脱水効果によるもので、よく夏場に冷蔵庫内で魚の干物を作る時に用いるやり方ですね。私は〆さばの前処理にも塩と組み合わせて応用しています。冬に白菜を四つ割りにして、一晩干してから漬け込む場合がありますが、あれも乾燥による脱水を行っているのです。は単なる想い付きで、旨味もドリップすることが予測されてあまり期待は出来ません。






 は冷蔵庫内で、は冷凍庫内で処置します。どれも半日ほど置いてみました。
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 Aは施塩の後、ポリ袋に入れてよく塩を馴染ませます。Bは何重にも紙に包んで適当に重しをしました。





 処置後の状態です。左奥から時計回りで、A施塩B紙干しC冷凍になります。
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 AとBは表面の濡れ具合以外あまり差がなく、Bは思ったほど脱水されていません。この方法で脱水するには縦に割っておいた方が効果的だったみたいです。





 それぞれ前処理の終わったキュウリを調味液に漬け込みます。
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 市販のつゆに同量の醤油と水を合わせた漬け込み液に練り芥子を溶かし込みます。通常、キュウリ2本分でつゆ、醤油、水各大さじ1、練り芥子小さじ1くらいでしょうか。




 それぞれをジップロックに収容して一晩漬けたものです。
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 Aはいつもの漬け方なので、食べなくても味が想像できます。問題はBとC。





  いつもの2%の塩で下漬けし、芥子醤油に漬け込んだキュウリ芥子漬けです。適度な歯応えと味の染み具合でいつもどおりに美味しいです。
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甘味を押させた私流の芥子漬けです。芥子をさらに強化したい場合は食べる直前に少し加えてよく揉むとよいでしょう。よく冷やして釣りに持って行き、海の上で食べるのが最高なのですが、今年は海釣りを自粛中です。




  紙干しによる脱水を期待したのですが、魚のようには上手く行きませんでした。
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 断面近くは脱水されて、しなしなしているのですが、中は生っぽいですね。従って、この実験区は前処理をしていない対照区だと見做せそうです。とすると、下漬けした方がずっと美味しいですね。なにか、漬かり方も今一で味も薄く感じます。




  これは冷凍してから漬けたキュウリですが、見るからに不味そうです。口にすると不気味な食感で食べることが出来ませんでした。
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 冷解凍の過程で細胞が壊れ、味は中まで染みていますが、パリッとした食感が消え失せ、妙な弾力のあるキュウリになってしまいました。


 
  

 結論ですが、やはり、塩による下漬けは重要な意味がありました。
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 初めに浸透圧で脱水するとともに、中に僅かな塩味が送り込まれることも本漬けをさらに美味しく仕上げる要因のように思えます。





 今回の実験では適度な乾燥後の本漬けが上手くいきませんでした。縦半分に切って冷蔵庫で2日ほど乾せば、また違った結果になっていたかも知れませんが、縦に切ることにより食感が変わってしまうのです。キュウリは味が染みていてもやはりパリンと弾ける歯応えが美味しさの重要な要素です。ですので、私はこの丸太切りで下漬けありの芥子漬けで通していきたいと思います。もう、迷うことはないでしょう。^^


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2011/08/04(木) 05:00 | trackback(0) | comment(6)
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