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港・けせんぬま復活祭

カテゴリー: 紹介:加工食品・調味料

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 8月11日、震災から5カ月が経過したこの日に気仙沼で「復興・感謝」をテーマにした復活祭が開催されました。日中には追悼献花が随所で行われ、14時46分には私たちも現場で黙祷いたしました。夜には湾内で灯籠流しや花火が行われるのです。


 みんなを誘って花火見物に行こうと思ったのですが、18時には交通規制で車が入れないとか、毎年、花火の後は大渋滞となって動き出すのに1時間くらいかかるとか腰が引けています。だったら、歩いて行くべと言ってはみましたが、打ち上げ場所近くの岸壁までは5km近くもあり、行きはよいよい、帰りは・・・ですね。仕方がない、一人で行ける所まで歩いてみましょう。




 これは復活祭のチラシに掲載された地図を基に書き足しています。地図を睨んでいますと良いビュースポットが見つかりました。
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 三角州の先端みたいな大川と神山川の合流点です。打ち上げポイントである大川河口沖までは直線距離で2Km弱、大きな玉には見えないでしょうけど、河口に向かって障害物がないのでいい感じに見えるのではないでしょか。さっそく、仕事帰りに食べ物と飲み物を買って、夕暮れ迫る大川沿いを歩いて行きます。



 大川も下流に近づきますと、時々、遊びに行くせせらぎ公園辺りとは様相が大きく異なります。対岸をよく見ると、家や倉庫が壊れたままになってます。
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 そうか、この対岸が津波の被害を激しく受けた南気仙沼でしたね。yuotubeで映し出されたこの界隈を襲う津波の動画は今でも克明に思い出すことが出来ます。波ではなく、大河が逆流するようで、それまで考えていた津波のイメージとは全くかけ離れていました。



 振り返るとこちら側もだいぶ瓦礫は片付けられていますが、壊れた住宅もそのまま残っています。
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 なんだか人の気配がないなぁと思いましたが、この近辺の方々は、当然ながら避難されているわけですね。それに、このような状況のところで花火を観ようという人もそう多くはないでしょう。



 こちらは大川に面した南気仙沼小学校ですが、校庭がスクラップ置き場にされています。
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 夥しい数の潰れた車を見ていますと、胸が締め付けられます。そう言えば、気仙沼に来たばかりの頃は、水中で目が覚める夢を時々見ましたっけ。



 目的地である神山川との合流点に来ましたが、誰もいません。花火が上がる方向を明るいうちに写しておこうとシャッターを切る寸前、右側から水面を走る長さ2m位の物体が。
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 正直、冷や汗をかきました。なんと神山川からカルガモの親子が隊列をなして進んできたのでした。かなり緊張している自分に苦笑。



 ノンアルビール缶を開けて川面に三振りし、合掌です。ささやかですが、どうぞ召し上がって下さい。
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 カラスやカモメが狙っていますので、しばしお供えして、お下がりを頂きます。



 やがて辺りは夕闇に包まれます。そこで気付いたのですが、この辺りは電気も復旧していないし、当然ながら街灯もありません。
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 このまま、真っ暗闇に飲まれていくのかと思うと、またもや、緊張感が走ります。しかも、懐中電灯も持って来ていませんし。そう言えば、震災直後、塩釜でも石巻でも金属バットやバールを持った輩が夜な夜な出没したそうです。ですが、あれからもう5カ月、街の治安はすっかり回復しており、要らぬ心配をするなと自分に言い聞かせます。




 そして、最初の花火が打ち上がりました。予想より少し右に偏っており、一部が鉄塔に被ります。
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 この最初の花火は被害が大きかった沿岸の町、11カ所で同時に打ち上げられています。被災地から一斉に打ち上げるこのLIGHT UP NIPPONプロジェクトは費用がすべて募金で賄われております。




 引き続く、復活祭花火ですが、三脚なしのコンデジで撮ってますのでブレはご容赦願います。
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残念ながら、途中でバッテリー切れ、最後の方で大玉が上がったのですが、撮り損ねました。


 

 気仙沼では以前からみなとまつり海上花火大会として、毎年、打ち上げられてきましたが、津波で街が壊滅的な被害を受けながらも今年また夜空を彩ることが出来たのは感慨深いものがあります。南気仙沼一帯は地盤沈下もあり、まだまだ、人が住める状況にはありませんが、魚市場を核にした再生が着実に進められています。



 打ち上げ前は暗闇の中にたった一人で緊張しましたが、終わる頃にはちらほらと人も集っていました。お子さん連れも多く、やっと人間社会に戻った気がしました。復活祭は翌日、翌々日と様々なイベントが開催され、今年のお盆へのプロローグになったのでした。



2011/08/16(火) 05:00 | trackback(0) | comment(8)

【南三陸町】ヤマウチ鮮魚店再開

カテゴリー: 料理:買い魚

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 8月10日夕刻、南三陸町の志津川で仕事を終えて、気仙沼への帰路に着いてすぐに海鮮丼の登り旗を目ざとく見つけました。場所は避難所となっているベイサイドアリーナから45号線方向に少し走った商工団地の中です。これは嬉しいですね。これで、志津川ではコンビニ弁当に頼らず、しっかりとランチを頂けます。





 あれ、花束がいっぱい飾ってあります。もしかしたら開店直後なのでしょうか。それに、このお店ヤマウチさんっていうらしい。
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 ヤマウチさんと言えば、あの山内正文社長山内鮮魚店さん??。食事処を始めたのでしょうか。でも、志津川には山内さんが大勢いらっしゃるし・・・。




 よく見ますと、食事処は店舗のごく一部で全体は生鮮スーパーのようです。山内鮮魚店さんが、まさか酒や肉までは扱わないか・・・。

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 いずれにしましても、志津川地区には今までコンビニの仮店舗ぐらいしかなかったので、生鮮食材の買い出しには皆さん苦労されていました。食事処の店名は静江館、入り江が静かなることを願ってのことでしょう。それともあべ静江さんのファンかな。^^




 品揃えをチェックしにお店に入りますと、正面に白いTシャツ姿の正文社長がいるではありませんか。やっぱり、山内鮮魚店さんでした。
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震災以来、初めての顔合わせとなり、今、気仙沼を本拠地にこちらで働いていることを伝えました。正文社長の活躍ぶりはマスコミやネットでよく存じ上げておりました。町民の事を考え、今一番必要とされている生鮮スーパーとして、蘇ったのでした。野菜から肉からお総菜までの何でもありですが、鮮魚部門はやはり充実しています。アワビやツブ、ネウにタナゴ等の地魚や刺身類も各種あります。





 しかも、開店はなんと今日だったそうです。日中はテレビの取材やら、新鮮な食材を求めて来られたお客様で大混雑だったとか。
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 それにしても、何という引きの強さでしょう。それとも、こちらの嗅覚の良さなのでしょうか。いずれにしろ目出度いことです。





 新鮮な刺身が食べたかったのですが、この日は久しぶりの猛暑日、夕方でも33℃くらいあります。で、加熱調理品を二品購入。粗品まで頂いてしまいました。
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時間的にも道路が込みますので1時間では帰れません。アイスボックスもないし、生ものはちょっと怖いですからね。それで、選んだのが、タコの唐揚げ野生化したギンザケの焼き物。気仙沼の部屋では焼き物が出来ないのでちょっと焼き魚が恋しくなっていたのです。どちらも安いですねぇ。




 サウナのような部屋に戻り、換気をしてから水を浴びて、買ってきたタコギンザケをフライパンでさっと温めます。衣はカリッと皮はパリッとしてないと美味しくないですものね。
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 添え物に自宅の畑から持ってきた満願寺唐辛子も炒めます。よく見るとタコは外套膜、つまり、俗に頭と言われる胴体の部分ですね。ここの歯応えもなかなかよろしいのです。




 さて、酷暑でバテバテの体を酒肴で癒します。植物性の物は全部、自宅から持ってきた畑の野菜です。
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 後方の木鉢はモロヘイヤのトロロです。これビタミン豊富で夏バテにも効きそうです。もちろんお酒は呼び水しか写っていません。この後は蕎麦焼酎のロックでした。^^




 いくら独り暮らしの小部屋でも発泡トレーからの直食いでは運気も下がります。
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 せめて彩りと栄養を考えた添えの野菜は欲しいですね。このタコの空揚げ適度な塩味で、噛むほどに甘味が出ます。ビールが進みますが、一缶だけ。(涙)



 

 ギンザケの焼き物は塩が薄かったので、実山椒をたっぷり入れたキュウリ佃煮を添えて味のバランスを図ります。
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 このキュウリの佃煮はこの夏のヒット商品。^^ 追って、作り方をご紹介する予定です。実山椒が焼き魚によく合います。



 


 山内鮮魚店さんはかつて志津川で働いていた四半世紀前からのお付き合い。あの頃も帰りがけにお店に寄って、地魚塩辛などをよく買いました。その後、仕事で志津川を通るたびに顔を出して正文社長自慢の新製品を買っています。今年の2月にも志津川キラキラ丼を食べた後に訪れていました。まさか、あの街があのようになってしまうとは・・・・。映画や小説より、現実の方が現実離れしています。山内鮮魚店さんもこの度の商工団地店を足掛かりに新しい志津川の街でも、また、新鮮な提供して頂きたいですね。

 



 参考までに今年2月の山内鮮魚店さんと震災後の跡地の様子です。
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 店舗のみならず、背後の加工場まで流されてしましました。その後、5ヶ月で復帰したのですから、正文社長の行動力には頭が下がります。


2011/08/13(土) 06:00 | trackback(0) | comment(6)

胡麻豆腐検証

カテゴリー: 料理:穀・粉類

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 今年もお盆がやってきます。みちのくにとっても、我が家にとっても今年のお盆は特別です。お盆と言えば、本来、精進料理でご先祖のをお迎えするものですが、昨今はあまりこだわる人がいなくなったようです。確かにベジタリアンでない限り、お盆といえども植物性100%の料理が続いては物足りないかも知れません。それは、現代人に限ったことではなく、先人たちもあの手この手の工夫をされたようです。



 その中でも胡麻豆腐は英知の結晶と言えましょう。胡麻のエキスを吉野葛で凝縮した醍醐味は精進料理の華ですね。とろりとコクのある味わいは誰しもうっとりさせる魅力があります。 最初に謝ります。全く不謹慎なのですが、お許し下さい。精進料理の代表である胡麻豆腐動物性のものを混ぜるなどを恐れぬ行為なのですが、どうしてもお盆の前に決着を付けておきたかったことがことがあるのです。

  




 それは胡麻豆腐吉野葛ではなく、ゼラチンで固めたらどうなるか?




 です。スィーツを作り慣れている方なら、瞬時にイメージできるのでしょうが、両者の違いを食べ比べて際立たせたいのです。こんなことはお盆中には出来ませんので事前にやっておきたかったのです。






 本来の胡麻豆腐は胡麻に吉野葛と昆布だしが主材料ですが、吉野葛ゼラチンに置き換えてみます。
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 分量は純正胡麻豆腐の場合、胡麻100gに吉野葛50g、これに昆布だし300mlですが、吉野葛をゼラチン5gに変換したものも作って比較します。


 



 吉野の本葛は手前のように白い塊となっています。片栗粉とは違って強い粘性を発揮します。
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 葛は私たちの身近に見れらる野草ですが、現在、葛粉を使うことはほとんどなくなってしまいました。この背景には片栗粉の普及があるのかも知れません。料理のとろみ付けに葛粉を使うのはいまや料理店ぐらいでしょう。ただ、その片栗粉も今ではカタクリの澱粉ではなく、ジャガイモのが使われています。


 



 吉野葛は擂り鉢で擂って微粒子にしておきます。ゼラチンは水少々を加えてしとらせます。
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 吉野葛を擂りますと、きゅっきゅっと鳴って純度の高さが感じられます。

 


 まずは、胡麻を擂っていきます。精進の心に反しますが、ちょいと楽をしてハンディーミキサーでウィーン。2種類の胡麻豆腐を作りますので、分量は二倍です。
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 本来、胡麻豆腐はゴマを小一時間気長に擂り鉢で擂り続けなければならず、その手間が禅寺の修行にもなっていたくらいなのです。不謹慎が続きますが、お許し下さい。でも、市販の練り胡麻使って作るよりは手間をかけています(見苦しい弁解)。
 

  





 胡麻が細かくなって脂が出てしっとりしてきましたら、昆布だしを少しずつ加えさらに撹拌します。
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 それを裏漉しで濾していきます。さらに滑らかにしたい時はサラシで濾して下さい。絞り粕ももう一度撹拌して二番汁も回収します。


  




 いよいよ加熱工程です。胡麻エキスを二等分し、一方に吉野葛の粉末を加えてから弱火にかけ、ただただ気長に練っていきます。もう一方にはゼラチンを沸騰手前まで温めて溶かし込んでおきます 。gomatofu10.jpg
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 胡麻豆腐は擂りに加えて、この練りも重要な要素となります。焦げ付かないよう付きっ切りで30分以上練り続けますと滑らかさと艶が出て参ります。こうしてみますとゼラチンの方は練りの作業もなく手抜きに見えます。それでも、美味しければもらい物ですが・・・。^^

 


 両者を熱いうちに固め型に流し込みます。吉野葛の方(左)はトントンと叩いて空気を抜きます。粗熱が取れましたら冷倉庫でじっくり冷やします。
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 この時点で色合いに差が見られています。右のゼラチンの方がやや白っぽいですね。加熱時間の違いが引き起こしたのでしょうか。

 


 数時間後、いよいよ判定です。手前が純正胡麻豆腐。後方がゼラチンで固めたもどきです。
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 胡麻豆腐自体には薄い塩味を付けてありますが、美味しく頂くために昆布のだし醤油をかけています。作り方は昆布だし4に醤油1、味醂0.5をさっと煮て、よく冷やしておきます。山葵も必須アイテムですね。


 



 まずは正統派の胡麻豆腐。いつものように、フルフルとか弱いのですが、口に入りますと意外とネットリ、そして濃厚なゴマの香りが広がってトロリンと喉に落ちています。
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 飽食の現代人が食べてもうっとりと魅了されるのですから、精進料理の中でも格別の存在であることがよくわかります。作り方の原理は簡単ですが、自分でも納得のいく会心の出来に仕上げるのは実に大変なことなのです。


 




 さて、今回の課題であるゼラチンで寄せた胡麻豆腐もどき。見た目は似てますが切り口にシャープな角が出来ます。プルプルした感じは良いのですが、口に入れた時のネットリ感が丸でなく、すぐにツルリンと落ちていきます。
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 この食感、あれですよあれ。オーブンで焼いた本物のプリンではなく、インスタントのプリン。あれよりは濃厚なコクが広がりますが、食感が胡麻豆腐とは程遠く、いわば胡麻プリン。そう考えれば、容認できますが、これを胡麻豆腐の新作とか、胡麻豆腐の兄弟とかとは決して言うことが出来ません。断面をよく見ますと、下の方が透明ですが、これは固める時の上側です。純正と違って粘性を高めながら固めるのではなく、静置しながら冷やすので胡麻の粒子が沈殿してしまうのでしょう。

 



 まずまず、お盆前に懸案事項がすっきりと片付いて良かったです。結論として胡麻豆腐は吉野の本葛でなければならないということです。大概の料理ですと食材変換しても、それなりに新しい料理にはなるのですが、胡麻豆腐だけは完成度が高いだけに紛い物の追従を許しません。もちろん、胡麻豆腐とは関係なしに、ゼラチンで固めたもどきを胡麻プリンとして食べたらきっと美味しいのでしょう。ただ、見た目が似ているだけに胡麻豆腐が脳裏をかすめた瞬間、イミテーションゴールドになってしまうでしょう(古)。^^

2011/08/10(水) 20:05 | trackback(0) | comment(8)

夏野菜で鯖のムニエル ラビゴットWソース

カテゴリー: 料理:買い魚

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 夏野菜
をまさに追われるように食べています。週末、自宅に戻り、畑の野菜をせっせと食べて、さらに気仙沼にも一山持って行くのです。それでも食べ切れないくらい採れた時はご近所さんの助けを借りています。本日も朝取り野菜がザル一杯、さて、どうやって、頂きましょうか。ただのサラダはちょっと食傷気味なので、目先を変えてと。




 バジリコもすっかり伸びて穂も出始めています。時期を逃さないように利用しないといけません。
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 バジリコも終盤戦であれば、大量に摘み取り、ペスト(バジルペースト)にして瓶に詰めるのですが、もうしばらくフレッシュバジルが楽しめそうです。




 冷凍庫に以前、買った甘塩ゴマサバの切り身が一つだけ残っていましたので、これを食べてしまいましょう。
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 例年ならもう何回かサバのジギングに出航している頃なのですが、残念ながら今年は自粛中。今年はサバより逃げ出した養殖ギンザケがずいぶん釣れたそうです。恩恵に被った釣り人も津波によりギンザケを失った養殖業者に少しでも支援の心を示せると良いのですが。



 本日は夏野菜たっぷり使ったラビゴットソースにして、ゴマサバのムニエルを食べてみたいと思ってます。
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 ただのラビゴットソースではなく、バジルソースも加えたWソースで頂きます。ラビゴットはご承知のように野菜の微塵切りがたっぷり入った爽やかなソースです。ラビゴットには、キュウリとトマト、それに玉葱を使います。バジルソースにはニンニク少々が必要です。


 最初にバジルソースを作ります。バジルペーストのようにナッツやパルメジャーノは加えません。
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 擂り鉢で最初に塩少々とニンニクを擂り、刻んだバジリコを加えます。ペースト状になりましたらオリーブオイルを注いでトロリと仕上げます。このバジルソースは肉や魚にと使い道が広いですね。フレッシュなバジリコが手に入るシーズンは、その都度作った方が新鮮な香りが楽しめます。



 続いてラビゴットソースですが、ベースはフレンチドレッシングとなります。
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 白ワインビネガーに塩少々を溶かし、マスタードとEXオリーブオイルを加えて乳化するまで良く攪拌します。

 


 ラビゴットに加える野菜を微塵切りにします。歯応えを楽しめるように少し粗めに切ります。
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 フレンチなのにイタリアントリコロールになってます。^^ これらの野菜を先ほどのフレンチドレッシングに混ぜ合わせ、馴染むまで冷蔵庫で30分以上寝かせます。あまり置き過ぎますと水分が出てしまいます。



 ラビゴットを馴染ませている間にサバを調理します。本日はポワレではなくソースが馴染むムニエルにします。
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 ポワレ
ムニエルもフライパンで炒め焼きにするのは同じですが、ムニエルは素材に粉を塗すことが決定的に違います。このことをご存知の方は多いのですが、ソテーポワレの違いを分かっている方は少ないように思えます。私の中ではソテーポワレであり、ソテーの中の一技法がポワレと解釈しています。エスコフィエの頃の古典的な定義ではポワレソテーのうち、ポワール鍋(現代のフライパン)を使って、バターとミルポワ(香辛野菜)の香りを封じ込めながら蒸し焼きにするものでしたが、現代では平たい素材を片面ずつ動かさずに炒めて両面をカリッと仕上げる調理法とされることが多いようです。

 
 カジキのように板状の切り身の場合は均等に熱が入りやすいのですが、多くの魚のフィレーの場合は身の厚い所に切れ目を入れておくとよいでしょう。日本料理だと隠し包丁だけど、これは隠せないので何と言うのだろう。助け包丁かな。^^




 々のサバに冷たいラビゴットソースをたっぷり乗せて、さらにバジルソースを散らします。
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 なぜ、ラビゴットにバジルを混ぜてしまわず、別々に盛るのかと言いますと、均一な味のソースになってしまい、食べ始めから終わりまで味の変化がなくなるからです。単一ソースの場合はともかく、バジルソースはかなり香りも強いので好みで混ぜ合わせながら食べ進むのが楽しいのです。


 


 
 皮目がカリッと身がフワッと仕上がったサバと野菜たっぷりの冷たいラビゴットを一緒に口に運びます。
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 バジルソース
はこの場合、山葵や芥子のような薬味のような感じで使います。それにしても、ソースの盛り方がいつも文句言っているヌーベルキュイジーヌ的で真似したんじゃないのと突っ込まれそうですが、、、、その通りです。^^ 添え物の野菜にも付けて食べたいので、散乱させました。上にぽつぽつと乗せても良いのですが、上記のように付けながら食べ進む喜びもあるのです。



 食べ切れない夏野菜をあの手この手で工夫して頂いています。漬物も良いのですが、震災以来、血圧が高めに経過していますので、ちょっと控えています。キュウリやトマトも少し加熱調理で保存性があるものを作れば、良いのかも知れません。どうやら、今年は昨年のように猛暑日の連続や真夏日が半月以上も続くことはなさそうですが、その分、気温の差が大きく、体調をそれに合わせるのが難しくなります。涼しい日が続いた後の猛暑は辛いですものね。今回のようにムニエルもラビゴットソースでさっぱりさせますと暑さの中でも食べやすくなります。肉や魚も食べてスタミナを維持しましょう。

2011/08/07(日) 17:00 | trackback(0) | comment(2)

下漬けの重要性再確認

カテゴリー: 料理:野菜・果物

  みなさま、お悔やみありがとうございました。心の整理もつきましたので、また、記事の掲載を始めます。

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 今(7月下旬)、キュウリの収穫が最盛期を迎えています。週末、自宅に戻ると夜であっても懐中電灯を点けて収穫します。ウィークデイには収穫できないので、大きくなりすぎて皮が固くなってしまう実も多く出るからです。食べ頃のキュウリは一晩待たせず、もぎ取ります。今年は家族も減って、私一人なので、も減らして植えたのですが、それでも食べきれず、これまた、ご近所の応援をもらってます。^^





 キュウリには大きく分けて2系統あります。最も出回っている艶やかなときわ系(左)とシワシワで棘がきつい四葉系(右)です。
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 ときわ系
は消費者の嗜好に合わせて、粉の吹かないブルームレスに品種改良されています。別に白い粉は農薬でも何でもないのに、先入観が品種を改良させました。シワシワトゲトゲの四葉系キュウリは古いタイプのキュウリですが、パリンと割れる歯応えが美味しいキュウリで漬け物加工によく使われています。私はこの四葉系キュウリが大好きです。




 さて、キュウリの料理も多々ありますが、私は芥子漬けが大好物。そもそも、練り芥子が好きで赤身の魚には山葵より芥子の方が合うと思っているくらいです。芥子漬けに限らず、調味漬けをする場合にはよく下漬けという処理をします。塩で一度漬けてから、調味液で本漬けをします。下漬けをした方が本漬けが上手くいくとされていますが、何故でしょう。




 塩で下漬けをすると言うことは、浸透圧でキュウリ水分を抜くことになります。つまり脱水ですね。これにより本漬けの際に調味液が薄まらず味が染み込みやすくなるのでしょうか。とすれば、別の方法で脱水しても良いはずです。またまた実験癖がムクムクと湧き上がってきました。キュウリの脱水比較実験をやって塩漬け以外でも美味しく出来るか試してみましょう。





 まず、キュウリは通常の芥子漬けのよおうに丸太切りにしておきます。
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 今回はすべてシワシワトゲトゲの四葉系キュウリを使います。

 




 それらを同重量になるように3つに分画します。
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 それぞれは下記のように異なる脱水方法で前処理します。


 A 施塩(塩分2%)による脱水=通常の下漬け

 B クッキングペーパーと重しによる脱水=いわゆる紙干し

 
C 冷凍解凍で起きる細胞破壊による脱水

 
 は紙の吸水性と重しによる脱水効果によるもので、よく夏場に冷蔵庫内で魚の干物を作る時に用いるやり方ですね。私は〆さばの前処理にも塩と組み合わせて応用しています。冬に白菜を四つ割りにして、一晩干してから漬け込む場合がありますが、あれも乾燥による脱水を行っているのです。は単なる想い付きで、旨味もドリップすることが予測されてあまり期待は出来ません。






 は冷蔵庫内で、は冷凍庫内で処置します。どれも半日ほど置いてみました。
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 Aは施塩の後、ポリ袋に入れてよく塩を馴染ませます。Bは何重にも紙に包んで適当に重しをしました。





 処置後の状態です。左奥から時計回りで、A施塩B紙干しC冷凍になります。
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 AとBは表面の濡れ具合以外あまり差がなく、Bは思ったほど脱水されていません。この方法で脱水するには縦に割っておいた方が効果的だったみたいです。





 それぞれ前処理の終わったキュウリを調味液に漬け込みます。
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 市販のつゆに同量の醤油と水を合わせた漬け込み液に練り芥子を溶かし込みます。通常、キュウリ2本分でつゆ、醤油、水各大さじ1、練り芥子小さじ1くらいでしょうか。




 それぞれをジップロックに収容して一晩漬けたものです。
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 Aはいつもの漬け方なので、食べなくても味が想像できます。問題はBとC。





  いつもの2%の塩で下漬けし、芥子醤油に漬け込んだキュウリ芥子漬けです。適度な歯応えと味の染み具合でいつもどおりに美味しいです。
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甘味を押させた私流の芥子漬けです。芥子をさらに強化したい場合は食べる直前に少し加えてよく揉むとよいでしょう。よく冷やして釣りに持って行き、海の上で食べるのが最高なのですが、今年は海釣りを自粛中です。




  紙干しによる脱水を期待したのですが、魚のようには上手く行きませんでした。
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 断面近くは脱水されて、しなしなしているのですが、中は生っぽいですね。従って、この実験区は前処理をしていない対照区だと見做せそうです。とすると、下漬けした方がずっと美味しいですね。なにか、漬かり方も今一で味も薄く感じます。




  これは冷凍してから漬けたキュウリですが、見るからに不味そうです。口にすると不気味な食感で食べることが出来ませんでした。
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 冷解凍の過程で細胞が壊れ、味は中まで染みていますが、パリッとした食感が消え失せ、妙な弾力のあるキュウリになってしまいました。


 
  

 結論ですが、やはり、塩による下漬けは重要な意味がありました。
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 初めに浸透圧で脱水するとともに、中に僅かな塩味が送り込まれることも本漬けをさらに美味しく仕上げる要因のように思えます。





 今回の実験では適度な乾燥後の本漬けが上手くいきませんでした。縦半分に切って冷蔵庫で2日ほど乾せば、また違った結果になっていたかも知れませんが、縦に切ることにより食感が変わってしまうのです。キュウリは味が染みていてもやはりパリンと弾ける歯応えが美味しさの重要な要素です。ですので、私はこの丸太切りで下漬けありの芥子漬けで通していきたいと思います。もう、迷うことはないでしょう。^^


2011/08/04(木) 05:00 | trackback(0) | comment(6)