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夏は冷たい肉そば

カテゴリー: 料理:麺類

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 梅雨入り前でも晴れた日には真夏のように暑くなることがありますね。こんな時には山形県の肉そばが無性に食べたくなります。山形県以外で肉そばと言いますと、豚肉を甘辛く煮たものが具として乗っている温かいお蕎麦ですが、山形県河北町発祥の肉そば鶏肉を使い、冷たい蕎麦がスタンダード。ただ戦前は馬肉だったそうな。



 単身赴任先の住まいはワンルームで形だけの調理スペースはありますが、周辺の状況を考えますと、本格的に料理を楽しむ気にもなれず、やや欲求不満気味でした。そこで、週末、帰った時ぐらいは好きな物を作って憂さ晴らします。





 山形でも肉そばはお店ごとに個性がありますが、西川町のまるきやさんをイメージして作ります。まずは、鶏もも肉を味醂、日本酒、醤油を水で薄めた煮汁で炊いていきます。
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 今日は鶏キンカン(卵巣内の卵黄)が手に入ったので、これも一緒に具にします。生姜を効かせて、青葱などと身が締まるまで煮含めます。まるきやさんでは噛み締めるほどに味の出る老鶏を使っているようですが、ちょっと手に入らないのでよく煮染めて硬くします。


 

 小一時間、煮染めましたら、そのまま室温まで冷まします。
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 晩酌用に味のよく染みた鶏キンカンをいくつか取って置きます。^^


 

 


 冷めましたら、煮汁と具を取り分けます。ここがポイント。
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この煮汁はいわゆるかえし代わりに使うのですが、完全に冷めますとが白く鶏肉にまとわり付きます。そこで、煮汁鶏肉を別々に冷蔵庫で冷やします。鶏肉も冷やした方が薄く切りやすくなりますし。


 


 冷蔵庫で冷やした煮汁はすっかりゼリー状になり、上にはが白く固まります。
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 ここで、表面の固まったを取り去ります。冷たい蕎麦の汁に白いが浮いているのはあまり気持ちの良いものではありません。冷やしラーメンでもそうですが、動物性の脂対策が美味しく作る鍵になります。


 
 



 ゼリー状になった煮汁に通常より薄めに調製したそばつゆをブレンドします。そばつゆは市販の物でも結構ですが、ダシ汁で割った方が数段美味しくなります。
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ダシを取る場合は鰹節の香りがあまり強くならないようにします。鶏の味わいを阻害しますので。味は少し濃い目になるようにブレンドします。最後に取り残した脂をキッチンペーパーで吸い取ります。

 


 

 蕎麦は喉越しの良い色白細打ちではなく、いわゆる田舎そばが正統です。 
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 蕎麦を打っている時間がないので、市販の田舎そばを使います。更科も大好きですが、このような噛み締めて食べる田舎も蕎麦の味を満喫出来るのでよく頂きます。 

 


 
 茹でて冷水で絞めた蕎麦を冷やしたそばつゆに入れ、具材を乗せます。 
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 さらし葱はたっぷり乗せましょう。ナメコも乗せてちょっと豪華な肉そばとなりました。鶏キンカンが入りますと冷やし鶏モツ蕎麦のようにも見えます。これには山葵ではなく、七味唐辛子がよく合います。今日はちょろりさんから頂いた香り豊かな生七味を使っています。


 


 日差しが照りつけていますが、ウッドデッキ木陰で頂きましょう。副菜はオクラとシメジと豆モヤシの芥子ぽん酢和えです。 
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 やはり、夏は冷たい肉そば冷やしラーメンだなぁ。山形県民は酷暑の中でも美味い料理をよく知っています。肉そばをじっくり味わって、命の洗濯が出来ました。現地では平日に毎朝、ミーティングがあります。朝5時の出発もつらいので、晩酌用の鶏キンカンの煮付けを持って、いそいそと三陸沿岸の住まいに戻ります。



 ところで、本当に暑くてどうしようもない時に食べたくなる麺類って、一体何でしょう。素麺冷麦も涼しげで佳いですね。人それぞれの嗜好も異なりますので一概には決められませんが、日本でも記録的な暑さを打ち出します山形盆地では、この記事のような冷たい蕎麦冷やしラーメンを生み出しています。気温の高い東南アジアから中近東にかけては酸味辛みを際立たせた料理も見受けますが、日本の風土ではそのような耐暑料理は発達しませんでした。私は仙台生まれですが、酷暑凌ぎには甘酸っぱい冷やし中華(仙台発祥)より断然、キリッとした山形の冷やしラーメン派なんです。 ゴメンナサイ ^^

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2011/06/15(水) 05:00 | trackback(0) | comment(10)
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