復旧の日まで(9) 【ガス開栓でLL3種復旧】
カテゴリー: 3.11震災関連
地震から二十日が過ぎ、月も替わって新年度となりましたが、周りの状況にはあまり変化がありません。震災の復興を考慮して、人事異動も当面凍結。今日も被災した現場を回ります。自宅では地震から11日目までに電気と水道は復旧したのですが、ガスがまだ来ていません。4月5日(地震から25日目)の朝、新聞受けに本日、ガスを開栓するので立会を求める通知が入っていました。日中留守にしているので、携帯番号を玄関に書いておきましたところ、すぐに連絡を頂きまして仕事が終わる17時半に来て頂くことになりました。
家周辺のガス漏れを入念にチェックし、ガスの元栓を開いて点火しますと、、、25日ぶりに青い炎が。
ガスの開栓に来られた方は山形から派遣されているとのことです。我が家に火を授ける神のように見えました。地震から一カ月近く経って、やっとライフライン3種の完全復旧です。給湯器が壊れていますので風呂はまだ先になりますが、大したことではありません。短時間で普通の料理が出来るようになったことが嬉しくて堪りません。これでカートリッジガスや灯油の残量を気にしないで料理が出来ます。
さっそく、我慢していたパスタを作ります。パスタを茹でるにはしっかりした火力が必要です。
同時に野菜の煮浸しも作っています。やはり、カートリッジガスのバーナーとは違います。どんどん料理が進みます。
レトルトですが、この日のために取っておいた利久の牛たんシチューをソースにします。
煮浸しはパックの田舎だしと油揚げで旨味とコクを付けています。ウイスキーのお湯割りで一人晩餐会の開幕です。
普段はあって当たり前のライフラインですが、なくなって初めてその重要性が実感できました。
ライフラインは電気とガスと水道ですが、今回の震災でそれらが絶たれ、それぞれの特徴を身を持って知ることができました。
ライフライン3種の重要度を生活行動ごとに検証してみます。ただし、我が家はオール電化ではありません。
こうしてみますと、電気やガスはストーブや卓上ガスコンロ、ロウソクなどで当座は代用できますが、水だけは給水を受けに行かねばなりません。自衛隊や市の努力により連日、支給されますが、トイレや洗濯にまでは十分に回すことはできません。やはり、人間も生物ですので、何よりもまず、水なんですね。それと、表の下段の4種類は燃料やバッテリーとともに常に備蓄しておかねばなりません。
やっとライフラインが完全に復旧し、生活が普段に戻りつつあります。現代の人間が生きていくためには、衣食住に加え、3種のライフラインが必須であることがよくわかりました。比較的復旧の早かった電気ですが、オール電化のハウジングは高齢者住宅以外では見直す必要があるでしょうね。電気への依存度が高くなればなるほど、原発の増設も必要になります。
今後も冷却を続け、放射性物質で汚染された水の処理に追われるだけでなく、周辺地域の民生や産業への損害を考慮すると原発は決して経済的な発電とは言えないでしょう。今までの原発事故も全て想定外とのことでしたが、そもそも安全な発電であったら、東京電力が地方に原発を建設することはなかったはずです。現在、計画停電の不便さだけが強調されていますが、真夏の過ごし方と夏の高校野球の開催時期を今一度見直す必要がありそうです。