これはただの味噌ラーメンではありません。青森を代表するB級グルメとして確実に知名度を上げている味噌カレー牛乳ラーメンなのです。こう書き出しますと、青森美味探訪に参加したメンバーからは、いつの間に食べたんだとか、きっと、夜中に抜け出して一人で食べに行ったんだとか、呆れ顔になること必至でしょう。^^
真相は後に置きまして、この味噌カレー牛乳ラーメン、その味の予想は難しくないですね。味噌と牛乳がよく合うのは、石巻の牧場ラーメンで実証されています。それにカレーですから、まず、合わないはずはないでしょう。このラーメンを提供しているのは、味の札幌という系列店なので、青森の食べ物としてよいのか疑問がありました。
その成り立ちを調べてみました。1968年、札幌のラーメン職人佐藤清氏が上京する途中で降り立った青森で居付いてしまい、駅前の古川で開業したのが味の札幌です。そして、様々な個性的な味噌ラーメンを研究するうち、ヒットしたのがこの味噌カレー牛乳ラーメンだったのです(青森味噌カレー牛乳ラーメン普及会)。
ということは、起源は札幌味噌ラーメンでも青森で生まれたご当地ラーメンと言うことが出来ますね。今では、カップラーメンもできるほどで、青森っ子のソウルフードといっても過言ではないでしょう。
お土産物店には必ずと言ってよいほど、これのカップラーメンが山積みされています。
マルちゃん(東洋水産)の製品で260円(税抜)です。正直に申しますと、今回のツアーでは味噌カレー牛乳ラーメンを食べておりません。泊まったホテルの隣が味の札幌分店だったのですが、とても胃袋にゆとりがありませんでした。^^
では、早速頂いてその雰囲気だけでも味わってみましょう。
蓋を開けると色々出てきます。上からカレー粉の入った粉末スープ、粉乳入りの調味味噌ペースト、乾燥かやく、茹でモヤシと人参の真空パックといった具合でカップ麺にしては豪華です。
結構オイリーなラーメンです。雪国のラーメンは保温のためか体が要求するのか表面の脂が過激です。
カレーの香りは思ったほど強くなく、ほんのりと漂います。
麺は平打ちの太麺で、なかなか良い腰があります。
価値ある260円だと思いますね。お土産にも悪くないのですが、かさばるのが難点です。
これで終わりにしたら、私のプライドが許しません。^^ なんとなくイメージがつかめましたので、味噌カレー牛乳ラーメンを作ってみます。市販の味噌ラーメンの生麺をベースにして、牛乳とカレーパウダーやスパイス類を調合します。
叉焼は肩ロースを醤油、味醂、八角、生姜、ニンニクに一昼夜漬け込み、オーブンで30分ほど焼き上げています。スープも豚で取っています。
カレーパウダーにガラムマサラ、クミン、パプリカなどを調合して、軽く炒めて香りを引き出します。
スープに半量ほどの牛乳を加えて鍋にかけ、味噌ペーストで調味してから混合カレーパウダーを加えます。
具材を乗せて完成です。
具には茹でたモヤシと人参、ワカメ、メンマ、叉焼です。これに直感的に合うだろうと思ったのが玉葱の微塵切り。おろしニンニクと白胡麻も使いました。本物はバターが乗るのですが、常備していないので、チーズで雰囲気だけ出してます。このチーズも最後にトロリンとなって美味しかったです。
自分で作りますと、カレーの香りを好みの強さに加減できます。
たぶん味の札幌さんの味噌カレー牛乳ラーメンもこんな感じなのでしょう。系列店によっても多少味が違うようですし。
味噌カレー牛乳ラーメンだけは青森で食べてきませんでしたが、ご紹介してきた4種類が青森で人気のラーメンです。今回の味噌カレー牛乳ラーメンは札幌味噌ラーメンの血を引きますが、生まれは青森であり、廃れることなく着実に定着しています。こうしてみますと伝統的なラーメンも維持しながら、新たなご当地ラーメンも増えていく青森は幅の広いラーメン文化圏と言えそうです。その点、新潟と似ているなと思っていますが、生蕎麦やうどん等のラーメン以外の麺類店があまり多くない印象を受けました。今後、青森ではどのようなラーメンが開発されるか楽しみです。そしてまた、伝統の焼き干しラーメンも絶えることなく継承していって頂きたいものです。 ← ランキングに登録中です。クリックでご声援お願い致します。