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青森美味探訪(12) 観光と駅ナカそして車中

カテゴリー: 紹介:加工食品・調味料

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 今回のツアーはいわゆる食べ歩き主体で観光にはあまり時間を費やせないのですが、青森に来て重要文化財が数多出土した特別史跡三内丸山を見ないのもあまりに無粋で、食の亡者のようですよね。少し縄文の世の風土習俗を学び、頭の栄養も摂取して帰りたいと思います。新青森駅にも近いので帰り際に見学するのに最適ですし。と言いつつも、私の最大の関心事は縄文時代の食生活です。^^




 三内丸山遺跡は日本最大級の縄文時代の集落跡です。こちらは入口施設となっています縄文時遊館
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 年末年始以外は開館しており、しかも無料です。シアター、ミュージアム、体験工房、レストランなどがU字型に配列されています。



 
 エントランスホールでは巨大な縄文土器が出迎えてくれます。
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 土器や石器類の展示品も豊富です。三内丸山の縄文集落は規模の大きさと継続期間の長さは日本でも最大。従って、出土された土器石器類も非常に多く、ダンボール箱で4万箱に及んだそうです。バケツのような円筒土器も縄文時代後期になると突起などの装飾が多くなります。




 集落の復元モデルです。中央には大型建造物が配置されています。墓地やゴミ捨て場も場所が決まっています。
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 後方には各家族の竪穴住居が並び、計画的な村整備がされていたことがわかります。この集落が出来た以降、周囲には急速にクリの群落が広がります。クリを栽培し、食料と材木を調達していたものと推定されています。




ボランティアガイドさんによる遺跡巡りのショートツアーに出発です。それにしてもまるで雪原の放浪のようですね。^^
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 10~3月はほぼ1時間ごと、その他はほぼ30分ごとにエントランスホールから出発します。このガイドさんは学校の先生のように知識があり、しかも、ユーモアたっぷりに説明して下さったので、寒さもすっかり忘れてしまいました。 





 雪に埋もれ、かまくらのようなになった竪穴住居です。
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 直径は3~4m、面積は12㎡くらいです。三内丸山遺跡ではこれまでに住居跡が500軒あまり見つかっています。中央に囲炉裏があり、そこで煮炊きをしたのでしょう。パンフレットによりますと、出土した動物の骨は野ウサギやムササビが多く、シカやイノシシなどの大型獸が少ないのがこちらの特徴だそうです。ではブリやサメの骨が多く見つかったそうですが、四季折々に多彩な水産物が利用されており、多種多様な漁労活動が行われていたようです。



 上記のように栽培していただろうクリの実オニグルミなども多く見つかり、ニワトコの種子の出土状態から酒造りも行われていたものと推定されています。縄文時代の食生活は米はまだありませんが、ずいぶんと豊かであったようですね。




 こちらは復元された大型竪穴住居の内部です。長さが32mあります。
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 おそらく集会や共同作業に使われたのだろうと考えられています。このような大型建造物が各時期に1軒くらいずつ建造されていたそうです。






 三内丸山遺跡のシンボル的存在である大型掘立柱建物です。神殿とか物見櫓とかモニュメントなどの諸説があるそうです。
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 そばで見るとやはりでかいです。直径1mもある巨大な柱を重機もない時代にどうやって立てたのでしょうか。縄文時代は海進期で丘の下まで海だったそうです。灯台的な役割もあったんじゃないかなと思ってしまいます。






 さて、帰りの新幹線の時間が近付いてきましたので新青森駅に向かいます。駅の1階にはお土産処と郷土料理が食べられる旬味館がありますので最後の仕上げにかかります。^^
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 出発までの短い時間ですが、色々楽しめそうです。





 これは地酒の試飲用自販機です。まず、専用の試飲グラスをカウンターで借ります。
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 地酒は全部で5銘柄。小さなグラスに半分ほどで100円です。今回のツアーで益々好きになった豊盃をぐびり。もう2種類ほど試したかったのですが、発車時間が近付いていますし、もう一仕事あります。^^





 津軽郷土料理の店めえさんでけの汁を頂かなくてはならないのです。
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けの汁はじゃっぱ汁、ほたて貝焼きと並んで津軽の郷土料理の御三家です。粥の汁が語源らしく、粥の代わりの救荒食とか、小正月の精進料理として作られたとかよくわかりません。





 要するにけんちん汁のような具だくさんな汁物です。
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 大根や人参の賽の目にワラビ、フキなどの細々も入って優しい味わいです。これで、ミッションは達成できました。^^ さあ、新幹線に乗り込みます。





 大人しく帰るはずがありません。列車の中でも地酒を楽しみます。
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 席が風写さんの隣なので、出発と同時に宴会です。コップが必要なのでまずはワンカップ地酒を傾けます。鰺ヶ沢尾崎酒造さんの安東水軍特別純米酒と弘前齋藤酒造店の松緑津軽の祭りです。




 コップが空いたところで真打ち豊盃の特別純米酒の登場です。
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 あてには右隅にチラッと写っている八戸銘菓なかよしです。のしいかでプロセスチーズを挟んだものなのですが、チーズの質が良くて、後を引きます。





 二日間よく歩き、よく食べ、よく呑みました。充実したツアーだっただけに疲れも心地よく感じられます。盛岡で今回のツアーディレクターちょろりさん夫妻とお別れし、大名マークさん夫妻と風写さんとの車内宴会は仙台まで続きます。このようなハードな体育会系食べ歩きは果たしていつまで出来るでしょうか。死ぬまで続けられるように、足腰と胃袋は常日頃鍛錬しておきましょう。^^




 



 三内丸山遺跡 縄文時遊館 http://sannaimaruyama.pref.aomori.jp/


・所在地  :青森県青森市三内丸山305
・電 話   :017-782-9462(縄文時遊館)
・開館時間 :9:00~17:00(6~9月 ~18:00)
・休館日  :年末年始
・入館料  :無料
・駐車場  :あり


 
 
あおもり旬味館 http://www.fesan-jp.com/syunmikan/


・所在地  :青森市新青森駅1階
・電 話  :017-752-6557(代)
・営業時間 :レストラン9:00~21:00(喫茶7:00~20:00)、ショップ9:00~20:00(コンビニ6:30~20:30)
・定休日  :無休
・駐車場  :新青森駅西口立体駐車場(有料、割引ありHP参照)

2011/02/17(木) 05:00 | trackback(0) | comment(0)

青森美味探訪(11) 青森土産処(アウガ・アスパム・Aファクトリー)

カテゴリー: 紹介:加工食品・調味料

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 青森土産
と言えば何と言ってもわさおですね。^^ 一躍、スターダムに伸し上がったブサかわ秋田犬、とうとう映画の主人公にまでなってしまいました。いま日本で一番注目されている犬ですが、もちろんお土産には売っておりません。わさおグッズもあまり見かけなかったような・・・。やっぱ、鰺ヶ沢に行かないと売ってないのかなぁ。





 こちらは青森駅東口そばのアウガです。AugAと書きます。地下は水産物が主体の新鮮市場となっております。
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 駅前商店街の活性化を狙った再開発ビルで、ちょうど出来てから10年目(2001年竣工)です。斬新なデザインで、周囲から浮き出ている感じがします。正面の赤いトサカは鶏のイメージだとか。アウガって、津軽弁で「会いましょう」ってことらしい。使用例・・・「駅前で会うが。」^^





 鮮魚類は発送もしてくれます。お持ち帰りなら乾物類がお奨めですね。
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 鱈の干物や飯寿司などの珍味類はここが一番安いように思えます。





 酒屋さんも入ってます。
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 一八寿司さんで頂いた作田は津軽ではなく、七戸の酒なんですね。豊盃も美味しかったなぁ。




 すし処三國さんでは各種丼物も頂けます。
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 じゃっぱ汁は500円、きっと寿司屋のアラ汁風に出てくるのでしょうね。スケジュールとお腹が詰まっており、ここでは食事は出来ませんでした。^^





 
 さて、続いては青森県観光物産館アスパムです。
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 このAの字を形どった建物は高さ76m、地上15階もあり、まさに青森のランドマーク。アスパムってAomori Sightseeing Products Mansion の頭文字なんですって。




 裏側はすぐ陸奥湾となってます。
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 時折、吹雪く光景が冬の青森を象徴しています・・・。な~んて、温かい所から眺めているからゆとりこいてますが、昨日の雪中行進は結構きつかったです。

 




 ねぶた、ねぷた関連の展示もあります。
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 金魚ねぶたが一面に並ぶと妖怪の世界に迷い込んだようです。^^ 実は津軽は金魚の生産地でもあったのでした。武家の内職で津軽錦、弘錦などの銘柄品種も作出されたそうです。





 津軽と言えば、津軽塗。結構なお値段します。
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 そりゃそうです。何重にも下塗りした漆を磨ぎ上げて独特の模様を浮き彫りにさせるのですから手間がかかります。この果てしない手間な塗り物を津軽の馬鹿塗りなどとも呼んでいるそうですね。





 青森と言えば、もう一つ。三戸郡田子町の6片ニンニク
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 中国産に負けないために大玉の6片ニンニクを導入したことや農薬に頼らない病害虫対策により差別化を図っています。





 こちらのお店には行列が出来ていました。スィーツファクトリーpampamさんです。
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 オリジナルのアップルパイが人気らしいのですが、並んでいる時間がなく試すことが出来ませんでした。チーズアップルパイに後ろ髪を引かれました。^^






 さて、もう一つのお土産処はAファクトリーです。
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 東北新幹線の開通に合わせて、昨年(2010)の12月4日にオープンした工房と市場の複合施設です。青森産のリンゴで作るシードルの醸造工程を見学できます。





 エントランスを入ると道の駅のように農産物が出迎えます。
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 天井が高く、奥に細長く続くフロアーには青森の産品がずらり。農産物は車で来ないと買い難いですね。地元の方狙いなのでしょうか。




 これこれ、20年ほど前から大ファンになり、出張の度に買って帰ったホタテマヨネーズ缶です。
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 ホタテのほぐし身を特製マヨネーズで和えた絶品です。確か、水産高校が造っていたはずですが、今は数社で造っているようですね。これをクロスティーニで食べるとワインの佳い前菜になります。




 さすが青森、りんごのジュースやスィーツが何種類も並びます。
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 これらは妻向けのお土産に仕込んでおきましょう。





 
 これが、こちらの工房で造られたアオモリシードルです。
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 ちょっと高いのにノンアルなんですか~。味見に1本買っていきましょう。





 これがシードルの醸造装置です。 
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 シードルはフランス語ですが、英語ではサイダー。日本でサイダーと言いますと無果汁の発泡性ノンある飲料ですが、本来はリンゴで造ったアルコール飲料ですね。





 二階の片隅にひっそりと試飲のマシンが設置されています。
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 詳しい説明がないので、皆さん、困惑気味。




 入り口近くのレストランのレジまで戻って試飲券を買い求めます。
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 これは300円券ですが、一体なんぼ呑めるのでしょう。^^ それにしても、このマシンを自動販売機にすればいいじゃん。





 マシンの右側はノンアルですが、当然、左のアルコール入りを呑みますよ。
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 30ccずつ小出しに試飲も出来るのですが、シードルのドライで300円を使い切ります。これでも、90ccしか呑めません。

 




 わかりにくいマシンと格闘した後のシードルは最高ですね。^^
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 炭酸飲料なので90ccをグイッと飲み干しましたが、一瞬でした。アルコール度数はどれくらいだろう。頬も熱くならないけど。^^






 青森駅周辺の有名なお土産処を3つご紹介しました。総括しますと、干物などの水産加工品アウガの新鮮市場、青森銘菓アスパムリンゴ加工品や畜産農産加工品A-ファクトリーの品揃えが良いように思えます。この記事では紹介していませんが、駅近くの百貨店中三(なかさん)本店の地下にも銘菓の他に日常的な食品もあって楽しかったです。子供たちへのお土産はこちらのフロアー各店から買い集め、一カ所からまとめて送って頂きました。青森で購入したお土産は後の記事で順次ご報告いたします。


  

 

AugAアウガ http://www.auga.co.jp/com/index.php


・所在地  :青森市新町1-3-7   
・電 話  :017-721-8000 
・営業時間 :新鮮市場5:00~18:30(店により異なる)
・定休日  :水曜不定休  
・駐車場  :周辺に契約パーキングあり





アスパム(青森県観光物産館)http://www.aomori-kanko.or.jp/


・所在地  :青森県青森市安方一丁目1番40号 
・電 話  :017-735-5311
・営業時間 :9:30~19:00(冬期~18:00)
・定休日  :休館日はHPでご確認
・駐車場  :あり 一般車両150台・観光バス11台





A-FACTORY http://www.jre-abc.co.jp/


・所在地  :青森県青森県青森市柳川1-4-2  
・電 話  :017-752-1890 
・営業時間 :9:00~20:00 
・定休日  :HPでご確認
・駐車場  :あり20台

2011/02/15(火) 05:00 | trackback(0) | comment(0)

真鱈の真子の煮付け方

カテゴリー: 料理:買い魚

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 これは一体何でしょう。二匹のナマコのようにも見えますが、上が繋がってます。官能的でもあり、グロテスクでもあり、なんとも不思議な物体です。実はこれは真鱈真子、つまり卵巣ですね。同じタラでも助宗鱈(スケトウダラ)の卵巣はお馴染みのタラコで、色は食紅で染めてありますが、皮(卵巣膜)も薄く透明です。大型になる真鱈卵巣はこのようにごつく、色や模様も不気味です。




 裏返しても同じで黒いタイツをはいたヒップのようですね。^^
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 この真子はもっぱら卵粒を絞り出して醤油漬けにしたり、加熱すると膜が破れてパラパラになるので、糸コンニャクと炊き合わせたり、金平ゴボウに混ぜたりして食べられていますね。





 今日は真鱈の真子の姿煮をご紹介します。
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 まず、両足?をガーゼでしっかりと巻き上げます。^^ 





 さらに全体をかっちりガーゼで包み込みます。なんだか、妙に痛々しいですね。^^
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 子供の頃に見た「ジョニーは戦場に行った」を思い出し、なにか熱い物が込み上げてきます。それでも、料理は続けます。^^




 日本酒、味醂、醤油の混合液を水で倍量に薄めた煮汁に生姜の薄切りを何枚か加えます。
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 ガーゼ巻きの真子をそっと入れてから火を点けます。決して、沸騰した煮汁には入れないで下さい。急に加熱しますと膜が破れてしまいます。落とし蓋をして、沸騰の手前まで来ましたら、あとはストーブの上にでも乗せてじっくり40分ほど煮含めます。その後、煮汁のまま一晩置きます。ちょっと、目を離した隙に瞬間的に沸騰してしまいましたが、果たして大丈夫でしょうか。




 一晩置いて完全に冷ました真子のガーゼを恐る恐る解いてみます。
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 卵巣の形は維持していますが、所々、膜が破けています。ちょっと油断して沸騰させたのが原因でしょう。




 
 右足先端の崩壊と両膝外側の裂傷が認められます。^^
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 ガーゼを巻いていましたので、傷口から卵粒が放出されることはなく、全体が硬くまとまっています。




 
 このように切り分けることが出来るくらい固まっています。
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 黒い卵膜とは裏腹に淡いベージュの断面が綺麗です。





 こんな感じで盛り付けて酒のアテにしてみましょう。
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 このところ一生懸命利用しているセブン爺さんが育てたちょろぎ漬けを添えています。





 
 大きな固まりを頬張りますと口の中でモサつきます。^^
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 ゆっくり良く噛んでよく味わいましょう。酒で口の中に残った卵粒を洗い流します。




 
 どちらかというとご飯のおかずの方が向いているかも知れませんね。
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 スケトウのタラコの煮付けより、卵粒が細かく、ばらけ易いのですが、ご飯がそれらをまとめてくれます。






 前記事の白子に次いで、体に悪そうな物ばかり食べているなと感じておられる方も多いと思います。魚卵はビタミンB1、B2、E等が豊富で利点もあります。特に血中コレステロールを下げるタウリンも含まれますが、生憎、コレステロール自体も高いので食べ過ぎは控えましょう。ただ、含有率は卵黄の4分の1程度、鶏レバーと同じくらいですので、あまり過敏になる必要はないと思います。



2011/02/13(日) 05:00 | trackback(0) | comment(8)

極楽!!白子三昧な夕べ^^ (白子の前処理)

カテゴリー: 料理:買い魚

 青森美味探訪の連載中ですが、この間に作った料理を紹介させていただきます。


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 これ、呑兵衛なら誰でも垂涎物のたづ(青森・山形)=だだみ(秋田・山形)=きく(岩手・宮城)です。すなわち、真鱈の白子ですが、これを京都では雲子と呼んでましたね。さすが、京都は見立てが風雅ですね。青森美味探訪で美味しいたつ鍋関連記事を頂いて以来、また、食べたくて食べたくて我慢がならず、塩釜仲卸市場でたっぷり調達してきました。さぁ、思いっきり堪能しますよ。^^




 鮮度抜群の白子です。これで3腹分くらいあります。sirakozannmai2.jpg
 
白子を美味しく食べるためには適切な前処理が不可欠です。





  まず、一口サイズにハサミで切り分けていきます。sirakozannmai3.jpg
 
端を摘まんで持ち上げると筋で繋がっているのがわかります。白子本体を切るのが最小限となるように切り離します。




 切り離した白子を沸騰した1%程度の食塩水に湯通しします。 
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 ゆっくり掻き回して、再沸騰する前に岡揚げします。煮てはいけません。あくまでも湯通しなのです。




 直ちに流水で冷まします。
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 これで滑りや生臭みも取れて扱いやすくなります。




 生の時よりふっくらして形がしっかりしていますね。sirakozannmai6.jpg
 
さて、どのように頂きましょうか。^^




 なんといっても、まずは刺身でしょうね。
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 ダイレクトに白子を楽しむのなら、ポン酢より山葵醤油の方がよいですね。




 口の中でとろけます。まさにクリームです。sirakozannmai8.jpg
 
あまりにコクがあり過ぎて、3口も食べれば十分です。




 もちろん、青森で食べてきたたつ鍋もやりますよ。^^sirakozannmai9.jpg
 
ベースはもちろん、じゃっぱ(鱈のアラ)です。今日は脂わた(肝臓)も仕入れました。味付けは味噌です。




 煮立ったら、芹を加えて頂きます。sirakozannmai10.jpg
 
白菜や人参などはじゃっぱと一緒に予め煮ておいて、白子と肝は後から加えます。




 今日はちょろりさんから頂いた生七味を使います。sirakozannmai11.jpg
 
この生七味、乾燥させていない原料を調合してありますので、しっとりとしており、香りも実に豊かです。福岡県の椒房庵(しょぼうあん)さんの製品ですが、他にも数社から販売されています。こちらをご参考に。 
 




 続きまして、白子酒汐焼きを作ります。sirakozannmai12.jpg
 
これ大好物なんです。白子の食べ方としては最高ではないかと思っております。^^ 




 天然塩を溶いた日本酒を塗りながら焼き上げます。sirakozannmai13.jpg
 
途中2回ほど酒塩を塗ります。やや強火で表面だけを炙る感じでよいのです。





 これ、絶品なんです。正直に申しますと刺身より美味いと思います。
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表面がカリッとして、なかはトローリ。こんな美味い物食べて罰が当たらないだろうかと不安になるくらいの美味しさなのです。^^




 これにも生七味を使ってみましたが、なかなか良いですね。
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白子はコクがあるので、七味の香りや辛みもやんわりとします。





 今夜は白子三昧な夕べとなりました。sirakozannmai17.jpg
 
こんなに食べたら、体に悪そうですが、白子のカロリーは意外と低く、62Kcal/100gです。ただ、コレステロールは魚卵と同じで多めです。それに、プリン体も多いそうですね。考えてみると白子は精子の貯蔵庫(精巣)ですから、細胞数も膨大、つまりプリン体を含む核酸も多いということですね。痛風っ気のある方は要注意です。




 さらに白子が続きます。次の日の朝はさっぱりと白子のお吸い物です。
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 昆布と鰹節でダシを取りました。吸い口には名残の柚子です。





 朝ご飯には、脂わた(肝)と白子の煮込みです。ご飯がいくらでも食べられそうで困ったものです。
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 肝は濃い目の味付けで少し煮込み、出来上がり間際に白子を加えてさっと煮ます。その後、火を止めて一晩おきます。白子を煮過ぎますとボソボソになってしまいますからね。これの煮汁も抜群に美味く、煮汁だけでご飯が食べられます。^^ 
 
 




 真鱈は淡白な白身の他に、コクのある白子など様々な味覚を提供してくれます。まさに北国のご馳走ですね。冬になると白子が食べられるのだと考えるとの到来も少し楽しみになります。真鱈の魅力はまだまだありますよ。次の記事では真子(卵巣)の煮付けのテクニックをご紹介する予定です。
 

 

2011/02/11(金) 05:00 | trackback(0) | comment(8)

青森美味探訪(10) 青森ラーメン事情④(味噌カレー牛乳)

カテゴリー: 外食:ラーメン

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 これはただの味噌ラーメンではありません。青森を代表するB級グルメとして確実に知名度を上げている味噌カレー牛乳ラーメンなのです。こう書き出しますと、青森美味探訪に参加したメンバーからは、いつの間に食べたんだとか、きっと、夜中に抜け出して一人で食べに行ったんだとか、呆れ顔になること必至でしょう。^^


 真相は後に置きまして、この味噌カレー牛乳ラーメン、その味の予想は難しくないですね。味噌と牛乳がよく合うのは、石巻の牧場ラーメンで実証されています。それにカレーですから、まず、合わないはずはないでしょう。このラーメンを提供しているのは、味の札幌という系列店なので、青森の食べ物としてよいのか疑問がありました。


 その成り立ちを調べてみました。1968年、札幌のラーメン職人佐藤清氏が上京する途中で降り立った青森で居付いてしまい、駅前の古川で開業したのが味の札幌です。そして、様々な個性的な味噌ラーメンを研究するうち、ヒットしたのがこの味噌カレー牛乳ラーメンだったのです(青森味噌カレー牛乳ラーメン普及会)。


 ということは、起源は札幌味噌ラーメンでも青森で生まれたご当地ラーメンと言うことが出来ますね。今では、カップラーメンもできるほどで、青森っ子のソウルフードといっても過言ではないでしょう。

 


 お土産物店には必ずと言ってよいほど、これのカップラーメンが山積みされています。
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マルちゃん(東洋水産)の製品で260円(税抜)です。正直に申しますと、今回のツアーでは味噌カレー牛乳ラーメンを食べておりません。泊まったホテルの隣が味の札幌分店だったのですが、とても胃袋にゆとりがありませんでした。^^




 では、早速頂いてその雰囲気だけでも味わってみましょう。
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 蓋を開けると色々出てきます。上からカレー粉の入った粉末スープ、粉乳入りの調味味噌ペースト、乾燥かやく、茹でモヤシと人参の真空パックといった具合でカップ麺にしては豪華です。




 結構オイリーなラーメンです。雪国のラーメンは保温のためか体が要求するのか表面のが過激です。currymiso5.jpg
 
カレーの香りは思ったほど強くなく、ほんのりと漂います。




 麺は平打ちの太麺で、なかなか良い腰があります。currymiso6.jpg
 価値ある260円だと思いますね。お土産にも悪くないのですが、かさばるのが難点です。



 これで終わりにしたら、私のプライドが許しません。^^ なんとなくイメージがつかめましたので、味噌カレー牛乳ラーメンを作ってみます。市販の味噌ラーメンの生麺をベースにして、牛乳とカレーパウダーやスパイス類を調合します。
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 叉焼は肩ロースを醤油、味醂、八角、生姜、ニンニクに一昼夜漬け込み、オーブンで30分ほど焼き上げています。スープも豚で取っています。




 カレーパウダーにガラムマサラ、クミン、パプリカなどを調合して、軽く炒めて香りを引き出します。
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 スープに半量ほどの牛乳を加えて鍋にかけ、味噌ペーストで調味してから混合カレーパウダーを加えます。




 具材を乗せて完成です。
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具には茹でたモヤシと人参、ワカメ、メンマ、叉焼です。これに直感的に合うだろうと思ったのが玉葱の微塵切り。おろしニンニクと白胡麻も使いました。本物はバターが乗るのですが、常備していないので、チーズで雰囲気だけ出してます。このチーズも最後にトロリンとなって美味しかったです。




 自分で作りますと、カレーの香りを好みの強さに加減できます。
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 たぶん味の札幌さんの味噌カレー牛乳ラーメンもこんな感じなのでしょう。系列店によっても多少味が違うようですし。
 
 
 


 味噌カレー牛乳ラーメンだけは青森で食べてきませんでしたが、ご紹介してきた4種類が青森で人気のラーメンです。今回の味噌カレー牛乳ラーメン札幌味噌ラーメンの血を引きますが、生まれは青森であり、廃れることなく着実に定着しています。こうしてみますと伝統的なラーメンも維持しながら、新たなご当地ラーメンも増えていく青森は幅の広いラーメン文化圏と言えそうです。その点、新潟と似ているなと思っていますが、生蕎麦やうどん等のラーメン以外の麺類店があまり多くない印象を受けました。今後、青森ではどのようなラーメンが開発されるか楽しみです。そしてまた、伝統の焼き干しラーメンも絶えることなく継承していって頂きたいものです。




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2011/02/09(水) 05:00 | trackback(0) | comment(6)