今回のツアーはいわゆる食べ歩き主体で観光にはあまり時間を費やせないのですが、青森に来て重要文化財が数多出土した特別史跡三内丸山を見ないのもあまりに無粋で、食の亡者のようですよね。少し縄文の世の風土習俗を学び、頭の栄養も摂取して帰りたいと思います。新青森駅にも近いので帰り際に見学するのに最適ですし。と言いつつも、私の最大の関心事は縄文時代の食生活です。^^
三内丸山遺跡は日本最大級の縄文時代の集落跡です。こちらは入口施設となっています縄文時遊館。
年末年始以外は開館しており、しかも無料です。シアター、ミュージアム、体験工房、レストランなどがU字型に配列されています。
エントランスホールでは巨大な縄文土器が出迎えてくれます。
土器や石器類の展示品も豊富です。三内丸山の縄文集落は規模の大きさと継続期間の長さは日本でも最大。従って、出土された土器石器類も非常に多く、ダンボール箱で4万箱に及んだそうです。バケツのような円筒土器も縄文時代後期になると突起などの装飾が多くなります。
集落の復元モデルです。中央には大型建造物が配置されています。墓地やゴミ捨て場も場所が決まっています。
後方には各家族の竪穴住居が並び、計画的な村整備がされていたことがわかります。この集落が出来た以降、周囲には急速にクリの群落が広がります。クリを栽培し、食料と材木を調達していたものと推定されています。
ボランティアガイドさんによる遺跡巡りのショートツアーに出発です。それにしてもまるで雪原の放浪のようですね。^^
10~3月はほぼ1時間ごと、その他はほぼ30分ごとにエントランスホールから出発します。このガイドさんは学校の先生のように知識があり、しかも、ユーモアたっぷりに説明して下さったので、寒さもすっかり忘れてしまいました。
雪に埋もれ、かまくらのようなになった竪穴住居です。
直径は3~4m、面積は12㎡くらいです。三内丸山遺跡ではこれまでに住居跡が500軒あまり見つかっています。中央に囲炉裏があり、そこで煮炊きをしたのでしょう。パンフレットによりますと、出土した動物の骨は野ウサギやムササビが多く、シカやイノシシなどの大型獸が少ないのがこちらの特徴だそうです。魚ではブリやサメの骨が多く見つかったそうですが、四季折々に多彩な水産物が利用されており、多種多様な漁労活動が行われていたようです。
上記のように栽培していただろうクリの実やオニグルミなども多く見つかり、ニワトコの種子の出土状態から酒造りも行われていたものと推定されています。縄文時代の食生活は米はまだありませんが、ずいぶんと豊かであったようですね。
こちらは復元された大型竪穴住居の内部です。長さが32mあります。
おそらく集会や共同作業に使われたのだろうと考えられています。このような大型建造物が各時期に1軒くらいずつ建造されていたそうです。
三内丸山遺跡のシンボル的存在である大型掘立柱建物です。神殿とか物見櫓とかモニュメントなどの諸説があるそうです。
そばで見るとやはりでかいです。直径1mもある巨大な柱を重機もない時代にどうやって立てたのでしょうか。縄文時代は海進期で丘の下まで海だったそうです。灯台的な役割もあったんじゃないかなと思ってしまいます。
さて、帰りの新幹線の時間が近付いてきましたので新青森駅に向かいます。駅の1階にはお土産処と郷土料理が食べられる旬味館がありますので最後の仕上げにかかります。^^
出発までの短い時間ですが、色々楽しめそうです。
これは地酒の試飲用自販機です。まず、専用の試飲グラスをカウンターで借ります。
地酒は全部で5銘柄。小さなグラスに半分ほどで100円です。今回のツアーで益々好きになった豊盃をぐびり。もう2種類ほど試したかったのですが、発車時間が近付いていますし、もう一仕事あります。^^
津軽郷土料理の店めえさんでけの汁を頂かなくてはならないのです。
けの汁はじゃっぱ汁、ほたて貝焼きと並んで津軽の郷土料理の御三家です。粥の汁が語源らしく、粥の代わりの救荒食とか、小正月の精進料理として作られたとかよくわかりません。
要するにけんちん汁のような具だくさんな汁物です。
大根や人参の賽の目にワラビ、フキなどの細々も入って優しい味わいです。これで、ミッションは達成できました。^^ さあ、新幹線に乗り込みます。
大人しく帰るはずがありません。列車の中でも地酒を楽しみます。
席が風写さんの隣なので、出発と同時に宴会です。コップが必要なのでまずはワンカップ地酒を傾けます。鰺ヶ沢尾崎酒造さんの安東水軍特別純米酒と弘前齋藤酒造店の松緑津軽の祭りです。
コップが空いたところで真打ち豊盃の特別純米酒の登場です。
あてには右隅にチラッと写っている八戸銘菓なかよしです。のしいかでプロセスチーズを挟んだものなのですが、チーズの質が良くて、後を引きます。
二日間よく歩き、よく食べ、よく呑みました。充実したツアーだっただけに疲れも心地よく感じられます。盛岡で今回のツアーディレクターちょろりさん夫妻とお別れし、大名マークさん夫妻と風写さんとの車内宴会は仙台まで続きます。このようなハードな体育会系食べ歩きは果たしていつまで出来るでしょうか。死ぬまで続けられるように、足腰と胃袋は常日頃鍛錬しておきましょう。^^
三内丸山遺跡 縄文時遊館 http://sannaimaruyama.pref.aomori.jp/
・所在地 :青森県青森市三内丸山305
・電 話 :017-782-9462(縄文時遊館)
・開館時間 :9:00~17:00(6~9月 ~18:00)
・休館日 :年末年始
・入館料 :無料
・駐車場 :あり
あおもり旬味館 http://www.fesan-jp.com/syunmikan/
・所在地 :青森市新青森駅1階
・電 話 :017-752-6557(代)
・営業時間 :レストラン9:00~21:00(喫茶7:00~20:00)、ショップ9:00~20:00(コンビニ6:30~20:30)
・定休日 :無休
・駐車場 :新青森駅西口立体駐車場(有料、割引ありHP参照)