一八寿司さんで美味しい魚貝料理に舌鼓を打ち、地酒作田ですっかり上機嫌となった一行は勢いついて次の店へ向かいます。夜の部突入までにもう1軒突撃なのです。今度はお寿司屋さんとガラッと変わって、このような看板のお店です。昭和を感じるレトロな雰囲気の喫茶店です。青森市に住んでいたちょろりさんが、青森っ子なら一度は食べたことのあるという青も森ならではのカレーを紹介したいとのことです。
一八寿司さんから東に進み、アスパム通りを渡ってさらに東に進みます。
正面のピラミッド風の建物が青森のランドマーク、アスパム(青森県観光物産館)です。ここは明日、名産品を物色しに訪れる予定です。
アスパム通りのもう一丁東の通り(八甲通りに連結)に目指す喫茶店、マロンさんがあります。
お店は2階で左の階段を上ります。左隣もパルナスさんという喫茶店です。壮絶なロケーションですね。^^
店内はアンティックな空間を売りにしているだけにレトロな物が様々陳列されています。
止まったままの柱時計がいくつも掛かっていたり、蓄音機やペコちゃんが置いてあったり、山小屋風にランプもぶら下がっていたりします。
ショーケースのケーキも今風じゃないクラッシックなものばかり。
40年ほど前にタイムスリップした感じです。^^
コーヒーへのこだわりを見せる亭主敬白。食事のメニューも昔の喫茶店そのもの。
スパゲティも昔ながらのミートソースとナポリタン。これらのスパも今ではスパゲティ・ア・ラ・ボロネーゼ、ナポリタンは日本の産物であることが知られつつあります。いわゆる日本の洋食と同じジャンルに入るのでしょう。本日のターゲットはジャマイカンカレーです。
こちらが特製ジャマイカンカレー740円です。一見、伝統的なドライカレー。
福神漬けや茹で卵が和製洋食であることを裏付けています。
この気取らない野菜スティック+マヨネーズもなぜか好感が持てます。
40年前なら野菜スティックもハイカラで格好よく目に映ったでしょうね。
よく見ますと、いわゆるドライカレーよりウエットでインドの挽肉カレー、キーマカリー風ですね。
でも、なんでジャマイカ?? ジャマイカにはこのようなカレーライスがあるのでしょうか?・・・・ということで、またまた、色々考えてみました。
【ジャマイカンカレーを考える】
ジャマイカはカリブ海に浮かぶ島国ですが、私はジャマイカというとレゲエヘアーのあんちゃんがボブスレーに乗っているイメージが離れません。^^ そうです、あの名作、クール・ランニングですね。雪の降らない南国でオリンピックに出場するため、ボブスレーにトライするハチャメチャな実話を面白おかしく映画化したものでした。
このジャマイカでなんでインド料理のカレーがあるのでしょう。色々、調べてみると、ジャマイカは当初、スペインが植民地としていましたが、後にイギリスが獲得します。この時、奴隷として重労働を強いられていた西アフリカ系黒人が脱走して山に籠り、自給自足をしながら奴隷解放活動を始めます。この集団はMaroon(マルーン)と呼ばれ、植民地政府に対する反乱分子となっていくのです。
このような状況でイギリスはプランテーションの労働力として実質支配していたインドから多数の低賃金労働者を運び込んだらしいのです。インド以外の国からも労働者は招き入れてますが、インド人が4万人と最も多かったそうです。このような歴史的背景から、インド人がジャマイカの材料を使った独自のカレーを作り広めていったことは間違いないようです。
ただ、現在のジャマイカでは CURRIED CHICKEN(カリーチキン)というカレーシーズニングで煮込んだ鶏料理やJERK CHICKEN(ジャークチキン)というジャマイカのスパイスやハーブに漬け込んだチキンを炭火で焼いたものは定番料理としてすぐに見つけられるのですが、マロンさんのようなキーマカリーは存在するのかわかりませんでした。
【店名マロンに関する考察】
ちょっと、気になるのはマロンさんの店名は上記の脱走奴隷集団であるMaroon(マルーン)と関係があるかということです。マロンさんのスペルはMARRONであり、英語ではスペルも発音も異なります。でも、フランス語では脱走奴隷をMARRONと綴るのです。栗やマロニエの実と同じスペルですね。
勝手な推測ですが、奴隷解放の一大運動に展開したマルーンのスピリットを店名に因み、そのシンボルとしてジャマイカ風カレーを日本人が食べやすいように提供しているのではないでしょうか。創業が昭和45年(1970)、折しも全共闘や三派全学連が急速に過激化していった時代でもありました。
真相をご存知の方、是非コメント下さいませ。m(..)m
閑話休題
マロンさんのジャマイカンカレーは実に優しい味でした。玉葱とたぶんリンゴであろう甘味が口に広がり、たっぷり使われた挽肉の満足感も伝わります。決して、スパイシーでホットなカレーではありませんが、ノスタルジックな味のカレーと言えましょう。この味がアンティックな空間とよくマッチするのです。
〆には自慢のコーヒーです。ジャマイカのブルーマウンテンではないようですが、自家焙煎の香りが広がります。
青森にはこのような古典的な喫茶店が昔の雰囲気で残されているのですね。また、それが存続できるのは青森の方々がよく利用しているという証です。
会食2食目は青森のソウルフード、ジャマイカンカレーでした。さすがに夜に備えてシェアしながら頂きました。この後、周辺を散策し、17時からの宴会に向けて小休止です。新青森駅を出発して雪中行進を始めてから、まとまった休みを取っていませんでした。小一時間ホテルのベッドで足を休めます。夜も夜で相当歩き回ることになるでしょうから。この後も津軽の冬の味覚がどんどん続きます。乞ご期待。
喫茶 マロン
・所在地 :青森県青森市安方2-6-7
・電 話 :017-722-4575
・営業時間:7:00~23:00
・定休日 :第1水曜日
・駐車場 : なし ← ランキングに登録中です。クリックでご声援お願い致します。