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小粒な牡蠣の美味しい食べ方

カテゴリー: 料理:貝類

  ご近所より牡蠣を頂きました。産地は申しませんが、若干、小粒でペチョッとしています。鮮度は良いのですが、漁場の条件で身入りがまだ十分に回復していないのでしょう。先日の出張板前の記事でぷっくらした鳴瀬牡蠣をご紹介したばかりで気が引けますが、こういう牡蠣でも美味しく頂ける料理はあります。500g位ありましたので、まず半分を牡蠣ご飯にして楽しみ、残りは翌日酒の肴を作りましょう。
 



 


 牡蠣はザルに乗せて海水程度の塩水の中でよく洗います。大根おろしや片栗粉を使う方法もありますが、丹念に洗えば同じです。
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でも、決して水道水(真水)には浸けないで下さい。吸水して不味くなります。かつて、低すぎる塩分濃度の海水に浸されて白く膨れあがった剥き牡蠣が売られていたものですが、食べ比べると全くの別物になっていることがわかります。剥き牡蛎はなるべく海水に浸かっていない物を求めましょう。
 




 よく洗った牡蠣は醤油、酒、味醂に千切り生姜を加えた調味液で煮含めます。
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 煮汁にダシを出すのが目的で、煮染める必要はありません。ぷっくらして、生臭みがなくなったら火から下ろし、そのまま冷まします。
 




 煮汁を濾して水で割り、少し薄めの味付けでご飯を炊きます。牡蠣はご飯が炊けてから加えます。
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 今回は炊飯用の土鍋で炊きます。ご飯はよく研いで30分以上、ザルで水を切っておきます。
 



 所定の分量より、少し多めの炊き込み用調味液で炊いていきます。
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 最初、強火で蓋の穴から強く吹きこぼれようになりましたら、ごく弱火にします。全体で15~18分くらいで炊き上げます。火を止めた後、15分くらいの蒸らしは必要です。糖分が入っていますので、いつまでも強火のままでは焦げ付きます。この土鍋は3合炊きですが、短時間でご飯が炊けるので、すぐにご飯が食べたい時にも使っています。なお、炊飯土鍋の購入にはサイズや性能、中蓋の有無などを十分に比較して、自分にあった鍋を見つけましょう(参考サイト)。
 



 15分ほど蒸らしたら、牡蛎の身を加えて、掻き混ぜておきます。
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 再び、5分ほど蒸らせば出来上がりです。磯の香りが立ち上ります。もうちょっとの辛抱です。^^
 



 牡蠣もたっぷり盛り込んで、思いっきり堪能しましょう。
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 牡蠣ご飯にはこういう小粒の牡蠣の方がよく馴染むような気がします。
 



 牡蠣ご飯の他はいつものように野菜主体の惣菜です。
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牡蠣ご飯以外は細君の作ですが、このように毎日毎日何品かの野菜料理を出してくれます。その努力を酒で帳消しにしている駄目亭主です。^^
 




 さて、こちらは翌日ですが、ワインに合う肴を作りましょう。先日の菊花賞観戦会でもご紹介しましたスペイン料理のアヒージョ Ajillo です。
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 タコやエビなどの海産物やチキン、マッシュルームなどをニンニクを利かせたっぷりのオリーブオイルで炒めるというか、煮るような料理です。香り付けに庭のローズマリーを使ってみました。味付けは塩だけです。ですから、美味しい天然塩を使いましょう。
 



 スペインではこのような土鍋で作ってそのまま供しますが、今日はフライパンで作って、移し替えてます。
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 実際のアヒージョはもっとタップタプのオリーブオイルに浸しながら炒めるので、土鍋の方が作りやすいですね。エキスの溶け出したオリーブオイルもソース代わりにパンに付けて頂くのです。でも、いくらオリーブオイルが体に良くても高カロリーなのは否めません。そっちの弊害もありますので、普通に炒めて雰囲気作りに土鍋を使いました。食べるラー油なんてのが、巷で流行ってますが、中高年には毒ですよ。^^
 




 買い求めた牡蠣が小粒でしたら、是非、牡蠣ご飯アヒージョをお薦めします。牡蠣ご飯は炊飯器で炊く場合でも、炊き上がってから下煮した牡蠣を加えて下さい。最初から炊き込みますと、ご飯の味はよくなりますが、牡蠣がダシ殻になります。アヒージョにはやはりワインとパンでしょうね。あと、オリーブでもあれば申し分なし。暖かい日なら、庭にテーブルを出してスペインごっこを楽しむのも乙ですね。モタモタしていると本格的ながやって来てしまいますし。







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2010/10/30(土) 05:00 | trackback(0) | comment(6)

【気仙沼市】美術館でゆったりランチ

カテゴリー: 外食:他麺類

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 この大きなから山並みや遠く市街地を見下ろしながらのランチタイム。ちょっと贅沢な一時ですよね。まるで山城のように小高い山の上にある建物、気仙沼市にあるリアス・アーク美術館の最上階にレストラン キッチンスペース夢の舎(ゆめのや)さんがあります。まるで天守閣から領内を見渡す藩主の心持ちでランチが頂けるんです。^^
 



 リアス・アーク美術館のアークは方舟のことです。
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 リアス式海岸を望む丘陵に美術の方舟が降り立ったという想定です。設計は早稲田大学理工学部建築学科の石山修武教授のチームが担当しています。
 




 この美術館には元々レストランがありましたが、事情により閉店しました。その後、地元の主婦たちのNPOが運営するレストランとして復活しました。
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 主婦感覚で作る地元食材を使った安くて美味しい料理が評判です。なんと、お年寄りへの夕ごはんの宅配サービスもやっているのです。
 



  メニューには常時20種類くらいの料理が並んでいますが、最も力を入れているのが、ワンコインの日替わり昼ご飯だそうです。
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 メニューの筆頭に掲げてある日替わり昼ご飯をお願いしようとしましたら、早くも完売だそうです。よっぽど人気があるのですねぇ。
 



 日替わり昼ご飯は残念でしたが、次に気になったのがこれ。カニ味噌パスタ700円です。
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 カニ味噌のコクが売り物らしいですね。コーヒーも付くそうです。
 



 あれ、これは副菜ですが、ん~なんだろう。どうやらなにか麺類のマヨネーズ和えのようですね。
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 なにか麺が被ってますが、他の定食兼用なのでしょう。嫌いではないので、No Problemです。
 




 さて、カニ味噌パスタですが、想像していたよりサラッとしていました。パスタも細めのフェデリーニくらいでしょうか。
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 期待していたこってりソースとはかけ離れていますが、味わいは旨味がぎっしり絡んで舌も喜んでいます。^^
 



 具にはブロッコリーの他、カニの関節の所でしょうか、不思議な食感の白い筋肉が乗ってます。
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 パスタに青海苔を振って、海の香りを加えるのは面白いですね。醤油も隠し味程度に使われているようです。
 




 最後にコーヒーを頂きながら、外の景色を楽しみます。
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 ここの夜景は素晴らしいんだろうなぁ。泊まりがけで来て、大人呑みしてみたいです。
 



 お目当てのワンコイン日替わりお昼ご飯にはありつけませんでしたが、美味しいパスタを頂きました。日替わりお昼ご飯は、野菜が主体の惣菜が二品と香の物、味噌汁にご飯か焼きおにぎりのセットのようでした。1000円の気仙沼ランチは刺身やアラ汁などが港町らしい定食でしたね。レストランばかり紹介していますが、ここは美術館なんでした。今回は時間がなかったけど、地域文化の展示もありますので、是非、美術館とセットでお楽しみ下さい。
 



 

キッチンスペース 夢の舎(ゆめのや) 


・所在地:気仙沼市赤岩牧沢138-5 リアス・アーク美術館内 
・電 話:0226-24-1721
・営業時間:10:00~17:00(夜は予約あれば、~22:00) 
・定休日:月・火曜日(祝日の場合翌日)
・駐車場: あり







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2010/10/28(木) 05:00 | trackback(0) | comment(2)

菊花賞観戦会で出張板前(後編)

カテゴリー: 未分類

 昨日(10月24日)は菊花賞観戦会での出張板前遂行の日でした。大名マークさんのご自宅にいつもの呑み友11名が集結し、菊花賞のレースを観戦しながら呑み食いするものです。不調法で競馬を窘(たしな)まない私は賄い担当で参加させてもらいました。


多国籍料理あれこれ10品を朝9時から午後4時までの7時間に渡って作らさせて頂きました。美味い不味いは別にして、一応、任務は無事に完了することができましたのでご報告いたします。


 パティーメニューを一気に作って、一緒に呑むというイベントは何度も経験がありますが、食べる側の動向を気にしつつコースでサーブすると言うのは経験がありません。でも、考えてみるとプロの料理人はまさにこれをやっているわけでして、今回の出張板前は大変勉強になりました。食べる方々にも温かい物は温かい状態で供することができ、作りたての料理を食べて頂けるので、作り手としても調理冥利に尽きますし。


 

 大名マークさんちのキッチンは広々として、非常に作業性に優れています。洒落じゃありませんが、最初、勝手がわからず、苦慮しましたが、道具の置き場所が頭に入ってきますとスムーズに動けるようになりました。
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 シンクの正面には窓があり、光が降り注ぐキッチンは料理をしていても気分がいいですね。皆様が訪れるのが9時半頃ですので、料理は10時頃から出していきましょう。



 煮込み物とかマリネとか、時間のかかる料理は既に自宅で作って持ち込んでいます。
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 それにしても、10人分ですので、仕入れた食材は膨大です。まずは前菜作りから始めましょう。





 これは私の出張板前セットです。以前、ボランティアで料理教室の講師をやっていた時の財産で、8年ぶりの出動です。
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 かつて、これらと材料となる食材や調味料を持って、各教室を巡ってました。




 皆様が次々とお着きになり、競馬の放送も始まりました。
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 さて、皆様席に着き、観戦会の始まりです。あれま、もう日本酒飲んでるし。^^




 それでは、昨日のお料理を順番にご紹介いたします。まず、和風の前菜盛り合わせです。
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 鮭の柚香焼きや押し寿司など秋の吹き寄せ風に酒肴を盛り付けました。




 一方、こちらはAntipasuto Misto、イタリア風の前菜盛り合わせとイタリアのカナッペ、3色クロスティーニです。
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 焼き野菜のバルサミコ醤油、アヒージョ・マリスコス(海の幸炒め物)、カジキのエスカベッジェなどです。これにクロスティーニ・トリコロール(3色カナッペ)をゆけちゅうさんの協力を受けて作りました。ペストジェノベーゼの緑とクリームチーズの白、トマトとパプリカのペーストの赤でイタリアの国旗、トリコロールとなります。このクロスティーニの写真はベガサポ先輩からお借りしました。




 

 ちょっと口直しに鉢盛り二品。日本酒党が多いので和風の和え物を用意しました。
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 マグロ(メバチとビンチョウ)とアボカドの山葵醤油と人参と蒟蒻の山胡桃白和えです。白和えは山胡桃だけだと軽すぎるので白胡麻も加えています。ところが、これも撮影忘れ。これは以前に自宅で作った時の写真です。





 これは飛び入りの蒸し牡蛎です。もちろん、鳴瀬産ですから身入りもばっちりです。
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 贅沢にも浦霞の純米吟醸酒を惜しげもなく振りかけて蒸し上げました。



 

 少し時間をおいて、ボリュームのあるFritto Misto、揚げ物の盛り合わせです。
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 仙台湾産ミンククジラの串カツをメインに、鳴瀬のカキフライ、マッシュルームとプチトマトのフライ、凍み豆腐のローズマリー揚げなどを盛り込んでいます。鯨カツには二度浸けOKの特製ソース、カキフライにはタルタルソースも添えました。鯨カツに皆様大喜び、凍み豆腐揚げも意表を突いたようで好評でした。




 ここで、炭水化物も欲しくなるだろうとの配慮から、一口俵むすび二種(鮭とシラス)と香の物の盛り合わせをサーブします。
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 おむすび
は大名マークさんの奥様ゆけちゅうさんに握って頂いております。香の物は紫蘇の実を入れた浅漬けと市販の温海カブの漬け物と長茄子です。



 さて、競馬の方ですが、ケーブルテレビで実況を観戦しつつ、ネットで馬券を買うのだそうです。
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 なんだか、最近の競馬って格好いいなぁ。私にとっては近未来の映像のように見えます。



 こちらは大名マークさんの奥様が得意のタンドリーチキンです。大名マーク家には皆様、これが楽しみで来られております。
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 辛味も強いのですが、とてもスパイシーで刺激的な味です。



 今回は焼きたてのナンで食べてもらうために、タンドリーチキンも小さめに作って頂きました。
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 野菜とともにナンに挟んで頂くとこれが絶品。ナンも一人分ずつに小型に焼いています。




 もう一品、奥様の作品、熱々のラザニアです。
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これも大名マーク家で大好評のお料理です。チーズも途中で加え、焦げすぎないように配慮されています。




 キッチンに立て籠もっている私に皆様気を使っておを勧めにやってきます。
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調理中は呑まないぞと言う固い意志は脆くも崩れ去りました。^^ 綿屋の純米吟醸、いいで旅館の冷凍どぶろく(なおさん)やら栃木県ココファームワイナリーのワイン(anegoさん)やら、相当呑んじまったぞ、大丈夫か?




 さて、後半戦へ向けて気合いを入れ直します。本日、唯一の中華でありますエビマヨネーズ炒めです。
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 中華と言っても、日本で開発された和製中華ですね。こういう時はエビチリが定番なんですが、ちょっとひねってみました。生クリームを多めに使ったので、マイルドになり過ぎたとのご指摘を頂きました。やはり、かなり酒が効いているようです。^^




 さて、本日のメインです。昨日から通算5時間煮込んでいた牛タン赤ワイン煮です。横にはソース絡みのよいフジッリを添えました。
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 赤ワインだけではなくドゥミグラスソースも使って煮込みました。このソースをご飯にかけて食べたら最高なんだけど、このあとに〆の麺類を出す予定なので、ご勘弁。あ、生クリームをかけるのを忘れてしまいました。




 最後の〆に冷たいぶっかけ温麺(ウーメン)です。自信作のイクラ醤油漬けもたっぷり乗せて食べてもらいます。
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 お腹もかなり一杯になっているはずですので、一人麺量を50g(乾重量)程度に落としています。なお、どうしてもイクラをご飯で食べたいという希望者にはイクラ丼も作りました。


 


 さて、皆様には満足して頂けたでしょうか。今後の参考のために料理の感想や思ったことを自由に書いて頂きました。
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 決して「大変美味しかったです。また、作って下さい。うふっ。(*^^*)」なんて、お世辞は書かないようにとお願いしてあります。ですから、ありがたいご指摘もたくさん頂きました。ダジャレも見えますが・・・。^^




 皆様、お疲れ様でした。千葉から北海道経由で参加されたおおさん、ご苦労様でした。結局、競馬ではどのくらい儲かったのでしょう。少なくとも万馬券は出なかったようです。出てたら二次会に繰り出すぞぉ~ってなことになっていたでしょうから。^^  当初、料理が多過ぎるのではないかと心配していたのですが、やはり10人で食べますとかなりの量がハケますね。これも、よい勉強になりました。ご指摘のあった点もありがたく改良修正させて頂きます。また、こういう機会を設定して頂ければ、調理器具持って馳せ参じます。


 

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2010/10/25(月) 20:00 | trackback(0) | comment(16)

菊花賞観戦会で出張板前(前編)

カテゴリー: 未分類

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                                     (JRA公式HPより)
 決して善良な市民ぶっているわけではありませんが、学生時代からパチンコ麻雀をやったことがほとんどなく、その面白さがさっぱりわかりません。パチンコは学生時代に何回かやって、貴重な1000円を失ってからはトイレを借りる時以外には店に入っていません。麻雀はよく先輩に面子が足りないからと、倶楽部の部室でやらされましたが、長時間座っているのが耐えられず、嫌で嫌で仕方がありませんでした。そんな時間があったらサッカーやったり、釣りでもした方がよっほど有意義に感じていました。
 


 私は小銭をコツコツ貯めるアリンコ野郎なので、一獲千金を狙うような度胸がないのです。ですから、競馬・競輪・競艇・宝くじともまったく縁のない人生を歩んできました。社会人の嗜みとして、競馬くらいやれたらいいなぁと思うこともありましたが、縁に恵まれず、現在に至っております。


 

 さて、本題ですが、今年の夏、ブログ仲間で集まって呑んでいた時に、大名マークさんが菊花賞の時に家に集まって呑みながら観戦しようと提案されました。みんな、その提案に触発されて、競馬の話題で楽しそうに盛り上がっていました。淋しいよねぇ。なんか蚊帳の外にいるようで耐えられなかったのです。競馬には興味もないくせに勢いで参加を表明してしまいました。かといって、呑んでいるだけでは芸がないので、みんなに料理を作るとこれまた勢いで言ってしまいました。^^

 

 かくして、菊花賞観戦会出張板前プロジェクトが動き出したのです。これまで、職場仲間でこの観戦会を続けて来られた大名マーク家ですが、今年は奥様を少し楽にしてあげられそうです。料理愛好家としては手料理を人様に召し上がって頂く以上、それなりの献立を提供しないわけには行きません。単なるお食事会ではありません。よく知りませんが、菊花賞の日には午前中から様々なレースがあり、メインレースは夕方にあるとのこと。その間の戦線へのロジスティックですから、メリハリを付けながら、飽きないように食べ続けて頂く必要があるのです。こりゃ、引き受けてみたものの、難儀な挑戦です。
 


 本来、献立は当日のお楽しみにしたいところですが、今回は明後日に控えた菊花賞を前にあえて全貌を公開します。後悔せねばよいのですが、これは有言実行のエスプリから、自分を後に引けない立場に追い込むためです。これにより、失敗して1品を隠してもバレテしまうのです。^^


 以下が現在(実行2日前)、考えている献立とその絵コンテ?です。




【菊花賞観戦会お献立】  赤字は大名マーク夫人のお料理です。



菊花1 
 (1)和風前菜盛り合わせ
      秋の吹き寄せ風

    秋鮭柚香焼き、イクラ柚子釜盛り
    鮭と菊花の押し寿司
    山芋節粉塗し、紅葉麩、焼き栗



菊花2(2)Antipasto Misto 
      ラテン風前菜盛り合わせ

    焼き野菜のバルサミコ醤油
    アヒージョ(タコ、エビ、ホタテ)
    カジキのエスカベッジェ
    クロスティーニ・トリコロール



菊花3  (3)鉢物二種

    マグロぶつとアボカドの山葵醤油

    人参と蒟蒻の山胡桃白和え



菊花4   (4)Fritto Misto 揚げ物盛り合わせ 

        鯨串カツ、鳴瀬牡蠣・プチトマト・
   マッシュルームのフライ、
    凍み豆腐ローズマリー揚げ
   二度浸けOKソースとタルタルで



菊花5 
 (5)おむすび各種、香の物盛り合せ






菊花6   (6)焼き物---大名マーク家特製
                タンドリーチキン

             
 ナンに野菜と挟んで






菊花7  (7)炒め物---ブラックタイガーのマヨネーズ炒め






菊花8
  (8)留め皿---牛タンの赤ワイン煮込み
                   フジッリ添え





菊花9       (9)〆 麺---ぶっかけアゴダシ温麺
                 (イクラ・ナメコ盛り)



 

  少ない知識と技量なりに献立の構成と順序、分量を必死に考えています。何せ、天下無双の呑兵衛集団ですから、馬より食より酒になるはずです。供する分量は顔色を見ながら臨機応変に対応しなければなりません。^^
 



 本格的な買い出しと下拵えは前日からですが、保存性のあるものは良い食材を見つける度に買い求めています。先日は鮮度の良いハラコ(鮭の卵巣)を発見しましたのでさっそく購入しました。
菊花10

 さっそく、お湯でバラして食塩水に浸けイクラを作っておきました。まだ、小粒で完熟には至っておらず、卵膜も口で溶ける極上のイクラが出来上がりました。当日は醤油と煮切った酒に漬けて持ち込む予定です。
 



 これはあくまでも味見です。小さじ1杯だけお許しを。^^
菊花11

 ん~、もう最高です。みなさん、楽しみにね。




 さて、ここまで献立をオープンにして、まともに作れなかったらどうしましょう。。。という、この緊張感を調理への集中に変えて行きましょう。明日(菊花賞前日)は食材の買出しと下拵えに着手します。このイベントのスポンサーである大名マークさんからは十分な予算を言い渡されておりますが、根っからの倹約家(貧乏性とも言う)なので、同じ質なら少しでも安い物を求めてきっと何軒も回ってしまうでしょう。^^

 なお、菊花賞当日の料理のご報告は、翌日(10月25日)以降になってしまいますが、ご了承願います。
 





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2010/10/22(金) 05:00 | trackback(0) | comment(14)

秋鯖をイタリア風に

カテゴリー: 料理:釣り魚

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 秋鯖
は嫁に食わすなというがありますが、その意味は判然としません。姑の嫁いびりなのか、鮮度落ちの早いサバを大切な嫁に食べさせて当たったら大変だという思いやりの戒めか。後者だとすれば、なぜ夏鯖は良いのかわかりません。サバは餌の条件が良ければでも脂が乗って美味しいものですが、これから、冬に向かってさらに脂肪が蓄えられます。冬のサバは脂が強すぎてくどいのですが、はそれが適度で美味しいのです。だとすると、やはり、嫁いびりか。^^

 サバは何しても美味い魚ですが、今日は以前、釣って冷凍しておいたサバを料理します。冷凍でも鮮度が良ければ〆鯖に出来ますが、それは釣り立ての物とは別物です。冷凍でも美味しく楽しくゴージャスに味わうため、イタリア料理にしてみます。





 今日はサバを2色のソースで焼き上げてみます。
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サバのフィレー1枚が一人分です。ソースはトマトソースコーンクリームの二通り。トマトソースは水煮缶に玉葱とニンニクを加えて煮詰めます。香り付けにバジリコローズマリーも畑から採ってきました。 


 


 サバのフィレーは腹骨(肋骨)をすき取り、筋肉に食い込んでいる小骨を骨抜きで取り去ります。 
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 サバも大きくなってくると小骨が邪魔になります。干物なら食べながら口から出せが良いのですが、ソースがかかった場合は厄介だし、ちょっと雰囲気的にもイケませんね。^^
 




 香り付ですが、トマトソースには相性の良いバジリコを、コーンクリームにはローズマリーを使います。 
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掃除したフィレーを半分に切り、塩を軽くしてから、片方にバジリコの微塵切りを塗し、もう一方にはローズマリーを同様に施します。それぞれの香りが移らないように、別々にラップに包むかナイロン袋に入れて1時間ほど冷蔵庫に置きます。
 




 
 さて、この間にトマトソースを作ってしまします。 
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このソースはイタリア料理の基本中の基本です。ニンニクと玉葱の微塵切りをオリーブオイルで炒め、サンマルツァーノ(イタリアの細長いソース用トマト)のホール水煮缶加えて、潰しながら水分を飛ばしていきます。今日はサバに乗せるので、パスタソースより硬めに作ります。濃度が決まったら、塩で軽く味付けます。一缶の半分もあれば、足りますので残りは後日のパスタ用に冷凍しておきます。
 



 香りの付いたサバのフィレーに片栗粉を塗し、さっと表面を固めます。
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この時、バジリコとローズマリーわからなくならないように注意して下さい。この後、オーブンで焼きますので表面だけ熱が入ればOKです。
 





 オーブンを210℃に予熱している間にソースを乗せます。 
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 バジリコ風味にはトマトソース、ローズマリー風味にはコーンクリームです。 


 



 コンベクションで20分くらい焼きます。愛用している小型高性能のイタリア製デロンギのオーブンです。 
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 熱の通りやすい魚ですから、ソースの表面が少し焦げるくらいで焼き上がりです。
 





 いっぺんに二通りの味が楽しめる贅沢な一皿。 
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 収穫が始まったホウレンソウの若葉も盛り付けました。
 





 トマトソースの甘酸っぱい刺激的な味わいとふんわり優しいコーンクリームの味わい。交互に食べるとそれぞれの特性が際立ちます。
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冷凍サバでも立派なご馳走になりました。サバも骨抜きしてありますので、安心してパクつけます。
 




 この料理はサバ以外でも、サンマイワシでも美味しくできます。小さな魚の場合は、耐熱皿にフィレーを並べ、その上に好みのソースを乗せて焼き上げます。バジリコは間もなく枯れてしまいますが、常緑のローズマリータイムセージは庭の片隅に植えておくと便利ですよ。ちょっとした香り付けでぐっと本場の味に近づきます。料理の記憶って、目、舌、鼻のそれぞれに入ってくる情報の集合体ですよね。特に臭いによって、その前後の情景が鮮明に蘇ることがあります。だから料理にとって香りは大切な要素なんですね。







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2010/10/20(水) 05:00 | trackback(0) | comment(7)