酒粕料理の創製・・・欧米編
カテゴリー: 料理:農産加工品
以前の記事で呑み友のanegoさんから頂いた酒粕で色々料理を楽しみました(関連記事)。粕汁や粕漬けなどごくノーマルな日本料理を作りましたが、今回は無謀とも言える欧米料理にその可能性を探索してみます。酒粕はご承知のようにアミノ酸やビタミン、酵母などが含まれる栄養に飛んだ食品ですので、用途を是非とも広げたいですね。
まずは板粕を刻んでから、牛乳で煮溶かしていきます。そう簡単には滑らかにならないのハンディーミキサーの登場です。
要するに、扱いやすいミルク酒粕ペーストを作り、それを使って料理していこうとの魂胆です。
ねっとりと滑らかになった酒粕ペーストはとりあえず、3等分にしてそれぞれ異なる料理に使っていきます。
酒粕は牛乳とともに加熱することで、アルコール臭がマスクされるとともに、多少は飛んだようですが、まだまだ苦みは感じます。このペーストでどのような料理が出来るでしょうか、乞うご期待。^^
まず、鍋に残した酒粕ペーストにさらに牛乳を加えながら伸ばしていきます。
弱火で焦げ付かないようにかき混ぜていきます。濃度が決まったら、ジャガイモとタマネギの賽の目、冷凍ミックスベジタブル、顆粒または粉末のチキンスープを加えて煮込みます。ジャガイモが柔らかくなったら塩胡椒で味を調えます。
つまり、酒粕入りのポタージュです。仕上げに乾燥パセリを振りかけています。
酒粕の粘性は想像以上に強く、かなり薄めてもとろみがあります。ポタージュくらいの濃度を維持しましたが、さらに薄めてチャウダーくらいにした方が飲みやすいようです。味わいもどろりとしている時点では、酒粕を強く感じましたが、サラリとしてくると深みのある味わいのチャウダーになりました。
さて、残りの酒粕ペーストですが、一方には練り芥子とマヨネーズ、もう一方にはおろしニンニク、オリーブオイル、塩胡椒で調味します。
味のタイプの違う2種類のペーストに仕上げていきます。マヨネーズは酒粕ペーストと同量加えています。
まずマヨネーズ入りのペーストですが、サラダ系が合うものと予想されます。そこで、今流行の沢庵サラダロールを作ってみます。
やはりanegoさんに頂いた小真木の沢庵を千切りにして、ペーストで和えてからロールパンに挟み込んでいきます。
滋賀県のB級グルメを模倣した酒粕入り沢庵サラダロールです。
これはなかなか行けました。マヨネーズと沢庵だけだとサラダ感覚が強いのですが、酒粕の苦みが加わり大人の味というか、少し高級感も出てきました。一日置いて、翌日、釣りの弁当にも持って行ったのですが、パンはしっとりとして、濃厚なペーストと沢庵の歯触りが楽しいサラダロールになりました。
サラダに使うためには、さらに牛乳で伸ばしてディップ状にします。
塩で味を調え、好みの生野菜に使います。今回はフノリ入りのサラダにしてみました。このドレッシングというか、ソースは大当たり。生野菜だけではなく、温野菜にも合いそうです。
さて、マヨ系ではなく、ニンニクが効いた酒粕ペーストの方ですが、輪切りのバケットに薄く塗ってオーブントースターで焦げ目が付くまで焼きます。
今回はほとんど実験のつもりで料理していますが、日本でもかつて酒粕をこんがり焼いて砂糖を塗して食べる地方もありました。そこで、このペーストにも焦げ目を付けることでどのような変化が生じるかを調べてみます。
酒粕ペーストの表面にこんがり焦げ目が付いた段階でオーブントースターから取り出します。
パプリカと乾燥パセリで、イタリアントリコロールに飾ってみます。肝心のお味ですが、チーズともホワイトソースとも異なる未体験の味わいとなりました。^^ ガーリックが効いていて、酒のつまみにもなりそうです。
さっそく、作った酒粕料理をテーブルに並べて、試食ランチにしましたが、これがいけなかった。
つまり、一つ一つは美味しいのだけれども、どれを食べても酒粕の風味がするので、舌や鼻が休まる暇がないのです。何も知らずに付き合わされた細君は当惑した様子。ごめんね、ごめんね~。
【酒粕料理教訓】
一.酒粕は銘酒を醸す蔵元の物を求めること。
一.酒粕料理は酒粕を前面に出さず、味に深みを与える脇役にさせる。
(隠し味としての利用は今後の発展が期待できる)
一.酒粕料理は1回の食事に1品とすること。(これ大事 ^^)

