メロードの蒲焼き風丼
カテゴリー: 料理:買い魚
前記事で春の味覚、コウナゴを紹介しましたが、今回はそれの親であるイカナゴです。イカナゴはみちのくではメロードと呼ばれており、やはり春の漁の対象になります。浮上してきたメロードをすくい網で漁獲します。鮮度落ちが速いので、もっぱら、冷凍されて養殖魚の餌にされたりしていますが、沿岸部では味噌煮や塩焼きなどで味わわれています。以前にもメロード料理を紹介していますが、今回は蒲焼き丼風に仕上げてみます。
メロードの顔をよく見ると、カマスのように尖った口をしていますね。
コウナゴのことをカマスゴと呼ぶ地方があるのがうなずけます。
細長いので面倒ですが、開いて背骨を取り除きます。
メロードの身は白身でふんわり美味しいのですが、体の割りには骨が硬いのです。このふんわり感を楽しみたいので、骨を取り除きます。この場合、通常、背開きにしますが、今日は少し腹が柔らかめだったので腹開きにしています。開いたメロードには軽く粉山椒だけを振って、小麦粉を塗しておきます。
粉を塗したメロードは油を敷いたフライパンで両面をこんがりソテーします。
あまりカリカリにしてしまうとふんわり感がなくなりますので、両面が少し色づいたら取り上げます。
フライパンに醤油、日本酒、味醂少々注いで沸騰させます。それにソテーしたメロードをさっと潜らしたら出来上がりです。照り焼きというか蒲焼き風のメロードですね。
醤油と日本酒は同量で、甘味は味醂の量で加減して下さい。
この蒲焼き風メロードを熱々ご飯に乗せてメロード丼の完成です。
下味に粉山椒を振ってありますので、木の芽だけを添えています。
季節のコゴミを添えて味のバランスも取っています。
メロードの周りは甘辛ですが、中はふんわりとした優しい味の白身なのがこの丼の醍醐味です。
今宵はイカナゴ丼で夕飯です。
あれ、酒がないですね。実は昨晩、痛飲いたしまして、本日は臨時休肝日となりました。^^
こちらは新物のフノリで2品。我が家定番のフノリとキャベツの酢醤油漬けと新玉葱とフノリの味噌汁です。
フノリも地物の初物は枝が細かくて歯触りが心地良いですね。
メロードはあまり食用として出回ることがないのですが、その個性を理解してきちんと料理すれば大変美味しく頂くことができます。現代の日本の人気魚種はサケ、イカ、マグロだそうですが、これらはもちろん美味しさもありますが、調理が簡単だから消費量が多いのかも知れません。ですが、その土地ごとに獲れる魚こそ、新鮮に頂けるのですから、せめて休日には一手間かけて、美味しい地魚料理を家族に振る舞いたいものです。