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自家製からすみの勧め

カテゴリー: 料理:買い魚

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 この画像を見て、が出た方は相当な左党、とりわけ日本酒党と言うことができましょう。これは、飲兵衛垂涎の酒肴、からすみ(唐墨)です。。。。と胸を張りたいところですが、ボラの卵巣で作った本からすみではなく、自家製のなんちゃってからすみです。でも、味はそんなに変わりませんよ。


 

 以前、天然ブリの卵巣でからすみ作りを試みたみたところ(関連記事)、申し分のない出来だったので、その後、大きな魚の卵巣が店先に出ないかとずっと待っていました。そうしましたら、やや小振りですが、スズキの卵巣が売られていましたので、今回はこれで試作してみました。

 

 

 

 

 

 

 スズキ卵巣は片腹ずつですが、140~200円。安いもんですね、これでからすみが出来たら笑いが止まりません。
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全部で4パック売られていましたが、全部買い占めてきました。^^ 

 

 

 

 


 

 

 トレーから出して並べてみますと、大きな卵巣は片腹ずつでしたが、残りの2パックは左右両方の卵巣がくっついたままでした。からすみづくりにはこの方が有り難いのです。
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要するに3腹分計6本の卵巣が4トレーに分けられていたのでした。ただ問題は片腹ずつに分けられた卵巣は膜の一部が破けており、卵粒が多少流れ出ています。これを無事にからすみまで加工できるか不安です。それと、一番奥の卵巣はやや痩せており、産卵がすでに始まっているのかも知れません。

 
 商品としてのからすみを作る場合には、卵巣の表面に走る血管を竹串で突いて中のを抜いたりしますが、下手にやりますと膜を破ってしまいます。それに家庭で食べる場合には、表面に黒い網目が残ったとしてもNo problemですね。

 

 

 

 


 

 

 とりあえず、定法に従って塩を塗します。塩は味を左右しますので必ず天然塩を使って下さい。
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密閉容器に塩と卵巣を交互に詰め込み、冷蔵庫で1週間保存します。途中で生臭い水が上がってきますので捨てましょう。

 

 

 

 

 

 

 


 塩に漬かって締まってきた卵巣をそのままからすみにしたら塩辛くて食べられません。そこで、流水で2時間ほど塩抜きします。
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この加減は経験が必要です。途中で味見してみれば良いのですが、卵巣の膜が破けてしまいます。適度に塩抜きした後の卵巣は引き続いて日本酒に1週間漬け込みます。この間にもさらに塩が抜かれますので、この辺も考慮して塩抜きをしなければ
なりません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 酒浸しが終わった卵巣は水気をよく拭き取って、天日干しにします。雨や雪に当てないように天気予報を気にしながら10日間ほど面倒を見ます。
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バルコニーで乾燥させますので、カラスの襲来を恐れてカゴを被せておきました。夜の間外に出しておくかは判断に迷います。もし、予想外の雪に見舞われたら、それまでの苦労が無駄になってしまいますので。

 

 

 

 

 


 

 

 

 一週間もしますと、からすみらしいベッコウ色になってきます。ここまでくれば、ゴールも近いのです。
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前回、ブリの卵巣で作った時は軽く板で重しをしたりして形を整えたのですが、今回は放置しました。それでもからすみらしい形に自然と近づいています。もっとも、食べる時は薄切りにしたり、摺り下ろしたりしますので、見栄えは自家消費の場合、気にしなくてもよいですからね。それに、片腹に分けられて、一部が破けていた卵巣も何とか形になりました。

 

 

 

 

 


 

  ほぼ10日の乾燥でからすみの完成です。仕込み始めてから25日ほどかかりました。
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原料の卵巣が様々な形だったので仕上がりも様々です。形よく仕上がったものはスライスして、不格好なのは摺り下ろして使いましょう。さて、肝心のお味ですが、如何でしょうか・・・。

 

 

 

  

 

 

 

 まずは、慣例に則って、大根スライスとの挟み盛りです。一枚口に含んでじっくり味わいます。やった、大成功、からすみそのものです。
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産卵期のピークの卵巣なので完熟しています。そのため、卵粒を舌で感じますが、ねっとりとした感触は出せました。前回のブリの卵巣より、スズキのは厚みがないので平べったくなりました。そこで、斜めにそぎ切りしています。

 

 

  

 

 

 

 続いて定番のからすみパスタ Spaghetti alla Bottargaです。イタリアのサルデーニャ島で初めて頂いた時、あまりの美味さにヴォーノを連発してしまいました。このパスタの作り方はこちらの記事に詳しく解説しております。
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地中海にいながら日本食に通じるご馳走に巡り会ったのですから、感慨ひとしおでした。お土産にサルデーニャ島名産のボラのからすみBottarga di Muggine を買って帰り、帰国後真っ先に作ってみました。地中海にも日本のボラと同種のマボラ Mugil cephalus が分布することをこの時初めて知りました。

 

 

 

  

 

 

 からすみがパスタに合うなら当然、ご飯にも合います。贅沢に摺り下ろして究極のお茶漬けです。
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鱈子より卵粒がこなれているので、旨味がすぐに全体に回ります。こんな贅沢は手作りじゃなきゃ出来ません。普通のご飯にふりかけのようにして食べても美味しかったですよ。

 

 

 

  


 ブリに続いて、スズキの卵巣でもからすみ作りに成功しました。地中海ではマグロやタラ類の卵巣でも作られるそうです。そう言えば、昨年のハゼ釣りオフの時、ちょろりさんがスペイン土産のタラからすみをご馳走して下さいましたね(こちら)。東北地方でもマダラの卵巣はよく市販されていますが、卵膜の一部が破けている場合も多く、卵粒は流れ出しやすいので扱いが難しそうです。スケトウダラの卵巣ではあまりに小さく仕上がりもお子ちゃまからすみになりそうです。また、しばらく、魚屋さんの店先に適当な卵巣が並ぶのを鵜の目鷹の目で監視しましょう。^^

 

 

 

 

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2010/02/24(水) 05:00 | trackback(0) | comment(6)
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