ラーメン☆ビリーは二郎か?
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宮城野区東仙台の日本たばこ工場跡地がフォレオせんだい宮の杜として再開発されています。商業施設部分が住宅地域に先発し、昨年(2009年)11月にオープンしました。開発を手掛けたのは、あの有名な大和ハウチュさんです。^^ 全国チェーンの大型電気店やドラッグストアーの他に、地元のラーメン店も支店を出しています。その中で今一番注目されているのがラーメン☆ビリーさん、利府の麺屋久兵衛さんの姉妹店です。炙屋十兵衛さんを含むハミングバードグループでは2番目のラーメン店となります。
このビリーさんのラーメンや提供スタイルが、東京周辺で信者を増やしているラーメン二郎とよく似ているそうです。だとすると、中高年には禁断の食べ物なのですが、元プチジロリアンとしては、騒ぐ血を抑えることができず、減量中でありながらも、とうとう、暖簾をくぐってしまいました。^^
フォレオせんだい宮の杜(再開発の商業施設)のDゾーン周辺です。
Dゾーンはこの広大な施設の南西角、仙台市ガス局や宮城野図書館に近い一角です。焼き肉屋さんや讃岐うどん屋さんも入っています。
このDゾーンにラーメン☆ビリーさんが入っています。黄色い看板は二郎のトレードマーク、ちょっと控えめですが、ちゃんと意識してますね。なんと隣は宮城野原の有名ラーメン店つるおか家さんじゃないですか。火花が飛びそうですね。^^
開店少し前に到着しましたが、行列は出来ていませんでした。オープンしてから1ヶ月以上が経ちましたので落ち着いた様子。 と思ったら、暖簾が出ると同時に駐車していた車の中から人が続々。こりゃまずいと、慌てて店内に飛び込みました。^^
店に入ると二郎のように食券機が配置されていました。五千円札や万札も使えますので有り難い配慮です。
食券機がない店で、忙しい時間帯に万札を出したりすると、迷惑をかけますし、いやな顔をされる場合もありますからね。^^ この食券機はそのような煩わしさから解放されるだけではなく、調理中の職人さんや器を触る店員さんが紙幣やコインを触らなくて良いので公衆衛生上も好都合です。
食券機の左上には基本のラーメン700円がありますが、そのとなりには豚入りラーメンとありますね。
そうです。二郎系ラーメンの世界では、煮豚を単に豚と呼びます。このちょっと投げやりなネーミングも二郎の魅力の一つであります。このような、二郎の直系傍系店ではないものの二郎に感化されて、そのスタイルをモデルとして営業している店を俗にインスパイア店と呼びます。
店内は二郎のような場末感はなく、やや広くジャズの流れるバーのような雰囲気です。
スタッフもユニフォームとキャップで決めて、若々しく活動的な雰囲気を作っています。開店前のミーティングを外から眺めていたのですが、接客の発声練習を輪になってやっていました。これらは不良ぽっさが漂う二郎にはない特徴ですね。もっともガチな二郎がいきなりここにやってきても、ラーオタ以外は戸惑ってしまうでしょうね。^^
カウンター上には二郎の特徴である唐辛子が配置されています。箸は割り箸じゃなくて、黒い樹脂製でしたが、カウンターの色は二郎に多い赤です。やはり噂どおりののインスパイアですね~。
二郎には昔から胡椒より唐辛子が合うとされ、これが装備されることで本物に近づきます。黒い箸は先端部に細かいギザギザが刻まれており、滑り止めの役目を果たしているようです(一番下の画像参照)。ただ、これは、口から出す時、前歯にガリガリと当たって少し不快でしたね。
ラーメン☆ビリーさんのメニューはラーメンとつけ麺が基本で、トッピングによって変化していきます。トッピングは味玉、豚まし、メンマ、魚粉で全部が載ってビリーラーメン1000円となります。(クリックで拡大します)
好みですが、二郎にはせいぜい豚ましくらいにしてなるべく原型を味わってもらいたいものです。粗野で暴力的なラーメンである二郎にはチャラいトッピングは邪魔に思えます。麺の増量は100g増しに付き、プラス100円のようですね。
それと二郎系ラーメンを決定付ける特徴として、上記以外の無料トッピングが選択できることです。野菜やかえし、脂はデフォでもそれなりに使われているのですが、これらの増量と刻みニンニクの天盛りが指定できます。店員さんに「ニンニク入れますか?」と聞かれますので、その時、その他のトッピングも答えるシステムです。初めて二郎に入った時、事前の知識が全くなかったので、回りのお客さんが、「野菜マシマシ、ニンニク、カラカラ、アブラブラ」などと呪文のように唱えてるのを見て正直、不気味に感じましたよ。^^ この「ニンニク入れますか?」はなぜか、二郎の社訓にも謳ってあります。
こちらのビリーさんでも最初に「ニンニク入れますか?」と聞かれますので、遠慮せずに好みのトッピングをオーダーしましょう。今日は野菜ましのニンニク、カラメでお願いしました。営業の途中ですと、ニンニクは禁物ですが、二郎にはニンニクがよく合います。
はい、やってきました二郎風ラーメン。豚や野菜の迫力は正に二郎然としていますね。^^
麺は増量しませんでしたが、デフォでも200gはありますので、野菜と合わせれば相当な量で満腹必至です。丼にそそり立つ雄姿を拝むためには野菜ましにしないと駄目ですね。スープは豚骨醤油で透明感があり、乳化はしていません。二郎系列店ではないのでカネシ商事の二郎専用醤油は使えないはずですが、麺に絡む濃い味は悪くありません。それでも、オプションのカラメにしてちょうど良かったです。相当の量の麺と野菜を食べるためには濃いめでないと味が呆けてきますので。
見て下さいこの豚の厚み、それも2枚。これは豚ましではありませんよ。これを薄く切り分ければ、普通のラーメン店のチャーシュー麺くらいにはなりますね。^^
あれ、この豚、少しパサつきますね。軟らかく煮込まれているので口の中でよくほぐれるのですが、冷凍保存でもしたのでしょうか。それとこの煮豚は異なる部分の肉を形成したようにも感じましたが、勘違いだったらご免なさい。
ニンニクはおろしではなくこのような微塵切りです。ですから噛むとガツンと来ます。
ニンニクの下の野菜ですが、キャベツのざく切りともやしが使われていますが、残念なことに私にとっては少し茹で過ぎでした。軟らかい方が食べやすいのですが、コッテリしたスープにだるくなった口を治すにはシャッキリした野菜が必要です。それに、キャベツを煮過ぎますと余計な甘みも出てきてくどく感じます。
山のような野菜に埋もれていた麺ですが、かなり個性的です。平打ちの幅広で少し縮れています。
標準的な二郎の麺からはかなり外れますが、ダイナミックな感じは悪くないですね。日清製粉のオーションを使っているかどうかは分かりませんが、かなりコシも強く噛み応えがあります。生麺の色が多少くすんでいますので、ファインな全粒粉も混合しているのかも知れません。なるほど、これを引き揚げるには割り箸では不安がありますね。ただ、ここまで二郎をインスパイアしてやっているのに、麺に独自の個性を出したのは、やはり麺屋久兵衛さんのプライドなんでしょうか。
いま、日本のラーメン、つけ麺の世界では極太麺が市民権を得ようとしています。出始めは珍しくて、インパクトもあったのですが、いまでは普通に食べられていますね。ここ仙台でも、ラーメンでは卍さん、つけ麺ではキリンジさんや喰櫓武(くろむ)さんなどのような極太麺のお店が年々増えており、今後もさらに増えていくでしょう。私は二郎系ラーメン店は三田本店の他に10軒程度しか伺っておらず、二郎の直系傍系店にビリーさんのような極太麺を使用する処があるのかは定かでありません。従いまして、ビリーさんのラーメンが現在の二郎の範疇に入っているのかは判断しかねますが、二郎インスパイアラーメンが仙台でも食べられるのは大歓迎です。それと、二郎の慣習で仙台でも定着させたいのは、食べ終わった丼をカウンタートップに上げて、布巾(なければティッシュ)で卓上を拭いてから、ご馳走様!と感謝の意を表することです。インスパイアでも二郎の雰囲気を楽しむなら、食べる側もこれくらいの演出はしたいものです。^^
ラーメン☆ビリー http://sendai.foleo.jp/shop_list/d_zone/d05.html
- 所在地 :仙台市宮城野区東仙台4-6-31
- 電話 :022-385-6383
- 営業時間 :11:00~15:00、17:00~21:00(土曜・日曜・祝日 11:00~21:00)
- 定休日 :無 休
- 駐車場 :あ り
参考までに近年食べた東京の二郎のラーメンです。左はフーズ系の新橋店、右は直系でも個性的な小滝橋通り店のラーメンです。
新橋店はオフィス街にあるため、やや上品。小滝橋通り店は酷評もありますが、麺の硬さに特徴があります。やはり典型的な二郎はやはり三田本店に行かねばなりませんね。ただ、ビリーさんのラーメンも盛りや豚の迫力では決して二郎に負けていません。仙台に新たな伝説を残してもらいたいです。

