国道4号線を北上し、古川の街を過ぎた辺りの左手に大きな沖縄そばの看板を目にしたことがある方は多いと思います。普段は日中しか通り過ぎないのですが、先日、夜走った時、闇の中に赤く煌々と輝く沖縄そばの文字が目に飛び込んできました。そして、夏の虫のようにすぅーっと吸い込まれてしまったのです。^^
このお店の名前は、そのまんまの沖縄そばさん。ずいぶん昔からあるお店です。遠くからでも沖縄そばのネオンが目に入ってきます。
東北で最も古い老舗のお店とのこと。初めて入ったのはもう20年以上前ですね。名前の通り、ウチナースバも食べられますが、沖縄直送の食材で作る本場の沖縄料理も頂けます。
店内は居酒屋さんのような造りですが、所々に沖縄の民芸品や散在します。沖縄銘菓サーターアンダギーやチンスコウなども販売されています。
カウンター、テーブル、小上がりなど合わせて45席、夜でも結構お客さんが入っています。
メニューを眺めますと、そば類と定食ものが主体ですが、一品料理もありました。
お値段はちょっと高めですね。私は通常、軟骨ソーキの入ったソーキそばか、ラフテーの乗った三枚肉そばを注文するのですが、今日は夜なので豪華に両方が楽しめる特製そばを頂きます。
細君は壁に貼られたジーマミー豆腐とタコライスが気になるようで、両方を注文しました。
おばぁが作ったさぁ~に釣られました。^^ ジーマミーとは地豆すなわち落花生のことです。タコライスは比較的新しい沖縄料理で、メキシコのタコスの具をご飯に乗せたものですね。
これは珍しいナーベラーがありますね。沖縄の食用ヘチマです。味噌煮かチャンプルーでしょうね。
箸袋の裏には沖縄方言(ウチナーグチ)が書いてありました。料理を待つ間の暇つぶしにちょうど良いですね。^^
これがジーマミー豆腐480円です。豆腐となっていますが、胡麻豆腐の親戚ですね。
つまり、胡麻の変わりに生の落花生を磨り潰して、葛などのデンプンで固めたものです。胡麻豆腐より淡白で爽やかです。ただ、かけてあるタレがみたらし餡のように甘く、ジーマミーのほんのりした甘味をかき消します。これは、山葵で醤油をちょっと垂らして食べた方がよいように思います。
こちらが細君のタコライス880円。一見するとサラダにしか見えません。^^
お盆に載っているアニメキャラ柄の筒はジュースではなく、ケチャップとチリソースでした。
掘り起こすと草むらの下から豆無しのチリコンカルネのようなミートソースと溶けたチーズが乗ったライスが出てきます。
チリソースをかけて掻き混ぜながら食べ進みます。なんかとっても米軍好みのジャンキーな雰囲気ですが、たしかにはまる食べ物ですね。これは家でも簡単に作れそうです。
こちらは私の特製そば1030円です。30円は消費税3%時代の名残でしょうか。副菜は春雨の酢の物と柴漬けでした。春雨は昔から変わりませんね。
麺もソーキそばや三枚肉そばよりは多めなので、夕食替わりには都合が良いですね。ちゃんとコーレーグス(島唐辛子の泡盛漬け)も添えてくれています。カマボコや紅生姜もウチナースバの必須アイテムですね。
このトロトロに煮込まれた三枚肉(豚バラ肉)の美味しいこと。
皮が付いているから食感も独特で美味しいのです。ご飯の乗せて食べてもよさげですね。
こっちがソーキなのですが、軟骨の入った軟骨ソーキです。軟骨もトロリと煮込まれています。
ソーキは豚のスペアリブですが、コラーゲンたっぷりの軟骨が入った部分は軟骨ソーキと呼び、本ソーキと区別されます。軟骨ソーキは肋骨の先端分の軟骨とそれを取り囲むアバラ肉のことなんです。
そして、この麺。本場沖縄の麺より美味しいのです。ヤマトンチュー好みにかなり改良されています。
ウチナースバの麺は、もっとボクボクした感じなのですが、この麺はプリンとした弾力と透明感があります。これが、この地で長年人気を集めている秘訣なのかも知れません。
みちのくでも草分け的存在の沖縄料理店沖縄そばさんは今も健在でした。少し高いとか接客が良くないとか色々批評もあるようですが、まだ仙台にも本格的な沖縄料理店がない時代から沖縄料理をこの地で提供し続けてきた実績は絶賛されるべきだと思います。しかも、タコライスなど近年の沖縄のトレンドも積極的に取り入れている姿勢も評価されるべきでしょう。

