(3)漢方王国・韓国
カテゴリー: 紹介:加工食品・調味料
韓国でも中国と同様に医食同源や薬食同源と言って食事を大切に考えているそうです。食材それぞれに漢方的な意味付けがあり、料理にもいわゆる漢方薬も用いられます。日本で最も有名なので参鶏湯(サンゲタン)ですね。ひな鳥のお腹に高麗人参やナツメ、栗などをモチ米とともに詰め込んでスープで炊いたものです。今回は行く先々で見た韓国における漢方と料理の関係を考えてみます。
ここは最初の目的地、釜山の魚市場近くの漢方薬(材料?)商店街です。同じようなお店がズラリと並んでいます。
少し築地の場外とも雰囲気が似てますが、これだけ漢方関連のお店が集まると異国に来ているだという実感が湧きますね。それに現在の韓国では商店街の看板にも漢字はほとんど使われず、全てハングルの世界です。
このようなナツメやクチナシの実は日本でもよく見かけますね。
でも、よく見るとなんの実だか見当も付かない物も多く見かけます。
こちらは木片のような物が並べてあります。
まるで燻製作りに使うスモークチップのように見えますが、これらも煎じて飲むようです。
ここまで来ると薪(たきぎ)ですね。^^ これ、本当に薬用なのでしょうか。
少なくとも料理用ではないようです。これをさらに削って煎じるのでしょう。写真は撮り忘れましたが、コンビニでも各種の煎じ薬ドリンクがペットボトルで売られていましたね。
これはピーンと来る方も多いでしょう。
そうです。肉桂、すなわちシナモンですね。傘のように露天に無造作に挿してありました。
こちらは晋州市で見かけた抽出エキスを販売するお店です。お店の前には抽出液のバックも販売されていました。
ブルーベリーのエキスも扱っておりました。韓国でもアントシアニンがブームなんですね。高麗人参のエキスが売れ筋のようです。
店内を見せて頂くと、抽出マシーンがズラリと並んでいました。
こういうお店が日本のお茶屋さんのように普通にあります。ですから、韓国でお茶という言いますと決して緑茶だけではなく、様々な漢方茶も含まれます。
漢方薬の原料は決して植物だけではありません。このような動物も使われます。ちょっとハリーポッターを思い出してしまいました。^^
右は魚の干物のように見えますが、よく見ると手があります。そうです。カエルの干物です。左は足に効くというズアカムカデです。でも、決して下手物とは見ないで下さい。日本でもマムシ酒や山椒魚の黒焼きは薬用として古くから珍重されてきました。
一方、こちらはソウルのカラットン市場。やはり、ここにも漢方や薬用乾物を扱うお店が軒を並べています。
オモニの優しい笑顔に思わず、引き寄せられてしまいました。^^ この店で探していた物が見つかりました。
実はこれを探していたのです。高麗人参やナツメなど様々な漢方がパックされた参鶏湯(サンゲタン)の素です。
たぶんあるだろうと訪韓前から狙いを付けていました。予想どおりの発見に喜んでしまい4袋も買ってしましましたよ。日本で良い丸ひな鶏が手に入ったら、試してみるつもりです。
韓国では高麗人参がやたらと有名ですが、これはほんの一部で、実は多種多様な漢方薬が主に煎じ薬として日常的に服用されていることが分かりました。また、滞在中に山ほど頂いた韓国料理にはカンポウカンポウした(どんなだ?)ものはほとんどありませんでした。薬食同源という意味は、料理に薬用食材を使うという意味ではなく、正しく栄養バランスのとれた食事が体を健やかにするということでしょう。参鶏湯のような高麗人参を使った料理もありますが、これは特殊な部類に入るのかも知れません。ただ、漢方薬でもある唐辛子とニンニクは多くの料理に使われていましたけどね。

