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韓国食聞録目次

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韓国聞録 マッコリに酔いながらも堪能して参りました.

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恐れ入りますが、それぞれの記事に飛んで下さい。 

(1) いざ大韓民国へ・・・・・・・ASIANAでGO!

      
(2) 仁川空港でお粥・・・・・・・胃に優しい食事にほっ
 
    
(3) 漢方王国韓国・・・・・・・・・薬食同源 
          
(4) ナクチとケブル・・・・・・・・なんでも食べる 
          
(5) 乾物と塩辛・・・・・・・・・・・無駄にしない心
       
 
(6) 韓国のスナック・・・・・・・・欧米化に揉まれながらも
 

(7) 韓式鰻の蒲焼き・・・・・・・所変われば、、うな変わる 
 
   
(8) 本場のビビンバとクッパ・・納得の味ににんまり
           
(9) 伝統的マッコリ居酒屋・・・柄杓でお酌
         
 
(10)活魚の本場で鯖刺ランチ・・畜養鯖も侮れない
       
(11)これぞ本場の参鶏湯・・・・一人前鶏一羽
                 
12)大衆食堂の朝定食・・・・・朝から元気モリモリ 
      
(13)珍味ヌタウナギ・・・・・・・・昼も元気モリモリ  
             
(14)釜山の市場で海鮮鍋・・・・豪華絢爛海の幸鍋 
    
(15)ソウルで伝統的韓定食・・・・・・発酵エイに仰天
    
(16)珍味ミドドク入り海鮮鍋・・・・これを入れると一味違う
  
(17)最後はやっぱり焼き肉・・・骨付カルビと冷麺
        
(18)寝酒にこっそりマッコリ・・・・・コンビニで買える酒肴

(19)韓式海苔巻キムパブ・・・・具なし海苔巻きがある 
   

(20)総 括・・・・・・・・・・・韓国食文化について愚考する 






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2009/03/21(土) 05:00 | trackback(0) | comment(2)

(20)総 括・・・韓国食文化について愚考する。

カテゴリー: 未分類

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 今まで19編に亘って、韓国で食べてきた物をご紹介致してきましたが、これでも、韓国食文化のほんの一部を垣間見たに過ぎません。それに、一口に韓国料理と言っても、日本と同様、中国や欧米などの影響も加わり、多種多様な食生活を送っているのが実態のようです。

 
 ご承知のように韓国は三方を海に囲まれた半島国家であり、島国日本と同様、海産物が料理にふんだんに取り入れられます。方や、大陸ともつながっていますので、遊牧・牧畜文化も流れ込んでいますので、日本より肉食の度合いは高くなります。


 主食ですが、今は韓国全域でご飯(米)が食べられていますが、かつては半島の南部でしか栽培出来ず、北方では粉食・雑穀食だったようです。麺類に関しては日本と同様、早い段階で中国より伝わってきていますので、冷麺だけではなく、素麺や饂飩(うどん)、中華麺など多様な麺料理が見られました。


 1週間程度のショートステイで韓国食文化について語るのは大それたことですので、自分が感じた韓国料理の特徴を思い出しながら書き出してみたいと思います。体系付けて整理するほど材料もありませんので、感想の羅列になると思いますが、ご容赦願います。




■ 基本的には唐辛子と胡麻油とニンニクは不可欠
kanbutu14.jpg 韓国料理は辛いという印象がありますが、辛さの素となる唐辛子は豊臣秀吉が持ち込んだとされており、それ以前の韓国料理は辛くなかったそうです。ですから、歴史の古い宮廷料理には、確かに辛くないものも多いのですが、その流れをくむ韓定食には唐辛子を使った辛い料理も含まれます。
 韓国では料理に関して、陰陽五行説の五味五色五行を基礎としていますので、辛みの他に甘味、塩味、苦味、酸味もバランスよく組み立てられます。逆に言うと、日本料理より辛みについては他の味覚と同等に組み込んであるのかも知れません。風味という点では、多く使われるのが胡麻油とニンニクです。韓式海苔巻きであるキムパブにはご飯に胡麻油が混ぜ込まれ、表面にも塗られています。主食にまで使うということはよほど好きなんだなと思ってしまいます。ニンニクも毎食と言っていいくらい出されるキムチを始め、多くの料理に使われています。刺身にサンチュと一緒にニンニクスライスが出てきた時には驚きました。日本でもカツオの土佐造りはニンニクで食べることもありますが、韓国ではヒラメやタイのような白身の魚しか刺身で食べないのです。これでは繊細な白身の味わいが消し飛んでしまうでしょう。
 ただ、ニンニクや唐辛子のような体に喝の入る食べ物を毎日のように食べているのですから、スタミナやパワーでは現代の日本人は敵わないかも知れません。日本では草食系男子などという気合いの入らない人種も出てきたようですし・・・。^^




■ 刺激的な味を好む
hono19.jpg 唐辛子を使ったものが多い韓国料理ですが、韓国の方々は子供の頃から食べているので、すっかり慣れているそうです。ですが、辛さに鈍感になっているのではなく、辛さという刺激が快感になっているようです。日本に留学していたある先生は毎日、日本の食事だと辛さという刺激が足りなくて禁断症状が出たそうです。そんな時は、スーパーの見切り価格になったキムチをたくさん買ってきて頬張ったそうです。このちょっとサデスティックな味覚が辛さ嗜好の原点なのかも知れません。
 そういう見方をすると、あのアンモニア臭でむせ返り、涙も出てくるホンオ・フェ(関連記事)も美味の追求ではなく、刺激の要求から来るものとして理解できます。夏の暑さを克服するのに、ホンオ・フェの刺激を使って苦痛の後の爽快感を得ているのではないでしょうか。日本人も暑い時に敢えて熱い物を食べて大汗をかき、食後の涼を楽しむこともありますよね。それにしても、韓国では日本の激辛の部類に相当する料理も普通に出されます。いくら慣れているとは言え、胃袋や下の口は大丈夫なのかと心配になってしまいます。^^


 


■ フェ(刺身)は活魚に限る
keburu9.jpg 韓国も日本に並ぶ刺身文化の国です。ただ、決定的に違うのは、韓国人は活きた魚しか刺身で食べないことです。従って、市場や料理店で活魚にしにくいマグロやカツオなどの刺身は日本系の回転寿司店くらいでしか見かけませんでした。サバを活かして刺身で食べさせる店(関連記事)は統営市にありましたが、極めて希な事例です。ですので、韓国で刺身と言えばヒラメやタイ、クロソイなどの白身がほとんどです。
 何でだろうと考えたのですが、冷凍冷蔵技術が発達する以前の名残ではないかと思うのです。要するに死んだ魚は腐敗が進むので生で食べるなという戒めみたいなものがあったのではないでしょうか。そこで、活かしておきやすい沿岸魚だけが刺身の対象となったのだろうと考えました。ただ、コールドチェーンも発達した現在においても活魚しか刺身で食べないのはやはり深く染みついた食習慣なんでしょうね。
 ただ、白身の魚の場合、〆た当日より1日冷蔵して寝かせた方が旨味が出てくるのですが、韓国ではその美味しさより、こりこりとした歯応えを優先するようです。それに刺身も焼き肉と同じように、サムジャン(合わせ唐辛子味噌)やニンニクスライスを乗せてサンチュやケンニプ(エゴマの葉)で包んで食べますので、繊細な白身の味は分かりにくいでしょう。魚ではありませんが、活タコの刺身であるサン・ナクチ(関連記事)は、日本で言えば白魚の躍り食いに通じます。このような活きている物を食べるのが韓国の刺身であり、晴れの日の御馳走なんでしょうね。




■ 魚は余すところなく利用する

kanbutu6.jpg これは日本でも見習いたいことですが、魚の利用の仕方に無駄がありません。外で刺身を食べる場合、活魚の1尾買いになりますが、刺身のを取った後はアラもメウンタンと呼ばれる唐辛子の効いたスープで味わいます。日本ではアラ汁という別の一品になりますが、韓国では大抵刺身とアラ汁が同じ材料のセットになります。もちろん日本でも、タラなどは1尾買いして、身は料理に、アラは鍋にする地域もありますが、ほとんどの家庭では切り身か出来合いの刺身を購入することの方が多くなってますね。スーパーや魚市場から出る膨大なアラは大部分が廃棄物やフィッシュミールにされているのではないでしょうか。
 韓国の市場で驚いたのですが、数ある乾物の中にタラの頭だけの干物が山となって売られていました(関連記事)。日本語の分かるお店の方に伺うと、これはダシ用として売られているとのことでした。また、タラの胃袋はあの有名なチャンジャとして辛い和え物になります。全体食という言葉もありますが、可能な限り無駄を出さないように魚を食べ尽くすことはいつの時代でも尊重されるべき習慣だと思いますね。





■ 黒が好き

midodok5.jpg 韓国の市場や商店街を歩いていますと、日本よりビビッドなカラーがよく目に付きます。特にピンクやオレンジの文字が使われた看板が多いようです。確かに女性の服装にもその傾向があり、伝統的な衣装はともかく、現代の普段着は日本より鮮やかな彩りが多いように感じました。かと思うと黒も好きなようで、何か特別の意味があるようです。日本でも礼服は黒ですしね。
 衣装はともかく、魚市場の活魚水槽を覗いてみると、これまた、黒っぽい魚が多いのです。クロダイやクロソイにマハタやヒラメ、たまたま韓国沿岸で捕れ、刺身として人気のある魚が黒かったのかも知れませんが、養殖のマダイも黒っぽいのです。養殖のマダイは水面近くで育つのでどうしても日焼けしやすいのですが、日本ではシートをかけて天然魚のピンク色に近づけようと努力しています。日本人にとって鯛のピンクは特別な思いがあるからですが、韓国では無頓着というよりむしろ黒い魚を好んでいるようにすら感じました。日本ではご祝儀の席に黒い魚は嫌われますが、韓国ではどうなんでしょうね。

 




■ 肉と梨
bibimba9.jpg 今回の訪韓では肉料理を食べる回数が余り多くはありませんでした。ですが、骨付きカルビやユッケなどの壷は押さえておきました。焼き肉の味付けは、日本の韓国系レストランでも食べていましたので、あまり大きな違いを感じなかったのですが、甘味が何故か爽やかなのです。三温糖かキビ糖でも使ったようにスッとした甘味を感じました。慶尚南道の晋州市でユッケを食べた時(関連記事)、下に千切りの梨が敷いてあり、これと混ぜ合わせて食べるのですが、この梨の甘味が肉に良く合い、しかもスッキリしていました。もしかすると、肉の下味にも摺り下ろした梨を使うのかも知れません。またいつか、韓国を訪れる機会があれば、今度は肉料理を中心に食べ歩いて味付けの秘訣を見極めてみたいものです。






■ サンチュやケンニプで巻くのは一長一短
keburu11.jpg 韓国で肉料理や魚料理を食べると例外なく、山のようなサンチュとケンニプ(エゴマの葉)が出されます。これに唐辛子味噌であるサムジャンやニンニクスライスが日本の薬味のような感じで付いてきます。要するに焼き肉でも蒲焼きでも刺身でも、何でも葉っぱに包んで食べるのです。これは豚バラや牛カルビのような脂の多い肉を食べる時には脂のくどさを和らげてくれますし、栄養学的なバランスの面からも評価されます。また、葉菜類を同時に食べれば血糖値の上昇を抑えてくれたり、便秘になりにくいなどの効能もあります。
 しかし、何度も書いていますが、繊細な味わいを持つ白身の刺身までこの食べ方をしてしまいますと味が分からないのです。サンチュはともかくケンニプはかなり香りが強い葉っぱですし、サムジャンの濃い味とニンニクの香りが前面に出てどんな魚でも同じ味になってしまいます。
 まずまず、好みの問題もありますから、どっちが良いとかは申しませんが、ただ、上記の効能を考えると、日本でも肉料理の時にはこの葉菜類の手巻きを取り入れる価値がありますね。子供の頃から、こういう食べ方で野菜を大量に摂れば、偏食の大人も減るでしょう。






■ 麺類の嗜好性は日本と同じ

karubi15.jpg 韓国で麺類というと、どうしてもネンミョン(冷麺)を連想してしまいますね。ネンミョンは蕎麦粉を使うのですが、日本のように少量のつなぎで伸ばして細く切るという形には発展しないで、多めの澱粉を混ぜて、お湯に突き出すという製麺法になりました。それと、日本では蕎麦自体を味わうために少量のツユで食べるざるそばがありますが、このようなスタイルの麺料理はないみたいです。韓国の麺類はネンミョンだけではありませんでした。行ってみて驚いたのですが、小麦粉で打つうどんのようなカルグクスなんてのもありました。もちろん、日本から伝わったであろう蕎麦やうどんもあり、日本名がそのまま使われていることもあります。ただ、日本のラーメンのような中華麺は中国から伝わったのではなく、日本のインスタントラーメンがラミョンと呼ばれて普及しています。皆様もご存知のように農心の辛ラーメンは韓国のインスタントラーメンですね。ただ、生麺のラミョンはまだあまり認知されていないようでした。
 麺類つながりで、餃子ですが韓国にもありました。ただ、マンドゥ(饅頭)と呼んでいるところから、かなり古い時代に中国から伝わったものと思われます。日本にも饅頭という食べ物が伝わったのは遣隋使、遣唐使の時代ですが、その後、菓子としてだけ発達しました。日本の餃子は神戸や横浜の中国料理店からより、満州引揚者が現地の餃子を日本で再現したのが普及したらしいですね。






■ 韓国人もかなり飲兵衛
nezake13.jpg 今回の訪韓はショートステイでしたが、夜は大体お酒が入りました。地元の方々と席を共にすることもあり、お酒の話題も多かったです。伺った範囲では、韓国の方は日本人の晩酌のように日々、一定量を楽しむというより決めた日にとことん飲むことが多いとか。飲む時は夜通し飲むこともあるらしいですね。で、よく飲む酒は、マッコリではなく、ソジュ(焼酎)がメイン。それも韓国ではお湯割とか、水割りとかの習慣がなく、ストレートでやっつけるそうです。さすがに現代の韓国の方々には、25度のソジュのストレートは強すぎるようで近年、19.5度の物が主流となったそうです。日本でも売られているチャミスルなんかも19.5度ですよね。あの360ml瓶が韓国焼酎のスタンダードで、どこの料理屋さんでも、皆様あれを召し上がっていましたね。僅か360mlですから、どんどん空になり、あの小瓶がテーブルに立ち並ぶのです。
 もちろん、メクチュ(ビール)もありますが、爆弾酒(ウイスキーのビール割り)やソメッ(ソジュのメクチュ割り)が人気です。私も人のことは言えませんが、早く酔うことの方が優先されるようです。







■ 食わせ倒しが美徳
tonyonsaba7.jpg 今回の韓国滞在で驚かされたのは、前菜といいますか、メインの肉や魚の料理が出てくる前の料理の多さです。これはなんとサービスで、この多さがお店の評価にもつながるそうです。この前菜、韓国語でパンチャンと言いまして、日本人がそれをまともに食べたら、メインに影響が出ます。これは韓国人でも同じらしく、残すのが当たり前だそうです。提供する側ももちろん、それはわかっています。つまり、お客を食べ切れないくらいのご馳走で持て成すことが美徳だった時代の風習がまだ残っているようです。

  
   この毎日、残されるパンチャン、、、どうなるのでしょうか。当然ながら上記のように食べ物を無駄にしない韓国の方々ですから、再利用します。いわゆる使い回しですね。韓国で入ったあるお店では、我ら日本人が辛い惣菜にあまり手を付けないと見るやすぐに下げてしまいました。箸を付ける前の料理だったら、再利用も仕方がないかなと思うのですが、中にはそうではない物も多々あるはずです。食べ物を無駄にしない勿体無い精神は大切ですが、外食の場合は感染性疾病の媒体になる危険性があります。

  日本でも船場吉兆がこの使い回しと産地偽装で廃業に追い込まれたことはまだ記憶に新しいと思います。ただ韓国のパンチャンと決定的に違うのは、船場吉兆は客からお金を取って提供した料理を他のお客から再度お金を取って食べさせている点です。まだ儲けられるのに捨てるのは勿体無いということでしょう。韓国の場合は、メインの料金に含まれているのかも知れませんが、原則的には無料の提供です。でも、上記のように公衆衛生上の観点からもタダだから使い回しても良いということにはなりませんね。

  日本でこの使い回し問題が大きくなった2008年、韓国にも飛び火して、その実態をテレビ各局が相次いで放映し、独自の調査で80%の飲食店が行っていたことが明るみに出ました。これを受けて全国組織の韓国飲食業中央会が食べ残し再利用の撤廃を宣言するに至っています。さらに、翌年、韓国政府は厳しい処罰を盛り込んだ改正食品衛生法を施行し、使い回しの慣行廃絶を図っています。今回の訪韓でもテーブルに並びきれないほどのパンチャンを出す飲食店は多々見られ、その結果、法を遵守していれば、食べ残しは捨てられているはずです。この不合理をなくすためには、やはり、食べる側も食べ切れる量のパンチャンで満足する感覚を養う必要がありそうです。もしくは、バイキング形式の提供も良いのではないでしょうか。いずれにしましても、長い歴史の中で習慣化した韓国のパンチャン、そう簡単にはなくせないでしょうね。そして、この習慣がある限り、飲食店は使い回しの衝動との戦いを続けることになるはずです。


          

2009/03/20(金) 05:00 | trackback(0) | comment(2)

(19)韓式海苔巻キムパブ・・・具なし海苔巻もある

カテゴリー: 外食:その他

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 日本でもすっかりお馴染みになりましたキムパブは韓国式の海苔巻きです。キンパとかキンパブとか呼ばれることもありますが、ハングルをぴったり片仮名で表すのが難しいのでしょう。キムパブキムは海苔、パブはご飯ですので、直訳すると海苔ご飯になります。日本の海苔巻きと大変よく似ていますが、ご飯は酢飯ではなく、胡麻油と塩が混ぜ込んであり、海苔の表面にも胡麻油を塗って、白胡麻を振るなどの特徴があります。巻き込む具材も日本の現代太巻きと似たり寄ったりですが、鉄火巻きのような生の海鮮物を巻き込むことはありません。ただ、その起源については、日本の海苔巻きだとする説や韓国の伝統料理だとする説もあり、迂闊に口を挟まない方が良さそうです。^^


 
 





 起源はともかく、韓国ではキンパブの人気は日本以上かも知れません。専門店やコンビニ、市場の露天でも見かけます。
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 ソウルにはキンパブ専門店が何社もチェーン展開しており、カフェバーのような小洒落たお店もあります。左はチェーン店のキムパブ天国、右は市場でトッポギとともに売られているキムパブです。ただ、キムパブの味はよく知っていますので、今回は食べませんでした。と言いますか、その分のお腹の隙間が惜しかったのです。回数に限りある韓国での食事ですから、なるべく日本では食べられない物や珍しい物でお腹を満たしたかったのです。^^


 
 




 右はスーパーの総菜コーナーでチャプチェとともに売られていた少しラフなキンパブです。断面を見ると日本の太巻きより具の割合が多いかも知れません。
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 伝統的な寿司屋の太巻きはともかく、チーズやソーセージ、さらにはカニかまやツナなど、近年何でもありの具材を巻き込んでいるのは日本も韓国も同じようです。

 




 ちょっとこれを見て下さい。これは、釜山から晋州に向かう途中のサービスエリアで見かけたレストランのサンプルです。
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 一見、日本の食堂かと思ってしまうほどメニューが似ています。トンカツやエビフライ、オムライスにハンバーグ、うどんやにぎり寿司までありますね。最下段の中央にミニチュアサイズの海苔巻きが見えますね。これが慶尚南道で発祥した忠武キンパブです。

 




 
 忠武キンパブは、以前忠武と呼ばれた統営市周辺のキンパブで中に具が入っておらず、一口サイズなのが特徴です。
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 現在はこのサンプルのように太巻きキンパブと並んで出ていますし、ソウルでもこの忠武キンパブが食べられます。

 





 このような形でキムチやイカの辛子和えとともに供されます。
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 俵形のご飯とおかずが詰められた正統な幕の内弁当とも趣が似ていますね。ご飯を食べやすくしたところに共通の意味合いがあるのではないでしょうか。

 




 日本よりブレークしている韓国の海苔巻き=キンパブ。日本でも節分の恵方巻きで太巻きが現代の食卓に定着した感もありますが、所詮、年に一度です。ところが、韓国ではチェーン店が何社もあるほど普及して、年中、食べられております。これは日本のおにぎりに匹敵するのかも知れません。ただ、不思議なのは中国人も韓国人も冷めたご飯を食べることを大変嫌ってきた民族ですが、このキンパブ人気はどう理解したらよいのでしょう。もし、キムパブが韓国独自の食べ物だととしたら、この辺の矛盾にどう説明がなされるのか知りたくなりました。





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2009/03/19(木) 05:00 | trackback(0) | comment(2)

(18)寝酒にこっそりマッコリ・・・コンビニで買える酒肴

カテゴリー: 未分類

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 シリーズ韓国聞録も終わりに近づいてます。どん欲に外食を続け来ましたが、毎晩、酒盛りだったわけではありません。夕食後に部屋で洗濯をしたり、入手した情報の整理なども行っています。そんな日ぐらいは休肝日にすれば良いものの、飲兵衛の性で一段落すると、ホテル近くのコンビニへと酒肴の調達に行ってしまうのです。^^

 
 ところで、この写真の真ん中に写っているペットボトルは17茶というお茶です。日本十六茶(アサヒ飲料)なら、それの上を行く17だという対抗意識が露骨に見えていて、大変、微笑ましく感じました。^^  因みにお値段は日本とほぼ同じく約150円。右のマッコルリ缶はたったの80円でした。


 

 



 寝酒買い出しも兼ねて、少し夜のソウルを歩いています。ここはソウルでも若者に人気の明洞(ミョンドン)です。
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 耳を澄ましていると、必ず、日本語が聞こえてきます。日本語の看板も所々に見えますよ。


 




 この光景なんか、東京の新大久保ではないかと思ってしまいますよね。^^
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 完全に日本人観光客をターゲットとした経営をされています。韓流スターブーム以来、日本のマダム達がここ明洞でどれだけお金を使ったことでしょう。

 






 日本人に人気の焼肉店ジョン(卵の付け焼き=韓式ピカタ)の専門店もあります。
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看板の色使いが日本より少しビビッドな印象を受けますね。

 





 路地には韓流スター関連グッズを販売する露店がありまして、これまた日本の女性が群がっておりました
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 情けないことに、韓流スターと言ってもヨン様とチェ・ホンマン選手くらいしかわかりません。

 





 さてさて、今晩の酒肴は、こんな物を仕入れてきました。
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 お酒はペットボトルのマッコルリ720mlです。コンビニで普通に売ってます。韓国にもファミリーマート、セブンイレブン、ミニストップ等があり、商品構成やシステムが日本とあまり変わりがありませんので、安心して買い物が出来ます。

 





 つまみは味付きの韓国海苔とコルベンイの缶詰です。
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このマッコルリは真っ白で微炭酸、実に爽やかで飲みやすい。あまりドロッとしておらず、ほんのりとした甘さで後を引きます。度数も8度くらいですからボトル空けても大丈夫。^^ 胡麻油の香り高い味付き韓国海苔は日本でもすっかり有名になりましたが、このように酒の肴にさっと食べられるので便利です。


 





 ところで、コルベンイとは日本で言うツメタガイのことです。サーフィンをやるような砂浜で見られる肉食性の巻き貝ですね(参考記事)。
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日本ではあまり食用にされていませんが、韓国では料理に使ったり、このような缶詰に加工されます。食感はいわゆるツブと同じですが、味付けは日本のアカガイ(実はサルボウ)の缶詰のような甘塩っぱい醤油味です。辛味は加えておりません。


 





 ちなみに左がソウルで一番メジャーなマッコルリ長壽です。右はやや茶色がかったマッコルリ
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どちらも微炭酸を感じます。日本で売っているマッコルリのボトルやカートンはこのような炭酸を感じません。長期保存用に加熱して発酵を止めたのでしょうか。それだったら、韓国だって同じことですよね。サラッとして微炭酸が爽やかなマッコルリは日本では飲めないのでしょうか。

 





 実は韓国ではマッコルリはメジャーではありません。日頃、韓国の方が飲んでいるのはソジュ(焼酎)です。
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日本でも有名なチャミスルなどの加工焼酎ですね。容量360ml、度数は19.5度でそのまま飲めます。と言いますか、韓国では基本的に焼酎を薄めて飲む習慣がないようです。25度では現代の人間には強すぎるので、近年、19.5度に下げた焼酎が人気のようです。このチャミスルはなにか焼酎だけの味ではないなと思って、帰国してからやまやさんで日本語表記のあるチャミスルを買ってきました。やはり、甘味料などが添加されており、日本ではリキュール類となってしまうのですね。

 





 韓国で一番人気のメクチュ(ビール)は、このハイト。
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 軽くて、スムーズです。アシアナのスッチーさんもご推奨でした。酒豪の多い韓国では、ビールでは酔えないので、ウイスキーなどの度数の高い酒と合わせて飲むそうです。^^


 





 これはソウルのホテルから眺めた夜景。と言っても目の前のマンションしか写りません。^^
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 韓国はマンション、アパート文化の国。マイホーム=一戸建ての日本とは違います。郊外にも高層マンションが林立している光景を随所で見かけました。ところで、写真のビルの谷間にポチッと写っているのが、南山山頂のソウルタワーです。八木山のテレビ塔みたいですね。


 





 一仕事終えて、風呂上がりに呑むマッコルリソジュは旅の疲れを癒してくれます。テレビを見ながら、眠気が襲ってくるのを待つのです。ところで、韓国のテレビも実にチャンネル数が多く、選局に悩みます。日本の状況はNHKが入りますのでニュースは毎晩チェックしていました。FTVという一日中、釣り番組だけを流している局もあり、これはずいぶん楽しめましたね。磯釣りは日本の近代的なスタイルがそっくり輸入されているようで、音声を消すと日本の釣り番組にしか見えませんでした。韓国らしかった釣りはフナ釣りでした。ヘラブナではなくマブナ釣りで何本かの竿を並べて、昼夜問わず待ち続けるのです。韓国には日本の鯛焼きそっくりのフナ焼きという物もあり、フナへの愛着は日本以上と感じました。






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2009/03/18(水) 05:00 | trackback(0) | comment(0)

(17)最後の夜はやっぱり焼き肉・・・骨付カルビと冷麺

カテゴリー: 外食:焼鳥焼肉・ホルモン

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 韓国
に来て以来、参鶏湯を食べた以外は、ほとんどが海鮮料理韓定食でした。韓国食文化のもう一つの基軸はなんと言っても焼き肉でしょう。これを食べずして帰国したら、鳴子に行って温泉に入らないで帰ってくるようなものです。違うか^^。ソウル最後の夜は本場のカルビ冷麺を食べに街へ繰り出しました。


 






 韓国の方に紹介されたお店は日本語が通じる金剛山というお店でした。
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 一大繁華街、明洞での夕食を期待していたのですが、このお店はソウルタワーのある南山をトンネルで越え、漢河(ハンガン)に近い裏町のような所にありました。日本人のツアーの場合、大概、このお店が組み込まれているそうです。それもちょっと不安・・・。


 ところで、金剛山(クムガンサン)とは、軍事境界線に近い北朝鮮の山岳地帯のことで美しい景観が有名です。古くから観光地として知られ、南北分断後も韓国からの観光を受け入れてきました。しかし、2008年7月に韓国人女性観光客が立入禁止区域に入ったため北朝鮮兵士に射殺されるという事件が起きて以来、観光再開の目処は立っていません。


 






 ショーケースのサンプルや入り口近くの坪庭風のあしらいなど日本と共通するものがあります。
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と言いますか、日本人客を意識してのことかも知れませんね。でも坪庭の造りをよく見ると中国風なところもあります。

 






 メニューにも日本語が併記してあります。読みづらくて申し訳ありません。
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 カルビが2000~2400円、ビールが480円、韓国としては決して安くはありません。これはたぶん、日本人観光客向けの価格設定ではないでしょうか。でも、冷麺が560円なのは嬉しいですね。

 






 例外なくパンチャンがテーブルを埋めます。炭火は練炭のようですね。
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 付けダレはヤンニョムと薄い醤油のようなものの2種類。もちろんサンチュは必須です。


 






 パンチャンのレギュラーメンバーである白菜のキムチとナムル。
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キノコのナムルが意外な美味しさ。これをレモン風味しても合いそうですね。

 






 パンチャンに手を付ける間もなく、岩のような骨付きカルビが登場しました。
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 揉みダレに漬け込んだ骨付きカルビは握り拳ほどあります。日本では日頃、薄っぺらいカルビしか食べていないので一同大喜び。一人当たり握り拳が2個食べられました。
 


 





 ほどなく店員さんが来て、骨の周りに巻き付けたを巻物のように紐解き、鋏で一口大に切り分けます。
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 漬け込み前に骨の周りの肉を切り広げて、切り込みを入れてあるのです。このパフォーマンスも美味しさのうちです。それにしても日本語がやたら上手。まるで日本の焼き肉屋さんにいる錯覚を起こします。^^


 





 切り分けられてしまうと普通のカルビなってしまって、ちょっと淋しいのです。
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 この肋骨にへばりついた肉を囓り取るのもあとのお楽しみ。


 





 とりあえず韓式作法に則って、サンチュに包んで頂きます。
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 でも、こんな立派なカルビは純粋にカルビだけを味わいので、後はサンチュと交互に食べていきました。^^


 






 カルビの後はお楽しみの水冷麺(ムルレンミョン)です。それにしてもずいぶんラフな盛り付けですね。^^ 茹で卵もひっくり返っています。
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 ご承知のように、これは平壌冷麺(ピョンヤンネンミョン)ですね。細い麺を牛の冷たいスープで食べるヌルレンミョン(水冷麺)です。一方、同じ北朝鮮でも咸興冷麺(ハムフンネンミョン)は辛い醤と麺を混ぜて食べるビビンネンミョン(混ぜ冷麺)が有名です。ちなみに岩手の盛岡冷麺は咸興の麺を平壌式に水冷麺で食べる感じですね。


 





 驚いたことに韓国ではこのように溶き芥子や酢を混ぜながら食べるそうです。
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 溶き芥子はともかく、酢を加えたら別の麺料理になってしまうのではないでしょうか。しかし、本場ではこれが常識なのでしょうか。まさか、冷やし中華好きの日本人向けに芥子や酢を出しているのではないでしょうね。









 それにしてもこの麺、素麺くらいの細さです。ソウルでも一番細いと言われているそうです。
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 細くて弾力も弱く食べやすいのですが、やはり冷麺はあの食感がないと物足りません。


 

 



 今回は無難に日本語が通じるお店を選びましたが、お客さんも日本人ばかりで異国情緒に欠けるのが残念でした。勇気を持って地元の方に人気のお店にトライするのもよい経験になりますね。金剛山さんの骨付きカルビは柔らかく付けダレの味もよく染みて大変美味しく頂きました。また、極細冷麺も日本では見られないので勉強になりました。もう少し日数があれば、焼き肉屋さんも何軒か回ってみたかったのですが、韓国最後の夜は更けていくのでした。







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2009/03/17(火) 05:00 | trackback(0) | comment(0)