【メカブ料理シリーズ】 その③ 三陸ビビンバ

カテゴリー: 料理:海藻

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メカブ料理シリーズの最終回です。新潟に五郎という人気の居酒屋がありますが、こちらのメニューの五郎めしというのがあります。丼めしに納豆、明太子、塩辛、梅肉などのご飯の友を何種類も乗せた物ですが、これの三陸バージョンを考案し、料理教室でもご紹介してきました(関連記事)。三陸と言えば、やはり、メカブ銀鮭は外せません。メカブ料理の最後は三陸ビビンバ(混ぜめし)で締め括ります。^^


 まずメカブの下拵えですが、ヒダの中までよく洗ったメカブは芯から切り離します。
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 その後すぐに切らないで、キッチンパーパーで水気をよく拭き取り、少し乾燥させてから切りますと滑らずに安全です。千切りにした生メカブは熱湯をかけると鮮やかな緑になりねばりも出てきます。これに煮切り酒と薄口醤油で味を付けておきます。


 丼めしに乗せます材料はメカブの他に焼いてほぐしたギンザケ、イカ刺、イクラ、長葱、甘酢生姜、白胡麻です。
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 最近、スルメイカが不漁で手に入りにくくなりましたが、刺身コーナーには他のイカの刺身は並んでいます。


 ご飯の上に甘酢生姜と白胡麻を散らし、中央にメカブを盛り、さらにその上にギンザケとイカ刺を太極に盛り付けます。
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 最後にイクラと長葱の細々を振りかけて完成です。なかなか豪華ですよね。


 豪華な丼もこうやって混ぜ合わせてスプーンで頂きます。
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 あくまでもビビンバ(混ぜめし)ですので、これが正しい作法なのです。^^


 以前このような混ぜめしの記事を書いた時、様々なご意見を頂きました。どうしても日本の食習慣からしますと下品に感じてしまうようです。これがちらし寿司ばら寿司なら確かにそうですが、トロロめし納豆めしの豪華版だと思えばさほど抵抗はないと思うのですが。

 子供の頃、関西に引っ越した時、喫茶店でカレーライスに生卵を落とし、ソースもかけて全体をぐちゃぐちゃに混ぜてから食べる人を見た時の方が、相当、ショックでした。関西ではカレーライスは混ぜてから食べる物、最初から混ぜて出てくるカレー屋さんもありました。食習慣は狭い日本でも決して均一ではないのです。なんだか、メカブ料理の〆が混ぜめし論になっちまったなぁ。^^
2017/03/27(月) 05:00 | trackback(0) | comment(0)

【メカブ料理シリーズ】 その② 中華風メカブ飯二品

カテゴリー: 料理:海藻

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 メカブも名残の節となった来ましたが、生メカブが手に入るうちはメカブ料理を堪能しましょう。前記事に引き続き、今回はメカブを使った中華のご飯物をご紹介致します。


 主な食材は洗って3cm角に切ったメカブと卵、海老、長葱です。これで二人前です。
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 調味料は胡麻油、ニンニク、塩胡椒、五香粉になります。これらに魚醤かオイスターソースが加わりますとさらに旨味が増します。

 
 最初に胡麻油で粗めのスクランブルエッグを作って取り出しておきます。
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 完全には火を通さなくて結構です。後から再度、炒め合わせますので。


 もう一度、胡麻油とニンニクでメカブ、海老、長葱を炒め合わせます。
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 ここに卵を戻し、調味料で味付けして、さっと炒めれば出来上がりです。オーバーライスにしますので、味付けは少し濃いめにしておきましょう。


 ご飯に乗せて出来上がりです。
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 混ぜながら食べ進みますと異なる食感と味が波状攻撃のように口に広がります。^^


 一方、こちらはオーバーライスではなく、炒飯にしています。
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 こちらは海老ではなく、ハムを使っています。調味料は炒め物と同じです。


 これもまた、春らしい色合いの炒飯となりました。
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 メカブの粘りがご飯に味をしっかり付けてくれています。


 これらにはメカブのスープを添えたいですね。
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 鶏ガラスープにメカブの千切りと豆腐を入れただけの手抜きですが、ほんのりととろみが付いて優しい味のスープとなりました。


 同じメカブの炒め物でもオーバーライスにするか、炒飯にするかでガラッと変わった料理になります。メカブは和の食材ですが、中華にもよくフィットしてくれます。これを洋食にどう取り合わせていくかを考えると楽しくなります。糸を引く粘りを嫌う欧米人にどう食べさせるか挑戦し甲斐がありそうです。^^
2017/03/24(金) 05:00 | trackback(0) | comment(0)

【メカブ料理シリーズ】 その① 中華風スープ

カテゴリー: 料理:海藻

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 みちのくでも日に日にに近付いているのを感じます。養殖ワカメも間もなく終盤を迎えます。新鮮な生のメカブも程なく店頭から姿を消すでしょう。名残のメカブをしっかりと味わっておきましょう。三記事連続でメカブの料理をご紹介致し参ります。今回はメカブを使ったスープです。


 材料は実にシンプル。メカブの他は卵と鶏の胸肉だけです。これで二人前の材料です。
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 味付けは塩胡椒と中華の旨味調味料です。ただ、この旨味調味料だけで味付けをしますと、インスタントラーメンのスープになりますので、少しで結構ですから鶏肉または鶏皮を、もし時間があれば鶏手羽を煮込んでスープを取って下さい。


 メカブはよく洗い、少し乾かして千切りにしておきます。
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 卵は溶いて、胸肉は粗い微塵切りにしておきます。この鶏肉はダシを取る目的ですので、煮出してしまうのですが、キウイの絞り汁や酒粕などで揉み込んでおけば、煮出した後もあまり硬くなりません。


 400mlのお湯に鶏肉を入れ、旨味が出た頃に塩と旨味調味料を加えます。
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 これだけでインスタントラーメンのスープが本格中華に近付きます。^^


 味を調えたスープにメカブを加えます。
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 メカブが多い場合は自然にスープにとろみが付きますが、サラサラの場合は少し水溶き片栗粉を加えて下さい。とろみがあった方が次の掻き玉がふんわりします。


 スープを掻き回して、回っているうちに溶いた卵を箸で細く流し入れます。
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 一か所で卵が固まらないように同じところに長く注ぎ入れないのがコツですね。


 器にそそぎ、胡椒を振って完成です。
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 メカブの緑と卵の黄色で春らしいスープとなりました。


 メカブの粘り成分はアルギン酸も関与していますが、昨今、話題のフコイダンが多く含まれます。メカブを薬のように見立てるのは意に反するところですが、フコイダンの効能はかなり注目されています。血中でのコレステロールや血糖値の上昇を抑えたり、抗菌作用やピロリ菌の排除にも役立つとも言われています。しかしまあ、メカブは美味しいから季節に食べるのであって、四季折々、様々な新鮮な食材を満遍なく食べていくのが健康の一番の秘訣ですね。
2017/03/21(火) 05:00 | trackback(0) | comment(0)

春の海の隠れた旬味・・・生ヒジキ

カテゴリー: 料理:海藻

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 これを見て下さい。これがヒジキだと言っても信じてもらえないでしょうね。普段、購入するヒジキは真っ黒いマッチ棒のような乾物ですからね。海に生えている時は褐藻類特有の黄褐色です。この生ヒジキは流通に乗ることはまずありません。これを茹でて乾すことにより保存性と輸送性が高まり、付加価値が付き、収入が上がるので浜で加工されてしまうのが現状です。


 この生ヒジキは、今年の春、宮城県漁協の志津川支所(戸倉出張所)から提供を受け、料理教室日本酒を楽しむ会などで試しに使ってみたところ、大絶賛でした。これは春の旬味として、時期限定の山菜のように商品化できると実感しました。




 まずはその容姿をご覧下さい。ホンダワラ科なので主軸から枝が分かれます。
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 穂先は細かく枝分かれしていて、この周辺が軸元より柔らかく感じます。




 最初にお湯で1分ほど湯がきます。すると、見る見る鮮やかな緑色に変化していきます。
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 黄色い色素であるキサントフィルが熱で分解し、緑のクロロフィルだけが残ります。これもさらに茹で過ぎますとくすんだ色になってしまいます。




 茹で上がったら、直ちに流水で熱を取り、色止めします。
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 この鮮やかな緑も美味しさのうちですからね。



 穂先の部分と軸元とに切り分けてみました。硬さが違うので適する料理法も異なると睨んだからです。
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 手前が穂先部分で後方が軸元なのですが、よくわかりませんね。^^



 まずはダイレクトに穂先を葱ポン酢で食べてみます。
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 乾燥ヒジキとは全く異なる食感と味わいです。ボクボクとした野性的な歯応えでありながら、優しい甘味も感じます。これは病み付きになる海藻です。




 これは穂先を春キャベツと浅漬けにしてみました。彩にパプリカも。
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 春キャベツと対照的な生ヒジキの食感が楽しい浅漬けです。春の息吹を感じましょう。




 こちらは穂先のシーチキンマヨ和えです。
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 練り山葵も加えてピリッとした刺激も加えています。こんなこってり味にも充分勝てる食材です。




 これは生ヒジキの軸元の金平です。
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 胡麻油にラー油を加えて炒め合わせています。これは保存性もある定番お惣菜ですね。




 定番の煮物。ボリュームを出すために豚肉、油揚げ、茹で大豆も加えています。
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 乾物と違ってヒジキの歯応えが存在感を高めます。酒の肴にもご飯にもよく合います。




 こちらは料理教室七ツ森の浅野先生の作品です。
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 彩り豊かな煮物ですね。食べやすく少し短めに切ってあります。




 これは、m-tableのひゃくさんのオリジナル、生ヒジキの炒めナムル。茹でた生ヒジキを炒めてからカクテキ(キムチ)の素で調味しました
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  画像を頂きました。これは食べてみたいですね。さっそく作ってみましょう。




 生ヒジキは乾物と違って保存性は高くありません。多く入手して食べ切れない時は乾しヒジキも作ってみましょう。
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 3分くらい茹でた生ヒジキを晴れた日に乾し上げます。




 春の日差しですが、夕方までに九割方乾し上がりました。
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 後は室内のエアコンの前で完成させました。これはジップロックに収容して冷凍庫にしましました。まだ、料理していませんが、これは市販の乾燥ヒジキと同じでしょう。

 ところが、、、後日、水で戻して煮物にしてみたら、市販の乾燥ヒジキよりはるかに硬い。れれっと思って、いろいろ調べてみましたら、市販のヒジキは茹で時間が3分どころか、緑色が消え去り、真っ黒になるまで煮込んでいるそうです。そこまで煮込んであの柔らかさが出るのですね。勉強になりました。




 春の海の隠れた旬味、生ヒジキをご紹介しましたが、どうやったら手に入るのかと突っ込まれそうです。そこが問題なのです。漁家としては、乾燥ヒジキにして付加価値を付けた方が収入も多くなるので、このような保存性のない生海藻を販売してくれるでしょうか。。。


 でも、ワカメしゃぶしゃぶがブームになり、茶色い生ワカメもスーパーで見かけるようになりました。生ヒジキもブームにして、消費者側からの要望が大きくなれば、扱うお店も出てくることでしょう。生産者への説得と消費者への普及の両面からアクションを起こしてみたいと思います。

2015/04/22(水) 05:00 | trackback(0) | comment(4)

若布スープとホタテご飯を1時間以内に作る

カテゴリー: 料理:海藻

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 近年、時短料理というジャンルが定着してきたようです。紹介されているテクニックの中にはなるほどと日常の料理にも使えそうな技もありますが、多くは電子レンジの多用やスチームケースの宣伝としか思えないようなサイトもありますね。酷いのは添加物だらけの半調理品の応用へ導く時短サイト。料理は手間暇かけてもありますが、それは現代の日常では無理があります。でも、その調理工程をしっかり把握すれば、同じ作業をまとめたり、放置できる作業の間に別の仕事をやったりすれば、かなり短縮できるものです。今回は本格的な若布スープホタテご飯を1時間以内に作ってみます。慣れれば45分かな。^^




 まず、放置できるのは煮る蒸すの作業ですので、まずは若布スープのダシから取りましょう。
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 市販の鶏がらスープの素は便利ですが、これに追い鶏をしますと本格的な美味しさになります。スープの素は規定の量の半分にします。これを人数×1.5カップの水で溶いて火にかけ、鶏手羽人数分と長葱の青いところや生姜の皮を加えて、アクと脂を時々すくい、手羽の身がほぐれるまで30分程煮込みます。




 その間にホタテご飯を仕掛けてしまいましょう。今回は生ホタテが安かったので使いますが、冷凍貝柱でも結構です。
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 醤油、日本酒、水を等量で合わせた煮汁に縦に刻んだ貝柱と微塵切りのヒモや卵巣などをサッと煮込みます。この時、貝柱は擂り粉木などで潰して、旨味を煮汁に移しましょう。ホタテが硬くならないように短時間で作業します。




 ホタテの煮汁と具をザルで分けて、その煮汁を水で割ってご飯を炊きます。
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 調味は吸物より薄めにします。今日の献立はスープからも塩分が入りますので、塩味を加減します。




 さて、ご飯を炊き始めたら、スープの続きです。若布を水で戻し、白髪葱を作っておきます。
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 手羽が柔らかくなりましたら、水で冷やして骨を抜きます。スープには塩と胡椒で味を調え、おろしニンニクと胡麻油で風味を付けます。




 食べる直前に若布を加え、器によそってから白髪葱を盛ります。
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 お好みで白胡麻を揉み潰しながら振り掛けても良いでしょう。ご飯がまだ炊けていない場合はこの作業はそれまで待ちましょう。




 続いて、スープが冷めないうちにホタテご飯を仕上げます。
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 炊き上がったご飯にとっておいたホタテの肉を混ぜ合わせ数分蒸らせば完成です。この数分の間にスープを完成させても良いでしょう。




 お茶碗に盛り付けたら、刻み海苔をパラリ。
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天盛りも好みで三つ葉にしたり芹にしたり、色々、試してみましょう。




 これで1時間以内に2品は楽にできるはずです。ご飯が炊ける合間に青菜のお浸しを作れば、栄養学的には問題なしでしょう。時間にゆとりのない現代、ともすると家庭でもファストフードコンビニ弁当も利用することはあるでしょう。でも、原材料の表示を見て下さい。家族に食べさせたことを後悔するはずです。その時、負い目があればよいのです。それを償うためにゆとりがある時には素材からの料理を作ってあげましょうね。^^

2014/06/30(月) 05:00 | trackback(0) | comment(0)