ミンク鯨の粕味噌漬け焼き
カテゴリー: 料理:鯨類
金曜の夜、雪の中を3時間走って帰ってきました。近所のスーパーをパトロールしますと、ほとんどお客もいない。時間も遅いのですが、道路はツルンツルンですからね。案の定、残り物も少ない。お店側もちゃんと客入りを予測しています。 と、鮮魚コーナーに破格値のミンク鯨を発見。しかも、刺身用です。2回もプライスダウンした形跡があり、元値の半値となってました。当然、速攻で買い占めました。^^
南氷洋の調査捕鯨の産物ですから、正確にはクロミンククジラでしょう。ミンク鯨はヒゲクジラの中でも小型種で7m前後にしかなりません。資源的には持続的利用が可能なほど回復しているのですが、商業捕鯨のモラトリアムは依然と続いております。科学的議論が通用しないのがIWC(国際捕鯨委員会)本会議です。
まずは、刺身で頂きましょう。
ヒゲクジラの仲間は臭みもないので、ニンニクでは強すぎます。私はおろし生姜とオニオンスライスで食べるのが合っていると思います。
解凍ですが、透明感も残っています。筋も少なく良い赤身です。
運転疲れと寒さをお湯割りで癒しながら、久々のミンク鯨を味わいます。ミンク鯨のミンクって、あの毛皮のミンクMinkとは関係なくて、人の名前に由来するんです。英語ではミンキーMinkeって発音しますし。
残りの2パックは柚子風味の粕味噌漬けにします。
酒粕に味噌、塩麹、おろし柚子皮を混ぜ、味醂で溶いて、漬け床を作ります。酒粕は気仙沼の角星(金紋両国)の新物です。また、酒粕と味噌を合わせてしまいましたが、次の記事では藻塩と合わせますからね。^^
漬け床というより、塗り味噌程度にしてビニールバッグに収容します。
鯨の肉は強いので、粕味噌は後で拭き取れますからガーゼは使いません。これを冷蔵庫で2日ほど寝かせます。
粕味噌を軽く拭き取って、フライパンで加熱します。
クッキングシートを使えば、油は要りません。クジラは加熱しすぎたら台無しです。慎重に周囲だけを加熱しています。
良い具合に焼けました。ミンク鯨の粕味噌漬け焼きの完成です。
付け合せは人参しりしり、千切りレタスと紫キャベツ、藻塩味の半熟卵、茹で韮の豆腐ソースです。豆腐ソースは以前紹介しました粕味噌漬け豆腐を豆乳で擂り伸ばしたものです。
中心部はミディアムレア、周りはミディアム位になってます。鰹のたたきを少し進めた状態です。
柚子の風味がほんのりして、味噌の強さを酒粕がふんわりと和らげています。ミンクも箸で千切れるくらいの柔らかさを残しています。
降った雪が残るシーズンの夜のスーパーは意外なお宝に出会えるものです。土日には客足も伸びるでしょうから、平日の生鮮商品は残したくないのかも知れません。ともあれ、見切り品のパトロールは楽しいものです。^^
ミンク鯨の調査捕鯨は仙台湾でも行われています。お腹の中からは大量のイサダ(オキアミ)やコウナゴが出てきおり、ミンクが増えすぎますと漁業へも影響します。自国の排他的経済水域内の鯨資源を科学的な調査に基づいて持続的利用することになんの問題があるのでしょうかねぇ。