大型ヒラメが釣れてしまった。。。
カテゴリー: 料理:釣り魚

前夜が飲み会だったので、全く予定していなかったのですが、起きてみると、あまりにも良い天気。しかも煙突の煙がまっすぐ上に登っています。こんな絶好の釣り日和の週末なんて年に何度もありません。少し酒も残っていましたが、いざ出陣。
穏やかな海の上は実に気持ち好いのですが、沖でヒラメを狙ってみたものの、ウンともスンとも反応なし。まあ、今日は突発の釣航だし、海でリフレッシュできただけでも良しとしましょう。帰り際に松島湾内でイシモチを試してみました。毎年、この時期から大群が湾内に入ってくるのです。ところが、仕掛けを投入すると、最初から根掛かり。。。(><)と思ったら、少しずつ上がってきます。さらに、ゴンゴンとトルクフルな引き込み。
10分あまりの格闘の果てに揚がってきたのは全長66cm、体重3.0Kgの大型ヒラメでした。

細いラインに華奢な仕掛けだったのでハラハラドキドキの10分でしたが、自己ベストを6cm更新することが出来ました。大震災以来、仙台湾のヒラメは増えているとはいえ、こんな内湾まででかいヒラメが入ってくるのですから、マハゼも相当食べられているでしょうね。今年のハゼ釣りシーズンが心配です。
さて、このヒラメを捌いていくのですが、これまたちょっとした格闘になりそうです。

それにしても凄い口です。この口をガバッと開いて瞬時にカタクチイワシなどの小魚を襲うのですから、松島湾内のハゼも災難です。
シンクの中で水を垂らしながら、鱗を引き、そのまま5枚におろしていきます。


若干、腰が曲がりキツイですが、まな板もトップもを汚さずに仕事が進みます。
この個体は雄でした。産卵を7月に控え、精巣も発達を始めたようです。


胃袋や中落ちも無駄にはしません。内臓はカマなどと煮付けに。中落ちではスープを取る予定です。
それにしてもとてつもない肉量、刺身だけでは食べ切れません。

ムニエルやフライなどでも頂きましょう。
刺身は翌日以降に旨味が出るのですが、待ちきれず味見を。。。

真ん中は縁側です。脂の乗った独特の食感が堪りません。
アラと内臓の煮付けは粉山椒で頂きます。

白子も口の中で溶けて鱈キクのよう。酒の肴にぴったりです。魚を釣るとこういう副産物が手に入るのが嬉しいですね。
これも楽しみの1つ。刺身の胡麻醤油漬けです。

するとすっかり染みて鼈甲色になります。

これに中落ちで取った熱々のスープをかけて、ヒラメの胡麻茶漬けが絶品なのです。それにしてもまだまだ食べ切れません。嬉しい悲鳴です。
東日本大震災以来、仙台湾のヒラメやホシガレイが著しく増加しています。ヒラメは震災の前年に卓越年級の発生があったこともありますが、ホシガレイまで連動するように増加しているのは、やはり一時期の漁獲努力量の減少が効いているのでしょう。宮城ではすでに底びき網を含めた漁業は再開していますが、福島県ではまだ試験操業の段階であることも底魚資源の持続的な増大と関係があるのでしょう。
仙台湾には明治期になって底びき網の祖先である三河打瀬船が伝わってきますが、それまでは手付かずの状態であったのでヒラメやカレイなどの底魚類が溢れるように漁獲され、塩竈を中心とする魚市場は賑わったそうです。それらの保存食として笹蒲鉾が考案されたと言われています。リバイバルでスケトウすり身を使わない仙台湾のヒラメだけで作った笹蒲鉾を食べてみたいですね。