自家製ずいき(芋茎)の甘酢漬け

カテゴリー: 料理:野菜・果物

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 これは何でしょう。干し草のように見えますが、確かに干し草であるであることには間違いありません。でも、これは食用です。仙台雑煮にも入ったりするずいき(芋茎)を作ってみました。初めてのことなので、果たしてまともに食べることができるでしょうか。。。



 10月中旬、里芋を収穫した際に副産物として芋の茎も手に入りました。
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 ただ、この里芋は土垂(どたれ)という品種で、本来、ずいきには茎の赤いやつがしらが使われるそうなんですが、駄目元で乾してみることにしました。


 筋が硬いから取るように何かに描いてあったのを思い出し、作業を進めるとアクで指先が褐色になりました。
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 これはアク抜きをしっかりしないと食べられないなと不安がよぎります。



 一カ月ほどして乾し上がったのが、冒頭の写真です。一部を水で戻して食料となるかチェックします。
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 茎元は太くいつまでも乾かなかったので、途中で縦に割きました。さらに、少しでも柔らかくなるように何回か揉んでいます。



 太さはバラバラですが、水で戻すとかなり柔らかくなってきたので一安心。
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 ただ茎の先端の方はかなり筋っぽい感じです。本当に食べられるのだろうか。



 とくかく、アクが凄そうなので、5~6cmに切ってから食酢を加えたお湯で炊いてみます。
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 塩を入れて煮ると書かれたサイトもありましたが、今回は食酢だけでやっています。



 10分ほど炊きますとふっくらと膨れ上がり、なんだか美味しそう。
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 心配した茎の先の方もかなり柔らかくなっています。



 これを一旦、流水で洗い流します。試しに食べてみましたが、ほとんどアクを感じません。
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 この茹でと洗い流しをもう一度繰り返したのですが、2回目には茎元の柔らかい部分が崩れ始めましたので、茹で時間を短くしました。



 水気を絞って、甘酢に漬け込むのですが、刻み茗荷を漬けた調味酢があったので、これに酢と砂糖を加えて使うことに。
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 やつがしらずいきのように赤みがないので、これで少し色付けできるかなとの期待もあります。



 1日漬け込んで、自家製ずいき甘酢漬けの完成です。
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 う~ん、アク抜きは成功していますが、また、少し筋っぽいかな。柔らかめのフキみたいな感じです。でも、正月の雑煮には十分使えますね。



 今年、久しぶりに栽培した里芋ですが、葉茎が子供の傘のように大きくなった割には、の収量が今一でした。農家の方に聞いてみると、これは、いわゆる草ボケ現象で、窒素が多いことにより葉茎に栄養が行き過ぎて、の収量を減らしたとのことでした。魚貝類の飼育も奥が深いですが、野菜の栽培も自己流ではなく、修業が必要ですね。もう少し、施肥の計画を勉強してみます。


2016/12/05(月) 05:00 | trackback(0) | comment(0)

里芋の収穫で二話 その②

カテゴリー: 料理:野菜・果物

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 芋酒ってご存知でしょうか。まあ、端的に言えば、山芋を練り込んだ日本酒なのですが、何やら精が付きそうな代物ですね。以前から気にはなっていたのですが、なかなか味わう機会もなく何年も記憶の片隅に仕舞っておりました。

 あれ、里芋の話題だったのに、山芋になっている。。。いえいえ、里芋も後から登場するのですよ。



 鬼平ファンなら芋酒のことを覚えている方も多いでしょう。
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 この芋酒は鬼平犯科帳シリーズの「兇賊」に登場します。元盗人で鷺原の九平が営む“居酒屋加賀や”の名物という設定です。加賀やはもちろん架空の居酒屋でしょうけど。芋酒は実在したのだろうか。江戸期の京阪で芋酒というと薩摩の焼酎のことですね。それはともかく、この物語の通りに作ってみます。


 材料は長芋と日本酒だけ。日本酒もあまり良いものは勿体ないので。。。。
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 江戸期の日本酒は水で薄めて末端ではアルコール度数が5%程度だったらしいです。当時の人々が現代の日本酒を飲んだら、すぐに酔うでしょうね。

 
 物語では、長芋を角切りにして湯に浸け、擂り鉢で擂るとあります。
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 これ、とても大変です。どうしておろし金でおろしてはいけないでしょう。せめて擂り鉢の内側で擂り下しても良さそうですが。滑らかになったら日本酒を加えますが、とろろ汁より少し薄めに調整しました。


 
さて、ここで話が里芋に移ります。居酒屋加賀やの名物はもう一品。芋膾(なます)です。
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 蒸かした子芋に白身魚の酢締めを乗せたものですが、設定ではスズキやコイを用いたとか。養殖ですが、マダイの冊が安かったので代用。甘酢で〆ています。


 子芋に酢締めの切り身を乗せて、合わせ酢を回しかけ、針生姜を天盛りしました。
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 添えに湯がいたもってのほかを添えましたが、発色が悪く逆効果でした。  


 
 出来上がった芋膾とお燗した芋酒を食卓に運び、江戸時代の晩酌の開始です。
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 それだけでは物足りないので、枝豆八杯豆腐(豆腐のだし醤油煮)も添えています。


 久しぶりに栽培した里芋の料理を鬼平犯科帳に登場する居酒屋加賀やの名物、芋酒とセットで再現してみました。江戸時代の料理って質素なんですが、工夫があって蘊蓄も付随して、何故か豊かさを感じてならないのです。単なる舌の満足だけではなく、心も満たしてくれるからでしょうか。こんな和食が好きで堪りません。^^


 この芋酒芋膾、鬼平犯科帳シリーズ第5巻「兇賊」のスペシャル版の冒頭に登場します。料理番組さながらの映像と解説をお楽しみ下さい。こちらです。
 
2016/11/03(木) 05:00 | trackback(0) | comment(0)

里芋の収穫で二話 その①

カテゴリー: 料理:野菜・果物

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 つるんとした衣被ぎ(キヌカツギ)、思わず摘まんでみたくなりますよね。里芋の子芋を蒸した料理をそう呼ぶのですが、新物でないとつるりトロリとした食感は得られないので正に季節の旬味ですね。残した皮の部分を摘まむと芋の身が飛び出して口の中に飛び込みます。この食べ方もですよね。

衣被ぎとは、本来、里芋は皮を剥いて調理するところ、(皮)をまとって供されるので付いた宮中の女房詞とのこと。現在はこのように半分皮を剥いだ形が普通なので、なんて呼ぶのだろう。衣はだけ、、、か。^^


 里芋を栽培したのは十数年ぶり。これは土垂(どたれ)という品種で5株だけ植えてみました。
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 長らく植えていなかったのは、収穫までの期間が長く、草勢も旺盛で場所を取り、その割に収量も少なかったからです。それでも、時間が経つと新鮮な衣被ぎがまた食べたくなって植えてしまうのです。


 やはり、今回も大した収穫量にはなりませんでした。親芋も含めてこの程度。
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 土壌がやや砂質気味で里芋の栽培には向いていないのかも知れません。


 自分で栽培する楽しみは芋だけではありません。ズイキ(芋がら)のおまけが付くのが嬉しいですね。
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 上手く乾せたら、正月の雑煮に使います。筋が硬いので取り除くように何かで読んだので、粛々とやっていたのですが、もの凄いアク。手の平は黒くなっただけですが、手の甲が痒み出しました。そう言えば、素手ではやるなとも書いてあったのを今頃、思い出しました。^^


 さて、芋の部分の利用ですが、親芋は煮付けにします。
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 茎の直下だけにアクも強いので、切ってから酢を入れたお湯で下煮します。


 その後、ダシを利かせた煮汁でじっくり煮込みます。
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 かなり煮込んでも、崩れるどころかしっかりとした硬さを維持しています。


 小芋や孫芋の方は蒸かして衣被ぎに。形の良い芋には皮に切れ目を入れておきました。
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 大きさも不揃いなので硬さを見ながら小さい芋から取り出していきます。


 里芋の葉っぱに盛り付けた親子里芋。^^
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 親芋の煮物と小芋の衣被ぎです。なんか、縄文の雰囲気が漂いますね。。。


 
この日はちょう満月。
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 月を愛でながら収穫したばかりの里芋で一献。遠く古(いにしえ)の人々もこうして収穫を喜び合ったのでしょうね。


 
 その日に収穫した里芋を即席で料理してみましたが、子芋、孫芋の粘りや柔らかさに比べ親芋のしゃっきり感は対照的。子や孫のために自分の澱粉を消耗させたのでしょうか。ともあれ、この親子三代里芋一家子孫繁栄の象徴とされてきました。正月の煮しめに里芋が入るのはこれに肖るためでしたね。来年の正月は自分で栽培した里芋ズイキ(芋がら)で新年を祝いましょう。^^
2016/10/31(月) 05:00 | trackback(0) | comment(0)

ズッキーニで和風料理二品

カテゴリー: 料理:野菜・果物

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 大規模家庭菜園をやっている近くの先輩からズッキーニを沢山頂きました。ズッキーニは草勢が強く場所も取りますので、我が家のような小規模家庭菜園には不向きなのです。ズッキーニと言いますと、フリットにしたり、グリルしてバルサミコ酢ソースかトマトと煮込むカポナータが定番ですが、それでは芸がないので、今回は和風に料理してみようと思い立ちました。^^




 結論からお見せしますとこれら二品です。
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 ズッキーニ煎り酒漬け(手前)と鴫(しぎ)焼き(奥)です。煎り酒は以前にもご紹介(関連記事)しましたように醤油が普及する以前の江戸時代の調味料。鴫焼きは本来、タシギやヤマシギ等のシギ科の鳥を焼いたものでしたが、ナスに詰めた料理が広まり、それが精進料理の世界で茄子だけの料理となって、茄子の味噌田楽や鍋で味噌炒めした料理(鍋鴫)を鴫焼きと呼ぶようになりました。




 最初に煎り酒漬けを作ります。煎り酒は日本酒に梅干しと鰹節、昆布などを加えて煮詰めた後、漉したものです。白身の刺身やタコ・イカなどの軟体動物によく合います。そうそう、ホヤにもぴったりでしたね。
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 ただ、漬け込み液としては弱いので、味醂醸造酢藻塩を加えて味にメリハリを付けました。刺身の醤油の代わりに使う時も少し塩を足した方がよいですね。現代の梅干しだけでは塩味が弱く感じます。



 漬け込み液が出来ましたら、ズッキーニを炒めていきます。
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 炒めると言うより、ごく少量の油で片面ずつじっくり焦がしていく感じですね。彩りにパプリカも加えました。



 箸がスッと刺さるようになったら焼きは完了です。煎り酒ベースの漬け込み液に浸漬しましょう。
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 半日も漬け込めば味が染みて食べられます。



 続いてズッキーニ鴫焼きですが、惣菜としてボリュームを出すために豚肉と厚揚げも加えます。
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 調味料は白味噌、きび糖を日本酒で溶いたものです。香り付けに生姜の千切りも使います。



 最初にズッキーニを油通しします。
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 熱を均一に通し、形を崩さないための前処理です。



 油をよく切りましたら、生姜を炒め、肉を加えます。
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 続いて厚揚げを加えて温まったら、調味料を混ぜ合わせれば完成です。



 ズッキーニはこのような日本の料理にもよく合います。
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 カボチャの仲間と言っても、加熱すると冬瓜や夕顔のような食感になりますので、当然ながら和食にも向くわけです。




 以前、何度かズッキーニを栽培したことがありましたが、場所を取る割には収量が少ないので、しばらく作っていませんでした。夏の間はあまり野菜も買わないで済むので、知らず知らずズッキーニとも疎遠になってましたが、先輩のおかげで今回は久々に堪能できました。ありがとうございました。m(_ _)m
2016/08/01(月) 05:00 | trackback(0) | comment(0)

今年もペスト(バジルペースト)を作ります

カテゴリー: 料理:野菜・果物

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 この記事も9月上旬の話題です。イタリアレポート執筆で滞った分を取り戻すのに必死です。^^ 今回もちょっとイタリアに関連するペスト、つまりジェノヴァ式バジルペースト作りの話題です。



 毎年数株ずつ植えているバジリコも穂の実が膨らみ始めています。枝から葉を外していますが、辺り一面にバジリコの香りが漂います。
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 慌ただしい夏が終わろうとしているのに、秋冬野菜への植え替えが遅れてしましました。名残の夏野菜にもまだ実が付いていますが、畑が狭いので一気に引き抜きます。



 ペストの材料は至ってシンプル。バジリコの葉と塩とニンニクとオリーブオイルです。
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 料理にすぐ使う場合は、最初から松のなどのナッツ類も摺り合わせますが、長く保存する場合は、後から加えましょう。




 今回はイタリア土産の最高級EXヴァージン、SALVANGNOのオーリオを使います。
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 北イタリアのヴェローナでオリーブ農園を見学し、痛く感銘して買ってきました。宮城でもじぇるぶ岩沼さんで扱っていますよ。




 フープロで洗って乾かしたバジリコの葉を攪拌していきます。
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 最初にニンニクを1片分入れておきます。少しずつ葉を押し込みながらペースト状にしていきます。あらまし攪拌出来たら、オリーブオイルと塩を加えさらにねっとりするまでウィ~ンです。バケツ一杯もあったバジリコの葉が情けないくらいにまとまってしまいます。




 煮沸滅菌した瓶に詰めて出来上がり。
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 長期保存をする場合は冷凍庫に入れて下さい。




 ペスト(バジリックペースト)はパスタだけではなく、このような豚しゃぶのタレとしても使えます。
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 同じ豚しゃぶでも卓上にジェノヴァの風が吹いてきます。^^




 茹でスルメイカに和えてみました。
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 バジリコの清々しい香りとオリーブオイルのコクで非日常的な和え物となります。これはアンティパストに使えるな。




 この夏のイタリア遠征で北イタリアの料理をいろいろ勉強してきましたが(関連記事)、ナッツ抜きのペスト(バジルオイル)を焼き魚や肉に垂らして供するプレートを見かけました。パスタだけではなくあらゆる食材に適合するイタリア万能ソースなんですね。これから色々試してみます。^^

 
2015/10/29(木) 05:00 | trackback(0) | comment(2)