夜ノ焼魚 ちょーちょむすび(上杉@仙台)

カテゴリー: 外食:居酒屋・割烹

  仙台に予約の取れない人気居酒屋さんがあります。その名は『ちょーちょ』。 「奢らず昂ぶらず、常に謙虚であること。技術を磨き、来てくださるお客様ひとりひとりに真摯に向き合い、気取らず飾らず、元気をもらえる居酒屋に」をモットーとした実に居心地のよろしい食空間を醸し出しています。

 お客第一のコンセプトはよく聞きますが、それを実際に具現化している処はそれほど多くはありません。私の知るところでは麺屋武蔵さんもこれで成功した事例でしょう。この『ちょーちょ』さんが2号店をオープンさせました。今度は『夜ノ焼魚 ちょーちょむすび』です。県庁裏の上杉に出来た「仙台で一番楽しいカウンター」を売りにしたお店です。カウンター内側の囲炉裏で串に刺した魚を焼いてくれます。この辺りは気仙沼の福よしさんのインスパイアかな。

 さて、気になるこの『ちょーちょむすび』さん、我が職場の名幹事がテーブル席ではありますが、全て借り切る快挙に出ました。実にラッキーです。大所帯で乗り込みます。


 1号店と同じようにエントランスには曲木の梁が存在感を示しています。
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 この場所はかつて、酒盛りのために通った大衆蕎麦屋さんだったはず。すっかり粋な店に返信しました。


 隅々まで神経が行き届いています。炭火焼きをそのまま押し出すのではなく、「夜ノ焼魚」と心に残るキャッチでアピールしています。
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 1号店のちょーちょに対し、ちょーちょむすびのネーミングも見事です。そのコンセプトも語られるまでもなくわかるような気がします。


 これが自慢のカウンター席。どこからでも魚を串で焼く様子が眺められます。
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 それを見ていると思わず食べたくなる仕組みです。^^ でも、今夜はテーブル席。いつか二人で来てみよう。^^


 突き出しはメヒカリの唐揚げとジャガイモの竜田揚げ。
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 色紙がさりげなく敷いてあります。今夜は飲み放題のコースでお願いしています。4000円だったかな。


 刺身の盛り合わせですが、残念なことに裏からの撮影です。鰆と勘八と桜鱒とのこと。
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 皿が大きく、図々しく自分の方に正面をむけることも出来ずそのまま撮影。取り分けると下のようになります。


 炙り〆鯖はテーブルで完成させます。片手に持ったレモンが次の仕事を連想させます。
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 結構、長い間炙っていましたね。中まで熱が通るのではと気掛かりです。^^


 炙ることで脂が溶けて、口に入れた瞬間に甘味が広がります。
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 今では珍しくもなくなりましたが、最初にやった人の思い付きに敬服します。


 これは自家製薩摩揚げですが、ふわふわでムースを揚げたような感じです。
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 同じ魚の料理でも大きな変化があって面白いです。冷たい物が続いた後に熱々が出てくる配慮も憎いです。


 ここで魚から鶏に変わります。宮崎の地鶏のような少し煤ける焼き方です。
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 やはり炭で焼いた肉は美味いなぁ。火の通し方も絶妙です。この後に鍋も出たのですが、話に夢中で撮影を失念。^^



 根強い人気の居酒屋さんには共通した類似点がありますね。強烈な個性ではなく、ノスタルジーも感じさせつつもコンテンポラリーな刺激もあり、コンセプトを押し付けるのではなく、お客第一をマニュアルではなく心から実践する。。。。こんなお店かなと愚考します。形だけ人気店を模倣した店も乱立していますが、また来ようという気持ちになりません。お客満足はかなりメンタルな部分が多いと思います。安さで釣っても満足感が得られなければ、二度と足を運ばないでしょう。こちらのようなお店が居酒屋の標準になりますと、質の悪い客引きで夜のイメージが劣化した夜の仙台にも爽やかな風が吹き渡りそうです。
2017/06/15(木) 05:00 | trackback(0) | comment(0)

【塩竈市】わたつみで魚料理

カテゴリー: 外食:居酒屋・割烹

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 九州から旧友が訪ねてきました。彼も私と同じ水産人。水産物の目も舌も肥えています。そのような方を港町で持て成すとすれば、あそこしかありません。敷居も高くなく、不必要に飾らず、料理の実力で大繁盛している塩竈のわたつみさんです。予約なしではまず入れないでしょう。この日もなんとかカウンター2席を確保できました。


  お料理は3000円でお願いしました。前菜から佳い仕事をされています。
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 蛍烏賊酢味噌、山菜茸浸し物、蛸・牡蠣旨煮、オクラと充実しています。



  お造りは〆鯖、鰹、牡丹海老。ここからお酒に切り替え、浦霞阿部勘を飲み倒して行きます。^^
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 〆鯖の〆具合が素晴らしい。鰹もこの時期だと漁場はまだ西日本ですね。


  春牡蠣の霙煮ですね。
 
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 春の牡蠣は身がふっくら。加熱調理にはこの時期の牡蠣が最適です。


 の照り焼きとなにか皮剥のような食感の魚の利休焼き。聞き忘れてしまいました。^^
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 隠れていますが、小型の鰈の骨煎餅も盛り合わされていました。


  揚げ物は春らしく白魚蕗の薹のかき揚げに河豚の空揚げです。
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 河豚は黒鯖河豚とのことでした。フグ類では珍しく無毒のフグ。でも、南方のものは毒化することがありますね。仙台湾でも夏に釣れることがあります。


  〆は鴨と滑子の蕎麦でした。
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 芹の香りもこの蕎麦にはよく合います。蕎麦は親方の手打ちでしょうか。聞きませんでした。


  客人が九州では食べられないものをと追加でお願いした目光の干物です。
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 ホクホクの身が口の中で溶けていきます。彼も大喜び。そうか、九州では目光が食べられないんだ。




  すっかり時間の経つのを忘れて牡蠣養殖の話に熱中してしまいました。私が最近、蕎麦打ちを始めたことを伝えると、彼はパン作りにはまってしまったらしいのです。果実から天然酵母を採集し、低温培養もやっているとのこと。 確かに種苗生産を手掛ける者にとっては培養は日常茶飯事ですからね。

 それにしても、わたつみの後藤親方は若いのにしっかりした腕前です。わたつみさんは居酒屋というより割烹レベルですね。それでいてリーズナブルなお値段で提供されていますので大繁盛も頷けます。お酒も県内の選りすぐりを揃えています。すっかり呑み過ぎて、料理よりお酒の方が高く付いてしまいました。^^


     食彩庵 わたつみ



・所在地  :宮城県塩竈市海岸通2-16
・電 話  :022-366-5160
・営業時間 :17:00~23:00
・定休日  :日曜日
・駐車場  :なし(周辺に有料多数)
2016/05/02(月) 05:00 | trackback(0) | comment(0)

【塩竈市】隠れ炉ばた焼き 釧路

カテゴリー: 外食:居酒屋・割烹

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 今まで塩竈の尾島町で呑んだことは計り知れないのですが、こんな所にこんな良い店があったのかと驚いてしまいました。尾島町でも最もディープなエリアと言っても過言ではありません。ぐるなびにも食べログにも引っ掛かってこないのが魅力です。本当に落ち着いた佳いお店なので今回は場所を伏せます。店の雰囲気を壊すような人に知られたら、常連さんに怒られますので。。。^^




 尾島町でもここまで奥に足を踏み入れたことはありませんでした。
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 一人だったら、絶対に近づかなかったと思います。^^




 いわゆる釧路スタイルの炉ばた焼きなのですが、カウンターだけの小さなお店。上品な女将さんが一人でやっています。
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 炉ばた焼きの発祥は仙台の国分町とされますが、そこで修行した職人が釧路で店を開き、それが広がったとのこと。カウンターの中に大きな煉瓦作りの囲炉裏があり魚貝類が主体の焼き物を食べさせてくれます。




 お通しはキハダと宮城県産キタムラサキウニ。
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 ウニはミョウバン処理をしていないのでねっとりとして甘味が凄い。




 豆のサラダ。これもお通しです。
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 紫蘇ドレッシングがかけてあります。なかなか気の利いた小皿です。




 
魚の前に焼き茄子を頂きます。生姜が効いて初夏の味。
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 これは焼き網の下の炭火に放り込んで焼いておりました。




 ムシガレイの干物。もちろん本柳ではなく、たぶんヒレグロでしょう。
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 炭火焼の効果がよく表れていています。表面はカリッとしていますが、中はしっとり。




 これは北海道鵡川の本柳葉魚(シシャモ)。雌雄のペアで供されます。
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 日頃食べている輸入物のカペリン(カラフトシシャモ)とは雲泥の差です。肉自体が美味しい。




 定番のホッケの干物。脂が適度に回ってご機嫌な味わい。
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 ガス火と違って表面はパリパリ。皮まで旨い。あまりの美味しさに二人でビール数本と浦霞純米生酒(4合)を2本も開けてしました。^^




 続いてホタテの殻焼き。
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 火の通し方が神業です。生を越えたその瞬間という感じ。




 締めには温麺を出してくれました。
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 これはメニューにはないので女将さんが機転を利かしてくれたのでしょう。




 尾島町の最もディープなエリアで隠れるように暖簾を下げる釧路式炉ばた焼き。40年の歴史があるそうですが、全く知りませんでした。演歌はかかっていますが、静かに呑みたい時に最適なお店です。絶妙な焼き加減の魚貝類を肴に浦霞を呑む幸せ。このお店、検索では不思議なことに既になくなった別の店しかヒットしないのです。でも、この記事にヒントがありますので大人呑みのできる方、是非探してみて下さい。^^




 炉ばた焼 釧路


・所在地   :宮城県塩竈市尾島町・・・
・電  話   :・・・
・営業時間  :18:00~23:00
・定休日   :日・月曜日
・駐車場   :なし

2015/06/17(水) 05:00 | trackback(0) | comment(2)

ワカメ料理と浦霞 in あだん

カテゴリー: 外食:居酒屋・割烹

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 3月末のことですが、浦霞醸造元の株式会社佐浦さんが年に4回開催している「旬どきうまいもの自慢会」の春の集いでした。四季折々の旬の食材を様々な料理でそれに合わせた浦霞とともに楽しむ素敵なイベントなのです。毎回、その食材に関係する方を招いて、食材の特色や生産の苦労などを解説して頂く趣向です。今回はワカメがテーマ。私に声が掛かりました。(今回はやや暗い会場でスマホ撮影です。)




 本日、提供される浦霞の各種。
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これだけの種類が一度に楽しめるのも呑兵衛にとっては盆と正月並みですね。^^




 本日のお献立です。ワカメは主役になりにくいのですが、所々に使われます。
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 会場となった名掛丁のあだんさんはモダンな和の空間でみちのくの食材をオリジナルな料理も織り交ぜて楽しませてくれます。




 乾杯のお酒は純米吟醸生酒春酣です。
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スタートから日本酒なのでチェイサーの仕込み水が欠かせません。




 前菜の五点盛りですね。
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白魚や蛤など春の味覚が盛り込まれています。ワカメも所々に見えますね。




 お造り五点盛り。早くもカツオが登場します。
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 秀逸だったのは一番奥のアカメフグ。厚めに切ってあるので歯応えが凄い。




 ここで15分ほどワカメに関するお勉強。
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 2回に分けてお話するのですが、前半はワカメの生物学や養殖などの話。後半はお酒も回ってきますので料理の話にさせて頂きました。




 名残の鱈の道明寺蒸しですね。
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 桜の香りが素晴らしい。




 筍と鰆の木の芽焼きです。
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 筍も鰆もみちのくではまだ先。西日本のものでしょう。添え物の空豆に遊び心が見られます。




 メインの短角牛のステーキです。
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 味わいの深い赤身です。山葵がよく合います。




 ここで2回目のお話。ワカメ料理について語ります。
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 正直、こちらもかなり酔っていますので、漫談のようになってます。^^




 これは珍しい。メカブのフライです。
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 白魚の海苔巻き揚げも春の味わいですね。




 この酢の物は手が込んでいます。
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 ワカメと豆乳かんの博多に苺入りの吉野酢がかけてあります。




 毎回楽しい旬どきうまいもの自慢会。今回はワカメがテーマの料理でしたが、ワカメでは値段が取れないのか、脇役やちょい役になっていました。確かにワカメ料理が次から次と出てきては参加された皆様も飽きてしまうでしょうね。それぞれの料理にどの浦霞を組み合わせるかもスタッフの皆様で悩まれたことでしょう。お疲れ様でした。また、水産物の時にはお声がけ下さいませ。

2015/04/08(水) 05:00 | trackback(0) | comment(0)

Ostra de ole(オストラデオーレ)初訪問

カテゴリー: 外食:居酒屋・割烹

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  国分町と広瀬通の角に雄勝の養殖業者伊藤浩光さんが昨年11月にオイスターバーをオープンさせました。彼はUターンで養殖業に就業し、ホヤやホタテを主体に生産活動を行ってきましたが、その矢先にあの東日本大震災の津波で壊滅しました。その後、地元漁師と立ち上げた合同会社オーガッツ(OH!GUTS)で生産から販売までの一気通貫を目指して頑張ってきました。そして、さらに発展させた(株)海遊を設立し、この度のオイスターバーの開業となったのです。生産者が直にやっているオイスターバーは全国でも珍しいでしょう。それだけに品質やCPに大きな期待をしてしまいます。

 



 お店の名前は Ostra de ole(オストラデオーレ)。俺の牡蠣というスペイン語とか。。。
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 Oleってスペインのフラメンコなどでかけられる感嘆語のOleですよね。これをと洒落たのでしょうか。坂本社長ののシリーズも一世風靡しましたからね。^^




 お店に入って直ぐに目に付くのは山積みの牡蠣。
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 よく見ますとサイズや形状、カップの深さはバラツキがあります。シングルシードから育てた牡蠣ではないようです。




 カウンターの他に幾つかの丸テーブルもあり、食器類は引き出しに収められています。
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 これ、いいですね。意外性が心をつかみます。こういうのって、伊藤さんのセンスなんだろうか。それとも居抜きなのかなぁ。




 まずはエビスで喉を潤します。
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 突き出しは牡蠣、豆腐、昆布のおでん風煮物。これは身もぷっくらで佳い牡蠣です。




 さて、まずはハーフシェルを。産地は雄勝と東松島の東名(鳴瀬)でした。
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 10個でお願いしますと1個180円と東京では考えられないお値段です。形や厚みは様々ですがこのお値段なら文句無いでしょう。




 ソースはこちらの10種類から好きに掛けて食べることが出来ます。
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 試してみましたが、味や香りが強く牡蠣の味わいが霞みます。やはり牡蠣好きならせいぜいレモン程度でしょうね。




 雄勝といえば、ホタテの名産地。ここではホタテの刺身もオシャレに供されます。
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 貝柱を横ではなく、縦に切ってありました。ホタテをよく知っている証拠です。縦に走る筋繊維を薄くしてしまったら、折角の活ホタテの歯応えが台無しですからね。




 そして圧巻はこれ。白子の湯引きに野菜たっぷりのソース。
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 それは驚きました。白子の濃厚な味わいはこのようなソースでも屈することがありません。白子の新しい側面を見ることが出来ました。




 カウンターに目をやりますと海ノ蔵海賊酒??? なんじゃそりゃ?
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 一ノ蔵さんの純米吟醸酒をホタテの養殖カゴに入れて水深25mの海中で寝かせたのだそうです。瓶にはフジツボが付いていますよ。味わいは実に円か。波の振動を受けてアルコールの刺が全くなくなっています。




 雄勝といえば、ホタテについでホヤも有名。震災後、やっと出荷にまで漕ぎ着けました。これはホヤのアヒージョ。これも意表を突く美味しさでした。
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 バケットに乗せてパクついて、ワインで流し込む幸せ。こんなことが身近で出来るようになったのです。今度は牡蠣とホタテとホヤの三種混合アヒージョを作ってもらいたいなぁ。^^



 震災前にはちょくちょくお目にかかっていた伊藤さんですが、震災後は役場の支援で一度雄勝に行っただけで、その後、気仙沼が本拠地となりました。久しぶりにお会いしましたが、すっかり都会の顔になっていたのは驚きました。やがて。シングルシードにも取り組んで頂きたいと思いますが、牡蠣の名産地、宮城では値頃感のない牡蠣は人気が出ないでしょう。産地ならではのこの安さと新鮮さがOstra de oleさんの魅力でしょう。今後もこのような気が置けないお手軽なオイスターバーが仙台に増えてくれることを心から望みます。 



Ostra de ole(オストラデオーレ)


・所在地   :仙台市青葉区国分町2-1-3 エーラクフレンディアビル1F
・電 話   :050-5787-6281
・営業時間  :17:00~翌1:00
・定休日   :日曜日
・駐車場   :なし

2015/01/21(水) 05:00 | trackback(0) | comment(6)