(11)本場の参鶏湯に感服・・・・一人鶏一羽
カテゴリー: 外食:その他
韓国食聞録と称して、全20編のシリーズで韓国で食べた料理と食文化をお伝えしていますが、やっと半分が終わりました。こうして振り返ってみますと、なんだか、韓国で食べてばかりいたように思えてしまいますね。実際は朝から夜までハードなスケジュールで仕事をこなしているのですが、有り難いことに一日三食はきちんと摂れました。その記録を整理してご報告しております。
晋州最後の夜は慶尚大学のJ先生に連れられて、韓国の伝統料理、参鶏湯(삼계탕)の専門店にやって参りました。
夜遅くなってからの食事なので、さっぱりしつつも滋養がある参鶏湯を選んで下さったのでした。
こちらのお店は碩原さんといい、先生一押しの参鶏湯を食べさせてくるそうです。
晋州市の郊外にあり、建物もかなり新しかったです。老舗が混雑する街中を離れて郊外に移転したのでしょうか。入り口の棚には見事な高麗人参の焼酎漬けが展示してありました。わくわくしますね。参鶏湯の参は人参の参ですからね。きっと本物の高麗人参を使っているぞという意思表明なんでしょう。
店内は山小屋のように木の梁が露出してます。建築はよく分からないのですが、韓国の伝統的な工法なんでしょうか。
中央に廊下があり、その両側に個室が並びます。個室は板の間でテーブルと椅子ではなく、座卓が並べてありました。
座るとすぐにお酒が出されました。高麗人参のお酒です。あの独特の土臭い香りがします。
突き出しには、青唐辛子とミカンとカニかまぼこです。韓国の方は青唐辛子をポリポリやっていますが、さすがに恐くて手が出ません。これらの酒肴はもちろんサービスです。ところで、このカニかま、日本のとは似ても似つかぬもので、繊維構造がなく、ボソッとしていてカニの香りも感じません。
さらに前菜も次々運ばれきます。
毎度お馴染みの白菜キムチとカクテキ。それにニンニクの醤油漬けと生ニラの和え物。これは精がつきそうですね。^^
ぐらぐらに沸騰した参鶏湯が到着しました。そばに寄るのも恐いくらいに怒り狂っています。^^
これは一人分ですよ。一人が鶏一羽を食べるのです。と言ってもやや小ぶりのひな鶏ですので、何とか行けそうです。
このようにニラやネギを加えながら食べるのだそうです。
薬膳ですので、スープの味付けは薄めです。塩胡椒を自分で振りながら食べていきます。
鶏を割りますと、お腹の中には餅米や高麗人参などの漢方食材がぎっしり詰まっています。
鶏は箸でも崩せるくらいによく煮込んでありますので、骨が楽に取り出せます。餅米にも鶏のスープがよく染み込んで水炊きの後の雑炊のようです。ただ、高麗人参やナツメ、クコなど諸々の漢方食材の香りが加わって、日本の水炊きの味とはずいぶん異なります。薬効によるものでしょうか、食べた後もいつまでも体がぽかぽかと暖かいのです。
この日は現場と大学を行き来する大変ハードな任務をこなしたので、食後は大人しくホテルに戻ります。晋州最後の夜に相応しい素晴らしい夜景です。
晋州は昼間より夜の光景の方が見事です。南江(ナンガン)沿いの公共施設や橋がライトアップされて、実に幻想的です。疲れた体に参鶏湯の漢方が効いて血の巡りが良くなったようです。今日はぐっすり眠れそうです。
念願の本物の参鶏湯を頂くことが出来ました。烏骨鶏ではありませんでしたが、体に染みる味わいでした。さて、お値段ですが、ビックリしますよ。^^ 食前酒と前菜がついて、しかも一人鶏一羽の参鶏湯がなんとたったの960円でした。驚きでしょう。日本だと鶏の崩し身が入ったもどきでも1000円以上はしますからね。物価の違いはともかく、参鶏湯は韓国でもご馳走の部類、家族で食べに来ているお客さんが多かったですね。夏が旬の料理で夏バテ防止に汗を拭き拭き食べるらしいですね。ソウルの市場で参鶏湯漢方ミックスを買いましたので、GWに子供たちが帰って来たら作ってみましょう。

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