入院中の父親がだんだん食欲を失い病院食をほとんど食べなくなりました。腎臓も弱っているので塩分を控えた食事が出されるのですが、それが耐え難いらしいのです。点滴はしていますので最低限の栄養は何とかなっているのですが、食べないことには回復はしません。かなり、げっそりしてきましたので先生からも何か好きなもの少しだけと許可が出ました。それで父親からのリクエストは葉唐辛子の佃煮だったのです。
今年は唐辛子の成長が少し遅れ気味、暑さと水不足によるのでしょうか。
例年、唐辛子の実が赤くなって収穫が終わった残りの葉っぱの有効利用として佃煮にしているのですが、まだ実が小さいうちに葉っぱを取ってしまったら、ますます、成長が悪くなりそうです。ですが、添加物の入った市販のものより手作りの方が美味しいので、3分の1くらいの葉を摘み取ります。
これくらいあれば、小瓶一つ分は出来るでしょう。
手作りですから防腐剤は使いませんので日持ちもしません。それに、食べ過ぎても体によくないのであまり多くない方がよいのです。
まず、よく洗った葉っぱは下茹でしてアクを除きます。
葉っぱの緑が濃くなって、へなっとなるくらいで岡揚げします。
調味料は醤油と味醂だけで、砂糖は使いません。すっきり辛めに仕上げます。
ピリッとした辛味を付けるために青唐辛子の輪切りを2本分くらい加えます。
煮詰め始めてから15分ぐらい経過しました。
だいぶ色が濃くなってきましたが、まだ緑色が残っています。日持ちさせるために、さらに水分を飛ばします。
30分くらい経過して、このように煮詰まれば完成です。
最後の方は焦げ付きやすいので、絶えず底を掻き回していなければなりません。手間のかかる作業です。
熱いうちに熱湯で滅菌した瓶に詰めます。
もう1本は以前にご紹介したキュウリの佃煮です。作り方はこちらをご覧下さい。
病院に届ける前にちょっと味見。
唐辛子独特の凛とした香りとピリッと来る辛味がご飯とベストマッチ。これならば、誰でもご飯が進みます。
さっそく、見舞いかたがた、病院に届けてきましたが、食事時ではなかったのでちゃんとご飯を食べたか見届けることが出来ませんでした。付き添っている母親によるとしっかり食べていたとことで安心しました。手間のかかる佃煮ですが、これくらいで親孝行になればた易いものです。今年の3月下旬に亡くなった義父も塩分を控えた病院食を食べることが出来ず、最後の1カ月は医師の了承の上で大好きな寿司ばかり食べていました。治る見込みのない病気でしたので、この選択は正しかったと思います。自分も最期が近づいて好きな物を食べてよいと言われたら、一体何をリクエストするでしょう。あまりに多すぎて絞り込めません。^^
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